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弱肉強食の島編
ハルナVS黒龍
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「くたばれぇっ!!」
「ガァアアアッ!?」
「うわっ……ハルナ!?」
黒龍と共にハルナは水中に引き込まれるが、黒龍に電流を放ち続ける。水中に沈んだ後も電流が水面に迸るが、やがて収まって消えていく。レナは水面に視線を向けると、底の方でハルナが発していると思われる光を確認した。
「まずい、ハルナを助けに行かないと……うわっ!?」
「旦那様、大丈夫か!?」
レナは助けに向かおうとしたが、湖に触れた瞬間に軽い電流が迸る。どうやらハルナが電流を放出しているせいで湖に入れば感電は免れず、これでは助けに向かえない。
(くそっ、魔鎧術さえ使えれば身体を守りながら水の中に潜り込めるのに……)
徐々に光は小さくなっていき、ハルナが電流を弱めているのか、あるいは底の方に更に沈み込んでいるのか分からない。このままではハルナの身が危ないのは間違いなく、どうにか助ける方法はないのかをレナは必死に考え、アイリスに相談する事にした。
『アイリス!!水中の様子は!?』
『まずいですね……黒龍の目的はハルナを溺死させようとしています。水中に引きずり込んで窒息死させるつもりです』
『助ける方法はないのか!?』
『魔法が使えないレナさんでは無理です。ハルナに呼びかけ続けて元気を与えてください』
『くそっ!!』
アイリスから詳しい状況を聞いても打開策はない事を思い知らされ、ここはハルナを信じるしかない。レナは水面に向けて必死にハルナの名前を呼びかけ、彼女が自力で脱出する事を祈る。
水中の光が徐々に弱まり、荒立っていた波も収まり始める。どうやらハルナが追いつめられているらしく、流石に居ても立っても居られずにレナは退魔刀に手を伸ばす。
「くそっ!!」
「旦那様、何をするつもりだ!?」
「危険過ぎる、そんな物を持って潜っても勝てる相手じゃない!!」
「ああ、分かってるよ!!」
退魔刀を手にしたレナをアンジュとサーシャは引き留めようとしたが、レナは退魔刀を水面に構えると、まだ完全には消えていない光の位置を確認して退魔刀を水面に沈ませる。
「ハルナ!!これを使えっ!!」
半ば賭けになるがレナは水中のハルナに向けて必死に呼びかけ、彼の呼びかけに反応する様に退魔刀が沈んだ瞬間、水中の光が強く光り輝く。しばらくの間は何事も起きなかったが、徐々に水面の波が荒れ始め、遂には黒龍が姿を現す。
――ガァアアアッ!!
黒龍は水面に浮上すると、そこには退魔刀を背中に突き刺すハルナの姿が存在し、どうやら気絶しているのか動く様子がない。黒龍は背中に突き刺さった退魔刀を抜くために岸辺へと向かい、必死に身体を震わせる。
「ガアアッ!!」
「がはぁっ……ごほっ、ごほっ!!」
「ハルナ、無事か!?」
背中に突き刺さった退魔刀を黒龍は身体を振る事で引き抜くと、ハルナもそれに巻き込まれて地面に倒れ込み、口から水を吐き出す。どうやらまだ生きているらしく、それを見たレナは安堵した。
どうやら水中でハルナはレナの退魔刀を手にしたらしく、黒龍の背中に突き刺して無事に生還を果たす。背中に傷を負った黒龍は血走った目でハルナを睨みつけるが、流石に長時間も電流を浴び続けたせいで身体が碌に動けない様子だった。
「ガハァッ……アアッ……」
「こ、黒龍が逃げていく……なんという女じゃ」
「し、信じられん……」
「今の内だ!!助けに行くぞ!!」
黒龍が身体をふらつかせながら逃走を行う姿にダークエルフも牛人族も唖然とした表情で見送るが、レナは今のうちならハルナを救えると判断し、筏船で引き返す様に指示を出す――
――それからレナ達はハルナを救出すると、ひとまずは牛人族の島まで案内される。本来は牛人族以外は立ち入りが禁止されているが、この場所ならば魔物に襲われる心配はない。それに牛人族の長はダークエルフとの和解を約束しており、宴が開かれる。
「ハルナ、本当に大丈夫?」
「平気だって……ちょっと力を使いすぎたけど、腹いっぱい食べて休めば大丈夫だよ」
「さあ、遠慮せずに飲んでくれ。この島で取れた果実酒は美味いぞ」
「おおっ、本当に美味い!!おかわりをくれ!!」
「姉者、遠慮なさすぎ……でも、本当に美味しい」
宴の際中はダークエルフも牛人族も関係なく騒ぎ立て、今までの争いを忘れる様に楽しく過ごす。長年対立してきた種族同士とはいえ、好戦派だった白牛将は捕まり、黒牛将も追放された事でもう牛人族の中で他の種族と争いを望む物はいない。
白牛将や黒牛将の部下の中には他の部族と和解など不満を抱く者もいてもおかしくはなかったが、先ほどの黒龍の出現によって状況は一変し、今はつまらない意地の張り合いよりも他の部族と協力して黒龍と戦う必要があった。黒龍に対抗するにはダークエルフと牛人族の和解は必要不可欠であり、宴もたけなわを迎えると、改めて牛人族の長が語り掛ける。
「ガァアアアッ!?」
「うわっ……ハルナ!?」
黒龍と共にハルナは水中に引き込まれるが、黒龍に電流を放ち続ける。水中に沈んだ後も電流が水面に迸るが、やがて収まって消えていく。レナは水面に視線を向けると、底の方でハルナが発していると思われる光を確認した。
「まずい、ハルナを助けに行かないと……うわっ!?」
「旦那様、大丈夫か!?」
レナは助けに向かおうとしたが、湖に触れた瞬間に軽い電流が迸る。どうやらハルナが電流を放出しているせいで湖に入れば感電は免れず、これでは助けに向かえない。
(くそっ、魔鎧術さえ使えれば身体を守りながら水の中に潜り込めるのに……)
徐々に光は小さくなっていき、ハルナが電流を弱めているのか、あるいは底の方に更に沈み込んでいるのか分からない。このままではハルナの身が危ないのは間違いなく、どうにか助ける方法はないのかをレナは必死に考え、アイリスに相談する事にした。
『アイリス!!水中の様子は!?』
『まずいですね……黒龍の目的はハルナを溺死させようとしています。水中に引きずり込んで窒息死させるつもりです』
『助ける方法はないのか!?』
『魔法が使えないレナさんでは無理です。ハルナに呼びかけ続けて元気を与えてください』
『くそっ!!』
アイリスから詳しい状況を聞いても打開策はない事を思い知らされ、ここはハルナを信じるしかない。レナは水面に向けて必死にハルナの名前を呼びかけ、彼女が自力で脱出する事を祈る。
水中の光が徐々に弱まり、荒立っていた波も収まり始める。どうやらハルナが追いつめられているらしく、流石に居ても立っても居られずにレナは退魔刀に手を伸ばす。
「くそっ!!」
「旦那様、何をするつもりだ!?」
「危険過ぎる、そんな物を持って潜っても勝てる相手じゃない!!」
「ああ、分かってるよ!!」
退魔刀を手にしたレナをアンジュとサーシャは引き留めようとしたが、レナは退魔刀を水面に構えると、まだ完全には消えていない光の位置を確認して退魔刀を水面に沈ませる。
「ハルナ!!これを使えっ!!」
半ば賭けになるがレナは水中のハルナに向けて必死に呼びかけ、彼の呼びかけに反応する様に退魔刀が沈んだ瞬間、水中の光が強く光り輝く。しばらくの間は何事も起きなかったが、徐々に水面の波が荒れ始め、遂には黒龍が姿を現す。
――ガァアアアッ!!
黒龍は水面に浮上すると、そこには退魔刀を背中に突き刺すハルナの姿が存在し、どうやら気絶しているのか動く様子がない。黒龍は背中に突き刺さった退魔刀を抜くために岸辺へと向かい、必死に身体を震わせる。
「ガアアッ!!」
「がはぁっ……ごほっ、ごほっ!!」
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どうやら水中でハルナはレナの退魔刀を手にしたらしく、黒龍の背中に突き刺して無事に生還を果たす。背中に傷を負った黒龍は血走った目でハルナを睨みつけるが、流石に長時間も電流を浴び続けたせいで身体が碌に動けない様子だった。
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「し、信じられん……」
「今の内だ!!助けに行くぞ!!」
黒龍が身体をふらつかせながら逃走を行う姿にダークエルフも牛人族も唖然とした表情で見送るが、レナは今のうちならハルナを救えると判断し、筏船で引き返す様に指示を出す――
――それからレナ達はハルナを救出すると、ひとまずは牛人族の島まで案内される。本来は牛人族以外は立ち入りが禁止されているが、この場所ならば魔物に襲われる心配はない。それに牛人族の長はダークエルフとの和解を約束しており、宴が開かれる。
「ハルナ、本当に大丈夫?」
「平気だって……ちょっと力を使いすぎたけど、腹いっぱい食べて休めば大丈夫だよ」
「さあ、遠慮せずに飲んでくれ。この島で取れた果実酒は美味いぞ」
「おおっ、本当に美味い!!おかわりをくれ!!」
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