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真・最終章 七魔将編
守護者ゴンゾウ
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「あぁああああっ!!」
「うわっ!?」
「な、何を……」
「うるさっ!?」
アルドラは叫び声をあげると、そのあまりの声量にレナ達は反射的に耳を塞ぐ。やがて声が小さくなっていくと、アルドラは笑みを浮かべて仰向けの状態になった。
「これで……おしまいよ」
「何を言って……これは!?」
「この気配は……まさかっ!?」
「まずい、なんかこっちに大勢来てるぞ!?」
アルドラの言葉にレナとリンダは目を見開き、いち早くハルナはこの場所に多数の人間の気配が近付いている事に気付く。先ほどのアルドラの絶叫は悪あがきではなく、他の仲間を呼び寄せるための命令だった。
都市内にはアルドラの配下となった者達が多数存在し、彼女が命令を下すだけでこの場に彼女の僕と化した冒険者や傭兵や兵士が辿り着く。そうなった場合、満身創痍の人間もいるレナ達では勝ち目が薄い。
「これで貴方達は終わりよ……私の勝ちね」
「……それは甘い考えじゃないの?」
「何ですって……?」
「こっちにはまだ心強い仲間が残ってるんだよ」
レナの言葉にアルドラは驚き、まだ他に仲間がいたのかと思うが、この時にギルドの出入口の方から轟音が鳴り響く――
――氷雨のギルドの前では一人の男が立っており、彼の前には駆けつけた冒険者達が集まっていた。冒険者達は男を前にして動く事ができず、冷や汗を流しながら向かい合う。その男の正体は「ゴンゾウ」であり、彼は氷雨のギルドの出入口に立ち尽くしていた。
「ここから先は通さん」
「くっ……」
「な、何だ……この男の気迫は!?」
「ゴンゾウ君……」
ギルドに入るためには出入口を使用しなければならず、他の場所から乗り込む事は不可能だった。理由は氷雨のギルドにはマリアが改造を施した特殊な結界石が周囲を覆い込んでおり、仮に柵や塀を乗り越えて中に入ろうとすれば結界石が発動して弾き飛ばされる。
結界石は外側から侵入を試みようとした人間しか通さず、内側から抜け出す場合は結界石は発動しない。なのでオウガが逃げ出した時は作動しなかったが、外部にいる人間は必ずギルドの出入口から入るしかない。しかし、そこにはレナが事前に呼び寄せていたゴンゾウが待ち構えていた。
「退け、何があろうと俺はここから先は誰も通さない」
「そういうわけにはいかないよ、ゴンゾウ君……君とは戦いたくないけど、仕方ないよね」
「ミナか……お前は操られているんだ、正気に戻れ」
冒険者の中からミナが前に出ると、彼女は槍を構えた。ミナが得意とする戦技は槍を高速回転させて放つ「螺旋槍」であり、一撃の威力ならばミドルの放つ槍技にも劣らない。
冒険者の中で剣聖に次ぐ実力者であるミナを前にしてもゴンゾウは退くつもりはなく、彼は防御を固める様に両腕を重ね合わせた。それを見てミナは槍を構えると、闘技祭に備えて覚えた新技を繰り出す。
「行くよ、ゴンゾウ君!!」
「むっ!?」
ミナはゴンゾウに目掛けて正面から駆け出し、自分が得意とする「螺旋槍」と更に「乱れ突き」の戦技を組み合わせた攻撃を放つ。彼女が槍を突き出すと、高速回転した刃が次々と繰り出される。
「螺旋槍・乱!!」
「ぐううっ!?」
ゴンゾウの装備している闘拳越しに彼女の放った槍の刃が放たれ、強烈な衝撃と共にゴンゾウの身体が後退する。あまりの威力に防御が崩れてしまい、その隙を逃さずにミナはゴンゾウの脇腹に目掛けて槍を放つ。
「やああっ!!」
「ぐふぅっ!?」
「やったのか!?」
「流石はミナだ!!」
防御を崩した瞬間を逃さずにミナはゴンゾウの脇腹に目掛けて槍を放ち、血飛沫が舞い上がったのを見て他の冒険者はミナの勝利を確信した。しかし、すぐにミナは手元の感触に違和感を覚えて顔色を変えた。
(抜けない……まさか!?)
攻撃を受ける寸前、ゴンゾウは筋肉を凝縮させて肉体の硬度を高める「硬皮」と呼ばれる能力を使用していた。この能力は巨人族だけが扱えるため、凝縮した筋肉によってミナの槍の刃はゴンゾウの肉体を貫通する事はできなかった。
「流石だな……だが、回転を加えていなければお前の槍は俺の身体は貫けん!!」
「うわっ!?」
仮にミナが螺旋槍でゴンゾウの肉体を攻撃していれば彼女にも勝機はあった。しかし、二つの戦技を組み合わせた直後に別の戦技を発動する事はミナの体力ではできず、槍をただ突き刺しただけではゴンゾウは倒せない。
脇腹に刺さった槍をゴンゾウは掴むと、力ずくで槍を掴んでいるミナを逆に持ち上げ、彼女を他の冒険者の元へ投げ込む。この時に他の冒険者は慌ててミナを受け止めようとしたが、それを逃さずにゴンゾウは次の行動に出る。
「金剛撃!!」
「ちょっ……」
「嘘でしょ!?」
「有り得ない!?」
ゴンゾウは地面に向けて全力で拳を振り下ろすと、地面に亀裂が生じて冒険者達の元へ迫る。その破壊力は並の巨人族の域を超えており、ゴンゾウの打撃力はギガンにも迫る。彼も日々の鍛錬を怠らず、闘技祭を経て更に強くなっていた。
※('、3_ヽ)_モエツキマシタ……←限界を迎えた作者……明日は休みます。
「うわっ!?」
「な、何を……」
「うるさっ!?」
アルドラは叫び声をあげると、そのあまりの声量にレナ達は反射的に耳を塞ぐ。やがて声が小さくなっていくと、アルドラは笑みを浮かべて仰向けの状態になった。
「これで……おしまいよ」
「何を言って……これは!?」
「この気配は……まさかっ!?」
「まずい、なんかこっちに大勢来てるぞ!?」
アルドラの言葉にレナとリンダは目を見開き、いち早くハルナはこの場所に多数の人間の気配が近付いている事に気付く。先ほどのアルドラの絶叫は悪あがきではなく、他の仲間を呼び寄せるための命令だった。
都市内にはアルドラの配下となった者達が多数存在し、彼女が命令を下すだけでこの場に彼女の僕と化した冒険者や傭兵や兵士が辿り着く。そうなった場合、満身創痍の人間もいるレナ達では勝ち目が薄い。
「これで貴方達は終わりよ……私の勝ちね」
「……それは甘い考えじゃないの?」
「何ですって……?」
「こっちにはまだ心強い仲間が残ってるんだよ」
レナの言葉にアルドラは驚き、まだ他に仲間がいたのかと思うが、この時にギルドの出入口の方から轟音が鳴り響く――
――氷雨のギルドの前では一人の男が立っており、彼の前には駆けつけた冒険者達が集まっていた。冒険者達は男を前にして動く事ができず、冷や汗を流しながら向かい合う。その男の正体は「ゴンゾウ」であり、彼は氷雨のギルドの出入口に立ち尽くしていた。
「ここから先は通さん」
「くっ……」
「な、何だ……この男の気迫は!?」
「ゴンゾウ君……」
ギルドに入るためには出入口を使用しなければならず、他の場所から乗り込む事は不可能だった。理由は氷雨のギルドにはマリアが改造を施した特殊な結界石が周囲を覆い込んでおり、仮に柵や塀を乗り越えて中に入ろうとすれば結界石が発動して弾き飛ばされる。
結界石は外側から侵入を試みようとした人間しか通さず、内側から抜け出す場合は結界石は発動しない。なのでオウガが逃げ出した時は作動しなかったが、外部にいる人間は必ずギルドの出入口から入るしかない。しかし、そこにはレナが事前に呼び寄せていたゴンゾウが待ち構えていた。
「退け、何があろうと俺はここから先は誰も通さない」
「そういうわけにはいかないよ、ゴンゾウ君……君とは戦いたくないけど、仕方ないよね」
「ミナか……お前は操られているんだ、正気に戻れ」
冒険者の中からミナが前に出ると、彼女は槍を構えた。ミナが得意とする戦技は槍を高速回転させて放つ「螺旋槍」であり、一撃の威力ならばミドルの放つ槍技にも劣らない。
冒険者の中で剣聖に次ぐ実力者であるミナを前にしてもゴンゾウは退くつもりはなく、彼は防御を固める様に両腕を重ね合わせた。それを見てミナは槍を構えると、闘技祭に備えて覚えた新技を繰り出す。
「行くよ、ゴンゾウ君!!」
「むっ!?」
ミナはゴンゾウに目掛けて正面から駆け出し、自分が得意とする「螺旋槍」と更に「乱れ突き」の戦技を組み合わせた攻撃を放つ。彼女が槍を突き出すと、高速回転した刃が次々と繰り出される。
「螺旋槍・乱!!」
「ぐううっ!?」
ゴンゾウの装備している闘拳越しに彼女の放った槍の刃が放たれ、強烈な衝撃と共にゴンゾウの身体が後退する。あまりの威力に防御が崩れてしまい、その隙を逃さずにミナはゴンゾウの脇腹に目掛けて槍を放つ。
「やああっ!!」
「ぐふぅっ!?」
「やったのか!?」
「流石はミナだ!!」
防御を崩した瞬間を逃さずにミナはゴンゾウの脇腹に目掛けて槍を放ち、血飛沫が舞い上がったのを見て他の冒険者はミナの勝利を確信した。しかし、すぐにミナは手元の感触に違和感を覚えて顔色を変えた。
(抜けない……まさか!?)
攻撃を受ける寸前、ゴンゾウは筋肉を凝縮させて肉体の硬度を高める「硬皮」と呼ばれる能力を使用していた。この能力は巨人族だけが扱えるため、凝縮した筋肉によってミナの槍の刃はゴンゾウの肉体を貫通する事はできなかった。
「流石だな……だが、回転を加えていなければお前の槍は俺の身体は貫けん!!」
「うわっ!?」
仮にミナが螺旋槍でゴンゾウの肉体を攻撃していれば彼女にも勝機はあった。しかし、二つの戦技を組み合わせた直後に別の戦技を発動する事はミナの体力ではできず、槍をただ突き刺しただけではゴンゾウは倒せない。
脇腹に刺さった槍をゴンゾウは掴むと、力ずくで槍を掴んでいるミナを逆に持ち上げ、彼女を他の冒険者の元へ投げ込む。この時に他の冒険者は慌ててミナを受け止めようとしたが、それを逃さずにゴンゾウは次の行動に出る。
「金剛撃!!」
「ちょっ……」
「嘘でしょ!?」
「有り得ない!?」
ゴンゾウは地面に向けて全力で拳を振り下ろすと、地面に亀裂が生じて冒険者達の元へ迫る。その破壊力は並の巨人族の域を超えており、ゴンゾウの打撃力はギガンにも迫る。彼も日々の鍛錬を怠らず、闘技祭を経て更に強くなっていた。
※('、3_ヽ)_モエツキマシタ……←限界を迎えた作者……明日は休みます。
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