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外伝 〈ヒロインルート〉
ヒロインルート『アイリス』
※これはあくまでももしもの世界です。
――王国での最後の決戦から数十年の月日が流れ、遂に人間としての寿命を迎えたレナは天寿を全うしようとしていた。既に肉体は痩せ細り、かつては大剣を軽々と扱っていた筋力も衰え、今では寝たきりの状態で過ごしていた。自分の死期を間もなく迎えようとしていたレナは最後の気力を振り絞り、アイリスとの交信を行う。
『アイリス……聞こえるか』
『はい、聞こえてますよお爺ちゃん。もう、ご飯はさっき食べたでしょう?』
『ふふふっ……死にかけの老人相手になんて冗談を使っている』
無事に交信が繋がった事にレナは安堵すると、やがてレナの前にうすぼんやりとアイリスの姿をした光の塊が生み出された。アイリスの姿をした幻影はレナの手を握り締め、優しく微笑む。
『それで、今日はどんな用事なんですか?』
『もうそろそろ俺は死ぬ……そうなんだろう?』
『ええ、そうですね。でも、安心してください。レナさんが死んでも残された人達はきっと上手くやっていけますよ』
『そうか……それを聞いて安心した』
自分の事よりも残していく人達の事を心配するレナにアイリスはため息を吐き出し、最期の時まで他の人間の心配をするレナに呆れてしまう。
『全く、どうしてわざわざ私の忠告を無視して寿命を延ばさなかったんですか?レナさんがその気ならもっと生きる事も出来たんですよ』
『勘弁してくれ……俺は人間だ。だから人間として普通に生きて、普通に死にたい。それだけだよ』
『レナさんの人生は普通という言葉とは掛け離れた人生でしたけどね』
『ああ、そうかもしれない……でも、だからこそ普通の人間ように死にたいと思ったのかもしれない』
この世界には寿命を延ばす方法は複数存在し、それを利用すれば何倍も寿命を延ばす事が出来た。しかし、それらの方法を敢えてレナは行わず、あくまでも普通の人間として人生を迎えようとした。惜しむ事は森人族の血筋であるレナは普通の人間よりも長生きしてしまい、殆どの仲間は既に先に逝ってしまった。
『レナさんが死ねばマリアやティナが悲しみますよ。それでも構わないんですか?』
『それだけは心残りだな……でも、これでいいんだよ』
『仕方のない人ですね……そろそろお別れの時間です』
『ああ、今までありがとう……アイリス』
『はい、お疲れさまでした……レナさん』
アイリスとの交信を遮断した瞬間、彼女の幻影が消え去り、レナはベッドの上で安らかな寝顔を浮かべながら天寿を全うした――
――が、寿命を終えて肉体から離れた魂を消えた思った幻影のアイリスが再び現れ、そのまま狭間の世界にまでレナの魂を導く。
「そいやっ!!ふふふ……レナさん、ゲットだぜ!!」
「うわぁっ!?な、何だ!?あれ、ここって……」
「いや~久しぶりですねこの感覚。どうですか?レナさんも懐かしいでしょう?」
すっかり死ぬ気だったレナは何が起きたのか理解するのに苦労したが、自分が地球で死んだときに訪れた狭間の世界に戻って来た事を知ると、一体何が起きたのかをアイリスに問う。
「ちょ、何でまたこの世界に俺が居るんだ!?あれ、理解が追い付かないんだけど……!?」
「いや、このままお別れするのも寂しいのでレナさんの魂が他の世界に移動する前に引き上げたんですよ。前に言ったでしょう?レナさんの魂には私の魂の一部を分け与えているので魂だけの状態ならこうして引き戻す事が出来たんですよ」
「何じゃそりゃああっ!!」
てっきり自分がこのまま死ぬと思い込んでいたレナはアイリスの言葉に驚き、彼女に掴みかかろうとしたが魂だけの状態なので何も出来ない。そんなレナの反応を楽しむようにアイリスは微笑む。
「まあまあ、落ち着いて下さい。このまま死んじゃったらレナさんは私の事を完全に忘れて別の世界へ転生しちゃうんですよ?それぐらいならこの世界の残ってもうしばらくはこちらの世界を楽しむ方がお得でしょう?」
「まあ、そうかもしれないけど……というか、この流れだと俺はまた転生するの?」
「ええ、レナさんが望む限り、私は何度でもレナさんを転生させますよ。でも、前回と違ってここに残りたいのなら残っても構いませんよ。ほら、肉体も用意してあげます」
「おおっ!?」
魂だけの存在だったレナにアイリスは指先を向けると、10代後半ごろのレナの肉体が復活する。驚いたレナは身体が自由に動けることを確認すると、やはり若い肉体は自由に動ける事に感動する。
「ああっ……久しぶりだなこの感覚。なんか、この身体を見ると本当に若返った気がする」
「でしょう?今回は好きなだけこの世界に残っても構いませんよ。私も話し相手が居た方が嬉しいですしね」
「お前な……でも、そうだな。ならお言葉に甘えてしばらくはここに残ろうかな」
「えっ?本当ですか?」
アイリスの行動に呆れながらもレナは仕方が無いとばかりに彼女の肩を掴み、これまでの人生を支えてきた彼女の恩返しも兼ねてもうしばらくはこの世界で過ごす事を約束した。
「それで……次は何を企んでいるんだ相棒?」
「ふふふ……そうですね、しばらくの間はここでレナさんと遊んだ後、今度は私もあちらの世界へ行動できる方法を探そうと考えています。その時は一緒に異世界ライフを過ごしてくれますか?」
「あはは……それは楽しそうだな」
レナはアイリスの言葉に頷き、肩を寄せて彼女が傍に居る事を実感する。こうして本物の彼女の感触を実感できる日が来るとは思わず、もうしばらくの間は気まぐれな天使の相手をすることにした――
※恋愛というより友情エンドですね。でも、この後に二人が恋愛感情を芽生えるかもしれません。アイリス実体化ルートもあり得るかも……
――王国での最後の決戦から数十年の月日が流れ、遂に人間としての寿命を迎えたレナは天寿を全うしようとしていた。既に肉体は痩せ細り、かつては大剣を軽々と扱っていた筋力も衰え、今では寝たきりの状態で過ごしていた。自分の死期を間もなく迎えようとしていたレナは最後の気力を振り絞り、アイリスとの交信を行う。
『アイリス……聞こえるか』
『はい、聞こえてますよお爺ちゃん。もう、ご飯はさっき食べたでしょう?』
『ふふふっ……死にかけの老人相手になんて冗談を使っている』
無事に交信が繋がった事にレナは安堵すると、やがてレナの前にうすぼんやりとアイリスの姿をした光の塊が生み出された。アイリスの姿をした幻影はレナの手を握り締め、優しく微笑む。
『それで、今日はどんな用事なんですか?』
『もうそろそろ俺は死ぬ……そうなんだろう?』
『ええ、そうですね。でも、安心してください。レナさんが死んでも残された人達はきっと上手くやっていけますよ』
『そうか……それを聞いて安心した』
自分の事よりも残していく人達の事を心配するレナにアイリスはため息を吐き出し、最期の時まで他の人間の心配をするレナに呆れてしまう。
『全く、どうしてわざわざ私の忠告を無視して寿命を延ばさなかったんですか?レナさんがその気ならもっと生きる事も出来たんですよ』
『勘弁してくれ……俺は人間だ。だから人間として普通に生きて、普通に死にたい。それだけだよ』
『レナさんの人生は普通という言葉とは掛け離れた人生でしたけどね』
『ああ、そうかもしれない……でも、だからこそ普通の人間ように死にたいと思ったのかもしれない』
この世界には寿命を延ばす方法は複数存在し、それを利用すれば何倍も寿命を延ばす事が出来た。しかし、それらの方法を敢えてレナは行わず、あくまでも普通の人間として人生を迎えようとした。惜しむ事は森人族の血筋であるレナは普通の人間よりも長生きしてしまい、殆どの仲間は既に先に逝ってしまった。
『レナさんが死ねばマリアやティナが悲しみますよ。それでも構わないんですか?』
『それだけは心残りだな……でも、これでいいんだよ』
『仕方のない人ですね……そろそろお別れの時間です』
『ああ、今までありがとう……アイリス』
『はい、お疲れさまでした……レナさん』
アイリスとの交信を遮断した瞬間、彼女の幻影が消え去り、レナはベッドの上で安らかな寝顔を浮かべながら天寿を全うした――
――が、寿命を終えて肉体から離れた魂を消えた思った幻影のアイリスが再び現れ、そのまま狭間の世界にまでレナの魂を導く。
「そいやっ!!ふふふ……レナさん、ゲットだぜ!!」
「うわぁっ!?な、何だ!?あれ、ここって……」
「いや~久しぶりですねこの感覚。どうですか?レナさんも懐かしいでしょう?」
すっかり死ぬ気だったレナは何が起きたのか理解するのに苦労したが、自分が地球で死んだときに訪れた狭間の世界に戻って来た事を知ると、一体何が起きたのかをアイリスに問う。
「ちょ、何でまたこの世界に俺が居るんだ!?あれ、理解が追い付かないんだけど……!?」
「いや、このままお別れするのも寂しいのでレナさんの魂が他の世界に移動する前に引き上げたんですよ。前に言ったでしょう?レナさんの魂には私の魂の一部を分け与えているので魂だけの状態ならこうして引き戻す事が出来たんですよ」
「何じゃそりゃああっ!!」
てっきり自分がこのまま死ぬと思い込んでいたレナはアイリスの言葉に驚き、彼女に掴みかかろうとしたが魂だけの状態なので何も出来ない。そんなレナの反応を楽しむようにアイリスは微笑む。
「まあまあ、落ち着いて下さい。このまま死んじゃったらレナさんは私の事を完全に忘れて別の世界へ転生しちゃうんですよ?それぐらいならこの世界の残ってもうしばらくはこちらの世界を楽しむ方がお得でしょう?」
「まあ、そうかもしれないけど……というか、この流れだと俺はまた転生するの?」
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「おおっ!?」
魂だけの存在だったレナにアイリスは指先を向けると、10代後半ごろのレナの肉体が復活する。驚いたレナは身体が自由に動けることを確認すると、やはり若い肉体は自由に動ける事に感動する。
「ああっ……久しぶりだなこの感覚。なんか、この身体を見ると本当に若返った気がする」
「でしょう?今回は好きなだけこの世界に残っても構いませんよ。私も話し相手が居た方が嬉しいですしね」
「お前な……でも、そうだな。ならお言葉に甘えてしばらくはここに残ろうかな」
「えっ?本当ですか?」
アイリスの行動に呆れながらもレナは仕方が無いとばかりに彼女の肩を掴み、これまでの人生を支えてきた彼女の恩返しも兼ねてもうしばらくはこの世界で過ごす事を約束した。
「それで……次は何を企んでいるんだ相棒?」
「ふふふ……そうですね、しばらくの間はここでレナさんと遊んだ後、今度は私もあちらの世界へ行動できる方法を探そうと考えています。その時は一緒に異世界ライフを過ごしてくれますか?」
「あはは……それは楽しそうだな」
レナはアイリスの言葉に頷き、肩を寄せて彼女が傍に居る事を実感する。こうして本物の彼女の感触を実感できる日が来るとは思わず、もうしばらくの間は気まぐれな天使の相手をすることにした――
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