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全国大会編1

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「さて、荷造りはこれで大丈夫かな」

 半袖に短パン姿の男子高校生にして天宮神社の見習い神職、伊庭一刀は自分の部屋でボストンバッグに荷物を積めていた。
 剣道の県大会個人の部で優勝したため全国大会へ参加することになっている。その出発を明日に控えており、準備していた。

「一刀、入るよ」

 その一刀の部屋にノックをしてからセーラー服姿で入って来たのは同じく天宮神社の見習い巫女の天宮雅だ。
 幼馴染みで一刀が両親を事故で失い、遠縁であった雅の両親に引き取られて以降、兄妹のように育った。
 そのためいつものように気軽に一刀の部屋の扉を開けてしまった。

「あ、ごめん。忙しかった?」

 軽く頭を下げ、ポニーテールと豊満な胸を揺らして雅は謝った。
 大会の準備の為に一刀が早めに下校したため雅と帰宅に時差が出来てしまった。

「いや、今終わったところ」

「そう、大会頑張って優勝してね」

「勿論!」

 大きな垂れ目を潤ませ、両手を握って雅に言われてしまうと、一刀はこう答えるしか無い。

「まあ、剣道だと一寸勝手が違うから。負けるかもしれないけど」

「一刀は強いでしょう。剣の練習をしているんだから」

「そうだけど」

 何と言おうか一刀は迷ってしまった。
 一刀と雅が住む天宮神社は古より続く神社だ。何故続いているかというと裏で人に悪さをする妖魔を退治するお役目を密かに続けてきたからだ。
 一刀と雅も昔からお役目を果たすためにずっと修行を続けており、中でも一刀は剣が優れていた。妖魔の討滅も何度も行っており、時に死にかける実戦も経験していて一刀自身も自分は強いと自負している。
 しかし、ルールに基づき怪我をしないように行う剣道とは全く違う。
 引き際や攻め時を自由に選択出来ないし、試合場から出る事が出来ず自由に戦えない。足場も板張りで社費物となる木々も無いので地の利を行かすことが出来ない。
 実戦とは違う環境で戦う事を余儀なくされるため、勝機は薄いと考えていた。

「一刀なら大丈夫!」

 だが一刀の弱気を雅は大声で払った。

「絶対に勝てるから」

「……ああ、ありがとう」

 雅の応援を受けて一刀はようやく笑った。

「うん、でもこんなに言っておいて応援に行けなくてゴメンね」

「仕方ないよ。お役目があるんだから」

 妖魔が何時現れるか分からず、一刀達は頻繁に天宮神社を空に出来ない。
 これまで一刀が県大会で決勝戦でワザと負けていたのも、数日間神社を離れてしまう全国大会に参加しないようにするためだ。
 だから今回参加出来たのは嬉しいし、お役目の責任者である養父の許しも得ている。
 だが流石に雅も抜けることは許されず、剣道部顧問の先生のみが付き添い一刀一人で全国大会に行くことになる。

「それより、雅こそ大丈夫? お役目を果たせる?」

「だ、大丈夫! 私は大丈夫だから」

 上ずった声で雅は答える。

「でも、雅は」

 一刀の口は重くなった。雅には特殊な事情があり、二人の間でしか知らない秘密がある。
 それなのに自分一人が遠く離れて全国大会に行って良いのかという迷いがある。

「やっぱり、大会は辞退しようか」

「ダメよ!」

 一刀の言葉に雅は大声で叫んで止めた。

「一刀が全力を出せる機会なのよ! なのに行かないとか言わないで! 私は一人でも大丈夫だから」

「ちょ、ちょっと」

「大丈夫! 大丈夫だから一刀は心配せずに全国大会に行って!」

「ああ、わかった。ちゃんといくから。参加するから」

「そう、良かった」

 必死に言って安心したのか雅の体勢が崩れた。

「雅!」

 床に倒れそうになったのを一刀が抱きかかえて防ぎ、肩を揺らして尋ねる。

「雅、大丈夫か!」

 一刀の声に応えるように雅の顔が動く。
 しかし上がった顔、まだ顔が俯いているため一刀からは口元しか見えないが、その口端が妖艶に吊り上がっていた。

「……玉兎か?」

「そうじゃ」

 雅が顔を上げた時、先ほどまでの穏やかな垂れ目は険しい切れ長の瞳に変わり、顔のパーツは不敵な笑みを含み全体が妖艶な雰囲気を醸し出している。
 まるで人が変わったかのように雰囲気が変わった。いや、実際に変わっている。

「そう心配する必要は無いじゃろう」

 一刀の腕から離れて腰に手を当てて不敵に笑ったのは玉兎。
 雅の中に封印されている妖魔である。
 かつて玉兎は一刀と雅が対戦した妖魔だが、討滅に失敗しかけて雅が身体の中に封印した。しかし、封印は不十分で雅はふとした拍子に封じた玉兎に意識を乗っ取られる。
 そのことは一刀と雅だけの秘密だった。

「お前が出て来なければ心配は無かったんだが」

 玉兎の存在が一刀が全国大会に前向きになれない理由の一つだった。いつまた雅の身体を乗っ取るか判らない。自分が全国大会出場で離れているとき、乗っ取られては対応できない。
 現に今、乗っ取っていて一刀の不安を増幅させた。

「悲しいのう。折角全国大会に出る後押しをしてやったというのに」

 顔に手を当てて泣く振りを玉兎がすると、一刀は言葉に詰まった。
 前に玉兎が高校で雅と入れ替わったとき、一刀は全国大会に行くと断言し、一刀の背中を押したのは玉兎だった。
 もし玉兎の後押しが無ければ今回も県大会の決勝でワザと負けて全国大会出場は無かった。

「そのことには感謝しているよ。だけど、雅の身体を乗っ取るのは止めてくれ」

「それは無理じゃな。最近はふとした拍子に変わることが多いからの。原因が分からなければ防ぐ事は出来ぬ」

「じゃあ」

「しかし、そなたが優勝して帰ってくるまで何もしないと約束しよう。それにこの女子には何も無いと約束する。だから安心して大会に行くのじゃ」

「お前が出ているのに安心出来るか」

 一刀が嫌悪感を抱いて話すが、玉兎は真剣な表情でじっと見つめていた。
 いつものような嘲りも笑いも無く、唯々真剣に自分は約束を守るという意志の光をその瞳に宿していた。

「……ああ、わかったよ。お前を信じる」

「約束じゃ」

 一刀の言葉で玉兎はいつもの調子に戻った。
 そして自然に一刀の顔に近付き、キスをした。

「なっ」

「誓いのキスじゃ」

「いきなりするなよ」

「いつもの事じゃろ。そして」

 玉兎は一刀に抱きつくとベッドに押し倒して腹の上に跨がった。

「これは勝利の前祝いじゃ。戦の前の景気づけよ。たんと味わうが良い」

 そう言って、玉兎はセーラー服を脱ぎ始める。スカーフを外し上着を脱ぐとスカートを下げる。
 その下から出てきたのは、スク水タイツだった。

「其方が好きであろう」

 時下に玉兎は話すと、一刀に抱きつきキスをした。
 身体から脚まで密着させ、水着とタイツの滑らかな感触と身体の柔らかさを存分に叩き付ける。特に胸の部分は柔らかく、先端が徐々に堅くなり一刀の胸板を強くなぞる。
 キスも舌を入れて口の中を思う存分に蹂躙する。
 一刀の身体が熱くなり十分に興奮したところで玉兎は身体を引きおこして一刀を見下ろす。
 そしてスク水の紐を両手で引っ張り徐々に下ろして行く。
 濃紺の光沢を放つスク水から白い艶やかな肌が表れて行く。胸の先端が引っかかっても一時のことに過ぎず寧ろ外れるとき、一気に下に下り、衝撃で胸が揺れた。
 水着は更に降りて行き、腰の部分で両手でタイツごと掴み直して更に下に下ろす。
 その様子は天女の羽衣が地上に降りてくるようだ。

「お主が大会で優勝出来るようたっぷりと力を与えようぞ」

「お前に精気を与える事になるんだが」

 人間の中に流れるエネルギー精気を妖魔は好む。その精気を使って攻撃する術に長けるのが一刀たちお役目の人間だ。
 玉兎を封印するには精気を雅に注ぎ込むしかないのだが、精気を使って身体能力を強化することで戦う一刀にとって大会前に精気を移すのは戦力ダウンだ。

「細かいことは気にせぬ事じゃ。それともいやかの」

 妖艶な微笑みを浮かべて玉兎は尋ねてて来た。
 拒むなんて絶対に無理。
 既に一刀の逸物は痛いほど堅く天に向かって伸びている。
 このまま嫌という事など出来ない。
 一刀は玉兎の腰を両手で掴んで引き寄せ、秘所の裂け目に自分の逸物を突き刺した。
 玉兎も抵抗せず寧ろ奥に引き込むように膣を動かす。更に腰も上下に動かして逸物を摩りその感触を楽しむ。
 そして一刀の両手を掴み、ホルモンの働きか更に大きくなり痛くなる乳房に当てて摩らせる。
 柔らかい乳房と堅くなった先端の感触が手に伝わり一刀は更に興奮する。
 やがて限界に至り、子宮の中に自分の情熱を叩き付けた。
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