不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,963 / 2,090
蛇足編

閑話 《旅の食事》

しおりを挟む
――レナが冒険者集団パーティを組んでいた時は食事に関しては基本的には当番制だった。料理ができる人間が日替わりで料理を行い、野外での食事の場合は簡単に作れて早く食べられる料理が多い。


「サンドイッチができたよ~」
「お、今日の当番はレナか。具材は何だ?」
「今日はフルーツサンドにしてみたよ」


収納魔法(空間魔法)が使用できるレナは材料に関しては異空間に取り込めるため、彼が一緒に行動を共にしている間は食料に困ることは滅多にない。レナは万が一の場合を考えて数日分の食料を常に保存しており、調理器具の類も一緒に保管しているのでどこでも料理ができた。

基本的には旅の間では本格的な料理は滅多に作らず、簡単に食べられるサンドイッチやスープなどの料理を食すことが多い。時には川など見つければ人魚族のコトミンが食料を調達してくれた。


「ふうっ……魚、取ってきた」
「おお、ありがとう。そこに置いといて……」
「シャアアッ!?」
「ちょっと待て、魚人が混じってるぞ!?」
「……絡んで来て鬱陶しいから調子してもらおうと思って」
「川に返してきなさい!!」


コトミンは新鮮な魚を好むので川が流れている場所では彼女は率先して魚を取ってくる。時には変な物も持って帰ってくるが、彼女のお陰で新鮮な魚はいくらでも食べれた。


「レナ、山の獲物を狩って来たぞ」
「うわ、ボアを丸ごと!?」
「今夜は肉鍋だな」


ゴンゾウは肉を好むので山や森に赴く時は野生動物や食用の魔物を捕まえてくることが多い。彼は獲物を捕まえる罠の知識は精通しており、肉料理を食べないと力がでないらしい。


「「ぷるぷる」」
「お、スラミン達は野草を採ってきたのか。偉いぞ~」
「ウォンッ!!」
「ウルも獲物を仕留めてきたんだな。よしよし」
「キュロロッ」
「アインもそんなにたくさん果物を採ってきたのか。いい子いい子」
「ブモォッ……」
「ミノは……茸?意外な物を持って来たな」


同行している魔獣達もよく食料を確保してくるため、旅の間は食料に困ることはなかった。ちなみに魔獣達は生でも食材を食べられるが調理した料理も好んで食べる。


「レナたん、この野草は毒が混じってるから食べられないよ」
「え、そうなの!?俺が森で暮らしていた時は食べられたけど」
「この植物は地方によって毒があります。レナさんの暮らしていた森では食べられたのでしょう」
「ちなみにこの茸は巨人国ではよく生えていたわ。まあ、あっちの国の人間は茸はあんまり食べないけど……」


植物の知識に関してはティナとリンダが精通しており、料理の前に毒物が混じった食材があったら注意してくれた。また、シズネも長年旅をしていたので色々と詳しかった。

料理を行う際はレナは調理の技能を持っているのでそれなりに美味しい食べ物を用意できた。調理の技能を持つ冒険者は人気が高く、意外にもダインも習得していた。


「おらぁあああっ!!」
「ダインさん、凄い鍋捌きですね!?」
「ダインは料理が上手いからな」
「ごちゃごちゃ話してないで皿ぐらい用意しろよ!!」
「は、はい!!」
「こういう時は本当に頼もしいな……」


調理中のダインは人が変わったように荒々しくなり、他の人間の力を借りない。ちなみに彼に料理を教えたのはバルであるため、彼女も当然だが料理はできた。


「ほら、鍋ができたよ!!」
「また鍋かよ!?」
「なんだい、文句があるなら食べなくてもいいんだよ!?」


ダインがバルと旅をしていた時は鍋料理が一番多く、普通の冒険者ならば簡単に食べれる料理を作るのが多いがバルの料理のモットーは腹いっぱい食べられる料理を作る事らしい。






「ラーメンが食べたいわね。今すぐに用意しなさい」
「はっ……?」


某国の王妃はラーメンが食べたい時に大将軍を呼び出し、彼にラーメンを調達させていた――





※某国の王妃……何者ですかね?(すっとぼけ)
しおりを挟む
感想 5,092

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。