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真・闘技祭 予選編
三つ巴
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「はああっ!!」
「ぬうっ!?」
刃を交わしながらもレナは隙を突いてクレナイの胴体に蹴りを叩き込み、後方へ吹き飛ばす。即座に追撃に動こうとしたレナだったが、クレナイは大剣を振りかざすと突風を放つ。正面から押し寄せる風圧に対してレナは鏡刀を抜いて切り裂く。魔法の力を跳ね返す性質を持つ刃は風さえも切り裂き、周囲に余波が拡散した。
退魔刀と鏡刀を手にしたレナを確認してクレナイは表情を険しくさせ、自分の腕が痺れている事に気付く。これまでに彼は何人もの猛者と戦い、その中には巨人族のような腕力に特化した相手も存在した。しかし、その誰よりもレナの攻撃は重く、刃を交わす度に身体に響く。その事実にクレナイは驚きを隠せない。
(この小僧……この齢でここまでの領域に立つか!!)
一方でレナの方もクレナイと刃を交わした事で彼の力量をだいたいは把握し、ヨツバ王国の六聖将の筆頭を任されるだけはあると内心で焦っていた。彼の扱う「魔刀術」はレナが風の聖痕を使用すれば無効化できるのだが、クレナイの場合は風の聖痕を使用する隙も与えない。
風属性の魔法、あるいは魔法剣ならばレナが所持している風の聖痕の力で無効化する事は出来るのだが、レナの場合は聖痕を使用するにはある程度の集中力を必要とする。ハルナの場合は無意識に雷の聖痕の力を扱いこなすのに対し、生憎と風属性の適性が本来は高いとは言えないレナでは風の聖痕を彼女のように扱う事は出来なかった。
(この人、本当に強いな……少しでも油断するとこっちがやられそうだ)
一難去ってまた一難という言葉通り、サンドワームの脅威から逃れたと思った途端に現れたクレナイにレナは冷や汗を流し、この状況下でとんでもない相手に見つかってしまった。それでも嘆いている暇はなく、どのように対処するべきかと考えていると、更に面倒な事に聞き覚えのある声が響く。
『見つけたぞぉおおっ!!吾輩を置いていくなぁっ!!』
「ちぃっ……」
「この声は……」
「ご、ゴウライさん!?」
ゴウライの声が街道に鳴り響くと、派手に足元の土煙を巻き上げながらゴウライが駆けつけてきた。その姿を見てクレナイは舌打ちし、レナも面倒な相手が着た事に頭を抑え、一方で顔見知りのジャンヌも驚く。
『ふはははっ!!抜け駆けは許さんぞ、吾輩も混ぜろ!!』
「お前はさっさと闘技場へ行け!!この男の相手は俺がすると何度言わせるのだ!?」
「ひいいっ!?よ、よりにもよって破壊剣聖と六聖将が手を組んでるのか!?」
「何だ何だ、知り合いなのか兄ちゃん?」
クレナイとゴウライが並び立ったのを見てダインは悲鳴を漏らし、そんな彼にハルナは不思議そうな表情を浮かべる。どうやら彼女はどちらの事もよく知らないらしく、唐突に現れた二人の大剣使いに興味を抱いた様子だった。
レナはクレナイ一人でも手に余る状況で新しく現れたゴウライに面倒そうな表情を浮かべ、流石にこの二人を同時に相手をして勝てる自信はない。せめてレミアでもいれば対処できたかもしれないが、未だに彼女が現れる様子はない。
(どうする?俺一人ならいくらでも逃げる方法はあるけど、ダインやジャンヌを置いていくわけにはいかないし……なんだ!?)
――二人と対峙したレナはどうするべきかを考えた時、上空から二つの大きな人影が現れると、レナとクレナイとゴウライの間に降り立つ。その人影の正体は巨人族の代表であるギガンと、レナの親友にして現在は敵同士でもあるゴンゾウだった。
突如として姿を現した二人にレナ達は驚き、一方でギガンとゴンゾウの方は闘拳を装着すると向かい合っている3人を確認し、互いに背中を合わせて向かい合う。ギガンはゴウライに視線を向け、ゴンゾウはレナと向かい合う。
「ゴンちゃん!?」
「ゴンゾウ!?どうしてここに!?」
「レナ、ダイン……出来ればお前達とはここで会いたくはなかった」
「ゴウライ、お前との決着を付けさせてもらうぞ」
『ダンゾウか!!そういえばお前とは前に一度だけ喧嘩した事があったな!!あの時は邪魔が入って決着が付かなかったが、いいだろう!!お前も相手にしてやる!!』
「巨人国のダンゾウか……よりにもよってこんな時に現れるか」
ギガンがゴウライと向かい合い、ゴンゾウも険しい表情を浮かべながらもレナと向かい合う。その様子を見てクレナイは歯を食いしばり、非常に厄介な状態へと陥った。この場にバルトロス王国、ヨツバ王国、巨人国の3勢力が集まり、互いに牽制し合う形となる。
ゴウライの狙いはレナとギガン、ギガンの狙いはゴウライ、クレナイが狙うのはレナのみ、そしてゴンゾウもレナとダインと戦う覚悟を決めていた。一方でダインとジャンヌはレナに加勢するために彼の元へ向かう。三国の強者同士がここに集まり、三つ巴の形となった。
※公開の投稿の5秒前
カタナヅキ「力尽きました」_:(´ཀ` 」∠):_←瀕死
「ぬうっ!?」
刃を交わしながらもレナは隙を突いてクレナイの胴体に蹴りを叩き込み、後方へ吹き飛ばす。即座に追撃に動こうとしたレナだったが、クレナイは大剣を振りかざすと突風を放つ。正面から押し寄せる風圧に対してレナは鏡刀を抜いて切り裂く。魔法の力を跳ね返す性質を持つ刃は風さえも切り裂き、周囲に余波が拡散した。
退魔刀と鏡刀を手にしたレナを確認してクレナイは表情を険しくさせ、自分の腕が痺れている事に気付く。これまでに彼は何人もの猛者と戦い、その中には巨人族のような腕力に特化した相手も存在した。しかし、その誰よりもレナの攻撃は重く、刃を交わす度に身体に響く。その事実にクレナイは驚きを隠せない。
(この小僧……この齢でここまでの領域に立つか!!)
一方でレナの方もクレナイと刃を交わした事で彼の力量をだいたいは把握し、ヨツバ王国の六聖将の筆頭を任されるだけはあると内心で焦っていた。彼の扱う「魔刀術」はレナが風の聖痕を使用すれば無効化できるのだが、クレナイの場合は風の聖痕を使用する隙も与えない。
風属性の魔法、あるいは魔法剣ならばレナが所持している風の聖痕の力で無効化する事は出来るのだが、レナの場合は聖痕を使用するにはある程度の集中力を必要とする。ハルナの場合は無意識に雷の聖痕の力を扱いこなすのに対し、生憎と風属性の適性が本来は高いとは言えないレナでは風の聖痕を彼女のように扱う事は出来なかった。
(この人、本当に強いな……少しでも油断するとこっちがやられそうだ)
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『見つけたぞぉおおっ!!吾輩を置いていくなぁっ!!』
「ちぃっ……」
「この声は……」
「ご、ゴウライさん!?」
ゴウライの声が街道に鳴り響くと、派手に足元の土煙を巻き上げながらゴウライが駆けつけてきた。その姿を見てクレナイは舌打ちし、レナも面倒な相手が着た事に頭を抑え、一方で顔見知りのジャンヌも驚く。
『ふはははっ!!抜け駆けは許さんぞ、吾輩も混ぜろ!!』
「お前はさっさと闘技場へ行け!!この男の相手は俺がすると何度言わせるのだ!?」
「ひいいっ!?よ、よりにもよって破壊剣聖と六聖将が手を組んでるのか!?」
「何だ何だ、知り合いなのか兄ちゃん?」
クレナイとゴウライが並び立ったのを見てダインは悲鳴を漏らし、そんな彼にハルナは不思議そうな表情を浮かべる。どうやら彼女はどちらの事もよく知らないらしく、唐突に現れた二人の大剣使いに興味を抱いた様子だった。
レナはクレナイ一人でも手に余る状況で新しく現れたゴウライに面倒そうな表情を浮かべ、流石にこの二人を同時に相手をして勝てる自信はない。せめてレミアでもいれば対処できたかもしれないが、未だに彼女が現れる様子はない。
(どうする?俺一人ならいくらでも逃げる方法はあるけど、ダインやジャンヌを置いていくわけにはいかないし……なんだ!?)
――二人と対峙したレナはどうするべきかを考えた時、上空から二つの大きな人影が現れると、レナとクレナイとゴウライの間に降り立つ。その人影の正体は巨人族の代表であるギガンと、レナの親友にして現在は敵同士でもあるゴンゾウだった。
突如として姿を現した二人にレナ達は驚き、一方でギガンとゴンゾウの方は闘拳を装着すると向かい合っている3人を確認し、互いに背中を合わせて向かい合う。ギガンはゴウライに視線を向け、ゴンゾウはレナと向かい合う。
「ゴンちゃん!?」
「ゴンゾウ!?どうしてここに!?」
「レナ、ダイン……出来ればお前達とはここで会いたくはなかった」
「ゴウライ、お前との決着を付けさせてもらうぞ」
『ダンゾウか!!そういえばお前とは前に一度だけ喧嘩した事があったな!!あの時は邪魔が入って決着が付かなかったが、いいだろう!!お前も相手にしてやる!!』
「巨人国のダンゾウか……よりにもよってこんな時に現れるか」
ギガンがゴウライと向かい合い、ゴンゾウも険しい表情を浮かべながらもレナと向かい合う。その様子を見てクレナイは歯を食いしばり、非常に厄介な状態へと陥った。この場にバルトロス王国、ヨツバ王国、巨人国の3勢力が集まり、互いに牽制し合う形となる。
ゴウライの狙いはレナとギガン、ギガンの狙いはゴウライ、クレナイが狙うのはレナのみ、そしてゴンゾウもレナとダインと戦う覚悟を決めていた。一方でダインとジャンヌはレナに加勢するために彼の元へ向かう。三国の強者同士がここに集まり、三つ巴の形となった。
※公開の投稿の5秒前
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