40 / 65
カスタマイズはしたことないヘタレ ※シエラ
しおりを挟む
「シエラ様?」
脳内で前世の会話を反芻していた僕はハッと我に返る。
ミリが不思議そうにこちらを見ていた。
「あ、ごめんごめん。ちょっと考えてた。」
慌てて取り繕う。
リョウの記憶があることは、ミリにもルドにも言ってない。
って言うか誰にも言えないよね。
身近な人間が、実は前世の記憶があるんですーとか言い出したら超心配しない?
「じゃあ仮に需要があるとしてさ、恋人っぽく見せるって具体的に何すればいいの?」
「普通に会ったり、出掛けたりすればいいんですよ。例えば今度併設されるカフェで仲良く2人でお茶するとか。」
ふーむ。それなら友人としての付き合い方とそんなに変わらないのかも。
しかもカフェのプロモーションができるのは正直嬉しい。
実は今、ショコラトリーにカフェを併設すべく準備中なんだよね。
ブラウンを基調とした落ち着きのある雰囲気の店内で、席数は30席。
メニューは、お店のショコラから選んでドリンクとセットで楽しめるってやつ。
この国、日に2回もお茶の時間があるのにカフェがほとんど無かったりするの。
お茶は自宅とか職場で楽しむもので、外でって習慣が無いから。
これは勿体ないよなぁ。
家族とか親しい友人と、いつもと違う場所でお茶したらもっと会話が弾むんじゃないだろうか。
1人で来たっていいよね。
たまには1人になりたい時だってあるし、1人が好きな人だっている。
読書しながらでも良し、人間観察するも良し。
☆バックスのゴールド会員だったリョウも、そうやってカフェを楽しんでいた。
そんな風に、誰もが自由に過ごせる場所をつくりたい。
それでショコラのことも好きになってくれたら最高だ。
「まぁそうだねぇ。宣伝は必要だと思ってるけど…。」
オープンは2ヶ月後だ。
もう外観も内装もほぼ完成していて、今は従業員の研修中。
ショコラの新商品の開発もガンガン進めている。
ゆったりできる空間、丁寧な接客の従業員、沢山の種類があるショコラ…。
僕の理想とするカフェが形になりつつある。
だけどそれも、興味を持って貰わなければ始まらない。
何かきっかけが欲しい。
「BL営業」がそのきっかけになるなら…試してみてもいいのかな…。
あ、でも待って。
「ミリ、大事なこと忘れてるよ。
僕にはメリットがあるけどリフエール様には何も…って言うか、むしろデメリットしかなくない?」
因みにこの国は男同士でも結婚できる。
双方が貴族で、尚且つ嫡男ではないことを条件に法律で認められてるんだ。
要は「嫡男はお世継ぎつくってね!御家争い防止のために、嫡男以外は子供作らないでね!」ってことが可能。
そう言った家は少数派ではあるが存在する。
ただ、どうしても政略結婚になるから男同士の夫婦(夫?)は愛が無いことが殆どだ。
別居婚だし、2人で出歩くこともまず無い。
だから、男同士のカップルってなかなか見ないんだよね。
もしBL営業なんかしたら、リフエール様が好奇の目に晒されるんじゃないだろうか。
しかも相手が僕じゃ余計に嫌だろうなぁ。
釣り合い全くとれてないし。
「そもそもあんな人気者なら恋人いないわけ無いでしょ。絶対断られるって。」
「それについては、有益な情報を仕入れてあ
ります。」
僕の反論に、ミリの目が光ったーー。
脳内で前世の会話を反芻していた僕はハッと我に返る。
ミリが不思議そうにこちらを見ていた。
「あ、ごめんごめん。ちょっと考えてた。」
慌てて取り繕う。
リョウの記憶があることは、ミリにもルドにも言ってない。
って言うか誰にも言えないよね。
身近な人間が、実は前世の記憶があるんですーとか言い出したら超心配しない?
「じゃあ仮に需要があるとしてさ、恋人っぽく見せるって具体的に何すればいいの?」
「普通に会ったり、出掛けたりすればいいんですよ。例えば今度併設されるカフェで仲良く2人でお茶するとか。」
ふーむ。それなら友人としての付き合い方とそんなに変わらないのかも。
しかもカフェのプロモーションができるのは正直嬉しい。
実は今、ショコラトリーにカフェを併設すべく準備中なんだよね。
ブラウンを基調とした落ち着きのある雰囲気の店内で、席数は30席。
メニューは、お店のショコラから選んでドリンクとセットで楽しめるってやつ。
この国、日に2回もお茶の時間があるのにカフェがほとんど無かったりするの。
お茶は自宅とか職場で楽しむもので、外でって習慣が無いから。
これは勿体ないよなぁ。
家族とか親しい友人と、いつもと違う場所でお茶したらもっと会話が弾むんじゃないだろうか。
1人で来たっていいよね。
たまには1人になりたい時だってあるし、1人が好きな人だっている。
読書しながらでも良し、人間観察するも良し。
☆バックスのゴールド会員だったリョウも、そうやってカフェを楽しんでいた。
そんな風に、誰もが自由に過ごせる場所をつくりたい。
それでショコラのことも好きになってくれたら最高だ。
「まぁそうだねぇ。宣伝は必要だと思ってるけど…。」
オープンは2ヶ月後だ。
もう外観も内装もほぼ完成していて、今は従業員の研修中。
ショコラの新商品の開発もガンガン進めている。
ゆったりできる空間、丁寧な接客の従業員、沢山の種類があるショコラ…。
僕の理想とするカフェが形になりつつある。
だけどそれも、興味を持って貰わなければ始まらない。
何かきっかけが欲しい。
「BL営業」がそのきっかけになるなら…試してみてもいいのかな…。
あ、でも待って。
「ミリ、大事なこと忘れてるよ。
僕にはメリットがあるけどリフエール様には何も…って言うか、むしろデメリットしかなくない?」
因みにこの国は男同士でも結婚できる。
双方が貴族で、尚且つ嫡男ではないことを条件に法律で認められてるんだ。
要は「嫡男はお世継ぎつくってね!御家争い防止のために、嫡男以外は子供作らないでね!」ってことが可能。
そう言った家は少数派ではあるが存在する。
ただ、どうしても政略結婚になるから男同士の夫婦(夫?)は愛が無いことが殆どだ。
別居婚だし、2人で出歩くこともまず無い。
だから、男同士のカップルってなかなか見ないんだよね。
もしBL営業なんかしたら、リフエール様が好奇の目に晒されるんじゃないだろうか。
しかも相手が僕じゃ余計に嫌だろうなぁ。
釣り合い全くとれてないし。
「そもそもあんな人気者なら恋人いないわけ無いでしょ。絶対断られるって。」
「それについては、有益な情報を仕入れてあ
ります。」
僕の反論に、ミリの目が光ったーー。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
173
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる