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解決編
5.(※エロ有り)
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(side晴人)
翔君が結婚!?
「い、いつ!?誰と!?」
めちゃめちゃ動揺して声が上ずる。
だって、あの翔君だ。
スーパーウルトライケメンで、背が高くて頭が良くて運動神経も性格もいい完璧人間。
知らない人にも気さくに話し掛けたりするもんだから、ガチ恋勢の多さは留まる所を知らない。
そんな翔君を射止めた相手って一体!?
「昨日入籍したらしい。相手はお前も知ってる。」
「え?」
「美優だよ。」
「えぇぇぇ!?」
美優さん…美優さんが!!
確かに、よくよく思い出すと親しそうではあった。
俺と美優さんが最初に出会ったのは、翔君がカットモデルとして俺を美容院に連れて行ってくれたからだ。
活き活きと仕事をする凄腕美容師の美優さんは、悩んでた俺の相談に乗ってくれて。
『美容師は魔法が使えるんだよ』
そんな風に言って、見た目を変える事で自分に自信を持てるんだって教えてくれた。
それからちょくちょく髪を切って貰うようになって。
蓮へのヤキモチで逃げ出した時にもアドバイスをくれた。
こうやって考えるとお世話になりっぱなしだなぁ。
あ、そう言えば誕生日プレゼントでブランドの袋いっぱい抱えてた事があった。
『会えないから』って恋人が大量に買ってくれたって困った顔してたけど…その相手が翔君だったのか!!
急に点と点が繋がった感じがする。
それに2人の遣り取りって、気負いがなくて凄くいい感じだった。
俺がまだ子供の頃、何度か見かけた翔君の歴代彼女達って、何て言うか…翔君の事が好きすぎる感じだった。
『可愛い所しか見せたくない!完璧な彼女でいたい!』って気負ってるような。
だから、美優さんが翔君にバシバシ遠慮なく何か言ってるのが凄く新鮮だったんだよね。
うん、自然体で笑い合う2人を思い返すと、確かにお似合いかも。
1人で頷く俺に、蓮は更なる爆弾を投下してきた。
「ちな、美優は妊娠中。」
「えぇッ!?」
急展開すぎて頭が追いつかない。
つまり、翔君がパパになる…。
それって、最高じゃん!
温かい翔君と美優さんの元に産まれてくる子供は、絶対幸せだ。
しかもさ、両親のどっちに似てもヴィジュが良い事は確定。
天使が生まれる事大決定!
きっと、今目の前で無表情に報告してくるクールガイの笑顔も引き出してくれる事だろう。
って言うか、蓮『叔父さんに』なるのか…。
子供大好きな俺からすると、そのポジションは非常に羨ましい。
「いいなぁ。」
俺も天使ちゃんを甘やかしたいぞ。
あ、そう言えば結婚式はやらないのかな?
美優さんが妊娠中だし、近い人だけとか?
それならぜひ俺も参列させて欲しい!
「遥も絶対帰国するよね!」
結婚式の様子を頭にイメージした俺は、高揚した気分のまま口にしてしまった。
蓮の前でなるべく避けてた、その名前をーー。
あ…。
ハッとして仰ぎ見た蓮の表情で悟る。
俺が間違いなくなく、地雷を踏んでしまった事を。
「そう…だな。」
硬い声音でそう言う蓮は、酷く切なげで。
俺は反射的に蓮から目を逸らして俯いた。
耳の奥で心臓が激しく音を立てて、冷たい汗が背中を伝う。
やめて。
そんな表情で遥の事を考えないで。
今でも遥を想ってるみたいな顔、しないでーー。
「晴…あのさ…」「あ!父さん達にも教えていいよね!?」
言い辛い事を切り出すかのような蓮の様子に、俺は大声を出した。
「電話して来よーっと!」
スマホを手にリビングから出て、自分の部屋に駆け込む。
ドアを閉めると、身体を丸めて床に座り込んだ。
怖かった。
俺が遮らなかったら、蓮は何を告げようとしたのか知るのが。
遥を想って胸を痛める様子を、見ているのが。
だから、また逃げた。
蓮の鞄から『桜守り』を見つけた時みたいに。
何も気付かないふりをしていれば、幸せが続くと言い聞かせて。
「大丈夫…。蓮は今、俺と付き合ってるんだから…。」
暗い部屋で何度もそう呟く。
事実で、真実の筈なのに。
それに縋っているようにしか聞こえないのは、どうしてだろう。
遂に、文明開花の波がバイト先に訪れた。
『全席タッチパネル注文になるから。あと運ぶのもロボットになるからよろしくね。』
そう告げるエリアマネージャーを、皆んな神のごとく崇めて。
人手が足りない店舗から優先的に導入していく過程で、うちはかなり早めになったらしい。
「2月から萱島君の契約、元に戻せるからね!
他店舗からヘルプに来てくれてる月島さんがこっちに移籍してくれる事も決まったし!」
店長にそう言われて、喜ぶ所か動揺してしまったのはここだけの話し。
理由はそう、蓮に会いたくないから。
正確には、蓮と顔を合わせる時間が長くなって、あの時の続きを話されるのが怖い。
2月からは最初の契約に戻るんだけど…それを蓮には言ってない。
当初の通り3月までって事にして、残りの1ヶ月だけでも抗おうと思ってる。
やる事もあるし、丁度いいかな…。
蓮とはまたすれ違いの日々だけど、今回だけはそれが有り難い。
偶に顔を合わせても、どうしても遥の事が頭に浮かんで上手く話せないから。
『疲れてるから寝るね。』ばっかりで、かなり素っ気ない態度になっちゃってると思う。
正直寂しいけど…蓮もそう感じてくれてるのか自信が持てない。
だけど、このままじゃ本当に蓮の心が離れてしまうかもしれない。
ぐるぐる考えて、日にちだけが過ぎて行く。
あっと言う間に時が経って、今日は2月14日。
例の理由で蓮には言ってないけど、既にバイト強化期間を終えた俺はフリータイムが増えている。
それを利用してデパートの催事場で何とかゲットしてきたチョコは、蓮に渡す物。
どうするか散々悩んだけど…流石にバレンタインにあのを話されるなんて事、ないよね?
久しぶりに恋人らしい事をして…。
叶うなら、肌を重ねて安心したい。
最後に抱かれたのはクリスマスの時。
俺が忙しい所為だと分かってても、全く手を出してこない蓮に不安になる。
俺とはもう、する気にならないって事だったらどうしよう…。
遥に残る気持ちを、この間の件でハッキリ自覚しちゃったんだとしたら…。
ーー嫌だ、絶対に。
それが身体ででもいいから、繋ぎ止めたい。
どうか、俺を見て欲しい。
今日は俺から誘うつもりで、シャワーを浴びた時に後ろの準備もしてある。
「晴?帰んの早くね?」
少しして帰って来た蓮の声にビクッとして、慌ててソファから立ち上がる。
チョコは後で渡そうとローテーブルの下へ隠した。
「お、おかえり。バイト早くあがれてさ!」
嘘を付く罪悪感を感じながらも、努めて明るい声を出す。
「ふーん。なぁ、あのさ…」
そう言った蓮の瞳が急に真剣味を帯びて、俺の頭は急激に冷えた。
あの話しを、するつもりなんだーー。
「ッ蓮…!」
遮って強く抱き付くと、蓮が戸惑う気配がした。
「晴…ちょっと離せ…」「やだ…蓮、シたい…。」
必死に言う俺に蓮が目を見瞠る。
「ダメ…?準備してある…。」
羞恥に涙目になりながら言うと、途端にソファに押し倒された。
性急な動きで部屋着を脱がされて、全てが蓮の前に曝け出される。
「…んっ…!」
乳首に吸い付かれて、脇腹を撫でる指に背を震わせて。
お願い、俺を見て。
祈りながら、与えられる熱に翻弄されていく。
耳を舐められて思わず首を横に反らすと、蓮の動きがピタリと止まった。
「…蓮…?」
問いかけに答える声はなく、グルリと身体を回されて後ろを向かされて。
チッ
低い舌打ちと共に、熱いモノで一気に後ろを貫かれる。
「ンあぁぁッ!!」
泥濘んだナカは痛くはないけれど、圧迫感が凄い。
焦れる程ゆっくりと押し開いてくる、いつもの蓮からは想像できないような激しさに戸惑う。
四つん這いの身体を支えていた腕を取られて、手綱のように引いて前後に揺さぶられて。
「やぁんっ…アッ、アッ…!」
荒々しい動きなのに、ナカを抉られる気持ちよさに
嬌声が止まらない。
一際強く後ろに引かれて、蓮のモノを深く咥え込まされる。
それと同時に蓮が強く突き上げてーー。
グポンッ
「ーーッッ⁉︎⁉︎」
何かが嵌まり込むような音と共に、目の前が真っ白になった。
初めて侵入を許したその場所から広がる快楽は、電流のように全身を駆け巡る。
何…コレ…
迫り上がってくる熱に危機感を感じた時には、勃ち上がったのモノから何かが噴き出した。
先走りとも、白濁とも違う液体。
まさか、漏らした…?
「蓮ッ!離して…やだ、止まっ…ンやぁぁッ!!」
慌てる俺の静止の声なんか聞こえないかのように、蓮の動きは止まらない。
それどころか、更に奥を穿ってくる。
何度も、何度もーー。
「ヒッ…アッ…ッ…!!」
その度にプシャッと液体を吐き出して、羞恥と快楽に身を捩って叫ぶ。
「ダメ…やだッ!アッ…ヒッ…こわいぃぃ!!」
首の後ろを吸われて、執拗に咬まれて。
その痛みにさえも感じて絶頂が止まらない。
無意識に逃げようとする腰を強く引かれて、蓮の上に座るような体勢にされる。
足に力が入らず、自重のせいで、最奥に突き立てられたそれを否応無く飲み込む事しかできない。
グポグポと揺すられて、何度も目の前に星が散った。
もう中途半端にしか勃たなくなった俺のモノが、蓮の動きに共鳴するように震える。
「ひゃんッ!」
それを蓮に握り込まれて、背を逸らして仰向いた。
鈴口にグリッと爪を立てられ息を呑んだ所で、めくり上げるように強く突き上げられた。
「んやぁぁぁぁぁぁッ!!」
初めてナカに放たれた、蓮の熱い白濁を感じて身体が痙攣する。
ダメだ。
これは、狂ってしまうーー。
堕ちていく意識の中で、一瞬蓮の顔が見えた。
表情を消したその目の奥には、翳りがあって。
いつもは沢山名前を呼んでくれるのに、今日は無かったな。
愛の言葉も優しい眼差しも、何もーー。
快楽が深ければ深い程、心は離れていくみたいだ。
蓮。
蓮は俺の中に、他の誰を思い浮かべてた?
蓮が想ってる相手はーー。
目が覚めるとベッドの上で、綺麗になった身体にパジャマを着ていた。
後ろからアレが流れ落ちる…なんて事もない。
声は枯れてるけど、筋肉痛のような痛み以外はなくてホッとした。
サイドボードに置いてあるペットボトルの水を流し込んでから立ち上がる。
もっとガクガクするかと思ったけど、ちゃんと歩けて驚いた。
たどり着いたリビングは暗くて、家の中に人の気配は無い。
こんな状態の俺を、蓮が置いて行くなんて今までだったら有り得なかった。
だからこれはきっと、蓮の中で何かが変わった証。
「蓮…。」
静かな部屋に掠れた俺の声が吸い込まれて。
涙が溢れて、止まらなかった。
その日から、蓮は家に帰って来なくなった。
●●●
美優が出てくるのはside晴人高校編
4話「モデル???」~8話「最悪な夏祭り」、
75話「それも恋の一部」辺りになります。
翔と美優は小学校6年間同じクラスでした。
中高は別なので、友達として交流はありつつもお互い別の人と付き合ったりして。
大学生になった時、翔はずっと美優の事が好きだった事に気付いてアタック開始→お付き合い→結婚と言う流れです。
side晴人15話「弟」で、翔が「離れた方が~」的な事言ってるのはこんな経験があるから。
切藤兄弟、好きな相手にプレゼント攻撃しちゃうタイプ。
何でも買ってあげたいからその為に働く。笑
翔君が結婚!?
「い、いつ!?誰と!?」
めちゃめちゃ動揺して声が上ずる。
だって、あの翔君だ。
スーパーウルトライケメンで、背が高くて頭が良くて運動神経も性格もいい完璧人間。
知らない人にも気さくに話し掛けたりするもんだから、ガチ恋勢の多さは留まる所を知らない。
そんな翔君を射止めた相手って一体!?
「昨日入籍したらしい。相手はお前も知ってる。」
「え?」
「美優だよ。」
「えぇぇぇ!?」
美優さん…美優さんが!!
確かに、よくよく思い出すと親しそうではあった。
俺と美優さんが最初に出会ったのは、翔君がカットモデルとして俺を美容院に連れて行ってくれたからだ。
活き活きと仕事をする凄腕美容師の美優さんは、悩んでた俺の相談に乗ってくれて。
『美容師は魔法が使えるんだよ』
そんな風に言って、見た目を変える事で自分に自信を持てるんだって教えてくれた。
それからちょくちょく髪を切って貰うようになって。
蓮へのヤキモチで逃げ出した時にもアドバイスをくれた。
こうやって考えるとお世話になりっぱなしだなぁ。
あ、そう言えば誕生日プレゼントでブランドの袋いっぱい抱えてた事があった。
『会えないから』って恋人が大量に買ってくれたって困った顔してたけど…その相手が翔君だったのか!!
急に点と点が繋がった感じがする。
それに2人の遣り取りって、気負いがなくて凄くいい感じだった。
俺がまだ子供の頃、何度か見かけた翔君の歴代彼女達って、何て言うか…翔君の事が好きすぎる感じだった。
『可愛い所しか見せたくない!完璧な彼女でいたい!』って気負ってるような。
だから、美優さんが翔君にバシバシ遠慮なく何か言ってるのが凄く新鮮だったんだよね。
うん、自然体で笑い合う2人を思い返すと、確かにお似合いかも。
1人で頷く俺に、蓮は更なる爆弾を投下してきた。
「ちな、美優は妊娠中。」
「えぇッ!?」
急展開すぎて頭が追いつかない。
つまり、翔君がパパになる…。
それって、最高じゃん!
温かい翔君と美優さんの元に産まれてくる子供は、絶対幸せだ。
しかもさ、両親のどっちに似てもヴィジュが良い事は確定。
天使が生まれる事大決定!
きっと、今目の前で無表情に報告してくるクールガイの笑顔も引き出してくれる事だろう。
って言うか、蓮『叔父さんに』なるのか…。
子供大好きな俺からすると、そのポジションは非常に羨ましい。
「いいなぁ。」
俺も天使ちゃんを甘やかしたいぞ。
あ、そう言えば結婚式はやらないのかな?
美優さんが妊娠中だし、近い人だけとか?
それならぜひ俺も参列させて欲しい!
「遥も絶対帰国するよね!」
結婚式の様子を頭にイメージした俺は、高揚した気分のまま口にしてしまった。
蓮の前でなるべく避けてた、その名前をーー。
あ…。
ハッとして仰ぎ見た蓮の表情で悟る。
俺が間違いなくなく、地雷を踏んでしまった事を。
「そう…だな。」
硬い声音でそう言う蓮は、酷く切なげで。
俺は反射的に蓮から目を逸らして俯いた。
耳の奥で心臓が激しく音を立てて、冷たい汗が背中を伝う。
やめて。
そんな表情で遥の事を考えないで。
今でも遥を想ってるみたいな顔、しないでーー。
「晴…あのさ…」「あ!父さん達にも教えていいよね!?」
言い辛い事を切り出すかのような蓮の様子に、俺は大声を出した。
「電話して来よーっと!」
スマホを手にリビングから出て、自分の部屋に駆け込む。
ドアを閉めると、身体を丸めて床に座り込んだ。
怖かった。
俺が遮らなかったら、蓮は何を告げようとしたのか知るのが。
遥を想って胸を痛める様子を、見ているのが。
だから、また逃げた。
蓮の鞄から『桜守り』を見つけた時みたいに。
何も気付かないふりをしていれば、幸せが続くと言い聞かせて。
「大丈夫…。蓮は今、俺と付き合ってるんだから…。」
暗い部屋で何度もそう呟く。
事実で、真実の筈なのに。
それに縋っているようにしか聞こえないのは、どうしてだろう。
遂に、文明開花の波がバイト先に訪れた。
『全席タッチパネル注文になるから。あと運ぶのもロボットになるからよろしくね。』
そう告げるエリアマネージャーを、皆んな神のごとく崇めて。
人手が足りない店舗から優先的に導入していく過程で、うちはかなり早めになったらしい。
「2月から萱島君の契約、元に戻せるからね!
他店舗からヘルプに来てくれてる月島さんがこっちに移籍してくれる事も決まったし!」
店長にそう言われて、喜ぶ所か動揺してしまったのはここだけの話し。
理由はそう、蓮に会いたくないから。
正確には、蓮と顔を合わせる時間が長くなって、あの時の続きを話されるのが怖い。
2月からは最初の契約に戻るんだけど…それを蓮には言ってない。
当初の通り3月までって事にして、残りの1ヶ月だけでも抗おうと思ってる。
やる事もあるし、丁度いいかな…。
蓮とはまたすれ違いの日々だけど、今回だけはそれが有り難い。
偶に顔を合わせても、どうしても遥の事が頭に浮かんで上手く話せないから。
『疲れてるから寝るね。』ばっかりで、かなり素っ気ない態度になっちゃってると思う。
正直寂しいけど…蓮もそう感じてくれてるのか自信が持てない。
だけど、このままじゃ本当に蓮の心が離れてしまうかもしれない。
ぐるぐる考えて、日にちだけが過ぎて行く。
あっと言う間に時が経って、今日は2月14日。
例の理由で蓮には言ってないけど、既にバイト強化期間を終えた俺はフリータイムが増えている。
それを利用してデパートの催事場で何とかゲットしてきたチョコは、蓮に渡す物。
どうするか散々悩んだけど…流石にバレンタインにあのを話されるなんて事、ないよね?
久しぶりに恋人らしい事をして…。
叶うなら、肌を重ねて安心したい。
最後に抱かれたのはクリスマスの時。
俺が忙しい所為だと分かってても、全く手を出してこない蓮に不安になる。
俺とはもう、する気にならないって事だったらどうしよう…。
遥に残る気持ちを、この間の件でハッキリ自覚しちゃったんだとしたら…。
ーー嫌だ、絶対に。
それが身体ででもいいから、繋ぎ止めたい。
どうか、俺を見て欲しい。
今日は俺から誘うつもりで、シャワーを浴びた時に後ろの準備もしてある。
「晴?帰んの早くね?」
少しして帰って来た蓮の声にビクッとして、慌ててソファから立ち上がる。
チョコは後で渡そうとローテーブルの下へ隠した。
「お、おかえり。バイト早くあがれてさ!」
嘘を付く罪悪感を感じながらも、努めて明るい声を出す。
「ふーん。なぁ、あのさ…」
そう言った蓮の瞳が急に真剣味を帯びて、俺の頭は急激に冷えた。
あの話しを、するつもりなんだーー。
「ッ蓮…!」
遮って強く抱き付くと、蓮が戸惑う気配がした。
「晴…ちょっと離せ…」「やだ…蓮、シたい…。」
必死に言う俺に蓮が目を見瞠る。
「ダメ…?準備してある…。」
羞恥に涙目になりながら言うと、途端にソファに押し倒された。
性急な動きで部屋着を脱がされて、全てが蓮の前に曝け出される。
「…んっ…!」
乳首に吸い付かれて、脇腹を撫でる指に背を震わせて。
お願い、俺を見て。
祈りながら、与えられる熱に翻弄されていく。
耳を舐められて思わず首を横に反らすと、蓮の動きがピタリと止まった。
「…蓮…?」
問いかけに答える声はなく、グルリと身体を回されて後ろを向かされて。
チッ
低い舌打ちと共に、熱いモノで一気に後ろを貫かれる。
「ンあぁぁッ!!」
泥濘んだナカは痛くはないけれど、圧迫感が凄い。
焦れる程ゆっくりと押し開いてくる、いつもの蓮からは想像できないような激しさに戸惑う。
四つん這いの身体を支えていた腕を取られて、手綱のように引いて前後に揺さぶられて。
「やぁんっ…アッ、アッ…!」
荒々しい動きなのに、ナカを抉られる気持ちよさに
嬌声が止まらない。
一際強く後ろに引かれて、蓮のモノを深く咥え込まされる。
それと同時に蓮が強く突き上げてーー。
グポンッ
「ーーッッ⁉︎⁉︎」
何かが嵌まり込むような音と共に、目の前が真っ白になった。
初めて侵入を許したその場所から広がる快楽は、電流のように全身を駆け巡る。
何…コレ…
迫り上がってくる熱に危機感を感じた時には、勃ち上がったのモノから何かが噴き出した。
先走りとも、白濁とも違う液体。
まさか、漏らした…?
「蓮ッ!離して…やだ、止まっ…ンやぁぁッ!!」
慌てる俺の静止の声なんか聞こえないかのように、蓮の動きは止まらない。
それどころか、更に奥を穿ってくる。
何度も、何度もーー。
「ヒッ…アッ…ッ…!!」
その度にプシャッと液体を吐き出して、羞恥と快楽に身を捩って叫ぶ。
「ダメ…やだッ!アッ…ヒッ…こわいぃぃ!!」
首の後ろを吸われて、執拗に咬まれて。
その痛みにさえも感じて絶頂が止まらない。
無意識に逃げようとする腰を強く引かれて、蓮の上に座るような体勢にされる。
足に力が入らず、自重のせいで、最奥に突き立てられたそれを否応無く飲み込む事しかできない。
グポグポと揺すられて、何度も目の前に星が散った。
もう中途半端にしか勃たなくなった俺のモノが、蓮の動きに共鳴するように震える。
「ひゃんッ!」
それを蓮に握り込まれて、背を逸らして仰向いた。
鈴口にグリッと爪を立てられ息を呑んだ所で、めくり上げるように強く突き上げられた。
「んやぁぁぁぁぁぁッ!!」
初めてナカに放たれた、蓮の熱い白濁を感じて身体が痙攣する。
ダメだ。
これは、狂ってしまうーー。
堕ちていく意識の中で、一瞬蓮の顔が見えた。
表情を消したその目の奥には、翳りがあって。
いつもは沢山名前を呼んでくれるのに、今日は無かったな。
愛の言葉も優しい眼差しも、何もーー。
快楽が深ければ深い程、心は離れていくみたいだ。
蓮。
蓮は俺の中に、他の誰を思い浮かべてた?
蓮が想ってる相手はーー。
目が覚めるとベッドの上で、綺麗になった身体にパジャマを着ていた。
後ろからアレが流れ落ちる…なんて事もない。
声は枯れてるけど、筋肉痛のような痛み以外はなくてホッとした。
サイドボードに置いてあるペットボトルの水を流し込んでから立ち上がる。
もっとガクガクするかと思ったけど、ちゃんと歩けて驚いた。
たどり着いたリビングは暗くて、家の中に人の気配は無い。
こんな状態の俺を、蓮が置いて行くなんて今までだったら有り得なかった。
だからこれはきっと、蓮の中で何かが変わった証。
「蓮…。」
静かな部屋に掠れた俺の声が吸い込まれて。
涙が溢れて、止まらなかった。
その日から、蓮は家に帰って来なくなった。
●●●
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