不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

スラミンの能力

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「ちょ、ちょっとあんた何を言い出すんだい!?聖水はスライムの餌じゃないんだよ!!」
「ふざけているわけじゃない、前にレナが教えてくれた。薬草を育てる時にスラミンを使って水やりをしてたら普通に育てるよりも植物の成長速度が段違いに速くなったって」
「ぷるぷ~るっ(えっへん)」
「待ってください、レナさんスライムで水やりしてたんですか?それはまた変わった趣味ですね……」


コトミンの発言にはバルどころかホネミンでさえも呆れてしまうが、当のコトミンはレナが薬草を植えた花壇にスラミンを利用して毎日水やりを行っていた事を思い返す。薬草は栽培が難しい植物であり、本来ならば育てるのに非常に時間が掛かる。

しかし、レナはある時にスラミンをジョウロ代わりに利用して水を与えると薬草の成長速度が格段に速くなる事に気付く。しかも育てた薬草は普通の薬草よりも回復効果も高く、そのお陰でレナの屋敷の花壇は通常よりも大きく成長した薬草だらけになってしまった。


「その植物を早く育てたいならスラミンに聖水を飲ませて与えた方が早く育つと思う」
「で、でもね……こいつは普通の水じゃなくて聖水なんだよ?そんなの飲めるのかい?」
「大丈夫、スラミンは液体なら何でも飲める。この間は水銀を飲んでメタリックスライムにもなってた」
「ぷるぷるっ(あの時は冒険者に襲われそうになって大変だった)」
「ちょっと、危ない事は言わないでくださいよ!!でもまあ……やってみる価値はありますね」
「あんたらね、正気かい!?」


話を聞き終えたホネミンはコトミンからスラミンを受け取ると、バルに聖水を渡す様に促す。バルとしては貴重な聖水をスラミンに託す事に不安は隠しきれないが、どうせ普通に与えるのもスライムを通して与えるのも大して変わりはない事をホネミンは説明する。


「まあ、いいじゃないですか。実際にスライムは汚い水でも汚物を吸収して外に吐き出す事で水を綺麗にするという話も聞いた事があります。レナさんが言うにはセイソウミンとかいうスライムらしいですけど……」
「私も綺麗な水場には必ずスライムが住み着いているとお母さんから聞いた事がある。この子達はきっと水を浄化する力を持っている、なら賭けてみる価値はある」
「あんたらね……たくっ、失敗しても知らないからね」
「おいおい本気か!?」
「聖水はスライムの餌じゃないんだぞ!?」
「大丈夫、失敗してもスラミンが白スライムになるだけですから」


仕方なくバルは聖水の瓶をスラミンに近付け、ゆっくりと口の中に聖水を流し込む。スラミンは大きく口を開けて聖水を飲み込むと、やがて全体が光り輝いて白色に染まったスライムへと変化する。


「ぷるるるっ……」
「おや?スラミンの様子が……おめでとう、スラミンは白スライムに進化した!!」
「何言ってんだいあんたは……」
「その言葉は色々とまずい気がする」


目論み通りにスラミンは聖水を口に含むと全体が白く変色し、この状態は体内に聖水が行き届いた事を意味する。身体の方も一回り程大きくなったスラミンをホネミンは運び込み、土と肥料と植物の種を埋めた水瓶の中に口元を向けた。


「よし、お願いしますよ」
「ぷるしゃああっ……」
『…………』


スラミンは口元をジョウロのように変化させると聖水を水瓶の中に振りかける。その光景を他の者達は何とも言えない表情で見守る事しかできず、やがて聖水を全て放出すると元の姿へと戻る。

しばらくの間は全員が水瓶を覗き込み、ホネミンの話によれば聖水を与えればすぐに植物の種は反応を示すらしい。それから数十秒ほど待ってみると、小さな芽が地中から出現した。


「あ、見て下さい!!芽が出てきましたよ!!」
「そんな馬鹿な……成長が早過ぎる」
「見てください、どんどんと伸びていきますよ」
「ぷるぷるっ♪」


芽が出た途端に植物は一気に成長を始め、その光景を見ていた者達は驚愕の表情を浮かべる中、スラミンは水瓶の傍で嬉しそうに身体を弾ませる。やがて植物は白色の花を咲かせ、その花を確認したコトミンは次の指示を出す。


「花が咲き巻いた!!この花の蜜が香薬の素材です、でもすぐに枯れちゃうので急いで採取しますよ!!」
「枯れるのかい!?」
「この緑聖葉は聖水を与えると成長が早めますが、反面にすぐに枯れてしまうんです!!だから今のうちに花を切り取って蜜を回収します!!」


花が生えた途端にホネミンはハサミで切り裂き、その花から蜜を搾り取る。蜜は数滴分ぐらいしか採取できなかったが、そこから更にホネミンは蜜を事前に用意ししていた薬瓶の中に入れてコトミンに話しかける。


「コトミンさん、貴女の精霊魔法の出番ですよ!!」
「精霊魔法?」
「この不純物を取り除いた蒸留水に水の精霊を宿してください、そこからこの蜜を混ぜ合わせれば聖水香の完成です!!」
「分かった、やってみる」
「だ、大丈夫なんだろうね……」


コトミンは言われた通りに事前に用意していた蒸留水に彼女は水の精霊を送り込み、そこからホネミンは蜜を流し込んで煮込む。完成したのが蒸留水と蜜が合わさった液体であり、外見は普通の水よりも青白くて湯気の様な物を発していた。




※漫画版が更新されました!!それを記念して今日と明日は連続投稿です!!
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