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高校生編side晴人 好きな人が、自分を好きかもしれない。
73.聖天使の力を…!!
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前話を途中でアップしてしまったため、公開1時間後にあげ直してます。そちらをご確認いただいてからこちらをお読み下さいませm(_ _)m
●●●
「お、今日早いじゃん。」
寝癖を直してリビングを通ると、丁度蓮が座った所だった。
昨日の誓い通り早起きした俺は、後はもう部屋で着替えたら支度は終わり。
ゆっくり朝ご飯を食べる余裕すらある。
昨日の夜父さんから聞いて知ったんだけど、蓮は出発する1時間近く前から家に来て、父さんと話すのが中学の頃からの習慣らしい。
そ、そんな早く来てたのか。
せいぜい15分前くらいかと思ってたよ…。
それにしても、ほぼ毎日良く話す事あるよね。
「オ、おはヨ、蓮」
声を裏返らせながら挨拶して急いで部屋に戻る。
今朝も挙動不審な俺だけど、その理由は昨日の緊張とは違うんだな。
何を隠そう、俺は今日からある計画を始動するのであるーー。
昨日、キスマークについて調べた俺はある可能性(恥ずいから言わない)に行き着いた訳だが…。
また勘違いだったら死ねる!!
って思いがあって、それを鵜呑みにできなかった。
それでさ、何か手掛かりは無いもんかと、そのキスマについて載ってたサイト内をチラチラ見てた訳よ。
そしたら、あるじゃないですか!
『彼が貴方に気がある10のサイン』
ってやつが!!!!
『恋愛の聖天使・ブルボンヌ夢子先生』が運営するらしいこのサイト。
…胡散臭いと思ったよね?
うん、俺も。
だけどさ、この人が出した恋愛ハウツー本が大ヒットしてるんだよね。
メディアで超話題になってる。
だから興味本位で内容を見てみたんだけど…。
な、なるほど!!!!
恋愛初心者の俺にも分かりやすい。
ブルボンヌ先生ありがとう!俺、やってみます!!
早速信者になった俺は、今日から行動を開始する事にした。
さて、チェック項目は10個ある。
早速1つめから実行して行こうと、俺は着替えてリビングへ降りた。
蓮はソファに座って何か外国語の本を読んでる。
俺は不自然にならないように、隣に座ってその横顔を見つめた。
はぁぁ、今日もイケメンだなぁ。
あ、因みに内容はこんな感じ。
『1.貴方が彼を見つめた時の反応は?
(笑い掛ける、照れて目を逸らす→1ポイント)』
よし、どうだ⁉︎
暫く何のリアクションも無かったけど、見つめ続けると気付いたのか、こっちを向いた。
「何?」
これは…!!!
真顔?
少なくとも、笑い掛けたり照れたりはしてない。
「べ、別に⁉︎」
反対に俺が照れて目を逸らしてしまった。
あぁぁ!俺のは分かってんだってば!
間違いなくこの人の事好きなんですって。
ダメだ、1つ目からもうお手上げじゃん
恋愛偏差値が低い自覚はあった。
なんせ、蓮以外に好きって感じた人が今までいないんだから。
そんな恋愛偏差値が底辺の俺は、ブルボンヌ先生のありがたい教えさえも無効化しちゃうらしい。
あーあ、折角いい計画だと思ったのになぁ。
と、溜息を吐きそうになった俺の頬に何かが触れた。
片手でフニッと俺の頬を摘んだ蓮が、そのまま自分の方を向かせる。
「なぁんだよ。ん?言ってみ?」
揶揄う様な声の後、俺の目を覗き込む蓮は、いたずらっ子みたいなちょっと悪い微笑み。
キュンッ
ブルボンヌ先生ぇぇぇ!!
これは何ポイントですか⁉︎⁉︎
1ポイントどころの騒ぎじゃないって!
完全にハート撃ち抜かれたもん!
あ、待てよ。
俺が撃ち抜かれたとて意味ないのか。落ち着け。
「…な、何の本読んでんのか気になって!」
何とか冷静になった俺が言うと、蓮は本の中身を見せてきた。
「フランス語。本当は誰かさんの本だけどな?」
そう言って俺にデコピンする。
「アタッ。あぁ、それ父さんが俺に読ませたがってたやつかぁ。」
父さんは俺にもフランス語を覚えて欲しかったらしい。
が、俺があまりにも無関心なので泣く泣く諦めたそうだ。
「代わりに俺が読んでんだぜ?感謝しろよ?」
「えー?むしろさ、本を提供してる俺に感謝があってもいいんじゃない?」
「はぁ?調子乗んな。」
蓮が俺の髪をグチャグチャにする。
「おい!セットしたのに何すんだよぉ!」
「分かった分かった。直すからホラ、じっとしろ。」
蓮の言葉にブスっとしながらも動きを止めると、慣れた手付きで髪を弄られる。
「さっきよりイケてんだろ?」
「むぅ、それはその通りかも…。」
ガラステーブルに映る髪型は、さっきより動きがあっていい感じ。
「蓮は器用だよなぁ。」
「もっと根本から立ち上げんだよ。」
「ふんふん、なるほどねー!オシャレ上級者の技術すげぇな!」
嬉しくなって蓮を見上げると、スリスリと指で顎の下を撫でられた。
「…いかがされました…?」
「表情コロコロ変わって、子供みてぇだなと思って。」
それでも違くない?
ここ撫でられて喜ぶのは猫様です。。
「ほらほら晴、蓮君に戯れついてないで朝ご飯食べな?」
「父さんまで俺を猫扱いしてくる…。」
ブツブツ言いながらダイニングに移動して、父さんが用意してくれたクロックムッシュを食べる。
逆に父さんが蓮の所へ行って、蓮が指差した箇所に対して何か答えた。
あ、もしかして蓮が早く来るのって、父さんからフランス語習ってるって事?
そういえば、心当たりが一つある。
2年生の5月に修学旅行なんだけど、フランスに行くんだよね。
自由行動が結構あるから、言葉が分かれば結構色んな所に行けるのかも。
そんな事を考えながら、こっそりスマホを弄って(食事中は父さんに怒られる)例のサイトに繋ぐ。
1つ目は1ポイントどころかもっと破壊力はあったけど、ここは正式なルール(?)通り1ポイントとカウントしよう。
それで、2つ目は何だったっけ?
『2.貴方が彼に触れた時の反応は?
(さり気なく離れる→マイナス5ポイント
特に気にしない→1ポイント
同じように触れる→5ポイント)』
うーん?
さっき触れたりはしたけど、どっちかって言うと蓮からだったよなぁ。
これは1ポイントでいいのかな?
それとも思い切って5ポイントいっちゃう⁉︎
あれ、下に※あるな。
えーっと、なになに?
『なお、彼から積極的に触れて来る場合は10ポイントとする。』
…わぁ。
朝から11ポイントも稼いじゃったよ…。
●●●
ツッコミ所満載ですが本人は至って真面目なので、暫く恋愛偏差値2の晴人にお付き合いください笑
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「お、今日早いじゃん。」
寝癖を直してリビングを通ると、丁度蓮が座った所だった。
昨日の誓い通り早起きした俺は、後はもう部屋で着替えたら支度は終わり。
ゆっくり朝ご飯を食べる余裕すらある。
昨日の夜父さんから聞いて知ったんだけど、蓮は出発する1時間近く前から家に来て、父さんと話すのが中学の頃からの習慣らしい。
そ、そんな早く来てたのか。
せいぜい15分前くらいかと思ってたよ…。
それにしても、ほぼ毎日良く話す事あるよね。
「オ、おはヨ、蓮」
声を裏返らせながら挨拶して急いで部屋に戻る。
今朝も挙動不審な俺だけど、その理由は昨日の緊張とは違うんだな。
何を隠そう、俺は今日からある計画を始動するのであるーー。
昨日、キスマークについて調べた俺はある可能性(恥ずいから言わない)に行き着いた訳だが…。
また勘違いだったら死ねる!!
って思いがあって、それを鵜呑みにできなかった。
それでさ、何か手掛かりは無いもんかと、そのキスマについて載ってたサイト内をチラチラ見てた訳よ。
そしたら、あるじゃないですか!
『彼が貴方に気がある10のサイン』
ってやつが!!!!
『恋愛の聖天使・ブルボンヌ夢子先生』が運営するらしいこのサイト。
…胡散臭いと思ったよね?
うん、俺も。
だけどさ、この人が出した恋愛ハウツー本が大ヒットしてるんだよね。
メディアで超話題になってる。
だから興味本位で内容を見てみたんだけど…。
な、なるほど!!!!
恋愛初心者の俺にも分かりやすい。
ブルボンヌ先生ありがとう!俺、やってみます!!
早速信者になった俺は、今日から行動を開始する事にした。
さて、チェック項目は10個ある。
早速1つめから実行して行こうと、俺は着替えてリビングへ降りた。
蓮はソファに座って何か外国語の本を読んでる。
俺は不自然にならないように、隣に座ってその横顔を見つめた。
はぁぁ、今日もイケメンだなぁ。
あ、因みに内容はこんな感じ。
『1.貴方が彼を見つめた時の反応は?
(笑い掛ける、照れて目を逸らす→1ポイント)』
よし、どうだ⁉︎
暫く何のリアクションも無かったけど、見つめ続けると気付いたのか、こっちを向いた。
「何?」
これは…!!!
真顔?
少なくとも、笑い掛けたり照れたりはしてない。
「べ、別に⁉︎」
反対に俺が照れて目を逸らしてしまった。
あぁぁ!俺のは分かってんだってば!
間違いなくこの人の事好きなんですって。
ダメだ、1つ目からもうお手上げじゃん
恋愛偏差値が低い自覚はあった。
なんせ、蓮以外に好きって感じた人が今までいないんだから。
そんな恋愛偏差値が底辺の俺は、ブルボンヌ先生のありがたい教えさえも無効化しちゃうらしい。
あーあ、折角いい計画だと思ったのになぁ。
と、溜息を吐きそうになった俺の頬に何かが触れた。
片手でフニッと俺の頬を摘んだ蓮が、そのまま自分の方を向かせる。
「なぁんだよ。ん?言ってみ?」
揶揄う様な声の後、俺の目を覗き込む蓮は、いたずらっ子みたいなちょっと悪い微笑み。
キュンッ
ブルボンヌ先生ぇぇぇ!!
これは何ポイントですか⁉︎⁉︎
1ポイントどころの騒ぎじゃないって!
完全にハート撃ち抜かれたもん!
あ、待てよ。
俺が撃ち抜かれたとて意味ないのか。落ち着け。
「…な、何の本読んでんのか気になって!」
何とか冷静になった俺が言うと、蓮は本の中身を見せてきた。
「フランス語。本当は誰かさんの本だけどな?」
そう言って俺にデコピンする。
「アタッ。あぁ、それ父さんが俺に読ませたがってたやつかぁ。」
父さんは俺にもフランス語を覚えて欲しかったらしい。
が、俺があまりにも無関心なので泣く泣く諦めたそうだ。
「代わりに俺が読んでんだぜ?感謝しろよ?」
「えー?むしろさ、本を提供してる俺に感謝があってもいいんじゃない?」
「はぁ?調子乗んな。」
蓮が俺の髪をグチャグチャにする。
「おい!セットしたのに何すんだよぉ!」
「分かった分かった。直すからホラ、じっとしろ。」
蓮の言葉にブスっとしながらも動きを止めると、慣れた手付きで髪を弄られる。
「さっきよりイケてんだろ?」
「むぅ、それはその通りかも…。」
ガラステーブルに映る髪型は、さっきより動きがあっていい感じ。
「蓮は器用だよなぁ。」
「もっと根本から立ち上げんだよ。」
「ふんふん、なるほどねー!オシャレ上級者の技術すげぇな!」
嬉しくなって蓮を見上げると、スリスリと指で顎の下を撫でられた。
「…いかがされました…?」
「表情コロコロ変わって、子供みてぇだなと思って。」
それでも違くない?
ここ撫でられて喜ぶのは猫様です。。
「ほらほら晴、蓮君に戯れついてないで朝ご飯食べな?」
「父さんまで俺を猫扱いしてくる…。」
ブツブツ言いながらダイニングに移動して、父さんが用意してくれたクロックムッシュを食べる。
逆に父さんが蓮の所へ行って、蓮が指差した箇所に対して何か答えた。
あ、もしかして蓮が早く来るのって、父さんからフランス語習ってるって事?
そういえば、心当たりが一つある。
2年生の5月に修学旅行なんだけど、フランスに行くんだよね。
自由行動が結構あるから、言葉が分かれば結構色んな所に行けるのかも。
そんな事を考えながら、こっそりスマホを弄って(食事中は父さんに怒られる)例のサイトに繋ぐ。
1つ目は1ポイントどころかもっと破壊力はあったけど、ここは正式なルール(?)通り1ポイントとカウントしよう。
それで、2つ目は何だったっけ?
『2.貴方が彼に触れた時の反応は?
(さり気なく離れる→マイナス5ポイント
特に気にしない→1ポイント
同じように触れる→5ポイント)』
うーん?
さっき触れたりはしたけど、どっちかって言うと蓮からだったよなぁ。
これは1ポイントでいいのかな?
それとも思い切って5ポイントいっちゃう⁉︎
あれ、下に※あるな。
えーっと、なになに?
『なお、彼から積極的に触れて来る場合は10ポイントとする。』
…わぁ。
朝から11ポイントも稼いじゃったよ…。
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ツッコミ所満載ですが本人は至って真面目なので、暫く恋愛偏差値2の晴人にお付き合いください笑
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