不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
911 / 2,091
S級冒険者編

スライム探し

しおりを挟む
――10分後、洞穴から抜け出したレナ達は湖の前へと辿り着く。どうして時間が掛かったのかというと、ホネミンを救出する際にレナは建造物に近付いた際、魔力を奪われた際に意識が乱れて外部に残していた黒渦がかき消されていた。そのために鎖を使って出入口まで戻る必要があったので時間が掛かってしまった。

湖の前に辿り着いたレナ達は水竜を刺激しないように配慮しながらも岸部を歩き回り、スライムの姿を探す。大迷宮の外ならばスライムは水辺に生息しているのだが、やはり環境の問題のせいか一匹も見当たらない。


『う~ん、いませんね……やっぱり第五階層の環境だとスライムのような最弱モンスターは生き残るのは難しいんでしょうか』
「ここにスラミンとヒトミンがいたらきっと怒ると思う台詞」
「けど、攻撃能力を持たないスライムがこの第五階層に生き延びているとは考えにくいわね」
「何かに擬態して隠れてたりして……」
「いや、仮に岩とかに化けていても俺の魔力感知なら捉える事ができるからそれはないと思う」
「お~い、スライムやい。おいしい餌をあげるから早く出て来いよ~」


駄目元でダインは精霊薬が入った小瓶を揺らしながら声をかけるが、一向に反応はなくスライムが出現する様子はない。やはりここは諦めるしかないかと思われた時、レナは立ち止まって目を見開く。


「この魔力は……」
「どうしたレナ?」
「あっちの方から何かを感じる」


レナは湖の方に視線を向け、魔力感知に何かが反応した事を告げる。全員が視線を向けると、そこには水面に浮かぶ巨大な銀色に光り輝く物体が存在した。それを見たレナ達は一瞬何か分からなかったが、すぐにそれは巨大なスライムだと判明した。


『ぷる~んっ……』
「な、何よあれは……スライムなの?」
「で、でも銀色だよ?銀色のスライムなんて聞いたことがない……」
「あ、あれは……まさか、シルバースライムなのか!?倒すと経験値が大量に貰えると言われている伝説のスライムだ!!」
「何その危ない名前と設定のスライム!?」


メタリックな輝きを放つスライムの登場にレナ達は戸惑い、一方でシルバースライムと呼ばれる銀色のスライムは水面を呑気に浮かんでいた。外見は重そうに見えるのだがスライムである事は間違いないらしく、ダインは慌てた様子で捕まえるように促す。


「おい、皆!!あいつを早く捕まえようぜ!!シルバースライムは伝説のスライムなんだぞ!?」
「捕まえろと言われてもどうやって……」
「釣り道具でも持ってくれば良かったね」
「ああ、もうこうなったら僕が捕まえてやる!!見てろよ、僕の影魔法はこんな事も出来るんだ!!」


ダインは居ても立っても居られずに杖を地面に突き刺すと、そのまま影魔法を発動させて回収を試みた。ダインの足元の影が伸びると水面を移動し、そのままぷかぷかと浮かんでいるシルバースライムの元へと向かう。影という特徴状、水面であろうとダインの影魔法は影響を受けないらしく、そのまま影はシルバースライムを捕獲しようとした。


「よし、このまま捕まえて……な、なんだ!?」
「この気配……まずい!!ダイン、はやく影魔法を解除して!!」
「え、どうしたのレナ君!?」
「ダインの魔法に反応してきっと気づかれた!!」
「気づかれたって……ま、まさか!?」


あと少しでダインの影魔法がシルバースライムに届こうかとしたとき、唐突に地震でも起きたかの様に水面が激しく揺れ動き、やがて湖の中央部から派手な水飛沫を上げて巨大な蛇のような魔物が出現した。湖を縄張りとする水竜がダインの影魔法に反応して姿を現す。


「シャオオオオッ!!」
「ぎゃああっ!?」
「落ち着きなさいダイン!!早く影魔法を解除しなさい!!」
『やっぱりこうなるんですか!!ていうか、これどうするんですか!?』
「戦うしかないだろっ!!」
「その通りだ!!」
「ええっ!?」


水竜が出現した事によってダインはパニックを起こし、それをシズネが冷静に落ち着かせる。一方でレナとゴンゾウは戦闘態勢に入ると、水竜は岸に存在するレナ達に気づいて目元を鋭くさせた。何者であろうと自分の縄張りに近付く存在は許さない水竜は水面を移動してレナ達の元へ向かう。

近付いてくる水竜に対してレナ達は身構えるが、相手は湖の中に存在するため、火竜との戦闘と違って攻撃手段が限られていた。どうにか地上へおびき寄せればいいのだが、水竜はあくまでも水生生物なので陸上に上がることはない。ならば湖の水を凍らせるためにシズネが真っ先に動いた。


「仕方ないわね……ダイン、貴方は後でたっぷりと説教よ!!」
「どうするつもりなの、シズネさん!?」
「こうするのよ!!」


雪月花を引き抜いたシズネは水面に向けて刃を突き刺すと、そのまま魔剣の力を解放させて冷気を放つ。その結果、瞬く間に湖の水が凍結化を始め、近づこうとしている水竜を氷漬けにしようとした。




※シルバースライム「ぷるるんっ(今のうちに逃げよっ)===ノ(´・ω・)ノ」
しおりを挟む
感想 5,095

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。