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世界の異変編
七魔将オウガとアルドラの結託
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――復活を遂げた直後に七魔将を脱退した鬼人将のオウガは山奥にて過ごしていた。彼は滝に打たれながら瞑想を行い、精神を集中させる。滝から流れ落ちてくるのは水だけではなく、時には流木や岩なども落ちてくるが、それらが身体に触れても気にする事もなく彼は集中していた。
鬼人将のオウガが行っているのは精神統一のための修行ではなく、彼の頭の中ではこれまでの生涯で戦ってきた強敵を思い浮かべ、心の中で彼等の事を思い出しながらどのように戦うかを考える。もうこの世にはいない強敵達の事を思い返しながらオウガは心の中でも鍛錬を行う。
そんなオウガの精神を乱したのは上空から聞こえてきた翼の音であり、彼は眉をしかめながら視線を向けると、そこには自分と同じく七魔将を脱退した吸血鬼のアルドラが浮揚していた。
「アルドラか……何の用だ」
「ただの通りすがりよ。ちょっと人間の街に遊びに行こうと思っていたら、貴方の気配を感じたからここへ来たの」
「そうか、ならばさっさと失せろ」
「そんなに冷たくしなくてもいいじゃな~い?」
アルドラとオウガは同じ七魔将ではあるが、オウガは彼女の事を毛嫌いしていた。吸血鬼であると同時にサキュバスでもあるアルドラは生まれた時から他者を魅了する力を持つ。特に彼女の場合はその瞳に宿る力は凄まじく、魔眼将のメドゥーサとは違った魔眼の持ち主である。
昔からオウガはアルドラを嫌っているが、アルドラの方はオウガの事をからかいにちょくちょく彼の前に現れる。時には何度か本気で命を狙われそうになったが、それでもアルドラはオウガの元に訪れる。その理由は彼女がオウガを好いている、というよりはアルドラにとっては全ての異性は彼女にとっては好みの対象だった。
「貴方のそういうそっけない所も好きなのよね」
「この淫魔が……今は俺は忙しい、とっとと消えろ」
「長い間、眠らされていたから身体が思うように動けないんでしょう?だからそうやって身体が馴染むまで精神の修行まで行うつもり?」
「分かっているのならば消えろ……本当に殺すぞ」
オウガは自分の考えをアルドラに読み取られた事に不機嫌さを露にした。石化から復活してから時は経過したが、オウガは未だに全盛期の時のように身体が動かせない。長い時を石化していたせいで身体は思うように動かず、だからこそ身体が動けるようになるまでは精神面の修行を行おうとしていた。
そんなオウガに対してアルドラは近づくと、彼女は爪を刃物のように変化させて伸ばす。そして躊躇なくオウガの顔面に向けて爪を放つと、それに対してオウガは人差し指を伸ばして彼女の爪を受け止めた。金属音が鳴り響き、オウガは自分に攻撃を仕掛けてきたアルドラを睨みつける。
「……何の真似だ?」
「あら、やっぱり動けるんじゃない。もう貴方の身体は解れているんでしょう?」
「貴様……」
「身体は動けるのにどうして貴方は動かないのか……それはこの世界の事を良く知らないからでしょう?」
アルドラの言う通り、もうオウガの身体は全盛期ほどではないが、それでも戦うのには十分な程に身体が動かせるようになっていた。それなのにどうしてオウガは動かないのか、その理由は彼が求める「強者」がこの時代にいるのかどうか分からないからである。
「どうせ人見知りの貴方の事だから、こうして身体を解すふりをして人間の世界を旅するのを先延ばしにしてたんでしょう」
「どうやら本当に殺されたいようだな?」
「凄んでも駄~目、貴方の性格はよく知っているわ。戦う事が生きがいと言いながら弱者を痛めつけるのは性に合わない。だから私の事を殺さないんでしょう?」
「ちっ……」
オウガにとって戦う事こそが生きがいだが、彼は決して弱者に手を出すような真似はしない。最もこの弱者とは女子供のような非力な存在を指すのではなく、彼にとって敵ではない存在全てを示す。
自分と戦う相手は常に強者、自分よりも弱い存在に手を出す行為は戦闘とは言わず、ただの一方的な蹂躙である。その事が彼にとってはどうしても我慢できず、鬼人将と呼ばれながらもオウガは自分に歯向かう存在としか戦わない。
「貴方のそういう性格は好きだけど、この世界で生きていくのは難しいわね」
「黙れ……からかいに来たのならばさっさと消えろ」
「違う違う、そうじゃないの……実は私、最近面白い子達を見つけたの。その子達を配下に加えたいと思うんだけど……私一人では手が余りそうなの」
「……何が言いたい?」
「もう、鈍い人ね……手を組まないかと言ってるの。貴方と私で、ね」
「手を組むだと……貴様と?」
アルドラの提案にオウガは目つきを鋭くさせ、平常時の彼ならば即座に断っていただろう。だが、そんな彼に対してアルドラは魅力的な条件を付けくわえた。
「戦いたいんでしょう、この時代の強者と……私に付き合ってくれるなら用意してあげるわ。貴方の敵をね」
その言葉を聞いたオウガは目を見開き、アルドラは笑みを浮かべた――
鬼人将のオウガが行っているのは精神統一のための修行ではなく、彼の頭の中ではこれまでの生涯で戦ってきた強敵を思い浮かべ、心の中で彼等の事を思い出しながらどのように戦うかを考える。もうこの世にはいない強敵達の事を思い返しながらオウガは心の中でも鍛錬を行う。
そんなオウガの精神を乱したのは上空から聞こえてきた翼の音であり、彼は眉をしかめながら視線を向けると、そこには自分と同じく七魔将を脱退した吸血鬼のアルドラが浮揚していた。
「アルドラか……何の用だ」
「ただの通りすがりよ。ちょっと人間の街に遊びに行こうと思っていたら、貴方の気配を感じたからここへ来たの」
「そうか、ならばさっさと失せろ」
「そんなに冷たくしなくてもいいじゃな~い?」
アルドラとオウガは同じ七魔将ではあるが、オウガは彼女の事を毛嫌いしていた。吸血鬼であると同時にサキュバスでもあるアルドラは生まれた時から他者を魅了する力を持つ。特に彼女の場合はその瞳に宿る力は凄まじく、魔眼将のメドゥーサとは違った魔眼の持ち主である。
昔からオウガはアルドラを嫌っているが、アルドラの方はオウガの事をからかいにちょくちょく彼の前に現れる。時には何度か本気で命を狙われそうになったが、それでもアルドラはオウガの元に訪れる。その理由は彼女がオウガを好いている、というよりはアルドラにとっては全ての異性は彼女にとっては好みの対象だった。
「貴方のそういうそっけない所も好きなのよね」
「この淫魔が……今は俺は忙しい、とっとと消えろ」
「長い間、眠らされていたから身体が思うように動けないんでしょう?だからそうやって身体が馴染むまで精神の修行まで行うつもり?」
「分かっているのならば消えろ……本当に殺すぞ」
オウガは自分の考えをアルドラに読み取られた事に不機嫌さを露にした。石化から復活してから時は経過したが、オウガは未だに全盛期の時のように身体が動かせない。長い時を石化していたせいで身体は思うように動かず、だからこそ身体が動けるようになるまでは精神面の修行を行おうとしていた。
そんなオウガに対してアルドラは近づくと、彼女は爪を刃物のように変化させて伸ばす。そして躊躇なくオウガの顔面に向けて爪を放つと、それに対してオウガは人差し指を伸ばして彼女の爪を受け止めた。金属音が鳴り響き、オウガは自分に攻撃を仕掛けてきたアルドラを睨みつける。
「……何の真似だ?」
「あら、やっぱり動けるんじゃない。もう貴方の身体は解れているんでしょう?」
「貴様……」
「身体は動けるのにどうして貴方は動かないのか……それはこの世界の事を良く知らないからでしょう?」
アルドラの言う通り、もうオウガの身体は全盛期ほどではないが、それでも戦うのには十分な程に身体が動かせるようになっていた。それなのにどうしてオウガは動かないのか、その理由は彼が求める「強者」がこの時代にいるのかどうか分からないからである。
「どうせ人見知りの貴方の事だから、こうして身体を解すふりをして人間の世界を旅するのを先延ばしにしてたんでしょう」
「どうやら本当に殺されたいようだな?」
「凄んでも駄~目、貴方の性格はよく知っているわ。戦う事が生きがいと言いながら弱者を痛めつけるのは性に合わない。だから私の事を殺さないんでしょう?」
「ちっ……」
オウガにとって戦う事こそが生きがいだが、彼は決して弱者に手を出すような真似はしない。最もこの弱者とは女子供のような非力な存在を指すのではなく、彼にとって敵ではない存在全てを示す。
自分と戦う相手は常に強者、自分よりも弱い存在に手を出す行為は戦闘とは言わず、ただの一方的な蹂躙である。その事が彼にとってはどうしても我慢できず、鬼人将と呼ばれながらもオウガは自分に歯向かう存在としか戦わない。
「貴方のそういう性格は好きだけど、この世界で生きていくのは難しいわね」
「黙れ……からかいに来たのならばさっさと消えろ」
「違う違う、そうじゃないの……実は私、最近面白い子達を見つけたの。その子達を配下に加えたいと思うんだけど……私一人では手が余りそうなの」
「……何が言いたい?」
「もう、鈍い人ね……手を組まないかと言ってるの。貴方と私で、ね」
「手を組むだと……貴様と?」
アルドラの提案にオウガは目つきを鋭くさせ、平常時の彼ならば即座に断っていただろう。だが、そんな彼に対してアルドラは魅力的な条件を付けくわえた。
「戦いたいんでしょう、この時代の強者と……私に付き合ってくれるなら用意してあげるわ。貴方の敵をね」
その言葉を聞いたオウガは目を見開き、アルドラは笑みを浮かべた――
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