不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,502 / 2,091
真・最終章 七魔将編

残るは4人

しおりを挟む
「――それで、牙人将とやらは確実に仕留めてきたのかい?」
「うん、もう跡形も残ってないよ」
「さらりと恐ろしい事を言うね……」


遺跡へ引き返したレナは牙人将の討伐を終えた事を伝えると、全員を集めて改めてこれからの事を話し合う。魔眼将、竜人将、牙人将の討伐を果たしたが、敵はまだ四人は残っている。

残された七魔将は魔人将、鬼人将、紅血将、死人将の四名であり、このうちに紅血将は既に死人将の手に寄って死にかけている事はレナもアイリスの情報提供で把握していた。実質的に残された敵は三人だが、この三人を倒して終わりというわけではない。


(さて、どうやって説明しようかな……)


魔人将の居場所は既に判明しているが、魔人将を打ち倒すのは最後にしなければならない。魔人将との戦闘では必ずや「炎龍」が復活する事が考えられるため、あらゆる準備を整えてから挑まなければならない。

当面の目標は魔人将以外の七魔将の討伐を優先するべきではあるが、あまりに時間を掛け過ぎると炎龍が完全に復活してしまう。それだけは何としても避けねばならず、早急に七魔将の討伐を行わねばならなかった。


「七魔将も残りは半分……次の敵の手掛かりを探さないといけない」
「といっても、雲隠れした奴等を見つけ出す方法なんてあるのかい?」
「大丈夫、その辺は当てがあるから。ね、ダイン?」
「えっ……ぼ、僕!?」


急にレナに話しかけられたダインは驚いた表情を浮かべるが、レナはダインならば死人将ブラクの居場所を分かる事を確信していた。理由は彼に宿る「闇の聖痕」がブラクの位置を探る手掛かりになるとアイリスから聞いていた。


「前にブラクと戦った時、ダインの身体に宿った聖痕が反応したでしょ?それを利用して死人将の居場所を掴めるんじゃないの?」
「いや、そういわれても……ど、どうすればいいんだよ?」
「とりあえずは適当に聖痕を使ってみればいいんじゃない?」
「本当に適当だな!!」


ダインはレナの無責任な言葉に戸惑うが、以前の彼と違ってここまでの旅路でダインも成長している。少し前までは聖痕の不調で影魔法も碌に扱えなかったが、今では完全に調子を取り戻している。ダインは精神を集中させるように聖痕に触れると、彼は首を振り返ってある方向を指差す。


「……多分だけど、あっちの方から嫌な魔力を感じる」
「えっ!?分かるんですか!?」
「あんた、魔力感知の技能も習得していたのかい?」
「違う……この聖痕が何となく、教えてくれるような気がするんだ」


聖痕の元々の所有者はブラクなため、ダインは聖痕を通して彼の位置を探る事ができた。但し、もしもブラクが遭遇した場合は再び相手に聖痕を利用される可能性があるため、迂闊に近づく事はできない。

現在のダインは昔のレナのように聖痕を継承しているだけに過ぎず、完全には聖痕の力を扱いこなす事はできない。しかし、少しずつではあるが闇魔導士としての力量を上げている彼は聖痕の力を使いこなし始めている。


(ダインは俺と違って聖痕を扱える器がある。このまま腕を上げれば聖痕も認めてくれるはずだってアイリスは言っていたけど……)


アイリスによればレナと違ってダインはブラクの子孫であり、元々の素質も高い。仮にブラクが存在しなければ彼が聖痕に認められていた可能性もあるため、いずれ修行を続ければダインがブラクに代わって闇の聖痕を受け継ぐ事もできるかもしれない。

尤も闇の聖痕をダインが正式に受け継ぐためにはブラクを倒さねばならず、ブラクが居る限りは完全な継承は不可能だった。聖痕に完全に認められるにはダインが死人将の撃破を行わねばならず、彼は先祖と戦って打ち勝たなければならない宿命を背負っていた。


「ダイン、ブラクはどれくらい離れているか分かる?」
「いや、正確な距離までは分からないよ……多分だけど結構距離が離れている」
「方向はどっちだ?」
「あっちだけど……」
「あっちという事は……おいおい、まずいよ!!冒険都市の方角じゃないかい!?」


ダインが指差した方向は冒険都市が存在する位置を示しており、またもや七魔将が冒険都市に攻め込むつもりなのかとバルは焦る。先日に冒険都市は襲撃を受けたばかりだが、再び七魔将が襲撃すれば冒険都市に残した戦力だけでは対処しきれない可能性もある。

しかし、七魔将の目的が冒険都市である事はレナも事前にアイリスから把握しており、彼等が動き出すまで猶予はある事は知っていた。ダインに敵の位置を探るように誘導したのも他の者に冒険都市が狙われている事を示すためであり、すぐにレナは出発の準備を行うように促す。


「冒険都市へ戻ろう!!ウル、行くぞ!!」
「ウォンッ!!」
「皆はここで待機して!!空間魔法ですぐに連れ出すから!!」
「ちょ、ちょっと!?一人で行く気かい!?」


レナは空間魔法を発動させて異空間に繋がる「黒渦」を作り出すと、ウルの背中に飛び乗って冒険都市へ向かおうとした。しかし、そんな彼を引き留める人間がいた。
しおりを挟む
感想 5,095

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。