不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・最終章 七魔将編

マリアの修行

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『ラストに勝つためにはこちらも色々と条件を揃えなければなりません。まずは聖剣と聖痕の所有者を集める事です』
『聖剣の方は結構集まっていると思うけど……』
『水属性の聖剣リヴァイアサンはまだですね。相性的に炎龍との戦闘では一番役に立つはずです、なんとしても手に入れてください』
『リヴァイアサンか……』


水属性の聖剣に関してだけは今までに一度も情報はなく、扱いこなせるとしたら水属性の聖痕を継承したシズネだけだと思われる。尤もシズネは水属性の魔剣「雪月花」の所有者であるため、リヴァイアサンを手に入れたとしても使うかどうかは本人次第である。


『そのリヴァイアサンは何処にあるわけ?』
『リヴァイアサンは湖の底にある神殿に隠されています』
『湖の底?神殿?』
『その湖には人魚族が暮らしています。彼女達に協力してもらうしかありません』


アイリスによると水属性の聖剣リヴァイアサンが封じられた場所は人魚族が暮らす湖にあるらしく、人魚族が聖剣を長年管理してきたらしい。人魚族が暮らす湖の場所はバルトロス王国内ではないが、マリアの転移魔法ならば瞬時に移動する事ができるという。


『湖が存在する場所は巨人国の領地、マナ湖と呼ばれる場所です。マナ湖に行って人魚族に話を通して聖剣を受け取りましょう』
『でも、そんなに簡単に受け取れるのかな?』
『簡単に貰えるわけはないですよ。人魚族が長年守り続けてきた秘宝ですからね……その聖剣を手に入れるためには厳しい試験を課せられます。その試験を乗り越えなければ聖剣は手に入りません』
『刺剣か……』


リヴァイアサンの入手のためには人魚族との接触は避けられず、アイリスによると彼等は必ず何らかの試験を与える。そして試験を突破できなければ聖剣は手に入る事がないという――





――会議室の話し合いは一旦中断し、全員が身体を休める事にした。先の戦闘で全員がかなり疲弊しており、特に聖剣の所有者達の疲労は大きかった。レナも魔力切れを引き起こしてしまい、本調子ではない。それでも彼はマリアがどうやって冒険都市に戻ってきたのか話を聞くために彼女の部屋に訪れる。


「叔母様は今まで何処にいたの?」
「その話をすると長くなるけど……貴方にだけは教えてあげるわ」


マリアは転移した後、彼女は冒険者時代の自分が訪れた事がある「黒原」と呼ばれる場所に立っていた。その場所は伝説の勇者「ルノ」が魔王を打ち倒した場所だと伝えられている。

黒原は名前の通りに黒色に染まった草花が広がり、その場所は特殊な結界が施されていて普通ならば中に入る事も至難な場所だった。黒原に生えている植物は魔力を吸収する力を持ち、しかも特殊な結界は彼女の最上級魔法でも破壊するのは困難な強度を誇る。転移魔法の類を使用すれば黒原に転移する事はできるようだが、黒原の中で転移魔法を発動しようとしても魔力が吸収されて失敗する。

魔力を奪われる場所でマリアが何日も滞在して生き延びたのは彼女の「風の聖痕」のお陰であり、風の精霊から魔力をもらい受けて彼女は今日まで生きながらえてきた。もしも聖痕がなければ今頃マリアは魔力を吸収されつくしてしんでいたかもしれない。


『出口を探すしかないわね……』


特殊な結界で覆われた黒原だが、マリアは時間をかけて結界の切れ目を探し出す。かつてマリアがこの地に訪れた時、彼女は結界に阻まれることなく中に入る事ができた。その後は仲間の力を借りて外に出られたが、この地は完全に外界から隔離されているわけではない。

それでも広大な黒原を歩き回って脱出方法を探し出すのは流石のマリアでも苦労した。彼女は結界の切れ目を探すために結界に魔法を撃ち続け、その過程で彼女は知らぬうちに魔法の力が研ぎ澄まされていく。


『母にもできた事よ。私にだってできるはずだわ』


結界の切れ目を探しながらもマリアは風邪の聖痕を使いこなす特訓を同時に行い、彼女は遂に結界の切れ目を発見した。その時には彼女は完璧に風の聖痕を使いこなせるようになり、その過程で以前よりも魔力を使いこなせるようになっていたという。


『久々ね、この感覚は……』


冒険者を辞めてからは自分自身を鍛える機会も減ったマリアだったが、久々に鍛錬を行った事で自分にはまだ伸びしろがあった事を自覚する。そして彼女は黒原を脱出した後、転移魔法を発動して冒険都市に戻ってきた事をレナに教えた――





「――そんな事があったんだ。でも、叔母様が無事でよかったよ」
「ふふふ……私も貴方が無事で安心したわ。まあ、貴方が簡単に死ぬとは思っていなかったけど」


マリアはレナの頭を撫でながら微笑み、彼女は不意にレナの頬に手を回すとある事に気付く。マリアはレナの体内の魔力の乱れを確認し、彼女は何かを思い至ったように告げた。
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