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蛇足編
危険過ぎるティナの力
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「ふああっ……ようやく朝か、何だか四日ぐらい眠ってた気分だよ」
「どんな気分よ……もう朝食ができてるわよ」
「もう皆食べてる」
「ここの朝ご飯美味しいね~」
「おはようございますレナ様」
レナが食堂に下りると既に女性陣は食事を取っており、レナも自分の分の食事を用意してもらう。街の中でも一番評判の良い宿屋を選んだため、料理も美味しくて満足できた。
「うん、美味い。ここの料理は魚が美味しいね」
「ありがとうございます!!朝からいいのを仕入れたんですよ!!」
「おかわり」
朝から魚料理を堪能しながらレナ達はこれからのことを話し合い、とりあえずは巨人国からの使者が訪れるまではこの街を離れることはできない。だが、観光名所は既に回っているので行く場所がない。
「今日はどうしようか~もう行くところないよね」
「ティナ様、遊んでばかりでは駄目です。いくら旅行といっても気を抜きすぎてはいけません」
「え~……でも勉強も鍛錬も苦手だよ」
「苦手だったら克服するべきでしょう」
「ティナ、頑張って。私はスラミン達とまったりしてる」
「あっ!?コトミンちゃんずるい!!」
ティナは旅行の間はずっと遊び惚けているのを見かねてリンダは勉強と鍛錬を付けようとすると、彼女は嫌がってレナに抱きつく。
「ねえねえ、レナたんも私がいないと寂しいよね!?」
「え?うん、まあ……寂しいかな」
「ほら、レナたんも寂しがってるから今日は勉強も鍛錬も無しにしようよ」
「いけませんレナ様、あまりティナ様を甘やかされては……」
「そうね、最近は遊んでばかりでティナも太ったんじゃない?」
「むむっ、そんなことないもん!!私は胸に栄養がいくから!!」
「…………」
「シズネ、どうどう」
ティナの何気ない発言にシズネはフォークとナイフを握りしめる力を強めるが、そんな彼女をコトミンが抑えつける。しかし、レナはティナに視線を向けてあることを思い出す。
ヨツバ王国の王族の中でもティナは強い魔力を持っており、アイリスによれば彼女は魔力量だけならばマリアにも匹敵する。マリアと違って膨大な魔力を使いこなせるだけの力量はないが、本来であれば聖痕に選ばれていてもおかしくはない器らしい。彼女は聖属性の適性が高いため、仮にレミアが死んだ場合は高確率で彼女が聖痕を受け継ぐ可能性が高い。
『ティナは凄まじい力を持っています。だから決して目を離しては駄目ですよ』
アイリスによればティナが力の使い道を誤れば大変な事態に陥り、決して彼女を暴走させてはならないと再三注意を受けていた。実際に彼女は風の精霊に愛されており、子供の頃に高所から落ちた際も風の精霊がティナを助けた。森人族にとっては精霊に愛されるほど敬われる存在はいない。
(叔母様と違ってティナはまだ子供だから訓練の内容によっては今以上の魔力を身につける可能性もあるんだよな……)
マリアとティナの違いは年齢が異なり、ティナの年齢は16才だがマリアが同い年の頃は彼女ほどの魔力を持ち合わせていない。しかもマリアの場合は幼少期から母親から厳しい鍛錬を受けて自分の力を磨いていたのに対し、ティナの場合は特に特別な稽古を受けていないのにマリアに匹敵する魔力を得ている。
(叔母様も凄いけど才能だけならティナの方が上かもしれないな……)
ティナの頭を撫でながら改めてレナは彼女の凄さを思い知り、もしもティナが魔物使いではなく別の魔術師の職業で生まれていたら彼女の人生は大きく変わっていたかもしれない。
「ティナはこのままでいいんじゃないかな。下手に強くなったら何を仕出かすか分からないし……」
「ですがレナ様、ティナ様はヨツバ王国の王族なのですから自分の身は自分で守れるだけの力は身につけておかないと……今はティナ様を守る魔物も御同行していませんし」
「ぷるぷるっ(ここにおるがな)」
「いや、スラミン達は癒し枠だから護衛は無理じゃないかな」
「ぷるるんっ(ぐぬぬっ……)」
普段のティナはミノやアインといった存在に守られているので襲われることはなかったが、今回の旅には彼女のお供の魔獣は同行していない。そもそも魔獣と行動していると他の人間から警戒されてしまうため、どうしても長旅になると魔獣は一緒に連れて行くのは困難だった。特に小さい街では魔獣を警戒して中に通してくれないこともある。
ティナの護衛役としてリンダが付いているとはいえ、自由奔放なティナの行動を監視するのは彼女一人だけでは荷が重い。一応はレナもシズネも気にかけているが、やはり護衛役はもう一人は必要だった。
「こんな時にエリナが居ればな……今は里帰り中だっけ?」
「確かヨツバ王国で修行を付けて来ると言っていたわね」
「エリナが戻ってくればティナ様の遊び相手に事欠かないのですが……」
「エリナちゃん、元気かな?早くまた遊びたいな~」
「魚美味い」
エリナがいればティナの安全は保障されるのだが彼女は遠いヨツバ王国にいるので気軽に迎えに行けず、レナは今日一日はリンダの代わりにティナの傍にいることにした。
「どんな気分よ……もう朝食ができてるわよ」
「もう皆食べてる」
「ここの朝ご飯美味しいね~」
「おはようございますレナ様」
レナが食堂に下りると既に女性陣は食事を取っており、レナも自分の分の食事を用意してもらう。街の中でも一番評判の良い宿屋を選んだため、料理も美味しくて満足できた。
「うん、美味い。ここの料理は魚が美味しいね」
「ありがとうございます!!朝からいいのを仕入れたんですよ!!」
「おかわり」
朝から魚料理を堪能しながらレナ達はこれからのことを話し合い、とりあえずは巨人国からの使者が訪れるまではこの街を離れることはできない。だが、観光名所は既に回っているので行く場所がない。
「今日はどうしようか~もう行くところないよね」
「ティナ様、遊んでばかりでは駄目です。いくら旅行といっても気を抜きすぎてはいけません」
「え~……でも勉強も鍛錬も苦手だよ」
「苦手だったら克服するべきでしょう」
「ティナ、頑張って。私はスラミン達とまったりしてる」
「あっ!?コトミンちゃんずるい!!」
ティナは旅行の間はずっと遊び惚けているのを見かねてリンダは勉強と鍛錬を付けようとすると、彼女は嫌がってレナに抱きつく。
「ねえねえ、レナたんも私がいないと寂しいよね!?」
「え?うん、まあ……寂しいかな」
「ほら、レナたんも寂しがってるから今日は勉強も鍛錬も無しにしようよ」
「いけませんレナ様、あまりティナ様を甘やかされては……」
「そうね、最近は遊んでばかりでティナも太ったんじゃない?」
「むむっ、そんなことないもん!!私は胸に栄養がいくから!!」
「…………」
「シズネ、どうどう」
ティナの何気ない発言にシズネはフォークとナイフを握りしめる力を強めるが、そんな彼女をコトミンが抑えつける。しかし、レナはティナに視線を向けてあることを思い出す。
ヨツバ王国の王族の中でもティナは強い魔力を持っており、アイリスによれば彼女は魔力量だけならばマリアにも匹敵する。マリアと違って膨大な魔力を使いこなせるだけの力量はないが、本来であれば聖痕に選ばれていてもおかしくはない器らしい。彼女は聖属性の適性が高いため、仮にレミアが死んだ場合は高確率で彼女が聖痕を受け継ぐ可能性が高い。
『ティナは凄まじい力を持っています。だから決して目を離しては駄目ですよ』
アイリスによればティナが力の使い道を誤れば大変な事態に陥り、決して彼女を暴走させてはならないと再三注意を受けていた。実際に彼女は風の精霊に愛されており、子供の頃に高所から落ちた際も風の精霊がティナを助けた。森人族にとっては精霊に愛されるほど敬われる存在はいない。
(叔母様と違ってティナはまだ子供だから訓練の内容によっては今以上の魔力を身につける可能性もあるんだよな……)
マリアとティナの違いは年齢が異なり、ティナの年齢は16才だがマリアが同い年の頃は彼女ほどの魔力を持ち合わせていない。しかもマリアの場合は幼少期から母親から厳しい鍛錬を受けて自分の力を磨いていたのに対し、ティナの場合は特に特別な稽古を受けていないのにマリアに匹敵する魔力を得ている。
(叔母様も凄いけど才能だけならティナの方が上かもしれないな……)
ティナの頭を撫でながら改めてレナは彼女の凄さを思い知り、もしもティナが魔物使いではなく別の魔術師の職業で生まれていたら彼女の人生は大きく変わっていたかもしれない。
「ティナはこのままでいいんじゃないかな。下手に強くなったら何を仕出かすか分からないし……」
「ですがレナ様、ティナ様はヨツバ王国の王族なのですから自分の身は自分で守れるだけの力は身につけておかないと……今はティナ様を守る魔物も御同行していませんし」
「ぷるぷるっ(ここにおるがな)」
「いや、スラミン達は癒し枠だから護衛は無理じゃないかな」
「ぷるるんっ(ぐぬぬっ……)」
普段のティナはミノやアインといった存在に守られているので襲われることはなかったが、今回の旅には彼女のお供の魔獣は同行していない。そもそも魔獣と行動していると他の人間から警戒されてしまうため、どうしても長旅になると魔獣は一緒に連れて行くのは困難だった。特に小さい街では魔獣を警戒して中に通してくれないこともある。
ティナの護衛役としてリンダが付いているとはいえ、自由奔放なティナの行動を監視するのは彼女一人だけでは荷が重い。一応はレナもシズネも気にかけているが、やはり護衛役はもう一人は必要だった。
「こんな時にエリナが居ればな……今は里帰り中だっけ?」
「確かヨツバ王国で修行を付けて来ると言っていたわね」
「エリナが戻ってくればティナ様の遊び相手に事欠かないのですが……」
「エリナちゃん、元気かな?早くまた遊びたいな~」
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