1,191 / 2,091
ダイン 監獄都市編
やっぱりかませ犬だったのか……
しおりを挟む
「くそ、やってやる!!俺が相手だ!!」
「ほう、ケマイヌか……性懲りもなくまた試験を受けに来たのか」
「うるせえっ!!その余裕も今の内だ……おい、そこの兵士!!剣を寄越せ!!」
「何だと!?」
ケマイヌは闘技台に移動すると、あろう事か兵士に対して堂々と剣を寄越す様に要求してきた。仮にも囚人が兵士に武器を求めるなど有り得ない話だが、パセリは気にした風もなく渡す様に指示を出した。
「構わん、渡してやれ」
「し、しかし看守長……」
「いいから渡せ、最初に行ったはずだ。ここにある物なら何でも使っても構わないとな」
「ふんっ、調子に乗りやがって……」
あっさりとパセリはケマイヌが兵士が身に付けている本物の剣を渡す様に促すと、兵士から剣を受け取ったケマイヌは剣を抜き放ち、パセリと向かい合う。パセリは腕を組んだ状態から動かず、余裕の態度を保つ。
武器を手に入れたケマイヌだが、状況が不利である事は変わりはなく、彼はパセリの雰囲気に圧倒されて不用意に動けなかった。だが、何時までも向かい合うわけにもいかずに彼は覚悟を決めた様に剣を振り下ろす。
「くたばれ、兜割りっ!!」
『おおっ!?』
ケマイヌは戦技を発動させ、パセリに切りかかると金属音が鳴り響き、囚人達が驚愕の声を上げる。ケマイヌが振り下ろした刃は確かにパセリの腕に衝突下が、あろうことか切り付けた刃の方が折れてしまい、折れた刃は闘技台の上に落ちた。
「なっ……け、剣がっ!?」
「阿呆が……お前の力では俺に傷一つ付ける事は出来ん」
自分の手にしていた剣が折れた事にケマイヌは唖然とするが、そんな彼に対してパセリはつまらなそうな表情を浮かべ、切り付けられた腕を覗き込む。刃物で切り付けられたにも関わらずにパセリの腕には掠り傷一つもなく、逆に斬りつけようとした剣の方が折れてしまった。
囚人達は正面から刃を受けて逆に破壊したパセリの肉体の硬度に顔色を青ざめ、特に渾身の力を込めて戦技を発動させたケマイヌは折れた剣を見つめながら呆然と立ち尽くす事しか出来ず、そんな彼に対してケマイヌは右腕を伸ばす。
「興ざめだ、いちからやり直してこい」
「うがぁっ!?」
「ふんっ!!」
ケマイヌの顔面を掴んだパセリは軽々と持ち上げ、仮にも人間の中では巨体のケマイヌを片腕のみで放り投げる。腕力の方も並の巨人族をも上回るらしく、投げ飛ばされたケマイヌは10メートル近くも離れた場所に投げ飛ばされた。
「うぎゃあああっ!?」
「うわっ……痛そう」
「あの人、一応はガルルの右腕なんですけどね……」
「ギギィッ(死んだか?)」
投げ飛ばされたケマイヌを見てダインは少しだけ同情し、その様子を同じく見ていたミイネはため息を吐く。分かり切ってはいた事だが、やはり看守長が相手となると一筋縄ではいかない。
「ダインさんはああならないように気を付けてください。何か必要な物があるなら今のうちに教えてください」
「……いや、大丈夫だ。僕にはこの杖があるからな」
「ギィッ?」
ケマイヌが投げ飛ばされる光景を見たというのにダインは不思議な程に落ち着いており、その不自然なまでに落ち着いた態度にミイネとゴブは疑問を抱く。何か勝算があるのかと思ったが、杖を手にしたダインは闘技台へと近づく。
他の囚人はケマイヌが投げ飛ばされた事で戦意を失い、どう考えてもパセリに傷を与えるか、あるいは闘技台から落とす方法など思いつかなかった。だが、ダインだけは自分の勝利を確信していた。
「おい、あんた!!この試験はあんたを闘技台から落とすだけでもいいんだよな?」
「ああ、その通りだ」
「よし!!その言葉を聞いて安心したぞ……それならこれで僕の勝ちだな!!」
「何だと?」
闘技台へ上がったダインは杖を構えると、笑みを浮かべて影魔法を発動させる。いかに敵が巨人族をも上回る腕力や頑丈さを身に付けていようと、闘技台から落とすだけならばダインの影魔法でも十分に勝ち目はあった。
「シャドウ・スリップ!!」
「ぬおっ!?」
「看守長!?」
「ば、馬鹿なっ!?」
「あのガキ……看守長を転ばせやがった!?」
ダインは杖を石畳の床に置いた瞬間、影が伸びるとパセリの足元へ向けて鞭の様にしなり、足元を転ばせる。鞭のように足元を振り払った影に対してパセリはて抵抗すら出来ず、床に尻餅をつく。彼は自分が転ばされたという事実に戸惑い、信じられない表情を浮かべた。
いかに巨体で力強い存在であろうとダインが作り出す影魔法は物理攻撃は通用せず、どんな重量の相手であろうと影が触れれば弾く事は出来た。体勢を崩して倒れたパセリに対してダインは今度は鞭に変化させた影で彼の足元を縛り付けると、杖を振りかざす。
「吹っ飛べっ!!」
「うおおおっ!?」
『えええっ!?』
杖を振り抜いた瞬間、杖から伸びていた影が引き寄せられ、足元を影で拘束されていたパセリの身体が引き寄せられて場外へ向けて吹っ飛ぶ。その光景を目にした囚人は驚愕の表情を浮かべ、ミイネやゴブでさえも信じられない表情を抱く。
※作者の部屋
アイリス「CQC!!」( ゚Д゚)ノ
カタナヅキ「はぐっ!?」(ノД`)!?
アイリス「ふふふ……今日は11時と12時にも投稿しますよ!!」( ・`ω・´)ノ公開ボタン
「ほう、ケマイヌか……性懲りもなくまた試験を受けに来たのか」
「うるせえっ!!その余裕も今の内だ……おい、そこの兵士!!剣を寄越せ!!」
「何だと!?」
ケマイヌは闘技台に移動すると、あろう事か兵士に対して堂々と剣を寄越す様に要求してきた。仮にも囚人が兵士に武器を求めるなど有り得ない話だが、パセリは気にした風もなく渡す様に指示を出した。
「構わん、渡してやれ」
「し、しかし看守長……」
「いいから渡せ、最初に行ったはずだ。ここにある物なら何でも使っても構わないとな」
「ふんっ、調子に乗りやがって……」
あっさりとパセリはケマイヌが兵士が身に付けている本物の剣を渡す様に促すと、兵士から剣を受け取ったケマイヌは剣を抜き放ち、パセリと向かい合う。パセリは腕を組んだ状態から動かず、余裕の態度を保つ。
武器を手に入れたケマイヌだが、状況が不利である事は変わりはなく、彼はパセリの雰囲気に圧倒されて不用意に動けなかった。だが、何時までも向かい合うわけにもいかずに彼は覚悟を決めた様に剣を振り下ろす。
「くたばれ、兜割りっ!!」
『おおっ!?』
ケマイヌは戦技を発動させ、パセリに切りかかると金属音が鳴り響き、囚人達が驚愕の声を上げる。ケマイヌが振り下ろした刃は確かにパセリの腕に衝突下が、あろうことか切り付けた刃の方が折れてしまい、折れた刃は闘技台の上に落ちた。
「なっ……け、剣がっ!?」
「阿呆が……お前の力では俺に傷一つ付ける事は出来ん」
自分の手にしていた剣が折れた事にケマイヌは唖然とするが、そんな彼に対してパセリはつまらなそうな表情を浮かべ、切り付けられた腕を覗き込む。刃物で切り付けられたにも関わらずにパセリの腕には掠り傷一つもなく、逆に斬りつけようとした剣の方が折れてしまった。
囚人達は正面から刃を受けて逆に破壊したパセリの肉体の硬度に顔色を青ざめ、特に渾身の力を込めて戦技を発動させたケマイヌは折れた剣を見つめながら呆然と立ち尽くす事しか出来ず、そんな彼に対してケマイヌは右腕を伸ばす。
「興ざめだ、いちからやり直してこい」
「うがぁっ!?」
「ふんっ!!」
ケマイヌの顔面を掴んだパセリは軽々と持ち上げ、仮にも人間の中では巨体のケマイヌを片腕のみで放り投げる。腕力の方も並の巨人族をも上回るらしく、投げ飛ばされたケマイヌは10メートル近くも離れた場所に投げ飛ばされた。
「うぎゃあああっ!?」
「うわっ……痛そう」
「あの人、一応はガルルの右腕なんですけどね……」
「ギギィッ(死んだか?)」
投げ飛ばされたケマイヌを見てダインは少しだけ同情し、その様子を同じく見ていたミイネはため息を吐く。分かり切ってはいた事だが、やはり看守長が相手となると一筋縄ではいかない。
「ダインさんはああならないように気を付けてください。何か必要な物があるなら今のうちに教えてください」
「……いや、大丈夫だ。僕にはこの杖があるからな」
「ギィッ?」
ケマイヌが投げ飛ばされる光景を見たというのにダインは不思議な程に落ち着いており、その不自然なまでに落ち着いた態度にミイネとゴブは疑問を抱く。何か勝算があるのかと思ったが、杖を手にしたダインは闘技台へと近づく。
他の囚人はケマイヌが投げ飛ばされた事で戦意を失い、どう考えてもパセリに傷を与えるか、あるいは闘技台から落とす方法など思いつかなかった。だが、ダインだけは自分の勝利を確信していた。
「おい、あんた!!この試験はあんたを闘技台から落とすだけでもいいんだよな?」
「ああ、その通りだ」
「よし!!その言葉を聞いて安心したぞ……それならこれで僕の勝ちだな!!」
「何だと?」
闘技台へ上がったダインは杖を構えると、笑みを浮かべて影魔法を発動させる。いかに敵が巨人族をも上回る腕力や頑丈さを身に付けていようと、闘技台から落とすだけならばダインの影魔法でも十分に勝ち目はあった。
「シャドウ・スリップ!!」
「ぬおっ!?」
「看守長!?」
「ば、馬鹿なっ!?」
「あのガキ……看守長を転ばせやがった!?」
ダインは杖を石畳の床に置いた瞬間、影が伸びるとパセリの足元へ向けて鞭の様にしなり、足元を転ばせる。鞭のように足元を振り払った影に対してパセリはて抵抗すら出来ず、床に尻餅をつく。彼は自分が転ばされたという事実に戸惑い、信じられない表情を浮かべた。
いかに巨体で力強い存在であろうとダインが作り出す影魔法は物理攻撃は通用せず、どんな重量の相手であろうと影が触れれば弾く事は出来た。体勢を崩して倒れたパセリに対してダインは今度は鞭に変化させた影で彼の足元を縛り付けると、杖を振りかざす。
「吹っ飛べっ!!」
「うおおおっ!?」
『えええっ!?』
杖を振り抜いた瞬間、杖から伸びていた影が引き寄せられ、足元を影で拘束されていたパセリの身体が引き寄せられて場外へ向けて吹っ飛ぶ。その光景を目にした囚人は驚愕の表情を浮かべ、ミイネやゴブでさえも信じられない表情を抱く。
※作者の部屋
アイリス「CQC!!」( ゚Д゚)ノ
カタナヅキ「はぐっ!?」(ノД`)!?
アイリス「ふふふ……今日は11時と12時にも投稿しますよ!!」( ・`ω・´)ノ公開ボタン
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。