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弱肉強食の島編
レナVS白牛将
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「こいつだ!!」
「ちぃっ!!」
果物をもぎ取ったレナを見て白牛将は即座に戦斧を振りかざし、樹木に向けて叩きつける。その結果、樹木は戦斧の刃で切り裂かれ、倒れ込む。この際にレナは体勢を崩して落ちそうになったが、どうにか無事に着地を行う。
退魔刀を手放したレナに対して白牛将は戦斧を振りかざし、上段から振り下ろそうとした。それに対してレナは果物を握り潰し、その果汁を白牛将に放つ。
「ふんっ!!」
「だああっ!!」
戦斧を躱しながらレナは果物を放つと、白牛将の顔面に衝突した。白牛将は果汁によって視界と嗅覚を封じられ、悲鳴を上げる。その間にレナは退魔刀の場所まで戻る。
「がぁあああっ!?」
「目潰し!?」
「いや……嗅覚も封じた!!」
果物の果汁を浴びた白牛将は悲鳴を上げ、ほんの数秒ではあるが視界と嗅覚は封じられる。その隙にレナは攻撃を仕掛けようとするが、ここで白牛将は戦斧をむちゃくちゃに振り回す。
「うがぁあああっ!!」
「は、白牛将!?危ない!!」
「俺達も巻き込まれちまう!!」
「やばい、逃げろっ!!」
白牛将の配下は慌てて彼から離れると、レナの方も勝機を失ったように無茶苦茶に武器を振り回す白牛将を見て退魔刀を構え直し、次の攻撃で確実に仕留めるために意識を集中させる。今の状態ではあの技に頼るしかない。
剣鬼としての力を覚醒させ、レナは瞳の色を紅色に変色させると、異様な気配を感じ取った白牛将は硬直する。目は見えないが、まるで超大型の肉食獣と遭遇したような感覚に陥った彼は恐怖のあまりに身体が固まってしまう。
「鬼刃っ!!」
「ぐはぁあああっ!?」
レナは剣鬼のみが扱える「鬼刃」を放つと、白牛将の戦斧を真っ二つに切断し、そのまま白牛将の胸元に鮮血が舞う。戦斧が盾代わりになった事で肉体の切断だけは免れたが、それでも致命傷を与えた事に変わりはない。
「ば、馬鹿な……俺が、人間如きに……!?」
「人間を舐めるなよ……言っておくが、俺より強い奴は外の世界にはいっぱい居るんだぞ」
「……くそがっ……!!」
胸元から血を流しながら白牛将は腕で抑え込み、膝を着く。その様子を見下ろしたレナは退魔刀にこびり付いた白牛将の血液を振り払い、自分の手元を確認した。久々に鬼刃を発動させたが、上手く出来た。
(剣鬼の力を扱える事が出来て助かった……もしも発動できなかったら危なかったかもしれない)
魔法を封じられた状態でも剣鬼の能力は使用できたことが幸いし、思っていたよりも勝負は短い時間で終わらせる事が出来た。すぐに他の者が集まり、致命傷を負った白牛将を見下ろす。
「これまでだな、白牛将」
「その怪我、すぐに治療しないとまずいぞ」
「ぐうっ……!!」
「さあ、どうする!!お前達の大将はこんな状態だぞ、まだ戦うのか!?」
『…………』
白牛将が敗れた事で他のミノタウロス達も戦意を失ったのか、その場で武器を下ろす。その様子を見てレナは安堵し、白牛将を倒せたことで無駄な抗争は避けられた事を安心仕掛けた時、唐突に森の奥から咆哮が響く。
――ガァアアアアッ!!
鼓膜が破れかねない程の声量の鳴き声が響き渡り、その鳴き声を耳にした瞬間に全員が震え出す。本能が危険を知らせ、この鳴き声の主に絶対に遭遇してはならないと直感で判断する。
あのアンジュとサーシャでさえも恐怖のあまりに身体が震え、他の者達もあまりの恐怖に様子がおかしく、特に族長に至っては胸元を抑えてへたり込む。牛人族の長も他のミノタウロス達も急いでこの場を離れようとした。
「いかん、奴が来た!!すぐに島に戻らなければ……!!」
「奴?」
「説明する暇はない、お前達も早く乗るんだ!!」
筏船に牛人族の長は乗り込むように指示を出し、幸いにも事前にダークエルフの女子供は島に送り込んでいた。ここに残っているのは戦える者だけであり、牛人族の長はすぐに筏船に全員を乗せる。
緊急事態なので白牛将や彼等の配下の分の筏船も用意させ、急いで島へと向かう。いったい鳴き声の主が何なのか気になったレナは岸辺から十分に離れた距離で問い質す。
「この鳴き声の正体は皆は知っているの?」
「……前にも話したであろう、我々が争う原因となったのは島を荒す恐るべき怪物が現れたからだと」
「え?でもそれって、かなり昔の事なんじゃ……」
「確かに大昔の話じゃ……だが、その怪物は今尚も生きておる」
「現れたぞ……奴だ!!」
会話の際中にアンジュの震えた声が響き、レナは岸辺の方に振り返ると、そこには思いもよらない生物が存在した。
「ちぃっ!!」
果物をもぎ取ったレナを見て白牛将は即座に戦斧を振りかざし、樹木に向けて叩きつける。その結果、樹木は戦斧の刃で切り裂かれ、倒れ込む。この際にレナは体勢を崩して落ちそうになったが、どうにか無事に着地を行う。
退魔刀を手放したレナに対して白牛将は戦斧を振りかざし、上段から振り下ろそうとした。それに対してレナは果物を握り潰し、その果汁を白牛将に放つ。
「ふんっ!!」
「だああっ!!」
戦斧を躱しながらレナは果物を放つと、白牛将の顔面に衝突した。白牛将は果汁によって視界と嗅覚を封じられ、悲鳴を上げる。その間にレナは退魔刀の場所まで戻る。
「がぁあああっ!?」
「目潰し!?」
「いや……嗅覚も封じた!!」
果物の果汁を浴びた白牛将は悲鳴を上げ、ほんの数秒ではあるが視界と嗅覚は封じられる。その隙にレナは攻撃を仕掛けようとするが、ここで白牛将は戦斧をむちゃくちゃに振り回す。
「うがぁあああっ!!」
「は、白牛将!?危ない!!」
「俺達も巻き込まれちまう!!」
「やばい、逃げろっ!!」
白牛将の配下は慌てて彼から離れると、レナの方も勝機を失ったように無茶苦茶に武器を振り回す白牛将を見て退魔刀を構え直し、次の攻撃で確実に仕留めるために意識を集中させる。今の状態ではあの技に頼るしかない。
剣鬼としての力を覚醒させ、レナは瞳の色を紅色に変色させると、異様な気配を感じ取った白牛将は硬直する。目は見えないが、まるで超大型の肉食獣と遭遇したような感覚に陥った彼は恐怖のあまりに身体が固まってしまう。
「鬼刃っ!!」
「ぐはぁあああっ!?」
レナは剣鬼のみが扱える「鬼刃」を放つと、白牛将の戦斧を真っ二つに切断し、そのまま白牛将の胸元に鮮血が舞う。戦斧が盾代わりになった事で肉体の切断だけは免れたが、それでも致命傷を与えた事に変わりはない。
「ば、馬鹿な……俺が、人間如きに……!?」
「人間を舐めるなよ……言っておくが、俺より強い奴は外の世界にはいっぱい居るんだぞ」
「……くそがっ……!!」
胸元から血を流しながら白牛将は腕で抑え込み、膝を着く。その様子を見下ろしたレナは退魔刀にこびり付いた白牛将の血液を振り払い、自分の手元を確認した。久々に鬼刃を発動させたが、上手く出来た。
(剣鬼の力を扱える事が出来て助かった……もしも発動できなかったら危なかったかもしれない)
魔法を封じられた状態でも剣鬼の能力は使用できたことが幸いし、思っていたよりも勝負は短い時間で終わらせる事が出来た。すぐに他の者が集まり、致命傷を負った白牛将を見下ろす。
「これまでだな、白牛将」
「その怪我、すぐに治療しないとまずいぞ」
「ぐうっ……!!」
「さあ、どうする!!お前達の大将はこんな状態だぞ、まだ戦うのか!?」
『…………』
白牛将が敗れた事で他のミノタウロス達も戦意を失ったのか、その場で武器を下ろす。その様子を見てレナは安堵し、白牛将を倒せたことで無駄な抗争は避けられた事を安心仕掛けた時、唐突に森の奥から咆哮が響く。
――ガァアアアアッ!!
鼓膜が破れかねない程の声量の鳴き声が響き渡り、その鳴き声を耳にした瞬間に全員が震え出す。本能が危険を知らせ、この鳴き声の主に絶対に遭遇してはならないと直感で判断する。
あのアンジュとサーシャでさえも恐怖のあまりに身体が震え、他の者達もあまりの恐怖に様子がおかしく、特に族長に至っては胸元を抑えてへたり込む。牛人族の長も他のミノタウロス達も急いでこの場を離れようとした。
「いかん、奴が来た!!すぐに島に戻らなければ……!!」
「奴?」
「説明する暇はない、お前達も早く乗るんだ!!」
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緊急事態なので白牛将や彼等の配下の分の筏船も用意させ、急いで島へと向かう。いったい鳴き声の主が何なのか気になったレナは岸辺から十分に離れた距離で問い質す。
「この鳴き声の正体は皆は知っているの?」
「……前にも話したであろう、我々が争う原因となったのは島を荒す恐るべき怪物が現れたからだと」
「え?でもそれって、かなり昔の事なんじゃ……」
「確かに大昔の話じゃ……だが、その怪物は今尚も生きておる」
「現れたぞ……奴だ!!」
会話の際中にアンジュの震えた声が響き、レナは岸辺の方に振り返ると、そこには思いもよらない生物が存在した。
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