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S級冒険者編
閃光
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(光球と付与強化を組み合わせた新しい合成魔術……喰らえっ!!)
実戦で使用するのは初めてだが、レナは掌を九尾に構えて強烈な光を放つ球体を生み出す。名前は技術スキル「閃光」であり、名前の通りに強烈な閃光を浴びた九尾は怯む。
「閃光!!」
「ギャインッ!?」
「ぬあっ!?め、目がぁっ!?」
合成魔術を発動させた際に近くに立っていたゴウライを巻き込んでしまうが、聖属性の魔法で生み出した光球が放つ光その物は人体には優しく、この閃光に奪われた視界も数秒程度で回復してしまう。それは人間以外の生物でも同じだが、その数秒の間にレナは攻撃を繰り出す。
閃光を発動させた際にレナは左手を九尾に向けたため、右腕のみの力で退魔刀で攻撃を仕掛ける。この際に加速剣撃を発動させ、九尾の頭部に目掛けて振り下ろした。
「兜割りっ!!」
「ッ……!?」
ゴウライ程ではないが、凄まじい勢いで振り下ろされた大剣の刃は九尾の頭部に衝突する寸前、九尾は自分の九つの尻尾を伸ばしてレナの一撃を受け止める。外見に似合わずに尻尾の一つ一つが非常に硬く、レナの一撃でさえも受け止めると、逆に弾き返す。
「ガアッ!!」
「うわっ!?」
まさか攻撃を尻尾に弾かれるとは思わなかったレナは体勢を崩し、その隙に九尾は視界を奪われた状態で距離を取る。しばらくの間は頭を振って視界が回復するのを待つと、九尾は怒りの形相を抱いて九つの尻尾を動かし、今度は槍のように突き刺してきた。
「キュコォンッ!!」
「わっ!?」
「きゃあっ!?」
「ぬおおっ!?」
「くっ……聖鎧!!」
九尾は九つの尻尾を伸ばす事が出来るらしく、金属の槍のように硬質化させた尻尾を利用してレナ達を狙う。その尻尾の威力を大岩を容易く貫通し、回避しようとしても軌道を変化させて執拗に迫る。その攻撃に対してレミアは全身に聖鎧を発動させて防御の視線を取り、マリアも結界魔法を発動させて身を防ぐ。
「面倒ね……プロト・アイギス!!」
「キャインッ!?」
マリアが大規模の結界魔法陣を発動させた結果、腐敗竜の突進せも受け止める魔法陣によって九尾の尻尾の槍は弾かれてしまい、痛みを覚えたのか九尾は悲鳴を上げてその場を離れた。その様子を見てレナは厄介な尻尾を先にどうにかしなければならないと判断し、退魔刀と大太刀を両手に握り締める。
ゴウライの方もやっと視界が回復したのかデュランダルを掲げてレナの元に移動し、他の二人も自然とレナの元に集まった。マリアは離れた位置で様子を伺い、援護の準備を行う。
「むうっ……おい、レナ!!あんな魔法を出すのなら事前に注意しておけ!!眩しくて何も見えなくなったぞ!!もしも吾輩がやられていたらどうする気だ!!」
「えっ……ゴウライさんは心眼を使えないんですか?」
「ぬおっ!?そういえばその手があったか!!はっはっはっ、久しく使っていなかった忘れてたぞ!!」
「ええっ……」
「ですが、もう先ほどの手は通じないでしょう。九尾も警戒していますし、それにあの厄介な九つの尻尾をどうにかしなければ……」
「何か手はありますか?」
九尾と向かい合ったレナ達は話し合い、まずは厄介な尻尾をどうにかしなければ九尾を倒す事は出来ないと判断した。しかし、九尾の尻尾は全力ではなかったとはいえ、レナの一撃を受けても傷一つ負わないどころか弾き返す硬度を誇る。しかし、ここでレナは攻撃を行った際に違和感を覚えた。
(九尾の尻尾に弾かれた時、何か光ったような……まさか、こいつ魔鎧術が使えるのか?)
退魔刀の刃が九尾の尻尾に触れる寸前、レナの視界には尻尾の周囲に光の膜のような物が発生し、それに弾き返されたように見えた。考えにくい事だが九尾はレナやホネミンが扱う「魔鎧術」のように体内の魔力を実体化させ、身を防ぐ術を持っているのかもしれない。
過去にレナは魔鎧術と酷似した「呪鎧」と呼ばれる魔力で形成した鎧を身に纏った生物と戦った事がある。その生物の正体は「腐敗竜」であり、レナが攻撃魔法を仕掛けた時に腐敗竜は全身に黒色の炎のような魔力を纏って攻撃を防いだ。九尾の場合も腐敗竜の「呪鎧」とは少々異なるが、魔力を実体化させて攻撃や防御に利用している可能性はあった。
「叔母様、こいつの攻撃に変な感じがしなかった?」
「……そうね、攻撃を行う時に魔力の気配が感じられたわ。私にそんな事を聞くという事は貴方も感じたの?」
「うん、俺も感じたよ」
「何?どういう意味だ?何か感じたのか?」
「私には分かりませんでしたが……」
「……いえ、確かに私も違和感を覚えました」
九尾の攻撃にはレナだけではなく、マリアとレミアも違和感を感じ取り、ジャンヌとゴウライは何も感じ取れなかった。レナ達が感じた違和感をジャンヌとゴウライが感じ取れなかった理由があるとすれば「魔力感知」の技能を習得しているかであり、恐らくこの二人は魔力感知を覚えておらず、他の三人は魔力感知を習得していたからだと思われた。
魔力感知の技能は生粋の戦闘職の人間は本来は覚える技能ではなく、レナやマリアのような魔法職、レミアの場合のような特殊な騎士職の人間は比較的に覚えやすい能力である。九尾が魔力を使用したとき、レナ達だけが気付くことが出来たのは魔力感知の技能を習得していたからだと思われる。
実戦で使用するのは初めてだが、レナは掌を九尾に構えて強烈な光を放つ球体を生み出す。名前は技術スキル「閃光」であり、名前の通りに強烈な閃光を浴びた九尾は怯む。
「閃光!!」
「ギャインッ!?」
「ぬあっ!?め、目がぁっ!?」
合成魔術を発動させた際に近くに立っていたゴウライを巻き込んでしまうが、聖属性の魔法で生み出した光球が放つ光その物は人体には優しく、この閃光に奪われた視界も数秒程度で回復してしまう。それは人間以外の生物でも同じだが、その数秒の間にレナは攻撃を繰り出す。
閃光を発動させた際にレナは左手を九尾に向けたため、右腕のみの力で退魔刀で攻撃を仕掛ける。この際に加速剣撃を発動させ、九尾の頭部に目掛けて振り下ろした。
「兜割りっ!!」
「ッ……!?」
ゴウライ程ではないが、凄まじい勢いで振り下ろされた大剣の刃は九尾の頭部に衝突する寸前、九尾は自分の九つの尻尾を伸ばしてレナの一撃を受け止める。外見に似合わずに尻尾の一つ一つが非常に硬く、レナの一撃でさえも受け止めると、逆に弾き返す。
「ガアッ!!」
「うわっ!?」
まさか攻撃を尻尾に弾かれるとは思わなかったレナは体勢を崩し、その隙に九尾は視界を奪われた状態で距離を取る。しばらくの間は頭を振って視界が回復するのを待つと、九尾は怒りの形相を抱いて九つの尻尾を動かし、今度は槍のように突き刺してきた。
「キュコォンッ!!」
「わっ!?」
「きゃあっ!?」
「ぬおおっ!?」
「くっ……聖鎧!!」
九尾は九つの尻尾を伸ばす事が出来るらしく、金属の槍のように硬質化させた尻尾を利用してレナ達を狙う。その尻尾の威力を大岩を容易く貫通し、回避しようとしても軌道を変化させて執拗に迫る。その攻撃に対してレミアは全身に聖鎧を発動させて防御の視線を取り、マリアも結界魔法を発動させて身を防ぐ。
「面倒ね……プロト・アイギス!!」
「キャインッ!?」
マリアが大規模の結界魔法陣を発動させた結果、腐敗竜の突進せも受け止める魔法陣によって九尾の尻尾の槍は弾かれてしまい、痛みを覚えたのか九尾は悲鳴を上げてその場を離れた。その様子を見てレナは厄介な尻尾を先にどうにかしなければならないと判断し、退魔刀と大太刀を両手に握り締める。
ゴウライの方もやっと視界が回復したのかデュランダルを掲げてレナの元に移動し、他の二人も自然とレナの元に集まった。マリアは離れた位置で様子を伺い、援護の準備を行う。
「むうっ……おい、レナ!!あんな魔法を出すのなら事前に注意しておけ!!眩しくて何も見えなくなったぞ!!もしも吾輩がやられていたらどうする気だ!!」
「えっ……ゴウライさんは心眼を使えないんですか?」
「ぬおっ!?そういえばその手があったか!!はっはっはっ、久しく使っていなかった忘れてたぞ!!」
「ええっ……」
「ですが、もう先ほどの手は通じないでしょう。九尾も警戒していますし、それにあの厄介な九つの尻尾をどうにかしなければ……」
「何か手はありますか?」
九尾と向かい合ったレナ達は話し合い、まずは厄介な尻尾をどうにかしなければ九尾を倒す事は出来ないと判断した。しかし、九尾の尻尾は全力ではなかったとはいえ、レナの一撃を受けても傷一つ負わないどころか弾き返す硬度を誇る。しかし、ここでレナは攻撃を行った際に違和感を覚えた。
(九尾の尻尾に弾かれた時、何か光ったような……まさか、こいつ魔鎧術が使えるのか?)
退魔刀の刃が九尾の尻尾に触れる寸前、レナの視界には尻尾の周囲に光の膜のような物が発生し、それに弾き返されたように見えた。考えにくい事だが九尾はレナやホネミンが扱う「魔鎧術」のように体内の魔力を実体化させ、身を防ぐ術を持っているのかもしれない。
過去にレナは魔鎧術と酷似した「呪鎧」と呼ばれる魔力で形成した鎧を身に纏った生物と戦った事がある。その生物の正体は「腐敗竜」であり、レナが攻撃魔法を仕掛けた時に腐敗竜は全身に黒色の炎のような魔力を纏って攻撃を防いだ。九尾の場合も腐敗竜の「呪鎧」とは少々異なるが、魔力を実体化させて攻撃や防御に利用している可能性はあった。
「叔母様、こいつの攻撃に変な感じがしなかった?」
「……そうね、攻撃を行う時に魔力の気配が感じられたわ。私にそんな事を聞くという事は貴方も感じたの?」
「うん、俺も感じたよ」
「何?どういう意味だ?何か感じたのか?」
「私には分かりませんでしたが……」
「……いえ、確かに私も違和感を覚えました」
九尾の攻撃にはレナだけではなく、マリアとレミアも違和感を感じ取り、ジャンヌとゴウライは何も感じ取れなかった。レナ達が感じた違和感をジャンヌとゴウライが感じ取れなかった理由があるとすれば「魔力感知」の技能を習得しているかであり、恐らくこの二人は魔力感知を覚えておらず、他の三人は魔力感知を習得していたからだと思われた。
魔力感知の技能は生粋の戦闘職の人間は本来は覚える技能ではなく、レナやマリアのような魔法職、レミアの場合のような特殊な騎士職の人間は比較的に覚えやすい能力である。九尾が魔力を使用したとき、レナ達だけが気付くことが出来たのは魔力感知の技能を習得していたからだと思われる。
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