不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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蛇足編

閑話 《旅の食事》

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――レナが冒険者集団パーティを組んでいた時は食事に関しては基本的には当番制だった。料理ができる人間が日替わりで料理を行い、野外での食事の場合は簡単に作れて早く食べられる料理が多い。


「サンドイッチができたよ~」
「お、今日の当番はレナか。具材は何だ?」
「今日はフルーツサンドにしてみたよ」


収納魔法(空間魔法)が使用できるレナは材料に関しては異空間に取り込めるため、彼が一緒に行動を共にしている間は食料に困ることは滅多にない。レナは万が一の場合を考えて数日分の食料を常に保存しており、調理器具の類も一緒に保管しているのでどこでも料理ができた。

基本的には旅の間では本格的な料理は滅多に作らず、簡単に食べられるサンドイッチやスープなどの料理を食すことが多い。時には川など見つければ人魚族のコトミンが食料を調達してくれた。


「ふうっ……魚、取ってきた」
「おお、ありがとう。そこに置いといて……」
「シャアアッ!?」
「ちょっと待て、魚人が混じってるぞ!?」
「……絡んで来て鬱陶しいから調子してもらおうと思って」
「川に返してきなさい!!」


コトミンは新鮮な魚を好むので川が流れている場所では彼女は率先して魚を取ってくる。時には変な物も持って帰ってくるが、彼女のお陰で新鮮な魚はいくらでも食べれた。


「レナ、山の獲物を狩って来たぞ」
「うわ、ボアを丸ごと!?」
「今夜は肉鍋だな」


ゴンゾウは肉を好むので山や森に赴く時は野生動物や食用の魔物を捕まえてくることが多い。彼は獲物を捕まえる罠の知識は精通しており、肉料理を食べないと力がでないらしい。


「「ぷるぷる」」
「お、スラミン達は野草を採ってきたのか。偉いぞ~」
「ウォンッ!!」
「ウルも獲物を仕留めてきたんだな。よしよし」
「キュロロッ」
「アインもそんなにたくさん果物を採ってきたのか。いい子いい子」
「ブモォッ……」
「ミノは……茸?意外な物を持って来たな」


同行している魔獣達もよく食料を確保してくるため、旅の間は食料に困ることはなかった。ちなみに魔獣達は生でも食材を食べられるが調理した料理も好んで食べる。


「レナたん、この野草は毒が混じってるから食べられないよ」
「え、そうなの!?俺が森で暮らしていた時は食べられたけど」
「この植物は地方によって毒があります。レナさんの暮らしていた森では食べられたのでしょう」
「ちなみにこの茸は巨人国ではよく生えていたわ。まあ、あっちの国の人間は茸はあんまり食べないけど……」


植物の知識に関してはティナとリンダが精通しており、料理の前に毒物が混じった食材があったら注意してくれた。また、シズネも長年旅をしていたので色々と詳しかった。

料理を行う際はレナは調理の技能を持っているのでそれなりに美味しい食べ物を用意できた。調理の技能を持つ冒険者は人気が高く、意外にもダインも習得していた。


「おらぁあああっ!!」
「ダインさん、凄い鍋捌きですね!?」
「ダインは料理が上手いからな」
「ごちゃごちゃ話してないで皿ぐらい用意しろよ!!」
「は、はい!!」
「こういう時は本当に頼もしいな……」


調理中のダインは人が変わったように荒々しくなり、他の人間の力を借りない。ちなみに彼に料理を教えたのはバルであるため、彼女も当然だが料理はできた。


「ほら、鍋ができたよ!!」
「また鍋かよ!?」
「なんだい、文句があるなら食べなくてもいいんだよ!?」


ダインがバルと旅をしていた時は鍋料理が一番多く、普通の冒険者ならば簡単に食べれる料理を作るのが多いがバルの料理のモットーは腹いっぱい食べられる料理を作る事らしい。






「ラーメンが食べたいわね。今すぐに用意しなさい」
「はっ……?」


某国の王妃はラーメンが食べたい時に大将軍を呼び出し、彼にラーメンを調達させていた――





※某国の王妃……何者ですかね?(すっとぼけ)
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