1,071 / 2,090
真・闘技祭 本選編
闇魔導士VS傀儡師
しおりを挟む
『え~……予期せぬハプニングは怒りましたが、これより第一回戦、第二試合を行います!!御二人とも準備はいいですね?』
『試合、開始ぃっ!!』
試合開始の合図の鐘の音が鳴り響くと、真っ先にダインは距離を取るために後方へと駆け出し、その様子をサスケは黙って見守る。観客は遂に始まった異色の対決に興味を注ぐ。バルとマリアも試合を見守り、ダインがどれほど成長したのか期待していた。
「やっちまいなダイン!!そんな趣味の悪い人形、ぶっ壊しな!!」
「……本当に趣味が悪いわね」
バルの言葉にマリアはミドルの人形に顔を向け、見れば見るほどに不気味な姿をしていた。顔の形はミドルと瓜二つなのだが、肝心の肉体の方は人形その物である。ここで気になるのはサスケがわざわざ「ミドル」の人形を用意した事であり、彼がミドルと何らかの関係があるのかとマリアは疑う。
ダインは十分に距離を取ったと考えると、彼は杖を石畳製の床に置き、影魔法の準備を行う。距離はあるが修行のお陰で影魔法の精度と射程距離も伸びたダインは早速攻撃を仕掛けた。
「喰らえっ!!これが僕の影魔法だ!!」
「影魔法、ね……」
手始めにダインはサスケの元に自分の影を伸ばし、拘束を試みる。しかし、それに対してサスケはミドルの人形に手を伸ばすと、彼は指先から闇属性の魔力を滲み出し、人形の全身が魔力に覆われていく。
『おおっと、これは何でしょうか!?あのミドル大将軍を模した人形に黒色の靄のような物が纏わりついています!!』
『うわ、ちょっと気持ち悪いっすね!!』
「好きに言ってろ、これが俺の黒糸術だ!!」
人形の胴体部分が闇属性の魔力に覆われた瞬間、やがてミドルの顔の部分を除いた箇所が魔力に取り囲まれ、やがて形を変化させて本物の人間の胴体のように変化を行う。それを見たダインは驚き、一方でいち早くマリアが異変に気付く。
「これは……まさか魔鎧術?」
「何だって!?それって、レナが扱う術の事かい!?」
闇属性の魔力を固定化させ、人形の胴体に纏わせる事であたかも人間の肉体を取り戻したかのように変化を果たす。更にミドルの人形はサスケが指を動かすだけで動き出し、迫りくるダインの影を振り払う。
「ほらよっ!!」
「うわっ!?な、なんで……僕の影は物理攻撃なんて効かないはずなのに!?」
「はっ!!闇属性の魔力同士なら干渉できるんだよ!!」
ダインは自分の影が振り払われた事に激しく動揺するが、闇属性の魔力によって胴体を覆い込まれたミドルの人形は彼の影魔法にも対抗する力を手にしていた。更にサスケは人形を操作してダインの元にミドルを向かわせる。
人形であるとはいえ、ミドルの顔を模した存在が接近した事でダインは悲鳴を漏らし、恐怖が沸き上がる。レナと共に戦った相手ではあるが、今は頼りとなるレナも存在しない事でダインは逃げ出す。
「うわぁっ!?」
「ほらほら、追いつかれるぞ!!」
『ダイン選手!!試合場を逃げ回っています!!どうやら余程あの人形が恐ろしいようですね!!』
『まあ、確かに不気味ですけど、そんなに怖いですかねあれ?』
「何してんだ馬鹿!!そんな奴に怖がってんじゃないよ!!」
悲鳴を上げて逃げ惑うダインに対してバルが怒鳴りつけるが、その様子を見ていた他の観客も騒ぎ出す。特に竜槍隊の騎士達はミドルの人形を好き勝手に操るサスケに対して殺気を抱き、控室で観戦している選手達もダインの姿を見て呆れる者や、声援を送る。
「ダイン!!逃げるな、そいつは本物のミドル大将軍じゃないんだぞ!!」
「ダインさん、しっかり!!」
「たく、相変わらず情けねえ坊主だな……」
「…………」
ゴンゾウとジャンヌは声は届かないのは分かっているが黙ってはいられず、声援を送る。一方でシュンはダインの姿を見て心底呆れているが、彼の隣に立っているホムラに関しては黙ってダインの動向を見守る。彼女はヨツバ王国にてダインの戦いぶりを見ており、彼がこのまま呆気なく終わると思っていなかった。
他の者も何人かはダインの行動を注視し、一見は怯えて逃げ回っているように見える彼だが、その瞳は何かを狙っているように見えた。サスケはその事には気づいておらず、試合場の端までダインを追い詰める。
「はあっ……はあっ……!!」
「なんだ、もう疲れたのか?なら、これで終わりだ。痛い思いをしたくなかったら自分で場外に飛び込んで負けるだな!!」
「はんっ……確かに慣れない事をして、疲れたのは本当だけど……生憎と僕は負けるつもり何てさらさらないんだよ!!」
「……何?」
ミドルの人形に追い詰められながらもダインは笑みを浮かべると、ここでサスケは彼の足元の異変に気付き、何故かダインの影が見えない事に気づく。最初は太陽の位置と自分のいる場所のせいでダインの影が見えないだけかと思ったが、彼が握りしめている杖の影はしっかりと認識できた。
※カタナヅキ「没収!!」(; ゚Д゚)ノ公開ボタン
スラミン「ぷるんっ(ああ、僕のなのに)」ヽ(`ω´)ノプンプン
『試合、開始ぃっ!!』
試合開始の合図の鐘の音が鳴り響くと、真っ先にダインは距離を取るために後方へと駆け出し、その様子をサスケは黙って見守る。観客は遂に始まった異色の対決に興味を注ぐ。バルとマリアも試合を見守り、ダインがどれほど成長したのか期待していた。
「やっちまいなダイン!!そんな趣味の悪い人形、ぶっ壊しな!!」
「……本当に趣味が悪いわね」
バルの言葉にマリアはミドルの人形に顔を向け、見れば見るほどに不気味な姿をしていた。顔の形はミドルと瓜二つなのだが、肝心の肉体の方は人形その物である。ここで気になるのはサスケがわざわざ「ミドル」の人形を用意した事であり、彼がミドルと何らかの関係があるのかとマリアは疑う。
ダインは十分に距離を取ったと考えると、彼は杖を石畳製の床に置き、影魔法の準備を行う。距離はあるが修行のお陰で影魔法の精度と射程距離も伸びたダインは早速攻撃を仕掛けた。
「喰らえっ!!これが僕の影魔法だ!!」
「影魔法、ね……」
手始めにダインはサスケの元に自分の影を伸ばし、拘束を試みる。しかし、それに対してサスケはミドルの人形に手を伸ばすと、彼は指先から闇属性の魔力を滲み出し、人形の全身が魔力に覆われていく。
『おおっと、これは何でしょうか!?あのミドル大将軍を模した人形に黒色の靄のような物が纏わりついています!!』
『うわ、ちょっと気持ち悪いっすね!!』
「好きに言ってろ、これが俺の黒糸術だ!!」
人形の胴体部分が闇属性の魔力に覆われた瞬間、やがてミドルの顔の部分を除いた箇所が魔力に取り囲まれ、やがて形を変化させて本物の人間の胴体のように変化を行う。それを見たダインは驚き、一方でいち早くマリアが異変に気付く。
「これは……まさか魔鎧術?」
「何だって!?それって、レナが扱う術の事かい!?」
闇属性の魔力を固定化させ、人形の胴体に纏わせる事であたかも人間の肉体を取り戻したかのように変化を果たす。更にミドルの人形はサスケが指を動かすだけで動き出し、迫りくるダインの影を振り払う。
「ほらよっ!!」
「うわっ!?な、なんで……僕の影は物理攻撃なんて効かないはずなのに!?」
「はっ!!闇属性の魔力同士なら干渉できるんだよ!!」
ダインは自分の影が振り払われた事に激しく動揺するが、闇属性の魔力によって胴体を覆い込まれたミドルの人形は彼の影魔法にも対抗する力を手にしていた。更にサスケは人形を操作してダインの元にミドルを向かわせる。
人形であるとはいえ、ミドルの顔を模した存在が接近した事でダインは悲鳴を漏らし、恐怖が沸き上がる。レナと共に戦った相手ではあるが、今は頼りとなるレナも存在しない事でダインは逃げ出す。
「うわぁっ!?」
「ほらほら、追いつかれるぞ!!」
『ダイン選手!!試合場を逃げ回っています!!どうやら余程あの人形が恐ろしいようですね!!』
『まあ、確かに不気味ですけど、そんなに怖いですかねあれ?』
「何してんだ馬鹿!!そんな奴に怖がってんじゃないよ!!」
悲鳴を上げて逃げ惑うダインに対してバルが怒鳴りつけるが、その様子を見ていた他の観客も騒ぎ出す。特に竜槍隊の騎士達はミドルの人形を好き勝手に操るサスケに対して殺気を抱き、控室で観戦している選手達もダインの姿を見て呆れる者や、声援を送る。
「ダイン!!逃げるな、そいつは本物のミドル大将軍じゃないんだぞ!!」
「ダインさん、しっかり!!」
「たく、相変わらず情けねえ坊主だな……」
「…………」
ゴンゾウとジャンヌは声は届かないのは分かっているが黙ってはいられず、声援を送る。一方でシュンはダインの姿を見て心底呆れているが、彼の隣に立っているホムラに関しては黙ってダインの動向を見守る。彼女はヨツバ王国にてダインの戦いぶりを見ており、彼がこのまま呆気なく終わると思っていなかった。
他の者も何人かはダインの行動を注視し、一見は怯えて逃げ回っているように見える彼だが、その瞳は何かを狙っているように見えた。サスケはその事には気づいておらず、試合場の端までダインを追い詰める。
「はあっ……はあっ……!!」
「なんだ、もう疲れたのか?なら、これで終わりだ。痛い思いをしたくなかったら自分で場外に飛び込んで負けるだな!!」
「はんっ……確かに慣れない事をして、疲れたのは本当だけど……生憎と僕は負けるつもり何てさらさらないんだよ!!」
「……何?」
ミドルの人形に追い詰められながらもダインは笑みを浮かべると、ここでサスケは彼の足元の異変に気付き、何故かダインの影が見えない事に気づく。最初は太陽の位置と自分のいる場所のせいでダインの影が見えないだけかと思ったが、彼が握りしめている杖の影はしっかりと認識できた。
※カタナヅキ「没収!!」(; ゚Д゚)ノ公開ボタン
スラミン「ぷるんっ(ああ、僕のなのに)」ヽ(`ω´)ノプンプン
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。