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蛇足編
超高速移動
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「いや~兄貴の魔法は本当に便利ですね。あたしも覚えたいですよ」
「確かに……その魔法を覚える事ができれば偵察の時も役立ちそうでござる」
「最初の頃は制限もあったけどね」
空間魔法がまだ収納魔法だった頃、制限重量や範囲などの制限はあった。レナがレベルを上げて能力を強化した事でそれらの制限はなくなったが、彼の様に能力を強化できるまでに至る人間は殆どいない。世間では支援魔術師が不遇職と認識されているのは成長が遅いためであり、誰もが能力を強化させるまでに至れなかった事から不遇職だと認識されていた。
収納石などの魔石が出現する前は支援魔術師も優遇されており、収納魔法があれば大荷物も運び出す事ができる。しかし、収納石が登場してからは支援魔術師の価値は下がってしまい、不遇職と認識された。ちなみに錬金術師の場合は能力が使いにくいという点で昔から不遇職扱いされていた。
この世界は魔法金属が主流となっており、地球のように様々な金属が作られているわけではない。レナは地球人だったので地球の金属も錬金術師の能力で再現できたが、この世界で生まれた人間は彼の様に地球産の金属を生み出せないので能力は劣っている。だから錬金術師も不遇職扱いされていた。
(もしも俺が支援魔術師と錬金術師の職業じゃなかったらどんな人生を送っていたんだろう。第一王子として王位を継承してたのかな……いや、あの王妃が俺を見逃すはずがないか)
仮にレナが他の職業の人間として生まれていた場合、彼は王子として王都で育てられていた可能性が高い。しかし、その場合はレナは王妃に常に命を狙われる立場となり、今頃は死んでいたかもしれない。
不遇職として生まれた事でレナは追放され、厳しい人生を送ってきたが逆に言えば追放された事で王妃に目を付けられずに生き延びる事ができた。尤も追放後も第二王子が生まれてからはレナの存在を邪魔に思った王妃が自分の配下であるアリアを暗殺するように命じたため、どちらにしてもレナはアイリスが居なければ死んでいた。
(こうして考えると俺の人生はアイリスに助けられてばかりだな……そうだ、アイリスの石像で作っても祀ってやるか。名前は邪神アイリスとしよう)
『止めてください』
(何!?こいつ、直接脳内に……)
アイリスの事を考えていると彼女の声が聞こえたような気がしたが、考え込んでいる間にスラミンは水筒を飲み干してしまう。大量の水分を吸収した事でスラミンの身体が膨れ上がり、それに気づいたコトミンが抱きかかえる。
「レナ、スラミンに水を与えすぎ……こんなに大きくなると持ち運ぶのが大変」
「ぷるぷるっ……」
「あ、しまった……しょうがない、ダイエットさせるか。スラミン、兎跳び!!」
「ぷるんっ!!」
「いや、ただ跳ねてるだけじゃないですか」
レナの言葉にスラミンは身体を弾ませながら皆の周りを移動すると、不意に何かに気付いたように身体を止めた。スラミンの異変に気付いたレナは周囲を見渡し、違和感を感じる。
「この感覚は……皆、気を付けろ!!」
「えっ!?敵ですか!?」
「しかし、拙者の感知には何も反応が……」
ハンゾウはレナと同様に感知系の技能を習得しているが周囲の敵の気配は感じられず、レナも違和感を感じながらも敵の姿が把握できない。だが、すぐに彼は心眼を発揮させて周囲の様子を伺う。
「……そこか!!」
「ぷぎんっ!?」
「えっ!?な、何ですか今の!?」
心眼を発揮させてレナは退魔刀を振り下ろすと、刃の腹の部分に衝撃が走った。エリナは驚いて視線を向けると、そこには銀色に光り輝くスライムが張り付いていた。
シルバースライムと思われる個体は目にも止まらぬ速度でレナの退魔刀に衝突し、刃に張り付いてしまう。それを見たハンゾウは咄嗟に刀に手を伸ばし、エリナも黒弓を構えようとした。
「倒しては駄目でござる!!みねうちで気絶させて捕まえるでござる!!」
「みねうち!?ちょっとそういうのはあたしの武器じゃ無理なんですけど!!」
「ぷぎんっ!!」
「あ、逃げた!!」
シルバースライムは凄まじい速度で移動を行い、外見は銀色に輝くスライムだが、見た目に似合わず身軽で動き回れた。あまりの速度に目で追うのがやっとであり、しかも感知系の技能にも反応しない。
(まさかこんなに早いとは……シルバースライムが捕まらない理由が分かった気がする)
超高速で移動するシルバースライムをレナは捕まえるため、彼は退魔刀を異空間に戻して代わりに神器チェーンを取り出す。動きの速い相手を拘束するにはこれ以上のない武器であり、久々に神器チェーンを腕に巻き付けて放つ。
「拘束しろ!!」
「ぷぎんっ!?」
銀色の鎖がレナの意思に応じて動き出し、逃げ回るシルバースライムの後を追う。シルバースライムは慌てて逃げようとするが、銀色の鎖はどこまでも伸びて追跡を行う。
「確かに……その魔法を覚える事ができれば偵察の時も役立ちそうでござる」
「最初の頃は制限もあったけどね」
空間魔法がまだ収納魔法だった頃、制限重量や範囲などの制限はあった。レナがレベルを上げて能力を強化した事でそれらの制限はなくなったが、彼の様に能力を強化できるまでに至る人間は殆どいない。世間では支援魔術師が不遇職と認識されているのは成長が遅いためであり、誰もが能力を強化させるまでに至れなかった事から不遇職だと認識されていた。
収納石などの魔石が出現する前は支援魔術師も優遇されており、収納魔法があれば大荷物も運び出す事ができる。しかし、収納石が登場してからは支援魔術師の価値は下がってしまい、不遇職と認識された。ちなみに錬金術師の場合は能力が使いにくいという点で昔から不遇職扱いされていた。
この世界は魔法金属が主流となっており、地球のように様々な金属が作られているわけではない。レナは地球人だったので地球の金属も錬金術師の能力で再現できたが、この世界で生まれた人間は彼の様に地球産の金属を生み出せないので能力は劣っている。だから錬金術師も不遇職扱いされていた。
(もしも俺が支援魔術師と錬金術師の職業じゃなかったらどんな人生を送っていたんだろう。第一王子として王位を継承してたのかな……いや、あの王妃が俺を見逃すはずがないか)
仮にレナが他の職業の人間として生まれていた場合、彼は王子として王都で育てられていた可能性が高い。しかし、その場合はレナは王妃に常に命を狙われる立場となり、今頃は死んでいたかもしれない。
不遇職として生まれた事でレナは追放され、厳しい人生を送ってきたが逆に言えば追放された事で王妃に目を付けられずに生き延びる事ができた。尤も追放後も第二王子が生まれてからはレナの存在を邪魔に思った王妃が自分の配下であるアリアを暗殺するように命じたため、どちらにしてもレナはアイリスが居なければ死んでいた。
(こうして考えると俺の人生はアイリスに助けられてばかりだな……そうだ、アイリスの石像で作っても祀ってやるか。名前は邪神アイリスとしよう)
『止めてください』
(何!?こいつ、直接脳内に……)
アイリスの事を考えていると彼女の声が聞こえたような気がしたが、考え込んでいる間にスラミンは水筒を飲み干してしまう。大量の水分を吸収した事でスラミンの身体が膨れ上がり、それに気づいたコトミンが抱きかかえる。
「レナ、スラミンに水を与えすぎ……こんなに大きくなると持ち運ぶのが大変」
「ぷるぷるっ……」
「あ、しまった……しょうがない、ダイエットさせるか。スラミン、兎跳び!!」
「ぷるんっ!!」
「いや、ただ跳ねてるだけじゃないですか」
レナの言葉にスラミンは身体を弾ませながら皆の周りを移動すると、不意に何かに気付いたように身体を止めた。スラミンの異変に気付いたレナは周囲を見渡し、違和感を感じる。
「この感覚は……皆、気を付けろ!!」
「えっ!?敵ですか!?」
「しかし、拙者の感知には何も反応が……」
ハンゾウはレナと同様に感知系の技能を習得しているが周囲の敵の気配は感じられず、レナも違和感を感じながらも敵の姿が把握できない。だが、すぐに彼は心眼を発揮させて周囲の様子を伺う。
「……そこか!!」
「ぷぎんっ!?」
「えっ!?な、何ですか今の!?」
心眼を発揮させてレナは退魔刀を振り下ろすと、刃の腹の部分に衝撃が走った。エリナは驚いて視線を向けると、そこには銀色に光り輝くスライムが張り付いていた。
シルバースライムと思われる個体は目にも止まらぬ速度でレナの退魔刀に衝突し、刃に張り付いてしまう。それを見たハンゾウは咄嗟に刀に手を伸ばし、エリナも黒弓を構えようとした。
「倒しては駄目でござる!!みねうちで気絶させて捕まえるでござる!!」
「みねうち!?ちょっとそういうのはあたしの武器じゃ無理なんですけど!!」
「ぷぎんっ!!」
「あ、逃げた!!」
シルバースライムは凄まじい速度で移動を行い、外見は銀色に輝くスライムだが、見た目に似合わず身軽で動き回れた。あまりの速度に目で追うのがやっとであり、しかも感知系の技能にも反応しない。
(まさかこんなに早いとは……シルバースライムが捕まらない理由が分かった気がする)
超高速で移動するシルバースライムをレナは捕まえるため、彼は退魔刀を異空間に戻して代わりに神器チェーンを取り出す。動きの速い相手を拘束するにはこれ以上のない武器であり、久々に神器チェーンを腕に巻き付けて放つ。
「拘束しろ!!」
「ぷぎんっ!?」
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