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真・最終章 七魔将編
侵入方法
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「こんな事ならさっきのサンドワームを餌付けして、地下まで運んでもらった方が良かったかな」
「ウォンッ……」
「冗談だよ、でもどうすればいいかな……」
冒険都市にどのような方法で侵入するか考えていると、ここでレナはアイリスと交信を行い、彼女に助言を乞う。
『アリス!!』
『それはドルトン商会のメイドの名前ですね!!久しぶりの名前ネタですかっ!!』
『そうか、アリスさんとも会えるのか……そういえばフェリス会長やアリスさんは操られていないのかな?』
『その辺は大丈夫です。それよりも冒険都市への侵入方法に悩んでいるんでしょう?ここは潜入のセオリー通りに地下から行きましょう』
『え?いや、さっきは無理だって……』
『地下と言っても地面の中を潜るんじゃなくて……下水道を通るんですよ』
『あ、なるほど!!』
冒険都市には下水道が存在し、地上へ繋がる出入口が幾つか残っていた。元々は冒険都市はバルトロス帝国の帝都だったが、帝国時代に下水道には王族の脱出用の秘密の通路が作り出されている。
下水道の通路の中には都市の外にまでつながる場所も存在し、そこを利用すればレナも冒険都市に入り込めるはずだった。レナはアイリスの時事通りに動き、一見は丘に見えるが実は下水道と繋がる抜け道を発見した。
「ここの岩壁を壊せばいいのか……よし、やれウル!!」
「ウォンッ!!」
ウルが岩壁に向けて前脚を突き出すと、岩壁は呆気なく壊れて中に通じる道が発見された。この岩壁は土塊の魔法で土砂を練り固めて作り出された代物であり、何も知らない人間は抜け道があるなど気付く事も出来ない。レナは抜け道を覗き込み、流石にウルは通れない事を察して彼に伝える。
「ここから先は俺一人で行くよ。ウルは皆と合流してて」
「クゥ~ンッ……」
「大丈夫、他の皆もいるから寂しくはないよ」
レナは空間魔法を発動させ、古代遺跡と繋げるとウルを避難させようとする。ウルはレナと離れる事を寂しがるが、古代遺跡にはティナやコトミン達もいるのでそちらの方が安全だった。ついでにレナも古代遺跡へ一旦戻り、冒険都市に辿り着いたことを報告しようとした。
「皆、冒険都市に辿り着いたよ。そっちの方は大丈夫……何してんの!?」
「ウォンッ?」
「あ、レナたん!?それにウル君も無事だったんだね!!」
黒渦を潜り抜けてレナとウルが古代遺跡へと戻ると、そこではボアを串刺しにして炎で炙るゴンゾウとバルの姿が存在し、遺跡に避難していた者達も全員が集まっていた。どうやら食事中だったらしく、戻って来たレナを見てコトミンが魚の串焼きを差し出す。
「丁度良かった、今から皆でご飯を食べようとしていた。レナの分もあるし、ウルも食べればいい」
「ウォンッ♪」
「そうか、もう夕食の時間だったのか……」
「ほら、さっさと座りな!!あんたも今日は疲れただろう?ウルも無事で良かったね」
バルはボアの肉を引きちぎり、その一部をウルに差し出すとウルは嬉しそうに嚙り付く。一方でレナもずっと食事をとっていない事を思い出し、この際に休憩を挟む。
ボアの丸焼きに関してはバルとゴンゾウが森に出向いて仕留めたらしく、流石に二人とも一流の冒険者であり、苦戦もせずに捕まえたという。ちなみに調理の方は屋敷の料理人が手伝ったらしく、彼はレナが前に作った豚汁を参考にしたスープを差し出す。
「どうぞ、お坊ちゃま!!ボアの特製スープでございます!!」
「お肉もありますよ、お坊ちゃま!!」
「お坊ちゃま、こちらの建物がお坊ちゃまの仮住まいでございます!!疲れた時はここで休んでください!!」
「うん……とりあえず、そのお坊ちゃまは人前で言うのはやめてくれないかな?」
「くくくっ……あんた、普段はお坊ちゃまとか呼ばれてるのかい?そういえば忘れてたけど、あんたは王子様だったね」
「最初に聞いた時は私も驚いた」
「え?そんなにおかしい呼び方かな?」
バルはレナの呼び方が「お坊ちゃま」である事に笑いをこらえ、コトミンも最初に聞いた時は驚いたが、レナと同じく王族の出身であるティナは皆の反応に不思議に思う。基本的に貴族や王族の男児は「お坊ちゃま」と呼ばれる事はよくある事なのでおかしくはない。
但し、レナの場合は年齢的には成人しているので何時までも「お坊ちゃま」と呼んでくる使用人たちには少し困っている。最も今はそんな事を気にしている暇はなく、情報の共有を行う。
「皆、冒険都市の近くまで辿り着いた。ここから先は下水道を通って地上へ向かいたいと思う」
「え~っ……ちょっと汚さそう。レナたん、帰る時は身体を洗ってきてね?」
「まあ、そんな余裕があればね……それでここから先は何人か一緒に来てほしい。出来れば男が良いかな」
「男?どうして?」
「ほら、アルドラに操られているのは全員女性でしょ?なら、男は操られない可能性が高いし……」
「そういう事なら俺が行くぞ」
「僕も……」
レナの言葉にゴンゾウとミレトが挙手し、この状況下でレナと行動を共にしても足手まといにならないのはこの二人だけなのでレナは頷く。
※漫画版の更新が一週間後となりましたので、その代わりになればと思い、本編を投稿します。漫画版は来週更新予定なのでお楽しみください!!
「ウォンッ……」
「冗談だよ、でもどうすればいいかな……」
冒険都市にどのような方法で侵入するか考えていると、ここでレナはアイリスと交信を行い、彼女に助言を乞う。
『アリス!!』
『それはドルトン商会のメイドの名前ですね!!久しぶりの名前ネタですかっ!!』
『そうか、アリスさんとも会えるのか……そういえばフェリス会長やアリスさんは操られていないのかな?』
『その辺は大丈夫です。それよりも冒険都市への侵入方法に悩んでいるんでしょう?ここは潜入のセオリー通りに地下から行きましょう』
『え?いや、さっきは無理だって……』
『地下と言っても地面の中を潜るんじゃなくて……下水道を通るんですよ』
『あ、なるほど!!』
冒険都市には下水道が存在し、地上へ繋がる出入口が幾つか残っていた。元々は冒険都市はバルトロス帝国の帝都だったが、帝国時代に下水道には王族の脱出用の秘密の通路が作り出されている。
下水道の通路の中には都市の外にまでつながる場所も存在し、そこを利用すればレナも冒険都市に入り込めるはずだった。レナはアイリスの時事通りに動き、一見は丘に見えるが実は下水道と繋がる抜け道を発見した。
「ここの岩壁を壊せばいいのか……よし、やれウル!!」
「ウォンッ!!」
ウルが岩壁に向けて前脚を突き出すと、岩壁は呆気なく壊れて中に通じる道が発見された。この岩壁は土塊の魔法で土砂を練り固めて作り出された代物であり、何も知らない人間は抜け道があるなど気付く事も出来ない。レナは抜け道を覗き込み、流石にウルは通れない事を察して彼に伝える。
「ここから先は俺一人で行くよ。ウルは皆と合流してて」
「クゥ~ンッ……」
「大丈夫、他の皆もいるから寂しくはないよ」
レナは空間魔法を発動させ、古代遺跡と繋げるとウルを避難させようとする。ウルはレナと離れる事を寂しがるが、古代遺跡にはティナやコトミン達もいるのでそちらの方が安全だった。ついでにレナも古代遺跡へ一旦戻り、冒険都市に辿り着いたことを報告しようとした。
「皆、冒険都市に辿り着いたよ。そっちの方は大丈夫……何してんの!?」
「ウォンッ?」
「あ、レナたん!?それにウル君も無事だったんだね!!」
黒渦を潜り抜けてレナとウルが古代遺跡へと戻ると、そこではボアを串刺しにして炎で炙るゴンゾウとバルの姿が存在し、遺跡に避難していた者達も全員が集まっていた。どうやら食事中だったらしく、戻って来たレナを見てコトミンが魚の串焼きを差し出す。
「丁度良かった、今から皆でご飯を食べようとしていた。レナの分もあるし、ウルも食べればいい」
「ウォンッ♪」
「そうか、もう夕食の時間だったのか……」
「ほら、さっさと座りな!!あんたも今日は疲れただろう?ウルも無事で良かったね」
バルはボアの肉を引きちぎり、その一部をウルに差し出すとウルは嬉しそうに嚙り付く。一方でレナもずっと食事をとっていない事を思い出し、この際に休憩を挟む。
ボアの丸焼きに関してはバルとゴンゾウが森に出向いて仕留めたらしく、流石に二人とも一流の冒険者であり、苦戦もせずに捕まえたという。ちなみに調理の方は屋敷の料理人が手伝ったらしく、彼はレナが前に作った豚汁を参考にしたスープを差し出す。
「どうぞ、お坊ちゃま!!ボアの特製スープでございます!!」
「お肉もありますよ、お坊ちゃま!!」
「お坊ちゃま、こちらの建物がお坊ちゃまの仮住まいでございます!!疲れた時はここで休んでください!!」
「うん……とりあえず、そのお坊ちゃまは人前で言うのはやめてくれないかな?」
「くくくっ……あんた、普段はお坊ちゃまとか呼ばれてるのかい?そういえば忘れてたけど、あんたは王子様だったね」
「最初に聞いた時は私も驚いた」
「え?そんなにおかしい呼び方かな?」
バルはレナの呼び方が「お坊ちゃま」である事に笑いをこらえ、コトミンも最初に聞いた時は驚いたが、レナと同じく王族の出身であるティナは皆の反応に不思議に思う。基本的に貴族や王族の男児は「お坊ちゃま」と呼ばれる事はよくある事なのでおかしくはない。
但し、レナの場合は年齢的には成人しているので何時までも「お坊ちゃま」と呼んでくる使用人たちには少し困っている。最も今はそんな事を気にしている暇はなく、情報の共有を行う。
「皆、冒険都市の近くまで辿り着いた。ここから先は下水道を通って地上へ向かいたいと思う」
「え~っ……ちょっと汚さそう。レナたん、帰る時は身体を洗ってきてね?」
「まあ、そんな余裕があればね……それでここから先は何人か一緒に来てほしい。出来れば男が良いかな」
「男?どうして?」
「ほら、アルドラに操られているのは全員女性でしょ?なら、男は操られない可能性が高いし……」
「そういう事なら俺が行くぞ」
「僕も……」
レナの言葉にゴンゾウとミレトが挙手し、この状況下でレナと行動を共にしても足手まといにならないのはこの二人だけなのでレナは頷く。
※漫画版の更新が一週間後となりましたので、その代わりになればと思い、本編を投稿します。漫画版は来週更新予定なのでお楽しみください!!
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