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旅立ち
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二人の元へ戻るとそこにはカイとリリーもいた。見送りに来てくれたのだろう。
「殿下、リリー様」
「エレナ、ベアトリクスから伝言を預かっている」
ん? ベアトリクスから? ベアトリクスって今日私が出ること知ってたっけ? いや、多分言ってないよな。
「わたくしの一族のことで必死になってくれてありがとう」
ああ、その件か。別になんてことはない。私がしたくてしたことだから。
「きっとベアトリクス様はこのことを知ったら怒るでしょうね」
「目を三角にして怒るよ」
「ですね」
クリスとリリーがくすくすと笑う。とても想像ができる。
「まさか兄上も一緒に行かれるとは思いませんでした」
「まあね、可愛い妻の頼みだから」
「エレナが?」
カイが意外そうに私を見た。なんとなく恥ずかしくなって視線を逸らす。クリスはリリーと話をしていて聞いていないようだ。良かった。
カイが私を見て微笑んだ。
「エレナは兄上にはわがままを言えるんだね。安心したよ」
なんと言ったらいいのかよく分からずにいると、カイが辺りを見回した。
「早く行かないとそろそろ見回りが来る時間だ。私達も見つかるとまずい。もう部屋に戻るよ。気を付けて」
「はい、わざわざありがとうございます。またお手紙を送りますね」
「ああ」
手を振って二人を別れ、ユリウス殿下の異空間へ入る。途端に生き物の気配が消えた。これでとりあえず見つかることはない。明日の朝には見つかるけど、その後のことは陛下やカイがどうにかしてくれるだろう。
「まずはどこに行くの?」
「そうね」
最終目的はこの国の隅々までを見て周ること。その為に必要なものは移動手段だ。
「まずはフィオーレ本家に行くわ。そこで馬を借りましょう」
私のブラン。結局あれから一度も行ってないので怒っているかもしれない。だけど私は一緒に旅をするならあの子がいい。
「馬なら僕が作るよ」
馬を作る? 一瞬何を言われたか分からずにクリスと顔を見合わせる。馬を作るって、魔法で作るってことだよね……?
「生き物を作ることができるのですか?」
「おや? エレナはできないのかい?」
驚いたようにそう言うユリウス殿下はやはり格が違う。ため息が出た。
「一度試したことはありますができませんでした。命の宿らない、馬の形をしたものでしたら作れましたが」
「ものに命を宿すのは光属性の方が向いていそうなイメージだけどね」
確かに。闇属性は命を奪い、光属性は命を与える。そっちの方がしっくりくる。
「光属性も闇属性もまだよく分からないわね」
そう言うとクリスが頷いた。そして言う。
「きっとこれから分かるようになるよ。二人が一緒にいるんだから」
二人が一緒に……。
ユリウス殿下を見上げると、殿下は微笑んで馬を三頭作ってくれた。
「どれがいい?」
「……ではこの子で」
茶色と黒と白。白い子を選ぶとユリウス殿下は黒い馬にひらりと乗った。馬を触るととても不思議な感触だった。確かに馬なのだ。ぬくもりもある。だけどユリウス殿下の魔力で満たされている。とても無機質な馬。
長く乗っていたいものではない。
「着くまでの間はお借りします。ですが、やはり移動手段の確保が第一です」
クリスに手を借りて馬にまたがる。……服も調達しないといけないな。できるだけ地味な服を着て来たけど目立ってしまうことには変わりない。次の町で平民の服を手に入れて着替えよう。
三人で馬で駆ける。人のいない街並みはやはり寂しい。さらに夜なので真っ暗だ。そしてユリウス殿下の魔力に包まれている。気分的には最悪。だけど心は踊った。これから先の未来を想うと希望が溢れてきた。
「……そろそろ出るよ」
耳元でユリウス殿下の声が聞こえ、そして空気が変わった。急に息をするのが楽になる。異空間とはどこか違う澄んだ空気。
人の姿は見えない。真夜中だし裏通りなので人がいる方が珍しいだろう。だけど誰にも見られていないことにはほっとした。
前を行くユリウス殿下はスピードを緩めない。ちんたらしていると夜が明ける。人が増える前にこのまま王都を抜けてしまうのだろう。
少し走ると大きな門が見えた。そしてその先は自然が溢れている。
確か門には警備の兵がいるはず。どうするのだろう。そう思っているとまた空気が変わった。速いままで異空間に入ったので重い空気に勢いよくぶつかったような衝撃があった。気がしただけかもしれないけど。
しかし便利だ。魔法とはこうやって使いこなすものなんだと思う。これからユリウス殿下を見て学ぼう。私も魔法を上手く使えるように。
誰もいない門を抜けてそのまま少し走ると、また空気が代わり虫の声が聞こえた。ユリウス殿下がだんだんとスピードを緩めていることに気が付いた。ぴったりと横について走っていたクリスが後ろへと行って見えなくなり、ユリウス殿下をも抜かしてしまう。
私もスピードを緩めないといけない。こういう時は確か……手綱を引く。すると馬はいなないて急に止まった。クリスとユリウス殿下が横をすり抜けていく。二人とも驚いた顔をしている。
「わっ……!」
背中に強い痛みが走り、息ができなかった。体の痛みをこらえていると二人が慌てて戻って来るのが見えた。どうにか治癒魔法をかけ、大きく息をすると痛みが引いた。
「エレナ!」
先にユリウス殿下が私のところへ来た。すぐに馬を降りて走り寄ってくる。
「エレナ!!」
ユリウス殿下は今まで見たことがないほど焦っていた。どんな時も表情を崩さないユリウス殿下が必死な顔をしていた。それがなんだか嬉しくて寝転がったままふふっと笑う。
「何笑っているんだ。怪我は!?」
「大丈夫ですわ。ありがとうございます」
よいしょと立ち上がった私の手をユリウス殿下が強く引いた。
必死なその顔をじっと見つめる。近くに来たクリスがほっと安心しているのが分かった。
「骨の一本や二本は折れたかもしれません」
安心してもらうようにっこりと笑う。しかしユリウス殿下の顔にまた焦りが浮かんだ。
「もう魔法で治したので大丈夫です」
「……あ、そっか」
そんなことを忘れるほど焦ってくれたのか、この人は。ユリウス殿下は少し恥ずかしそうに視線を逸らした。
「ごめんね、情けないね」
この人にとって動揺することは、焦りを顔に出すことは情けないことなのか。
「わたくしを心配し、焦ってくれたことが情けないとおっしゃるのでしたら、わたくしは情けない殿下が好きですわ」
ユリウス殿下が目を丸くして、その後ふっと笑った。立ち上がったユリウス殿下は「そっか」と私を見た。もう一度出発しようと思い、馬に乗ろうとする私にクリスが言った。
「エレナさ、殿下に一緒に乗せてもらったら?」
……それはいいアイデアかもしれない。忘れていたけど私は馬に乗ることは上手ではないのだ。乗れるのは話ができるブランだけ。他の馬に光魔法をかけると話ができるようになるのかもしれないけど、あちこちでそういう馬を増やしたくない。特別はブランだけでいい。
ユリウス殿下を見ると、ユリウス殿下は言った。ふっと目の前の馬が消える。
「君は何でもできるんだと思っていたよ。できないことは言ってくれないと僕は分からない。君を怪我させたくない」
死ななければ何でもいいと言っていたユリウス殿下の言葉とは思えなかった。ユリウス殿下と過ごして私が少し変わったように、ユリウス殿下も変わってくれたのかもしれない。おそらくお互いにとっていい変化だ。
「ブランだったら大丈夫です。申し訳ありませんがそれまではお願いします」
頭を下げるとユリウス殿下は頷いた。二人で一頭の馬に乗る。背中にユリウス殿下の体温を感じる。不思議と心がすごく落ち着いた。
「じゃあ行こっか」
クリスの明るい声を合図に馬が動き出した。
王都を背にして私たちは走る。空が段々白み、私たちの行く先には眩しい太陽が見えた。
「殿下、リリー様」
「エレナ、ベアトリクスから伝言を預かっている」
ん? ベアトリクスから? ベアトリクスって今日私が出ること知ってたっけ? いや、多分言ってないよな。
「わたくしの一族のことで必死になってくれてありがとう」
ああ、その件か。別になんてことはない。私がしたくてしたことだから。
「きっとベアトリクス様はこのことを知ったら怒るでしょうね」
「目を三角にして怒るよ」
「ですね」
クリスとリリーがくすくすと笑う。とても想像ができる。
「まさか兄上も一緒に行かれるとは思いませんでした」
「まあね、可愛い妻の頼みだから」
「エレナが?」
カイが意外そうに私を見た。なんとなく恥ずかしくなって視線を逸らす。クリスはリリーと話をしていて聞いていないようだ。良かった。
カイが私を見て微笑んだ。
「エレナは兄上にはわがままを言えるんだね。安心したよ」
なんと言ったらいいのかよく分からずにいると、カイが辺りを見回した。
「早く行かないとそろそろ見回りが来る時間だ。私達も見つかるとまずい。もう部屋に戻るよ。気を付けて」
「はい、わざわざありがとうございます。またお手紙を送りますね」
「ああ」
手を振って二人を別れ、ユリウス殿下の異空間へ入る。途端に生き物の気配が消えた。これでとりあえず見つかることはない。明日の朝には見つかるけど、その後のことは陛下やカイがどうにかしてくれるだろう。
「まずはどこに行くの?」
「そうね」
最終目的はこの国の隅々までを見て周ること。その為に必要なものは移動手段だ。
「まずはフィオーレ本家に行くわ。そこで馬を借りましょう」
私のブラン。結局あれから一度も行ってないので怒っているかもしれない。だけど私は一緒に旅をするならあの子がいい。
「馬なら僕が作るよ」
馬を作る? 一瞬何を言われたか分からずにクリスと顔を見合わせる。馬を作るって、魔法で作るってことだよね……?
「生き物を作ることができるのですか?」
「おや? エレナはできないのかい?」
驚いたようにそう言うユリウス殿下はやはり格が違う。ため息が出た。
「一度試したことはありますができませんでした。命の宿らない、馬の形をしたものでしたら作れましたが」
「ものに命を宿すのは光属性の方が向いていそうなイメージだけどね」
確かに。闇属性は命を奪い、光属性は命を与える。そっちの方がしっくりくる。
「光属性も闇属性もまだよく分からないわね」
そう言うとクリスが頷いた。そして言う。
「きっとこれから分かるようになるよ。二人が一緒にいるんだから」
二人が一緒に……。
ユリウス殿下を見上げると、殿下は微笑んで馬を三頭作ってくれた。
「どれがいい?」
「……ではこの子で」
茶色と黒と白。白い子を選ぶとユリウス殿下は黒い馬にひらりと乗った。馬を触るととても不思議な感触だった。確かに馬なのだ。ぬくもりもある。だけどユリウス殿下の魔力で満たされている。とても無機質な馬。
長く乗っていたいものではない。
「着くまでの間はお借りします。ですが、やはり移動手段の確保が第一です」
クリスに手を借りて馬にまたがる。……服も調達しないといけないな。できるだけ地味な服を着て来たけど目立ってしまうことには変わりない。次の町で平民の服を手に入れて着替えよう。
三人で馬で駆ける。人のいない街並みはやはり寂しい。さらに夜なので真っ暗だ。そしてユリウス殿下の魔力に包まれている。気分的には最悪。だけど心は踊った。これから先の未来を想うと希望が溢れてきた。
「……そろそろ出るよ」
耳元でユリウス殿下の声が聞こえ、そして空気が変わった。急に息をするのが楽になる。異空間とはどこか違う澄んだ空気。
人の姿は見えない。真夜中だし裏通りなので人がいる方が珍しいだろう。だけど誰にも見られていないことにはほっとした。
前を行くユリウス殿下はスピードを緩めない。ちんたらしていると夜が明ける。人が増える前にこのまま王都を抜けてしまうのだろう。
少し走ると大きな門が見えた。そしてその先は自然が溢れている。
確か門には警備の兵がいるはず。どうするのだろう。そう思っているとまた空気が変わった。速いままで異空間に入ったので重い空気に勢いよくぶつかったような衝撃があった。気がしただけかもしれないけど。
しかし便利だ。魔法とはこうやって使いこなすものなんだと思う。これからユリウス殿下を見て学ぼう。私も魔法を上手く使えるように。
誰もいない門を抜けてそのまま少し走ると、また空気が代わり虫の声が聞こえた。ユリウス殿下がだんだんとスピードを緩めていることに気が付いた。ぴったりと横について走っていたクリスが後ろへと行って見えなくなり、ユリウス殿下をも抜かしてしまう。
私もスピードを緩めないといけない。こういう時は確か……手綱を引く。すると馬はいなないて急に止まった。クリスとユリウス殿下が横をすり抜けていく。二人とも驚いた顔をしている。
「わっ……!」
背中に強い痛みが走り、息ができなかった。体の痛みをこらえていると二人が慌てて戻って来るのが見えた。どうにか治癒魔法をかけ、大きく息をすると痛みが引いた。
「エレナ!」
先にユリウス殿下が私のところへ来た。すぐに馬を降りて走り寄ってくる。
「エレナ!!」
ユリウス殿下は今まで見たことがないほど焦っていた。どんな時も表情を崩さないユリウス殿下が必死な顔をしていた。それがなんだか嬉しくて寝転がったままふふっと笑う。
「何笑っているんだ。怪我は!?」
「大丈夫ですわ。ありがとうございます」
よいしょと立ち上がった私の手をユリウス殿下が強く引いた。
必死なその顔をじっと見つめる。近くに来たクリスがほっと安心しているのが分かった。
「骨の一本や二本は折れたかもしれません」
安心してもらうようにっこりと笑う。しかしユリウス殿下の顔にまた焦りが浮かんだ。
「もう魔法で治したので大丈夫です」
「……あ、そっか」
そんなことを忘れるほど焦ってくれたのか、この人は。ユリウス殿下は少し恥ずかしそうに視線を逸らした。
「ごめんね、情けないね」
この人にとって動揺することは、焦りを顔に出すことは情けないことなのか。
「わたくしを心配し、焦ってくれたことが情けないとおっしゃるのでしたら、わたくしは情けない殿下が好きですわ」
ユリウス殿下が目を丸くして、その後ふっと笑った。立ち上がったユリウス殿下は「そっか」と私を見た。もう一度出発しようと思い、馬に乗ろうとする私にクリスが言った。
「エレナさ、殿下に一緒に乗せてもらったら?」
……それはいいアイデアかもしれない。忘れていたけど私は馬に乗ることは上手ではないのだ。乗れるのは話ができるブランだけ。他の馬に光魔法をかけると話ができるようになるのかもしれないけど、あちこちでそういう馬を増やしたくない。特別はブランだけでいい。
ユリウス殿下を見ると、ユリウス殿下は言った。ふっと目の前の馬が消える。
「君は何でもできるんだと思っていたよ。できないことは言ってくれないと僕は分からない。君を怪我させたくない」
死ななければ何でもいいと言っていたユリウス殿下の言葉とは思えなかった。ユリウス殿下と過ごして私が少し変わったように、ユリウス殿下も変わってくれたのかもしれない。おそらくお互いにとっていい変化だ。
「ブランだったら大丈夫です。申し訳ありませんがそれまではお願いします」
頭を下げるとユリウス殿下は頷いた。二人で一頭の馬に乗る。背中にユリウス殿下の体温を感じる。不思議と心がすごく落ち着いた。
「じゃあ行こっか」
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