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真・最終章 七魔将編
かつての家
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「こっちだよ~」
「え?こっちは……」
「ウォンッ……」
「どうかしたか?」
「何か気になるんですか?」
樹精霊の案内の元、移動中にレナとウルは違和感を抱く。樹精霊が誘導した場所は大きな滝であり、その滝はかつてレナとウルが何年も一緒に暮らした洞窟で間違いなかった。
「あの洞窟はまさか……」
「そう、君達の家だよ~昔はエルフのお婆さんが住んでいたんだ」
「クゥ~ンッ……」
滝に到着したレナは驚きを隠せず、ウルの方も懐かしそうに周囲を見渡す。子供の時にレナは屋敷から抜け出した後、ウルと共に彼は滝の裏に隠されている洞窟の中で暮らしていた時期がある。
こちらの洞窟は元々はウルを世話していたエルフの老婆が暮らしていたのだが、老婆が亡くなった後は屋敷を抜け出したレナがアイリスに導かれて洞窟を発見し、それ以降はウルと共に洞窟で暮らしていた。レナにとっても色々と思い出深い場所だが、そんな場所に樹精霊が案内した時点で嫌な予感を抱く。
「まさか……ここにあいつが隠れているのか?」
「そうだよ~今は珍しく洞窟の中で休んでるみたいだね~」
「何故、そんな事まで分かるんですか?」
「この洞窟の中に生えている植物から教えてもらったんだよ~君さ~前に洞窟で薬草を育ててたでしょ?」
樹精霊の言葉にレナは大分昔になるが森で暮らしていた時に薬草を栽培していた事を思い出す。薬草は「栽培」の技能を持つ人間にしか育てられず、屋敷で暮らしていた頃に使用人のアリアから育て方を教わった。
薬草を栽培していた理由は怪我を負った時の治療薬の素材として利用するためであり、他にも外の世界に出た時に薬草を売って金銭を確保するために森の中で育てていた。但し、森を抜け出す日にレナは全ての薬草を持ち返ったつもりだが、実は薬草を育てていた時に種が洞窟の中に残っていた。
「君達がいなくなった後、すぐにこの洞窟にミノタウロスが住み着いたんだ~その時に君が取り忘れた薬草の種を植えてたんだよ~」
「ミノタウロス……ティナのミノの事か」
現在はティナが飼育しているミノタウロスのミノは元々は深淵の森の主であり、レナ達が立ち去った後に彼等の代わりに洞窟に住み始めた。後にレナ達はミノタウロスを撃退して追い出したのだが、ミノタウロスは洞窟の中に残っていた薬草の種を植えていた事が発覚する。
「あの洞窟は元々はエルフのお婆さんが暮らしてたけど、実はあそこって植物が育ちやすい環境なんだよね~だからミノタウロスが飢えた薬草も今まで枯れずにいたんだよ~」
「つまり、その薬草が牙人将の居場所を教えてくれたというのか?」
「俄かには信じがたい話ですね……ですけど、樹精霊さんの言う事なら間違いないんでしょうけど」
樹精霊は人間のような姿をしているが実際は植物型の魔物である事に変わりはなく、魔人族でもなければ人間でもない。樹精霊は他の植物の意思を読み取り、洞窟の中に生えている薬草から牙人将の居場所を教わったと告げる。
「洞窟の中には狼男が眠ってるよ~でも、これ以上に近付いたら気付かれると思うな~」
「……中の詳しい様子は分からないんですか?」
「う~ん、眠っていることぐらいしか分からないね~洞窟の中の植物は僕と違ってちゃんとした意思がないからこれ以上の事は分からないな~」
「なるほど……なら、僕達の出番ですね」
「チュチュッ!!」
ミイネは樹精霊の言葉を聞くと彼女はリボンを持ち上げ、滝の裏の洞窟に向かわせる。リボンを利用してミイネは洞窟の内部の状況を把握しようとするが、万が一に気付かれた場合を想定して距離を置く。
「僕のリボンなら見つかっても簡単に捕まる事はありません。洞窟の中でどんな風に眠っているのか確かめてみます」
「大丈夫?気付かれたりしない?」
「リボンを舐めないでください。監獄で情報を集める時はあの子は一番の稼ぎ頭なんですから」
「情報……?」
「監獄……?」
ロウガとミレトはミイネの言葉に首を傾げ、彼等はミイネが監獄都市に暮らしていた情報屋である事は知らず、レナも詳しい説明をしている暇はないので今は何も言わない。ミイネは契約獣であるリボンを通して洞窟の中の状況を把握する――
――ミイネの元に離れたリボンは洞窟の中に乗り込むと、入る前から洞窟の出入口から酷い血の臭いと死臭を感じ取った。リボンはこっそりと中の様子を伺うと、そこには大量の血の跡と動物の死骸と思われる肉の塊があちこちに散らばっていた。
洞窟の奥の方から呻き声が聞こえ、この声の主が牙人将ガオウが変身した狼男である事をリボンは確信する。リボンは洞窟の中に入り込むと、この時に血溜まりを移動する時にリボンは血の臭いと僅かな音を鳴らしてしまう。
「グゥウッ……!?」
ほんの僅かな物音に洞窟の奥に潜んでいた狼男は気付き、鳴き声が聞こえなくなった。リボンは動きを止めて物音を立てないように注意すると、再び狼男の寝息が響いてくる。
※リボン「チュチュッ……(命懸けのだるまさんがころんだだぜ)」
「え?こっちは……」
「ウォンッ……」
「どうかしたか?」
「何か気になるんですか?」
樹精霊の案内の元、移動中にレナとウルは違和感を抱く。樹精霊が誘導した場所は大きな滝であり、その滝はかつてレナとウルが何年も一緒に暮らした洞窟で間違いなかった。
「あの洞窟はまさか……」
「そう、君達の家だよ~昔はエルフのお婆さんが住んでいたんだ」
「クゥ~ンッ……」
滝に到着したレナは驚きを隠せず、ウルの方も懐かしそうに周囲を見渡す。子供の時にレナは屋敷から抜け出した後、ウルと共に彼は滝の裏に隠されている洞窟の中で暮らしていた時期がある。
こちらの洞窟は元々はウルを世話していたエルフの老婆が暮らしていたのだが、老婆が亡くなった後は屋敷を抜け出したレナがアイリスに導かれて洞窟を発見し、それ以降はウルと共に洞窟で暮らしていた。レナにとっても色々と思い出深い場所だが、そんな場所に樹精霊が案内した時点で嫌な予感を抱く。
「まさか……ここにあいつが隠れているのか?」
「そうだよ~今は珍しく洞窟の中で休んでるみたいだね~」
「何故、そんな事まで分かるんですか?」
「この洞窟の中に生えている植物から教えてもらったんだよ~君さ~前に洞窟で薬草を育ててたでしょ?」
樹精霊の言葉にレナは大分昔になるが森で暮らしていた時に薬草を栽培していた事を思い出す。薬草は「栽培」の技能を持つ人間にしか育てられず、屋敷で暮らしていた頃に使用人のアリアから育て方を教わった。
薬草を栽培していた理由は怪我を負った時の治療薬の素材として利用するためであり、他にも外の世界に出た時に薬草を売って金銭を確保するために森の中で育てていた。但し、森を抜け出す日にレナは全ての薬草を持ち返ったつもりだが、実は薬草を育てていた時に種が洞窟の中に残っていた。
「君達がいなくなった後、すぐにこの洞窟にミノタウロスが住み着いたんだ~その時に君が取り忘れた薬草の種を植えてたんだよ~」
「ミノタウロス……ティナのミノの事か」
現在はティナが飼育しているミノタウロスのミノは元々は深淵の森の主であり、レナ達が立ち去った後に彼等の代わりに洞窟に住み始めた。後にレナ達はミノタウロスを撃退して追い出したのだが、ミノタウロスは洞窟の中に残っていた薬草の種を植えていた事が発覚する。
「あの洞窟は元々はエルフのお婆さんが暮らしてたけど、実はあそこって植物が育ちやすい環境なんだよね~だからミノタウロスが飢えた薬草も今まで枯れずにいたんだよ~」
「つまり、その薬草が牙人将の居場所を教えてくれたというのか?」
「俄かには信じがたい話ですね……ですけど、樹精霊さんの言う事なら間違いないんでしょうけど」
樹精霊は人間のような姿をしているが実際は植物型の魔物である事に変わりはなく、魔人族でもなければ人間でもない。樹精霊は他の植物の意思を読み取り、洞窟の中に生えている薬草から牙人将の居場所を教わったと告げる。
「洞窟の中には狼男が眠ってるよ~でも、これ以上に近付いたら気付かれると思うな~」
「……中の詳しい様子は分からないんですか?」
「う~ん、眠っていることぐらいしか分からないね~洞窟の中の植物は僕と違ってちゃんとした意思がないからこれ以上の事は分からないな~」
「なるほど……なら、僕達の出番ですね」
「チュチュッ!!」
ミイネは樹精霊の言葉を聞くと彼女はリボンを持ち上げ、滝の裏の洞窟に向かわせる。リボンを利用してミイネは洞窟の内部の状況を把握しようとするが、万が一に気付かれた場合を想定して距離を置く。
「僕のリボンなら見つかっても簡単に捕まる事はありません。洞窟の中でどんな風に眠っているのか確かめてみます」
「大丈夫?気付かれたりしない?」
「リボンを舐めないでください。監獄で情報を集める時はあの子は一番の稼ぎ頭なんですから」
「情報……?」
「監獄……?」
ロウガとミレトはミイネの言葉に首を傾げ、彼等はミイネが監獄都市に暮らしていた情報屋である事は知らず、レナも詳しい説明をしている暇はないので今は何も言わない。ミイネは契約獣であるリボンを通して洞窟の中の状況を把握する――
――ミイネの元に離れたリボンは洞窟の中に乗り込むと、入る前から洞窟の出入口から酷い血の臭いと死臭を感じ取った。リボンはこっそりと中の様子を伺うと、そこには大量の血の跡と動物の死骸と思われる肉の塊があちこちに散らばっていた。
洞窟の奥の方から呻き声が聞こえ、この声の主が牙人将ガオウが変身した狼男である事をリボンは確信する。リボンは洞窟の中に入り込むと、この時に血溜まりを移動する時にリボンは血の臭いと僅かな音を鳴らしてしまう。
「グゥウッ……!?」
ほんの僅かな物音に洞窟の奥に潜んでいた狼男は気付き、鳴き声が聞こえなくなった。リボンは動きを止めて物音を立てないように注意すると、再び狼男の寝息が響いてくる。
※リボン「チュチュッ……(命懸けのだるまさんがころんだだぜ)」
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