不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

重力波

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「あれ、ハルナ!?ハルナの奴は何処に行ったんだい!?」
「ハルナ?ああ、角が生えている娘ならさっきの衝撃で吹き飛ばされたのを見たが……」
「何だって!?」


ハルナが先ほどのオウガの攻撃で吹き飛ばされる光景はゴウライは見ていたらしく、慌ててバルは彼女の姿を探すが見当たらない。どこまで吹き飛んだのかは分からないが、生きているのか不安を抱くと、この時に信じられない光景を目にした。


「この野郎!!」
「ハルナ!?あんた何処に……うわぁっ!?」
「何っ!?」


何処からか聞こえてきたハルナの声にバル達は顔を向けると、彼女は敷地内に生えていた樹木を引き抜いた状態で駆けつけ、空中に跳び込むと引き抜いた樹木をオウガに向けて投げ放つ。

樹木を槍代わりに投擲してきたハルナに大してオウガは左腕を振りかざし、樹木を粉々に叩き壊す。だが、破壊した樹木の残骸に隠れる形でハルナは空中から接近すると、オウガに向けて飛び蹴りを叩き込む。


「これでどうだぁっ!!」
「ぐふぅっ!?」
「喰らった!?」
「ほう、あの厄介な鎧は消えたか!!」


ハルナの攻撃がまともに通じたのかオウガは苦悶の表情を浮かべ、彼の身体に電流が迸る。ハルナの攻撃が通じた姿を見てバルとゴウライはオウガが全身に纏っていた魔鎧が消えていた事を悟る。どうやら先ほどの魔力を解放した時に彼は魔鎧を消していたらしく、この隙を逃さずにゴウライは彼の後ろに回り込む。


「ふんっ!!」
「ぐふっ……貴様、何をっ!?」
「後ろから切りかかるのは吾輩の主義に反するのでな……だから、ここからは喧嘩だ!!」
「うおおっ!?」


ゴウライはオウガの身体を後ろから抱きしめると、プロレスのジャーマンスープレックスの如くオウガの巨体を持ち上げ、地面に向けて頭を叩き込む。予想外の攻撃にオウガは苦悶の表情を浮かべるが、そんな彼に対してバルは容赦なく大件を振り下ろす。


「これで終いだよ!!」
「ぐぅっ……!?」


地面に頭を打ち付けたオウガに向けてバルは顔面に大剣を叩き込もうとした瞬間、金属音と共に何故か攻撃を仕掛けた彼女の大剣の方が吹き飛ぶ。バルは何が起きたのか理解できなかったが、攻撃が当たる寸前でオウガは掌を構えていた。

どうやら攻撃を受ける寸前にオウガは右手に魔力を集め、掌の部分のみに魔鎧を発動させて攻撃を防いだらしい。それどころかオウガは魔力を宿した右手を伸ばし、至近距離から魔力を解放させてバルに攻撃を仕掛ける。


「ふんっ!!」
「がはぁっ!?」
「バルさん!?」
「嘘っ……!?」


バルの腹部に掌の形をした痣が出来上がり、彼女の身体に衝撃波を想像させる重力が通り抜けると、彼女は口元から
血を流しながら倒れ込む。リンダの発勁と同様に衝撃波が身体に伝わり、その様子を見て立ち上がったオウガは倒れた彼女を見て唇を噛みしめる。


「ぐっ……これ以上に邪魔をするな!!」
「ぬおっ!?待て、まだ決着が……」
「退けっ!!」


走り去ろうとするオウガをゴウライが追いかけようとしたが、この時にオウガは足の裏に魔力を集中させ、それを利用して足元に重力の衝撃波を作り出す。衝撃波を利用してオウガは前方へ突っ込むと、高速移動でその場を逃げ出す。

その様子を見ていた者達はオウガが逃げ出した事を理解し、唖然とするが今はバルの身を案じるのが先だった。リンダの治療はティナが行い、急いでコトミンが彼女の元に駆けつけてウルを呼び寄せる。


「ウル!!私の予備の水筒!!ヒトミンも手伝って!!」
「ウォンッ!!」
「ぷるぷるっ!!」


ウルは事前に背中に荷物を括り付けており、すぐにヒトミンが彼の背中に移動すると水筒を取り出してコトミンの元に運び込む。バルは血を流しながら意識を失い、すぐに彼女は水を飲ませながら傷口の確認を行う。


「……大丈夫、これなら治せる」
「ほ、本当ですか?」
「なあ、この二人も治してくれよ!!友達なんだよ!!」


ハルナはコトミンの元に気絶したアンジュとサーシャを運び込み、彼女の性格ならば真っ先に逃げ出したオウガの後を追いかけそうだが、アンジュとサーシャを心配して彼女達の治療を優先する。意外にも仲間想いらしく、その一方でゴウライはオウガが逃げた方向へ向けて駆け出す。


「吾輩は奴の後を追うぞ!!お前達もここにいては危ない、中の方に避難していろ!!」
「あ、おい!?」
「あの方は放っておいても大丈夫です……ティナ様、私はもう大丈夫です。それより他の方の治療を……」
「う、うん……分かったよ」


ゴウライはオウガの追跡を行い、リンダは自分の治療を中断してティナにコトミンの治療の手伝いを頼む。リンダも動けるぐらいには身体は治ったようだが、とても戦える状態ではない。

この場を自分が離れると敵に見つかった時に仲間達がどうなるのか分からず、ハルナは悔しいがオウガの追跡を断念して仲間達のためにここへ残る。今までずっと一人で生きてきたハルナだが、レナ達を通して仲間の存在の大切さを知り、とても彼女達を見捨てる事はできなかった――
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