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蛇足編
因縁に決着を
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「させるかっ!!」
ダインは影人形を変形させると、男の身体を包み込む繭へと変化させた。それによって男の肉体は破裂したが影人形の覆われていた事で外に飛び散ることはなく、影人形が解除すると男の肉塊と黒血が床に落ちる。それを見たミイネは口元を覆い、バルとゴンゾウさえも顔色を青くする。
「はあっ、はあっ……二度も同じ手に引っかかるかよ」
『……やるじゃないかい。どうやら成長したようだね』
「こいつ、まだ喋れるのかい!?」
肉塊と化した男の口の部分だけが辛うじて残っており、ミヤはダインの行動を褒めた。だが、ダインは杖を振りかざすと男の肉塊に突き刺して二度と喋れないようにした。
「もうお前は黙ってろ……くそっ!!」
「ダイン……」
「ダインさん……」
「……助かったよ。それにしてもシャドウ家の生き残りがあんた以外にまだ居たなんてね」
興奮するダインの肩に手を置きながらバルは肉塊を見下ろす。床に広がった黒血を見て彼女はどう対処するべきか悩むと、ダインは落ち着いたのか黒血の処理を行う。
「ミイネ、ランタン持ってただろ。貸してくれよ」
「ランタン?」
「黒血は闇属性の魔力が混じった血液だ。だから光を浴び続ければいずれ自然に消える……でも、絶対に触れたら駄目だぞ。黒血は生物の身体に触れた途端に染み広がって死に至るからな」
「まるで毒だね……それにしてもあんた、よく黒血なんて知ってたね」
「……当り前さ。こいつを扱えるのはシャドウ家の人間だけなんだから」
呪術師の中でも黒血を操ることができるのはシャドウ家の人間だけであり、闇魔導士のダインは扱えないが存在だけは聞かされていた。黒血の性質を理解しているだけにダインは死んだ男達に同情した。
彼等はミヤの部下だったが、任務に失敗したことで用済みと判断された。恐らくは男達の体内に死霊石が埋め込まれ、ミヤは死霊石を通してダインの存在を認知した。呪術師のなかでもミヤはオウネンに並ぶ実力者であり、しかもオウネンと違って吸血鬼と化したことでさらに力を高めていた。
「あの糞婆は放っておけない!!何としても捕まえないと……」
「だが、どうやって探す?」
「居場所に心当たりはないんですか?」
「……な、ないけど」
ミヤを見つけ出して因縁に決着を付けようと意気込むダインだったが、肝心のミヤの居場所は分からなかった。シャドウ家は崩壊し、現在のシャドウ家が管理していた屋敷や領地は王国に没収されている。そもそもミヤはシャドウ家から追放された身なのでシャドウ家に関わる場所に住んでいる可能性は低い。
『ギルドマスター!!さっきから何を騒いでるんですか!?』
「たくっ、面倒な奴が来たね……あたしが相手をしてくるからあんたらはここにいな」
「分かりました」
「ダイン、大丈夫か?」
「ああ、平気だよ……」
バルは扉の外から騒ぎを聞きつけた受付嬢が来たと知ってため息を吐きながら相手をする。その間にダインは椅子に座って考え込み、疲れた表情で天井を見上げる。
「まさかあの婆さんが生きてたなんてな……くそっ、ようやく解放されたと思ったのに」
「解放?」
「あいつが言ってただろ、どうやらミヤも僕の身体を狙ってみるみたいだ。いったい何なんだよ!!オウネンもブラクもミヤも僕のことを何だと思ってるんだ!!」
「ダイン、落ち着け!!」
「気持ちは分かりますよ……」
ダインは自分のことを狙うシャドウ家の人間にはうんざりしており、ようやく自由になれたというのにまた狙われる立場となったことで追い詰められた。だが、昔と違ってダインは確実に成長しており、彼は闇の聖痕に触れながら呟く。
「上等だよ。こうなったら僕の手で決着を付けてやる……糞婆めっ!!」
過去に自分を散々に痛めつけたミヤに今更家族としての愛情など微塵もなく、ダインは自分の手で確実にミヤを仕留めることを決意した――
――同時刻、巨人国の新帝国の隠れ家ではミヤは一人で椅子に座り込んでいた。彼女は顔色が悪く、激しく咳き込む。彼女は懐に手を伸ばすと人間の血液が入った瓶を取り出す。
「はあっ、はあっ……そろそろこの肉体も限界かね」
吸血鬼と化したミヤだが彼女は普通の吸血鬼と違って定期的に血を得ないと衰弱してしまう。普通の生活を送るだけならば血でなくとも食物だけで十分に栄養を得られる。しかし、ミヤの場合は吸血鬼の力で生きながらえているので定期的に人間の血液を摂取しなければならない。
魔物や動物の血液でも代用はできるが、人族の血液が一番効率良く吸血鬼の力を活性化させる。しかし、ミヤのように年老いた人間が吸血鬼と化した場合は通常以上に血液を摂取しなければならない。ミヤが年老いて尚も全盛期の力を震えるのは吸血鬼の能力で生命力を高めているからである。
(どれだけ普通の人間の血を吸おうと満足できない。そうなると私が若返るために必要なのは同じ家系の人間の血だね)
ミヤは吸血鬼の本能で自分が最も欲する人間の血液を悟っていた。彼女はダインの血液を一滴残さず吸い取った場合、肉体は完全に復活して若かりし頃の自分に戻ると確信していた――
ダインは影人形を変形させると、男の身体を包み込む繭へと変化させた。それによって男の肉体は破裂したが影人形の覆われていた事で外に飛び散ることはなく、影人形が解除すると男の肉塊と黒血が床に落ちる。それを見たミイネは口元を覆い、バルとゴンゾウさえも顔色を青くする。
「はあっ、はあっ……二度も同じ手に引っかかるかよ」
『……やるじゃないかい。どうやら成長したようだね』
「こいつ、まだ喋れるのかい!?」
肉塊と化した男の口の部分だけが辛うじて残っており、ミヤはダインの行動を褒めた。だが、ダインは杖を振りかざすと男の肉塊に突き刺して二度と喋れないようにした。
「もうお前は黙ってろ……くそっ!!」
「ダイン……」
「ダインさん……」
「……助かったよ。それにしてもシャドウ家の生き残りがあんた以外にまだ居たなんてね」
興奮するダインの肩に手を置きながらバルは肉塊を見下ろす。床に広がった黒血を見て彼女はどう対処するべきか悩むと、ダインは落ち着いたのか黒血の処理を行う。
「ミイネ、ランタン持ってただろ。貸してくれよ」
「ランタン?」
「黒血は闇属性の魔力が混じった血液だ。だから光を浴び続ければいずれ自然に消える……でも、絶対に触れたら駄目だぞ。黒血は生物の身体に触れた途端に染み広がって死に至るからな」
「まるで毒だね……それにしてもあんた、よく黒血なんて知ってたね」
「……当り前さ。こいつを扱えるのはシャドウ家の人間だけなんだから」
呪術師の中でも黒血を操ることができるのはシャドウ家の人間だけであり、闇魔導士のダインは扱えないが存在だけは聞かされていた。黒血の性質を理解しているだけにダインは死んだ男達に同情した。
彼等はミヤの部下だったが、任務に失敗したことで用済みと判断された。恐らくは男達の体内に死霊石が埋め込まれ、ミヤは死霊石を通してダインの存在を認知した。呪術師のなかでもミヤはオウネンに並ぶ実力者であり、しかもオウネンと違って吸血鬼と化したことでさらに力を高めていた。
「あの糞婆は放っておけない!!何としても捕まえないと……」
「だが、どうやって探す?」
「居場所に心当たりはないんですか?」
「……な、ないけど」
ミヤを見つけ出して因縁に決着を付けようと意気込むダインだったが、肝心のミヤの居場所は分からなかった。シャドウ家は崩壊し、現在のシャドウ家が管理していた屋敷や領地は王国に没収されている。そもそもミヤはシャドウ家から追放された身なのでシャドウ家に関わる場所に住んでいる可能性は低い。
『ギルドマスター!!さっきから何を騒いでるんですか!?』
「たくっ、面倒な奴が来たね……あたしが相手をしてくるからあんたらはここにいな」
「分かりました」
「ダイン、大丈夫か?」
「ああ、平気だよ……」
バルは扉の外から騒ぎを聞きつけた受付嬢が来たと知ってため息を吐きながら相手をする。その間にダインは椅子に座って考え込み、疲れた表情で天井を見上げる。
「まさかあの婆さんが生きてたなんてな……くそっ、ようやく解放されたと思ったのに」
「解放?」
「あいつが言ってただろ、どうやらミヤも僕の身体を狙ってみるみたいだ。いったい何なんだよ!!オウネンもブラクもミヤも僕のことを何だと思ってるんだ!!」
「ダイン、落ち着け!!」
「気持ちは分かりますよ……」
ダインは自分のことを狙うシャドウ家の人間にはうんざりしており、ようやく自由になれたというのにまた狙われる立場となったことで追い詰められた。だが、昔と違ってダインは確実に成長しており、彼は闇の聖痕に触れながら呟く。
「上等だよ。こうなったら僕の手で決着を付けてやる……糞婆めっ!!」
過去に自分を散々に痛めつけたミヤに今更家族としての愛情など微塵もなく、ダインは自分の手で確実にミヤを仕留めることを決意した――
――同時刻、巨人国の新帝国の隠れ家ではミヤは一人で椅子に座り込んでいた。彼女は顔色が悪く、激しく咳き込む。彼女は懐に手を伸ばすと人間の血液が入った瓶を取り出す。
「はあっ、はあっ……そろそろこの肉体も限界かね」
吸血鬼と化したミヤだが彼女は普通の吸血鬼と違って定期的に血を得ないと衰弱してしまう。普通の生活を送るだけならば血でなくとも食物だけで十分に栄養を得られる。しかし、ミヤの場合は吸血鬼の力で生きながらえているので定期的に人間の血液を摂取しなければならない。
魔物や動物の血液でも代用はできるが、人族の血液が一番効率良く吸血鬼の力を活性化させる。しかし、ミヤのように年老いた人間が吸血鬼と化した場合は通常以上に血液を摂取しなければならない。ミヤが年老いて尚も全盛期の力を震えるのは吸血鬼の能力で生命力を高めているからである。
(どれだけ普通の人間の血を吸おうと満足できない。そうなると私が若返るために必要なのは同じ家系の人間の血だね)
ミヤは吸血鬼の本能で自分が最も欲する人間の血液を悟っていた。彼女はダインの血液を一滴残さず吸い取った場合、肉体は完全に復活して若かりし頃の自分に戻ると確信していた――
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