最弱職の初級魔術師 初級魔法を極めたらいつの間にか「千の魔術師」と呼ばれていました。

カタナヅキ

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冒険者編

二人目のS級冒険者

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無事に1人目の依頼を果たした(?)ルノ達は一週間後、今後は街ではなくとある岩山に向かう。次の依頼人は人里から離れた場所に住んでいるらしく、依頼内容も一風変わった内容だった。


「う~んっ……依頼書によるとこの洞窟の中に住んでいるそうですけど」
「本当に洞窟だな……なんか、熊とか住んでそう」
「熊程度ならルノさんなら何とかできるでしょう」
「ブモォッ」


依頼書には岩山の地図も描かれており、ルノ達は洞窟の前に辿り着く。奥が見えない程に暗く、人間よりも魔物が住んでそうな雰囲気だが、一応は確認のために中に入る。


「ミノはここに残っててよ。馬車を守っていてね」
「ブモッ」
「ランタンを用意するのも面倒ですし、光球の魔法で照らしながら進みましょう」


二人は光球の魔法を使用して洞窟を照らしながら移動するが、奥に進むと分かれ道が存在し、どちらに進むのか悩む。


「どっちに行けばいいんだろう?」
「依頼書にはこの洞窟の地図は記されていないですね。仕方ありません、ここは地図製作の能力を使用しましょう」
「確か今まで移動した場所の地図を記録するスキルだっけ?」
「そうですよ。他の人には見えませんけど、ステータス画面を開けば地図が表示されます」


リーリスは多彩なスキルを所持しており、その中の一つである「地図製作」を発動して移動を行う。この能力は地図を記すだけなので発動するだけでは洞窟全体が表示されるわけではない。リーリスは移動した分の地図を記録しながら適当に道を進み、ルノも後に続く。


「結構奥まで進むね」
「心なしか、だんだんと寒くなってきましたね……」
「言われてみれば確かに……」


洞窟を進むと何故か温度が下がったように冷え込み、吐く息さえも白くなる。異様な寒さにルノは疑問を抱きながらも火球の魔法を発動させて暖を取り、周囲に警戒しながら進むと壁から青色の光が漏れ出ている事に気付く。


「あれ、何か光ってない?」
「本当ですね。なんでしょうか……え、嘘っ!?これ、魔石ですよ!!」
「そうなの?」


岩壁を光球で照らした瞬間、青色に光り輝く水晶が露出している事が発覚し、リーリスは驚いた表情を浮かべながら水晶を確認して本物である事を見抜く。


「信じられない……しかも只の魔石じゃありません。純度が高い魔水晶ですよ!!だけど、どうしてこんな場所に水属性の魔水晶が……」
「そんなにおかしい事なの?」
「当たり前じゃないですか!!こんな火山でもないどこにでもありそうな岩山から発掘されるのは土属性の魔石ぐらいですよ!!基本的に水属性の魔石なんて大きな湖や海ぐらいでしか採掘されません!!しかも魔水晶なんてそれこそ海底にまで移動しないと取れませんよ!!」
「え?それならどうしてこんな場所に……」


リーリスの説明を聞きながらルノは不思議そうに壁に埋まっている魔水晶に視線を向け、無意識に手を伸ばす。その瞬間、何故か彼が特別な動作をしたわけでもないのに魔水晶が光り輝き、慌てて手を引っ込める。


「え?今、なんかこの水晶が輝かなかった?」
「ちょ、止めて下さいよ!?ただでさえ馬鹿げたルノさんの魔力で魔水晶が暴発したらどうするんですか!!確実に死にますよ!!私だけがっ(重要)!!」
「ごめんって……」


特に魔法を発動させたわけでもないのに魔水晶が反応した事にルノは疑問を抱き、リーリスは興味深そうに魔水晶を覗き込んでいると、後方の通路から男性の声が響き渡る。


「お前ら!!そこで何をしている!!」
「えっ?」
「……小髭族?」


二人は振り返るとそこには巨大な鉄槌を背負った身長が異様に低い男性が存在し、顔面が髭で覆い隠されていた。リーリスは相手が小髭族だと悟ると、依頼書を取り出し、名前を尋ねた。


「すいませ~ん。貴方がS級冒険者で鍛冶職人のガジさんですか?」
「確かに儂はガジだが……お前達は何者だ!!」
「この人が貴方の依頼を引き受けたルノさんですよ~」
「あ、初めまして」
「何っ!?その小僧が!?」


姿を現したのは今回の依頼人だったらしく、彼は驚いた表情を浮かべながら二人の元に近づき、じろじろと様子を伺い、ガジは髭を撫でながら驚いた表情を浮かべる。


「ふむ、確かに噂通りの容姿だな。男の癖に女みたい綺麗な顔立ちをしてやがる」
「え、噂になってるんですか?」
「そりゃそうだ。帝国最強の魔術師の噂を知らねえ奴なんていねえよ。だが、それなら話は早い。今回の依頼の事を話し合おうじゃねえか」
「その前にこれの事を何か知っているなら説明してくださいよ。どうしてこんな辺鄙な場所に水属性の魔水晶があるんですか?」
「ああ、もう見ちまったのか……そうだな、こいつの事を先に話すか」


ガジは頭を掻きながら岩壁に近づき、壁に埋め込まれている魔水晶を叩きながら二人に振り返り、まずは彼がどうしてこの洞窟に住み始めた切っ掛けを話しはじめる――
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