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三章 二人
1 遺跡に入る前に
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「これが、プロトス遺跡......」
ルーノは口を開けたまま見上げていた。
明くる日、まだ太陽の昇りきらないうちに二人は移動を開始して、プロトス遺跡の入り口までたどり着いていた。
ルーノの体調を、ミズキはひどく心配していた。
しかし、体を冷やすジェムドロップを持たせたことや、早めに就寝したことが功を奏したのか、ルーノは驚くほど回復していた。
ミズキはというと、遺跡を仰ぐルーノを尻目に既に調査をはじめていた。
「外観は特に異常なし......。周辺の地質に魔力の残滓、ほとんどなし」
ミズキの真剣な声を聞いてルーノはハッと我に返った。
何か協力しなくては。
「みーちゃん、何かあたしにできること、あるかな?」
「風も東から少し流れてきてるだけ......。確かに祭壇の方から何か感じるけど、微弱。大したことはなさそうね」
「あのー......ミズキさん?」
ブツブツと独り言を言いながら、ミズキは完全に自分だけの世界に入っていた。
すさまじい集中力である。
彼女のこういう所はいかにも学者向きだなと、ルーノは改めて思った。
アカデミアで魔法の研究をしている時も、データ採取や追試でミズキの右に出るものはいなかったという。
のめり込むと二、三日は寝ないでも平気で机にかじりついている。
その上、魔力の総量も同年代と比べると桁違いに多いというのだから末恐ろしい。
(やっぱりみーちゃんにとっては、アカデミアに残ることが一番だったんじゃないのかな......)
ルーノが冒険者になったのは、いわば必然だった。
しかしミズキは違った。
ルーノは口を開けたまま見上げていた。
明くる日、まだ太陽の昇りきらないうちに二人は移動を開始して、プロトス遺跡の入り口までたどり着いていた。
ルーノの体調を、ミズキはひどく心配していた。
しかし、体を冷やすジェムドロップを持たせたことや、早めに就寝したことが功を奏したのか、ルーノは驚くほど回復していた。
ミズキはというと、遺跡を仰ぐルーノを尻目に既に調査をはじめていた。
「外観は特に異常なし......。周辺の地質に魔力の残滓、ほとんどなし」
ミズキの真剣な声を聞いてルーノはハッと我に返った。
何か協力しなくては。
「みーちゃん、何かあたしにできること、あるかな?」
「風も東から少し流れてきてるだけ......。確かに祭壇の方から何か感じるけど、微弱。大したことはなさそうね」
「あのー......ミズキさん?」
ブツブツと独り言を言いながら、ミズキは完全に自分だけの世界に入っていた。
すさまじい集中力である。
彼女のこういう所はいかにも学者向きだなと、ルーノは改めて思った。
アカデミアで魔法の研究をしている時も、データ採取や追試でミズキの右に出るものはいなかったという。
のめり込むと二、三日は寝ないでも平気で机にかじりついている。
その上、魔力の総量も同年代と比べると桁違いに多いというのだから末恐ろしい。
(やっぱりみーちゃんにとっては、アカデミアに残ることが一番だったんじゃないのかな......)
ルーノが冒険者になったのは、いわば必然だった。
しかしミズキは違った。
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