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外伝 ~ヨツバ王国編~
けじめをつける
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『私は大きな過ちを犯した……それは償ったとしても許される事ではない』
「どういう意味だ?あんたはカレハの仲間じゃないのか?」
『ふざけるな!!私が奴に従っていたのは……いや、今更言っても仕方がない』
ハヤテがカレハに従っていた理由はマリアが関わっていることを口にしようとしたが、今更どんな言い訳をしようと彼女は自分の犯した罪は償われないと判断した。そしてレナ達の前に現れた理由を告げる。
『カレハを止められなかったのは私の責任だ。だから、お前達だけでも早く逃げろ。奴は私が始末する、そしてキラウを殺して石化された人間を救う』
「なるほど、そういう事か……要するにあんたは自分一人でけじめをつけるから俺達に帰れと言っているのか?」
『そうだ。奴はお前達の手には負えない、いくら剣の腕があろうと……奴の傍には最強の魔術師が控えている』
カレハを止めるには世界最強と言っても過言ではない「マリア」を敵に回すことを意味しており、ずっと彼女の傍で仕えていたハヤテだからこそマリアの持つ力の恐ろしさは知っていた。いくらレナ達が強者と言っても「武力」だけではマリアの魔法には勝てる事が出来ない。
普通の剣士でも身体を鍛えて技術を磨けば大抵の魔物を倒す事は出来る。しかし、竜種などの危険種に対して剣で挑むのはあまりにも無謀な行為と言える。災害の象徴とさえ呼ばれている竜種を倒す剣士など歴史上でも数えるほどしかいない。
だが、魔術師の場合は魔法を覚えたての子供でも魔物を圧倒する力を身に着ける。実際に戦争では剣士よりも魔術師の方が戦力として期待され、彼等が扱う魔法の力は城壁を容易く破壊し、大勢の兵士を葬り去る事が出来た。また、竜種に関しても魔術師が倒した記録はいくつも存在し、実際にマリアは冒険者時代に数体の竜種を葬っている。
相手がただの一流の魔術師ならばレナ達だけでも対処は出来るだろう。しかし、今回相手をするのは超一流の魔術師であり、このままレイナ達を王城へ向かわせれば返り討ちに遭う事をハヤテは告げる。
『お前達の力ではマリアには到底及ばない……だが、私ならカレハの懐に潜り込み、奴を殺してあの方を解放する事が出来る。だからその時まで大人しく隠れて居ろ』
「ハヤテよ、そういう訳にはいかん。儂は今日、あの子に会わなければならないのだ」
『国王陛下……我儘を言わないでください。今の貴方達ではどうしようもできない、どうか北の領地へ引き返して姉と合流し、匿って貰ってください』
国王であるデブリの言葉であろうとハヤテは受け入れられず、例え相手が王族であろうと命令を聞かない彼女に対してシュンが問いただす。
「師匠よ、あんたとは長い付き合いだ。だから何を考えているのかよく分かっている……カレハを殺した後、あんた自決する気だな?」
『……そうだ、もう私からお前に教える事は何もない。だから私の技術はお前が継承しろ、今日からは風の剣聖の称号はお前の物だ』
「ふざけんじゃねえよっ!!そんなもんいるかっ!!」
勝手に自分に後を託して死のうとするハヤテに対してシュンは激怒するが、そんな彼に対してハヤテは鞘に納めた魔剣「青嵐」に手を伸ばすと、刀を引き抜く。
『居合一式……斬!!』
「何っ!?」
「危ないっ!!」
鞘から刀身が引き抜かれた瞬間、強烈な風の斬撃が発生するとシュンの元へ放たれ、咄嗟にレナが退魔刀を抱えて斬撃を正面から受け止める。前回に戦ったときよりも強烈な一撃ではあったが、それをレナはどうにか受け流す。
「こ、のぉっ!!」
「うおっ!?」
退魔刀を振り払うと風の斬撃が消散し、周囲に突風が広がる。その光景を見てシュンは唖然とするが、ハヤテの方は青嵐を握り締めたままシュンに言い放つ。
『シュン、お前では私を止める事は出来ない……お前の剣はまだ完成されていない』
「師匠……あんた、今の本気で俺を殺すつもりだっただろ」
『そうだ、あの程度の攻撃に反応できないようであればここで死ね。私の弟子に弱者はいらない』
「言っている事、無茶苦茶だぞあんた……」
自分の後を継げと言い出しながら本気で殺すつもりで攻撃してきたハヤテにシュンは呆れるが、昔から掴みどころのない相手だと知っているため、シュンは自分を庇ったレナの肩を掴む。
「助かったぜ坊主……だが、こいつの相手は俺だ。あんた等は今の内に進め」
「えっ?」
「シュン!?貴方、何を言って……」
『お前ひとりで私を止められると思っているのか?』
シュンの言葉に皆が驚き、一方でハヤテの方も自分との力の差を理解しながらも逃げようとしないシュンに呆れてしまうが、そんな彼女に対してシュンは自分の剣を引き抜くと正面から構える。そして彼はレナに告げる。
「本当は、お前を倒す為に編み出した剣技なんだけどな……」
「えっ?」
「はあああっ!!」
気合を込めた雄たけびを上げながらハヤテは剣を振り下ろすと、風の斬撃が繰り出される。しかし、ハヤテの物と比べても彼の風の斬撃は規模が3分の1にも満たず、威力も大きく劣る。それを見たハヤテは落胆するように剣を構えようとしたが、すぐに異変を感じ取った。
「どういう意味だ?あんたはカレハの仲間じゃないのか?」
『ふざけるな!!私が奴に従っていたのは……いや、今更言っても仕方がない』
ハヤテがカレハに従っていた理由はマリアが関わっていることを口にしようとしたが、今更どんな言い訳をしようと彼女は自分の犯した罪は償われないと判断した。そしてレナ達の前に現れた理由を告げる。
『カレハを止められなかったのは私の責任だ。だから、お前達だけでも早く逃げろ。奴は私が始末する、そしてキラウを殺して石化された人間を救う』
「なるほど、そういう事か……要するにあんたは自分一人でけじめをつけるから俺達に帰れと言っているのか?」
『そうだ。奴はお前達の手には負えない、いくら剣の腕があろうと……奴の傍には最強の魔術師が控えている』
カレハを止めるには世界最強と言っても過言ではない「マリア」を敵に回すことを意味しており、ずっと彼女の傍で仕えていたハヤテだからこそマリアの持つ力の恐ろしさは知っていた。いくらレナ達が強者と言っても「武力」だけではマリアの魔法には勝てる事が出来ない。
普通の剣士でも身体を鍛えて技術を磨けば大抵の魔物を倒す事は出来る。しかし、竜種などの危険種に対して剣で挑むのはあまりにも無謀な行為と言える。災害の象徴とさえ呼ばれている竜種を倒す剣士など歴史上でも数えるほどしかいない。
だが、魔術師の場合は魔法を覚えたての子供でも魔物を圧倒する力を身に着ける。実際に戦争では剣士よりも魔術師の方が戦力として期待され、彼等が扱う魔法の力は城壁を容易く破壊し、大勢の兵士を葬り去る事が出来た。また、竜種に関しても魔術師が倒した記録はいくつも存在し、実際にマリアは冒険者時代に数体の竜種を葬っている。
相手がただの一流の魔術師ならばレナ達だけでも対処は出来るだろう。しかし、今回相手をするのは超一流の魔術師であり、このままレイナ達を王城へ向かわせれば返り討ちに遭う事をハヤテは告げる。
『お前達の力ではマリアには到底及ばない……だが、私ならカレハの懐に潜り込み、奴を殺してあの方を解放する事が出来る。だからその時まで大人しく隠れて居ろ』
「ハヤテよ、そういう訳にはいかん。儂は今日、あの子に会わなければならないのだ」
『国王陛下……我儘を言わないでください。今の貴方達ではどうしようもできない、どうか北の領地へ引き返して姉と合流し、匿って貰ってください』
国王であるデブリの言葉であろうとハヤテは受け入れられず、例え相手が王族であろうと命令を聞かない彼女に対してシュンが問いただす。
「師匠よ、あんたとは長い付き合いだ。だから何を考えているのかよく分かっている……カレハを殺した後、あんた自決する気だな?」
『……そうだ、もう私からお前に教える事は何もない。だから私の技術はお前が継承しろ、今日からは風の剣聖の称号はお前の物だ』
「ふざけんじゃねえよっ!!そんなもんいるかっ!!」
勝手に自分に後を託して死のうとするハヤテに対してシュンは激怒するが、そんな彼に対してハヤテは鞘に納めた魔剣「青嵐」に手を伸ばすと、刀を引き抜く。
『居合一式……斬!!』
「何っ!?」
「危ないっ!!」
鞘から刀身が引き抜かれた瞬間、強烈な風の斬撃が発生するとシュンの元へ放たれ、咄嗟にレナが退魔刀を抱えて斬撃を正面から受け止める。前回に戦ったときよりも強烈な一撃ではあったが、それをレナはどうにか受け流す。
「こ、のぉっ!!」
「うおっ!?」
退魔刀を振り払うと風の斬撃が消散し、周囲に突風が広がる。その光景を見てシュンは唖然とするが、ハヤテの方は青嵐を握り締めたままシュンに言い放つ。
『シュン、お前では私を止める事は出来ない……お前の剣はまだ完成されていない』
「師匠……あんた、今の本気で俺を殺すつもりだっただろ」
『そうだ、あの程度の攻撃に反応できないようであればここで死ね。私の弟子に弱者はいらない』
「言っている事、無茶苦茶だぞあんた……」
自分の後を継げと言い出しながら本気で殺すつもりで攻撃してきたハヤテにシュンは呆れるが、昔から掴みどころのない相手だと知っているため、シュンは自分を庇ったレナの肩を掴む。
「助かったぜ坊主……だが、こいつの相手は俺だ。あんた等は今の内に進め」
「えっ?」
「シュン!?貴方、何を言って……」
『お前ひとりで私を止められると思っているのか?』
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「本当は、お前を倒す為に編み出した剣技なんだけどな……」
「えっ?」
「はあああっ!!」
気合を込めた雄たけびを上げながらハヤテは剣を振り下ろすと、風の斬撃が繰り出される。しかし、ハヤテの物と比べても彼の風の斬撃は規模が3分の1にも満たず、威力も大きく劣る。それを見たハヤテは落胆するように剣を構えようとしたが、すぐに異変を感じ取った。
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