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四度目の戦い アクアの作戦

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「うん……」

 アクアは気が付くとまたベッドの上に寝かされていた。

「あうっ」

 身体を起こそうとしたら先ほど責められた箇所が疼く。
 乳首と秘所がジンジンと鈍い痺れを放ち、身体が熱くなる。

「はあ」

 熱に浮かされながらもアクアは考える。
 かつてならこんな身体の感じは無かった。
 明らかに、捕まってからの責めで、感度が上がってきている。
 普通に動くだけで身体が熱くなり、性感帯が疼いて、淫らな気分になる。

「ああ……」

 そして身体を弄られたときのことを思い出してしまう。
 何度も快楽を与えられ絶頂させられた事を。
 怪人に身体を触れられ胸を揉まれたことを。
 あの巨大な男根が自分の中に入ってきた時の事を。
 思い出すと身体の疼きが増していき、あの快楽を再び欲しいと体が求めてしまう。

「ダメッ」

 自分の快楽欲求を自覚したアクアは自分自身を叱りつけた。

「拙いわね」

 このままではエッチな事しか考えられない身体と頭になってしまう。

「何とかして逃げ出さないと……」

 危機感を抱いたアクアは周りを見回す。
 ベッド脇のテーブルに食事と水差しが置かれていた。
 空腹を感じていたアクアはそれを口に入れて腹を満たした。

「何か逃げ出す方法は」

 そのとき、アクアは水差しの水に目をやった。
 そして、部屋の外から誰かが近づいてくる気配を感じた。
 アクアは、水差しの水をベッドとドアの間に振りまいた。
 直後に扉が開いて大柄な怪人と小太りの怪人が入ってきた。
 大柄な怪人はアクアが食事を平らげたのを見て満足し、視線をアクアに移す。
 アクアは睨み返してくるが、大柄な怪人はむしろ喜んでいた。
 そして胸を反らしてアクアに言い放った。

「オイメス、オレノセイドレイニナレ、オマエハオレノアナダ」

「冗談じゃ無いわ!」

 いつものようにぶしつけな台詞を言われてアクアは水球を生み出して放った。

「アクアスフィアアタック!」

 水球が大柄な怪人に向かって高速で放たれる。
 しかし、水球はアクアから見て右に偏っており大柄な怪人は左に少し動いて避けた。
 だが、それは罠だった。
 足下の水が怪人に絡みつき、避けようと動いた怪人の動きを封じる。

「!」

 水の動きは小さいものだったが身体を動かした瞬間だったため、バランスを崩した。
 そこへ背後で水球が爆発しその衝撃を受ける。
 アクアの放った水球は大柄な怪人では無く、その背後の小太りの怪人を狙った物だった。
 爆発の直撃を受けた小太りの怪人は失神して倒れた。
 大柄な怪人も爆発の衝撃を受けて大きく身体を傾ける。

「貰ったわ!」

 そこへアクアは水で剣を作って打ち込む。

「!」

 だが大柄な怪人は咄嗟に自分の剣を振り抜き、アクアの剣に打ち付ける。

「きゃあっ」

 不利な姿勢であったにもかかわらず、大柄な怪人の力は強く振り下ろしてきたアクアを剣ごとはじき返した。

「ううっ」

 運良くベッドの上に着地し、転がりながら立ち上がると間伐入れず、怪人に向かって飛びかかった。

「うっ」

 その瞬間、アクアは顔をしかめるが攻撃を止めない。
 怪人に向かって剣を振り下ろし、攻撃する。
 だが、力は怪人の方が上でありアクアの振り下ろしを片手で受け止める。
 アクアはすぐさま離れると、回り込んで斜め後ろから攻撃しようとする。
 怪人はアクアの方向へ向き直ろうとするが、足下に絡み付くアクアの水のために動きを止めらる。

「たああっ」

 そこへアクアは剣を振り下ろす。
 だが怪人は剣を背中に回し、アクアの剣を受け、不利な体勢にもかかわらず怪人は片手で止めた。

「くっ」

 渾身の一撃を止められた悔しさにアクアは呻き、焦った。

(衣装と擦れる部分が疼いて力が出ない)

 幾度も怪人によって強姦された部分が腫れてヒリヒリして敏感になり、痛みと快感をアクアに与えていた。
 特に戦闘中は激しく身体を動かすために、よけに擦れ食い込むため刺激もさらに強く動くたびに、アクアを刺激し戦闘に集中できず、力を入れられず攻撃が鈍ってしまう。
 先ほどから奇襲をかけても攻撃にキレが無く受け止められてしまうのも身体の疼きの姓だった。
 そして、身体の疼きを押さえ込むことに精神力を持って行かれいつもののように冷静に相手を分析して精密な攻撃を行えず、単調な技を繰り返すだけだった。
 怪人の足下に絡み付く水も何時までも維持は出来ない。
 時間切れが迫っていることにアクアは焦った。

「それで決めるわ!」

 アクアは再び剣を大きく振り上げて怪人に向かって振り下ろそうとする。
 怪人もそれを見て剣を振り上げて受け止めようとした。
 だがそれはアクアのフェイントだった。
 アクアは剣の軌道を逸らし、怪人の剣を避け、そのまま地面近くまで振り下ろすと剣を怪人の足に向かって切り返した。

「貰ったわ」

 剣だとどうしても防御しにくいのは足だ。
 腕から遠く、致命傷を得る箇所が少ないため、おろそかになる。
 だが、ダメージを与えれば、身体を支えられず大きく姿勢を崩すことが出来る。
 アクアの狙いを瞬時に怪人も悟り、足を引き抜こうとするが、水が絡み付いて動かせない。

(貰った!)

 アクアは勝利を確信した。

「うんっ」

 その時、アクアの全身に快感が走って小さな艶声を上げた。
 姿勢を低くしたため両脚を開いて伸ばしたため秘所とクロッチが擦れて快電が走ったためだ。
 力が弱まり、一瞬剣先が鈍る。

「このっ」

 だがそれは一瞬で再び力を入れて怪人の足をなごうとした。
 しかし、その一瞬で怪人は足に力を入れて絡み付く水を振り切った。

「!」

 アクアの剣の軌道上にあった怪人の足が高速で離れていく。アクアの剣が捕らえたのは怪人のブーツの底数ミリのみで、一部を削っただけだった。
 足を振り切った怪人は、その勢いでアクアにけりを向ける。

「しまった!」

 気がついた時には、怪人の足が目の前に迫っていた。
 攻撃しようとして迫っていたこともありアクアは怪人の蹴りを正面から受けてしまう。

「あうっ」

 腹部に強い衝撃を受けたアクアは、吹き飛ばされ、壁に叩き付けられた。
 そしてアクアは気絶してしまい、視界は暗転した。
 
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