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冒険者編
帯刀の許可
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「そもそもこの国で帯刀を許されているのはどんな人達なの?青空組の人は全員許されているんですか?」
「そうですよ。まあ、本当に全員が許されているという訳でもないですけど、殆どの人間が帯刀を許可されてますね」
「どういう基準で帯刀は許されるんですか?その辺は私も気になってました」
「別に難しい試験を受けたりするわけでもないですよ。まあ、政府に所属する人間だけが帯刀を許されると考えればいいんじゃないですか?」
ソウシの話によると日の国で帯刀を許されているのは国を治める政府側の人間だけらしく、普通の人間は身に着ける事も許されない。この国で帯刀している者は必然的に政府の関係者となり、それ以外の人間は日本刀を装備するどころか所持する事も許されない。
「俺が生まれるずっと前の時代は誰もが刀を持っていたそうですが、何か大きな事件が起きて以来、廃刀令が発せられたんですよ。だけど、国を守る武力は必要だから政府の配下の人間だけが武器の所持を許されたとか」
「だけど、その政府の方策に反発する人間は居なかったんですか?」
「そりゃ、いっぱい居ましたよ。だけど、日の国では殿様の言う事は絶対ですからね。結局、今の体制に落ち着いたわけです」
「なるほど……じゃあ、仮に帯刀を許可されていないのに武器を所持している人間が居たらどうなるんですか?」
「重罪っすね。少なくとも禁固刑か死罪は免れない」
「う~ん……そこら辺は帝国とは文化の違いを感じますね」
日の国では武器の装備は基本は許されず、発見次第に政府の方針に従わない反逆者として犯罪者と認定さえるらしい。そう考えれば先日のガリュウを切り殺そうとしたトシゾウの判断は法的には決して間違いとは言い切れない。
「でも、日の国から訪れた人の殆どは刀を所持していますよ。まさかその全員が政府の関係者なんですか?」
「帯刀を許可されていないのはあくまでもこの都だけ、都の外に出ればガキでも武器を装備する事は許されている。外には危険な存在がいっぱいですからね」
「外なら自衛のために武器の装備は許されているんですね。でも、生まれた時からこの国に住んでいる人はどうやって刀の技術を学ぶんですか?」
「結構道場とかあるでしょ?木刀や竹刀なら問題ないわけ」
段々と敬語も面倒になってきたのか素の喋り方になってきたソウシに対し、日の国の制度を今更ながらにルノとリーリスは学ぶ。武器の所持が認められない当たりは二人が住んでいた地球の文化と似通っており、仮に帯刀する人間を見つければ政府の関係者と判断出来る。
「でも、それなら今回の依頼人は内密にクロガネさんに日本刀の製作を依頼していたようですね。なんでも理由は普通の刀匠に頼んでも刀を作って貰えないから、流れ者のクロガネさんに製作を頼んだようですけど」
「情報提供ありがとうございます。これで躊躇なく切り捨てる事が出来ます」
「切り捨てるって……」
最初にリーリスが聞き込みを行おうと決めたクロガネの依頼人は違法で日本刀を入手しようとしたのは間違いなく、ソウシが口元に笑みを浮かべながら腰の刀に手を伸ばす。当人は人を斬ることを好まないと言っていたが、どう見ても相手が犯罪者と知って喜んでおり、流血沙汰は免れないのかも知れない。
「リーリス……この人と本当に一緒に行くの?これから会う人達が全員殺されそうなんだけど……」
「しょうがないじゃないですか。私がリストアップした人達の殆どは違法でクロガネさんから武器を受け取っているんですよ。この国の法律では重罪らしいですし、仕方ないですよ」
「でも、殺すのはちょっと……」
「またルノさんが止めれば良いじゃないですか。私も協力しますし、それにソウシさんと一緒じゃないと調査も出来ないんですから我慢してください」
「どうしたんすか?早く行きましょうよ」
ルノはソウシの態度に不安を抱くが、当の彼は楽しそうに鼻歌を歌いながら刀の柄に手を伸ばして歩いている。外見は美少年だが、常に刀に手を伸ばしている事から周囲の通行人が怯えた表情を浮かべて彼を避ける。聞き込み調査にも関わらずに目立つ行動を行うソウシに二人は溜息を吐き、出来れば彼が人斬りに陥る前に行動を止められるように祈りながら最初の依頼人の住所に向かう。
「あ、ここですよ。この屋敷の主がクロガネさんの依頼人です」
「屋敷って……ここが?」
「……随分と寂れてますね」
3人が到着したのは随分と古ぼけた建物の前であり、もう何年も人の出入りがないかのように寂れていた。人の気配は感じられず、門の扉も解放されているので敷地内にも簡単に入り込める。日記の資料では確かにこの場所で間違いないのだが、どう見ても人間が住んでいる気配はない。
「依頼人は剣の道場を開いているらしいが、自分の屋敷の敷地内に稽古場を作っているようです。中に入りましょうか」
「いいのかな……お邪魔しま~す」
「道場を開いている割には寂れた建物だな……人気が無いのか、それとも夜逃げでもしたのか、どちらにしろ人間が住んでいるとは思えませんけどね」
敷地内に3人は入り込み、一応は玄関から家主の名前を呼ぶ。案の定、相手側からの反応はなかった。
※ここからは本編とは関係ありません。
リーリス「ルノさん、今日はバレンタインです。という事でチョコを作ってきました」
ルノ「えっ……この世界にチョコレートあるの?」
リーリス「ありますよ。ほら、チョコレート型のスライムです(*´ω`*)」つ●
ルノ「それ、スラミンを黒く塗っただけだろ( ゚Д゚)クエルカッ」
「そうですよ。まあ、本当に全員が許されているという訳でもないですけど、殆どの人間が帯刀を許可されてますね」
「どういう基準で帯刀は許されるんですか?その辺は私も気になってました」
「別に難しい試験を受けたりするわけでもないですよ。まあ、政府に所属する人間だけが帯刀を許されると考えればいいんじゃないですか?」
ソウシの話によると日の国で帯刀を許されているのは国を治める政府側の人間だけらしく、普通の人間は身に着ける事も許されない。この国で帯刀している者は必然的に政府の関係者となり、それ以外の人間は日本刀を装備するどころか所持する事も許されない。
「俺が生まれるずっと前の時代は誰もが刀を持っていたそうですが、何か大きな事件が起きて以来、廃刀令が発せられたんですよ。だけど、国を守る武力は必要だから政府の配下の人間だけが武器の所持を許されたとか」
「だけど、その政府の方策に反発する人間は居なかったんですか?」
「そりゃ、いっぱい居ましたよ。だけど、日の国では殿様の言う事は絶対ですからね。結局、今の体制に落ち着いたわけです」
「なるほど……じゃあ、仮に帯刀を許可されていないのに武器を所持している人間が居たらどうなるんですか?」
「重罪っすね。少なくとも禁固刑か死罪は免れない」
「う~ん……そこら辺は帝国とは文化の違いを感じますね」
日の国では武器の装備は基本は許されず、発見次第に政府の方針に従わない反逆者として犯罪者と認定さえるらしい。そう考えれば先日のガリュウを切り殺そうとしたトシゾウの判断は法的には決して間違いとは言い切れない。
「でも、日の国から訪れた人の殆どは刀を所持していますよ。まさかその全員が政府の関係者なんですか?」
「帯刀を許可されていないのはあくまでもこの都だけ、都の外に出ればガキでも武器を装備する事は許されている。外には危険な存在がいっぱいですからね」
「外なら自衛のために武器の装備は許されているんですね。でも、生まれた時からこの国に住んでいる人はどうやって刀の技術を学ぶんですか?」
「結構道場とかあるでしょ?木刀や竹刀なら問題ないわけ」
段々と敬語も面倒になってきたのか素の喋り方になってきたソウシに対し、日の国の制度を今更ながらにルノとリーリスは学ぶ。武器の所持が認められない当たりは二人が住んでいた地球の文化と似通っており、仮に帯刀する人間を見つければ政府の関係者と判断出来る。
「でも、それなら今回の依頼人は内密にクロガネさんに日本刀の製作を依頼していたようですね。なんでも理由は普通の刀匠に頼んでも刀を作って貰えないから、流れ者のクロガネさんに製作を頼んだようですけど」
「情報提供ありがとうございます。これで躊躇なく切り捨てる事が出来ます」
「切り捨てるって……」
最初にリーリスが聞き込みを行おうと決めたクロガネの依頼人は違法で日本刀を入手しようとしたのは間違いなく、ソウシが口元に笑みを浮かべながら腰の刀に手を伸ばす。当人は人を斬ることを好まないと言っていたが、どう見ても相手が犯罪者と知って喜んでおり、流血沙汰は免れないのかも知れない。
「リーリス……この人と本当に一緒に行くの?これから会う人達が全員殺されそうなんだけど……」
「しょうがないじゃないですか。私がリストアップした人達の殆どは違法でクロガネさんから武器を受け取っているんですよ。この国の法律では重罪らしいですし、仕方ないですよ」
「でも、殺すのはちょっと……」
「またルノさんが止めれば良いじゃないですか。私も協力しますし、それにソウシさんと一緒じゃないと調査も出来ないんですから我慢してください」
「どうしたんすか?早く行きましょうよ」
ルノはソウシの態度に不安を抱くが、当の彼は楽しそうに鼻歌を歌いながら刀の柄に手を伸ばして歩いている。外見は美少年だが、常に刀に手を伸ばしている事から周囲の通行人が怯えた表情を浮かべて彼を避ける。聞き込み調査にも関わらずに目立つ行動を行うソウシに二人は溜息を吐き、出来れば彼が人斬りに陥る前に行動を止められるように祈りながら最初の依頼人の住所に向かう。
「あ、ここですよ。この屋敷の主がクロガネさんの依頼人です」
「屋敷って……ここが?」
「……随分と寂れてますね」
3人が到着したのは随分と古ぼけた建物の前であり、もう何年も人の出入りがないかのように寂れていた。人の気配は感じられず、門の扉も解放されているので敷地内にも簡単に入り込める。日記の資料では確かにこの場所で間違いないのだが、どう見ても人間が住んでいる気配はない。
「依頼人は剣の道場を開いているらしいが、自分の屋敷の敷地内に稽古場を作っているようです。中に入りましょうか」
「いいのかな……お邪魔しま~す」
「道場を開いている割には寂れた建物だな……人気が無いのか、それとも夜逃げでもしたのか、どちらにしろ人間が住んでいるとは思えませんけどね」
敷地内に3人は入り込み、一応は玄関から家主の名前を呼ぶ。案の定、相手側からの反応はなかった。
※ここからは本編とは関係ありません。
リーリス「ルノさん、今日はバレンタインです。という事でチョコを作ってきました」
ルノ「えっ……この世界にチョコレートあるの?」
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