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プロローグ
いい加減にプロローグ長いので終わらせます〈byアイリス〉
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『さあ、視聴者も話なげぇよと思い込んでいる時間です。そろそろ本題に入りますよ』
「視聴者って誰……?」
『もうそういうのはいいですから、直央さんに特別な能力を差し上げます。これを見て下さい』
「おおっ!?」
直央の目の前に液晶画面のような物が表示され、空中に映し出された謎の画面に彼女は戸惑うが、内容に関してはゲームのキャラクターの「ステータス」を想像させる文章が記されていた。
―――――――――――――
ナオ
身長:160センチ
体重:45キロ
職業:暗殺者
レベル:1
SP:1
攻撃力:60
防御力:40
移動速度:80
魔法威力:20
魔法耐性:20
魔力容量:80
―――――――――――――
戦技(攻撃スキル)
・無し
―――――――――――――
技能スキル(才能)
・無し
―――――――――――――
固有スキル(常時発動)
・無し
―――――――――――――
画面に表示された文章を読み取り、本当にゲームの中のキャラクターになったような気分に陥りながらも直央は名前の項目に疑問を抱く。
「あれ?何で名前が直央じゃなくてナオになってるの?」
『この世界では名前に漢字は使わないんですよ』
「ああ、なるほど……というかステータスって、本当にゲームみたいな世界だな」
『このステータス自体はナオさんを送り出す世界の人間なら誰でも扱えます。正確には人種ならば扱える、ですけどね』
「人種?」
『エルフとかドワーフとか、人間以外の種族も存在するんですよ。もちろん、人類に害を為す魔物という存在もいます』
「魔物って……本当にそんな世界に僕を送り込む気?」
『それが役目ですから』
あっけからんと答えるアイリスに直央改め「ナオ」は背筋が凍り、話を聞く限りでは元の世界に戻れる様子はなく、これから自分はファンタジーの世界に送り込まれる事を意識する。
『あ、だけど送り出した世界には地球に戻る方法もありますよ』
「え?本当に!?」
『本当です。もしも地球に戻る術を見つけたのなら戻っても構いませんよ。別に私はナオさんを送り届ければ役目は終えるので邪魔はしませんよ』
「その方法は教えてくれないの?」
『いや、私もその方法は把握してないんですよ。だけど過去に召喚された勇者……あ、ナオさんと同じように召喚された人の事です。この人たちが残した「聖遺物」と呼ばれる道具の中に地球に戻れる効果を持つ道具があると聞いています。最もどんな道具なのかまでは分かりませんが……』
「そんな物があるのか……」
自分の世界に戻れる可能性があると聞いてナオは俄然とやる気が上がり、まずはステータスを確認して詳細を訪ねる。
「この攻撃力とかはなんとなく分かるけど……職業とか戦技とかスキルって何?」
『職業とは自分の見合った職業が表示されます。この職業によってレベルが上昇する際の成長率や覚えられる能力が変化します。暗殺者は隠密と速度に特化した能力ですね』
「戦技は?」
『戦技は簡単に言えば必殺技の事ですね。攻撃魔法とかもこれに含まれます。魔法以外にも剣等の武器を扱った戦技もありますよ』
「要するに攻撃向けの能力という事か……技能スキルは?」
『文字通りに技能です。例えば「調理」と呼ばれるスキルを覚えると料理の際に便利ですし、自分が調理した事もない食材の調理法も本能的に理解します。また、攻撃向けの技能スキルの中に「回避」と呼ばれる能力もありますが、こちらは相手が攻撃を仕掛けた時に肉体が回避行動を無意識に取ります』
「固有スキルは?」
『他のスキルと違い、常時発動し続ける能力です。技能スキルの場合は発動する時に自分がどの能力を扱うのか意識する必要がありますが、こちらは本人の意思に関係なく発動します。能力によっては発動を抑える事が出来ますが……』
「なるほど」
一通りの説明を受けたナオは忘れないようにしっかりと記憶に刻み込み、自分のステータスを確認して攻撃力などの数値の基準を聞く。
「今の数値は高いの?低いの?」
『レベル1では十分に高い方ですよ。この世界のレベル1の成人男性並の能力を持っていますね。単体のゴブリンぐらいなら倒せなくもないですよ』
「成人男性か……」
『さて、説明もここまでにしましょう。そろそろ私の能力を与えますよ』
アイリスが告げるとステータス画面に新しい項目が表示され、最後の項目「異能」という文字が追加された。
『この異能というのは異世界人だけに与えられる能力です。本来は1人に1つなんですけど、ナオさんの場合は2つ与えましょう』
「本当は召喚される人間じゃないから能力が低いんだっけ」
『まあ、そういう事になりますね。本当はランダムで与えられるんですけど、特別に今回はナオさんの好きな物を選んでください』
「どれどれ……」
新しい画面が表示され、今度は異能の種類が表示されたらしく、その数は百は超えていた。一つ一つを確かめるのは時間が掛かったが、ナオはある能力に注目した。
『貧弱』
「なんだこりゃ?これが能力なの?」
『それは初期ステータスと能力の成長率が最低値になる代わりにレベルの制限の無効化と新しいスキルを覚えるときのSPの消費量が固定化します』
「SP?」
『スキルポイントの略です。このSPはレベルが上がる事で入手できるのですが、SPを消費して新しい能力を手に入ります。別にSPを使用しなくとも職業に向いている能力は覚えられますけど、その場合は訓練をしなければなりません。先ほど説明した「調理」の技能スキルの場合だと実際に何百個の料理を成功させないとば覚えられません』
「消費量が固定する?」
『SPは新しい能力を覚えたり、あるいは能力の強化に使用するとSPの消費量が増加します。新しいスキルを習得する度に次のスキルを覚えるときの消費量は「1」だけ増加します。強化の場合は消費量は「5」に固定されています。だけど貧弱の異能を覚えたらどれだけスキルを覚えようと強化しようと消費量は「1」に固定化され、しかもレベルの上昇する数値に制限がありません。ちなみに普通の人間はレベルが99までしか上昇しません。この場合は勇者も例外ではないです』
貧弱の異能は能力値が最低になる代わりにレベルの制限が消え、SPの消費量も固定化されるので理論上はレベルの数に応じて新しいスキルを習得できるという。大器晩成型の能力であり、使い道が難しいのでアイリスとしてはおすすめできない能力らしい。
「ちなみにこの下の「空間魔法」はなに?」
『異空間に物体を収納させる魔法です。異空間に送り込まれた物体は時間の概念を受けないので食べ物の保存に便利ですよ。ちなみにSPを消費すれば収納魔法というこの能力の下位互換の能力を覚えられます。ですけど、空間魔法の場合は制限重量が存在しませんけどね』
「なるほど」
『それよりも私のおすすめはこの「成長」ですね。これを覚えれば通常よりもレベルの成長率が高いですし、普通よりもレベルが上昇したときの成長値が大きくて……』
「あ、押したら色が変わった」
『ちょっと!?』
アイリスの説明の最中に画面の文字をナオが間違って押してしまい、ステータス画面に「貧弱」と「空間魔法」が追加されてしまう。その瞬間、ナオの足元に彼がコンビニで見かけた魔法陣が足元に生み出され、ナオの身体が光に包みこまれる。
『何やってんですか!!画面に触れたら自動的に習得しちゃうんですよ!?』
「え、そんなシステムなの!?ちょ、キャンセルしてよ!!」
『いや、無理ですよ。まだ説明していない事があるのに――』
魔法陣が一際発光を強め、アイリスの声が途中で遮断されてしまう。ナオは自分の身体がジェットコースターに乗り込んだような浮揚感に襲われ、彼の視界が一変した――
「視聴者って誰……?」
『もうそういうのはいいですから、直央さんに特別な能力を差し上げます。これを見て下さい』
「おおっ!?」
直央の目の前に液晶画面のような物が表示され、空中に映し出された謎の画面に彼女は戸惑うが、内容に関してはゲームのキャラクターの「ステータス」を想像させる文章が記されていた。
―――――――――――――
ナオ
身長:160センチ
体重:45キロ
職業:暗殺者
レベル:1
SP:1
攻撃力:60
防御力:40
移動速度:80
魔法威力:20
魔法耐性:20
魔力容量:80
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戦技(攻撃スキル)
・無し
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技能スキル(才能)
・無し
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固有スキル(常時発動)
・無し
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画面に表示された文章を読み取り、本当にゲームの中のキャラクターになったような気分に陥りながらも直央は名前の項目に疑問を抱く。
「あれ?何で名前が直央じゃなくてナオになってるの?」
『この世界では名前に漢字は使わないんですよ』
「ああ、なるほど……というかステータスって、本当にゲームみたいな世界だな」
『このステータス自体はナオさんを送り出す世界の人間なら誰でも扱えます。正確には人種ならば扱える、ですけどね』
「人種?」
『エルフとかドワーフとか、人間以外の種族も存在するんですよ。もちろん、人類に害を為す魔物という存在もいます』
「魔物って……本当にそんな世界に僕を送り込む気?」
『それが役目ですから』
あっけからんと答えるアイリスに直央改め「ナオ」は背筋が凍り、話を聞く限りでは元の世界に戻れる様子はなく、これから自分はファンタジーの世界に送り込まれる事を意識する。
『あ、だけど送り出した世界には地球に戻る方法もありますよ』
「え?本当に!?」
『本当です。もしも地球に戻る術を見つけたのなら戻っても構いませんよ。別に私はナオさんを送り届ければ役目は終えるので邪魔はしませんよ』
「その方法は教えてくれないの?」
『いや、私もその方法は把握してないんですよ。だけど過去に召喚された勇者……あ、ナオさんと同じように召喚された人の事です。この人たちが残した「聖遺物」と呼ばれる道具の中に地球に戻れる効果を持つ道具があると聞いています。最もどんな道具なのかまでは分かりませんが……』
「そんな物があるのか……」
自分の世界に戻れる可能性があると聞いてナオは俄然とやる気が上がり、まずはステータスを確認して詳細を訪ねる。
「この攻撃力とかはなんとなく分かるけど……職業とか戦技とかスキルって何?」
『職業とは自分の見合った職業が表示されます。この職業によってレベルが上昇する際の成長率や覚えられる能力が変化します。暗殺者は隠密と速度に特化した能力ですね』
「戦技は?」
『戦技は簡単に言えば必殺技の事ですね。攻撃魔法とかもこれに含まれます。魔法以外にも剣等の武器を扱った戦技もありますよ』
「要するに攻撃向けの能力という事か……技能スキルは?」
『文字通りに技能です。例えば「調理」と呼ばれるスキルを覚えると料理の際に便利ですし、自分が調理した事もない食材の調理法も本能的に理解します。また、攻撃向けの技能スキルの中に「回避」と呼ばれる能力もありますが、こちらは相手が攻撃を仕掛けた時に肉体が回避行動を無意識に取ります』
「固有スキルは?」
『他のスキルと違い、常時発動し続ける能力です。技能スキルの場合は発動する時に自分がどの能力を扱うのか意識する必要がありますが、こちらは本人の意思に関係なく発動します。能力によっては発動を抑える事が出来ますが……』
「なるほど」
一通りの説明を受けたナオは忘れないようにしっかりと記憶に刻み込み、自分のステータスを確認して攻撃力などの数値の基準を聞く。
「今の数値は高いの?低いの?」
『レベル1では十分に高い方ですよ。この世界のレベル1の成人男性並の能力を持っていますね。単体のゴブリンぐらいなら倒せなくもないですよ』
「成人男性か……」
『さて、説明もここまでにしましょう。そろそろ私の能力を与えますよ』
アイリスが告げるとステータス画面に新しい項目が表示され、最後の項目「異能」という文字が追加された。
『この異能というのは異世界人だけに与えられる能力です。本来は1人に1つなんですけど、ナオさんの場合は2つ与えましょう』
「本当は召喚される人間じゃないから能力が低いんだっけ」
『まあ、そういう事になりますね。本当はランダムで与えられるんですけど、特別に今回はナオさんの好きな物を選んでください』
「どれどれ……」
新しい画面が表示され、今度は異能の種類が表示されたらしく、その数は百は超えていた。一つ一つを確かめるのは時間が掛かったが、ナオはある能力に注目した。
『貧弱』
「なんだこりゃ?これが能力なの?」
『それは初期ステータスと能力の成長率が最低値になる代わりにレベルの制限の無効化と新しいスキルを覚えるときのSPの消費量が固定化します』
「SP?」
『スキルポイントの略です。このSPはレベルが上がる事で入手できるのですが、SPを消費して新しい能力を手に入ります。別にSPを使用しなくとも職業に向いている能力は覚えられますけど、その場合は訓練をしなければなりません。先ほど説明した「調理」の技能スキルの場合だと実際に何百個の料理を成功させないとば覚えられません』
「消費量が固定する?」
『SPは新しい能力を覚えたり、あるいは能力の強化に使用するとSPの消費量が増加します。新しいスキルを習得する度に次のスキルを覚えるときの消費量は「1」だけ増加します。強化の場合は消費量は「5」に固定されています。だけど貧弱の異能を覚えたらどれだけスキルを覚えようと強化しようと消費量は「1」に固定化され、しかもレベルの上昇する数値に制限がありません。ちなみに普通の人間はレベルが99までしか上昇しません。この場合は勇者も例外ではないです』
貧弱の異能は能力値が最低になる代わりにレベルの制限が消え、SPの消費量も固定化されるので理論上はレベルの数に応じて新しいスキルを習得できるという。大器晩成型の能力であり、使い道が難しいのでアイリスとしてはおすすめできない能力らしい。
「ちなみにこの下の「空間魔法」はなに?」
『異空間に物体を収納させる魔法です。異空間に送り込まれた物体は時間の概念を受けないので食べ物の保存に便利ですよ。ちなみにSPを消費すれば収納魔法というこの能力の下位互換の能力を覚えられます。ですけど、空間魔法の場合は制限重量が存在しませんけどね』
「なるほど」
『それよりも私のおすすめはこの「成長」ですね。これを覚えれば通常よりもレベルの成長率が高いですし、普通よりもレベルが上昇したときの成長値が大きくて……』
「あ、押したら色が変わった」
『ちょっと!?』
アイリスの説明の最中に画面の文字をナオが間違って押してしまい、ステータス画面に「貧弱」と「空間魔法」が追加されてしまう。その瞬間、ナオの足元に彼がコンビニで見かけた魔法陣が足元に生み出され、ナオの身体が光に包みこまれる。
『何やってんですか!!画面に触れたら自動的に習得しちゃうんですよ!?』
「え、そんなシステムなの!?ちょ、キャンセルしてよ!!」
『いや、無理ですよ。まだ説明していない事があるのに――』
魔法陣が一際発光を強め、アイリスの声が途中で遮断されてしまう。ナオは自分の身体がジェットコースターに乗り込んだような浮揚感に襲われ、彼の視界が一変した――
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