少年館

潮騒2

  一台の高級車が建物の前に止まると、すかさず中からスーツを着た男性2人が出てくる。そして、車のドアを開け、中に乗っていた軍服を着た若い青年将校を建物の中へとエスコートした。

　「これはこれはアドン少佐。お待ちしておりました。ネミル大佐からの紹介状承っております。これから建物の事についてとこの会員制の建物内のシステムをご案内させて頂きます。まずはこちらのお部屋にお入りください。」


 案内の者からそう言われるとアドン少佐は部屋に入り上着を脱いだ。すかさずその上着をもう一人の案内人が受け取るとそれを丁寧に高級そうな上着掛けにかけると、高級なソファーにアドン少佐を案内する。

　「ご丁寧にすまない。私はこういう所は初めてでとても緊張している。私の趣味を理解してくれた大佐から、その趣味をこの国で一番満たしてくれるであろう場所としてここを紹介してくれたんだが、この建物は国の所有物なのか？」

アドン少佐が案内人に尋ねた。