不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
1,990 / 2,090
蛇足編

レナ&スラミンVSアイリス

しおりを挟む
「まあ、とりあえずはのんびり過ごしましょうか。今日は何をして遊びますか?」
「ぷるんっ!?」
「あ、そういえばいい忘れていた。この世界では願い事はなんでも叶うんだよ」


急に現れた机と椅子にスラミンは驚いたが、レナは夢の世界の仕組みを説明した。この世界限定ではあるがどんな物も生み出すこともできる。元の世界では絶対に手に入らない地球の人工物も生み出すことができるため、ゲームなどの娯楽品もいくらでも造り出せる。

しかし、願いことが何でも敵う世界なのでゲームの途中で自分の操っているキャラクターが死にそうになっても簡単に復活したり、あるいは無敵になることもできる。まるでチートを使って遊ぶ気になるのでレナはテレビゲームの類は遊ばず、その代わりにアイリスと二人でできる遊びはよくやる。


「今日は将棋をしますか?それともリバーシ?チェスもありますよ」
「ならチェスボクシングで……」
「何故!?私に何か恨みでもあるんですか?」
「チェスはスラミンに任せて俺はボクシングに集中するから」
「ぷるんっ(任せて)」
「しかも二人がかり!?」


スラミンは実はレナよりも将棋などの遊戯は強く、レナは自分の代わりにチェスを任せようと机に乗せる。スラミンはチェスを動かそうとした時、何かに気付いたように身体をくねらせた。


「ぷるぷるっ……」
「どうしたスラミン?ここにはトイレないぞ」
「いや、この世界ではトイレなんていかなくてもいいんですよ」
「ぷるんっ!!」


スライムはトイレなどいかないのでレナの発言に怒った風に飛び跳ねり、彼が伝えたいのは勝ったらご褒美が欲しいということだった。先ほどもこの世界を秘密にするという約束でご褒美をあげる約束をしており、それを思い出したレナは現実に戻ったらスラミンに何を上げるのか考える。


「う~ん、そうだな……よし、これに飼ったらスラミンには氷菓子と魔石を買ってあげよう!!水属性の魔石が好きでしょ?」
「ぷるる~んっ(わぁいっ)」
「甘やかしてますね。まあ、いいでしょう。ボクシングはともかくチェスなら負けませんよ!!全身の服を剥ぎ取ってやるぐらいに勝ってあげますから!!」
「ぷるんっ(いやんっ)」
「いや、スラミン服着てないし……」
「何を言ってるんですか、レナさんの服を剥ぎ取るという意味ですよ」
「俺の!?」


アイリスとスラミンは火花を散らして睨み合い、二人の壮絶な戦いが始まった――





――それから数分後、スラミンとアイリスは将棋盤を挟んで倒れ込んでいた。まるで激しい戦闘が繰り広げられたかのようにアイリスはボロボロであり、スラミンも萎れていた。


「くっ、まさかここまで私を追い詰めるなんて……スライムの癖にやりますね」
「ぷるるっ……(そっちもな)」
「あれ、ちょっと目を離した隙にどうしてこんな状況に!?」


レナは暇だったのでひとりで飯を食べているとアイリスとスラミンの変わり果てた姿を見て驚く。ちなみに彼が食べていたのは地球ではよく食べていた定食屋のから揚げ定食だった。子供の頃に潰れた店だったので二度と食べられないと思ったが、この世界ではいくらでも料理を再現できた。

のんきにレナが食事をしている間にスラミンとアイリスは激しい死闘を繰り広げ、二人の間に友情が芽生えた様子だった。アイリスはスラミンに手を差し出すとスラミンも触手を伸ばす。


「ふっ、この勝負の決着は次の機械にしましょう。またここへ来た時は容赦しませんよ」
「ぷるるんっ(望むところ!!)」
「でもこの世界から出たらスラミンは記憶を失うんじゃ……」
「そこら辺は私が色々と調整します。それと今度からはレナさんの傍にいる人間が居たらこっちへ来られるように調整しましょう。私に会わせたい人が連れてきてください」
「え、いいの?」


夢の世界に入れるのはレナだけだったが、今回の一件でアイリスは他の人間(魔物?)と遊ぶ楽しさを覚えたのかレナと共に眠れば夢の世界に連れて来られるように調整を行う。それを聞いてレナは誰を連れて来るべきか考える。


「ここへ来るには一緒に眠らないと駄目なのか。そうなると誰がいいかな……」
「注意しないといけないのは一緒に眠るということです。いきなり一緒に寝てくれなんて言ったら誤解を生みかねないので気を付けてください」
「確かに」


レナはリンダ辺りに「寝てくれ」と頼む自分の姿を想像し、彼女がどんな反応をするのか想像する。リンダならば激しく慌てふためくか、ティナがいるのに自分を誘うなど何を考えているのかと怒るかもしれない。どんな反応をするのか興味はあるが、もしも他の女性陣に知られたら命の危機だった。


「う~ん、難しいな……そうだ、もう眠ってる人間の傍で寝たらどう?」
「それはそれでレナさんが夜這いをしに来たと勘違いされるかもしれませんよ」
「大丈夫、気づかれないように注意するから」
「まあ、私は別に困らないのでいいですけど」


眠っている人間に無断で一緒に眠ろうとすればあらぬ誤解を生んでしまうかもしれないが、その辺は気を付けることにしてレナはとりあえずは目を覚ますことにした――





※もしもレナが誘った場合

レナ「リンダ、一緒に寝ようか」✧(`ω´)←イケボ
リンダ「ふえっ!?な、なな、何を言ってるのですか!?」(* ゚Д゚*)ノ発勁
レナ「はぐぅっ!?」Σ(゚Д゚)←吹き飛ばされる


※もしもレナが夜這い(笑)を仕掛けた場合

レナ「よく眠ってるな……おやすみ」(´ω`)ZZZ
シズネ「……!?」(; ゚Д゚)←気配を察して起きたがわけがわからずに硬直する
しおりを挟む
感想 5,092

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。