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ブルーの気持ち

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「プリンス……」

 一樹の強い制止にブルーは戸惑いつつも動きを止めた。

「どうしてこんな事をするんだ」

「力を貰いませんとプリンスをお守りできません」

「いや、こんなことをしなくても他に方法が有るだろう」

「これが一番効率的なのです」

「だとしても強引すぎる。これじゃあ、ダークネブラと一緒じゃないか」

「す、済みません!」

 慌ててブルは顔を離し、拘束を解き頭を下げた。
 理解したようだが、表情は恐怖で歪んでおり、一樹の心を苦しくした。

「プリンスのお気持ちも考えず、強引すぎました……」

 本心から謝っているがそれ以上に怖がっている。
 まるで捨てられた犬のようだった。
 ダークネブラを退けた時の面影など全くなくそこには、か弱い少女がいるだけだった。

(どうして)

 ブルーの挙動、チラチラと一樹の様子をうかがう姿を見て一樹は答えを見いだした。

(そうか、僕に拒絶された、いや、何も手を出していないからか)

 前世からの生まれ変わり。
 プリンスと触れ合うことが何よりのご褒美だった。
 それを今まで行って折らず、堪えきれず押し倒してしまった。
 そして拒絶されて、衝撃を受けて怖がっている。
 幾ら力があっても心はか弱い女の子なのだ。
 なのに自分は拒絶してしまい、落ち込ませてしまっている。
 自分の鈍感さに一樹は、自己嫌悪に陥った。
 ならば彼女、ブルーのためにも、助けて貰った恩を返すためにも受け入れなければ。

「ゴメン、ブルー」

 一樹は優しく両手でブルーの頬を挟んだ。

「ぷ、プリンス……」

 一樹に両頬を触れられて、ブルーは戸惑うが嬉しい気持ちになる。

「助けてくれたお礼がまだだったね。直ぐにしてあげるよ」

 一樹は優しく顔を引き寄せ、キスをした。

「!」
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