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獣人国
噛ませ犬にすらならない
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「し、しまった!?」
「んっ!?貴様、何だそれは……まさか!?」
ガインの落とした小袋から大量の金貨が散らばり、それを確認したガオンはガインの衣服が妙に膨らんでいる事に気付き、彼が服の下に何かを隠している事に気付く。すぐにガオンは駐屯所内に存在する金庫の事を思い出す。
「貴様!!それを何処て手に入れた!?」
「く、くそっ!!これは俺のだ!!」
「あ、ちょっと待ちなさいよ!?」
堕ちた小袋を拾い上げてガインは先に地下牢の階段を駆け下りると、ガオンは怒りの表情を浮かべて彼の後を追う。しかし、その途中でルノが遮るように前に出た。
「あの、すいません。もしかして貴方がこの街に滞在している将軍さんですか?」
「何だ貴様は……そうだ、お前はっ!?」
自分の前に立ち塞がった氷鎧を装着したルノに気付くと、ガオンは3階の窓から駐屯所の外の様子を確認しており、目の前のルノが兵士達を蹴散らしていた事を思い出す。そして逃げ出したガインを追いかけようとする自分の邪魔をするルノを見てガオンは彼等が手を組んでいると判断する。
「ふんっ!!そういう事か……貴様、あの男と手を結んでいたという事か!!」
「え?いや、別にそんな事は……」
「ならば容赦はせん!!ここで全員殺してやる!!」
ガオンは肩に抱えていた大理石の柱を振り翳し、氷鎧の頭部に向けて振り下ろす。幾ら相手が頑丈の甲冑で覆われていようと頭部に強い衝撃を与えれば無事では済まず、全力の力を込めてガオンは兜に向けて柱を叩きつけた。
「ぬおおおっ!!」
「ちょ、危ないじゃないですかっ」
「何ぃっ!?」
だが、あろうことかガオンが正面から振り落とした大理石の柱に対してルノは右手を構えると片腕のみで受け止め、逆に柱を振り落としたガオンの腕が痺れる。正面から直径2メートルを超える柱を片腕で防いだルノに対してガオンは目を見開き、それでも諦めずにガオンは次の攻撃に移る。
「す、少しはやるようだな!!だが、これはどうだ!!爪切り!!」
「うわっ」
ガオンは自身の両手の爪を刃物のように鋭利に尖らせると、柱を掴んだ状態のルノの脇腹に目掛けて爪を放つ。周囲に金属音が響き渡り、直後に悲鳴が上がった。
「ぐ、ぐああああっ!?」
「あ、大丈夫ですか!?爪が剥がれ落ちかけてますよ!?」
頑丈な氷鎧に攻撃を仕掛けたガオンの爪の方が負傷してしまい、想像以上の硬度によって爪が割れて血が滲み、苦痛の声を抑えきれずに両手を抑える。それでも戦意は衰えず、涙目になりながらもガオンは最後の攻撃を仕掛けた。
「ぐっ……まだだ!!がああああっ!!」
「わあっ!?」
獣のような咆哮を放ちながら今度は自分の牙をルノの首筋の部分に噛みつき、鎧を破戒して首の肉を引き千切ろうとした。しかし、残念ながらガオンの牙は甲冑に食い込む処か掠り傷さえ与えられず、逆に鎧に衝突した犬歯が罅割れてしまう。
「ぐああああっ!?」
「ちょ、さっきから何してるんですか!?本当に大丈夫なんですか?」
「何で敵の心配をしているのよ!!いいからさっさと捕まえなさいよ!!ここに何しに来たと思ってるのよ!?」
口元を抑えて倒れこんだガオンに対してルノは心配したように近づくが、そんな彼にリディアが冷静に突っ込み、ガオンを捕獲する当初の作戦を思い出させる。
「あ、そうだった……でも、先にここから脱出しないと」
「ふがぁっ!?」
ルノは倒れこんだガオンを軽々と抱えると、肩に乗せて地下に続く階段へ向かう。当然だがガオンは必死に暴れ狂うが、圧倒的なまでの力の差で抑えつけられ、ルノの手から逃れられない。
(な、何だこいつの力は……!?)
歯が欠けてしまった事で上手く口も開かず、何を口にしようとしてもふがふがとしか言葉に出来ないガオンは自分を下ろすように伝える事も出来ず、そのままルノに担がれるままに階段を下りていく。
「あっ、見てください!!大きな扉があります!!」
「ここが地下牢への扉みたいね。ガインの奴は先に逃げ出したようね」
「確か牢獄の奥の牢屋から脱出路に繋がっているんだっけ?」
「ふががっ!?」
地下牢に脱出路が存在するという話にガオンは目を見開き、自分の知らない情報を持つルノ達に動揺を隠せず、やはり計画無しに彼等が駐屯所に襲撃を仕掛けたわけではないと確信する(実際は彼の勘違いだが)。
(くそっ!!ガインめ……こんな化け物を何処で雇った!?)
ガインと侵入者であるルノ達が手を結んでいた勝手に勘違いしたガオンは悔し気な表情を浮かべるが、このまま燃え盛る駐屯所内に残っていても命はなく、こうなったら諦めて彼等に連れられるままに外へ脱出する事に決めた。
(覚えていろ……!!既に俺の配下が外へ脱出しているはずだ!!奴等と合流すれば貴様等全員を捕らえてやるからな!!)
ちなみに倉庫へ向かおうとするガオンを取り押さえていた彼の直属の配下の兵士達は先に脱出を目指しており、ガオンとは既に別れている。彼等は最後までガオンも共に脱出する事を説得したのだが、結局はガオンは聞き入れずに一人で1階の倉庫へ向かった事が仇となった。
「んっ!?貴様、何だそれは……まさか!?」
ガインの落とした小袋から大量の金貨が散らばり、それを確認したガオンはガインの衣服が妙に膨らんでいる事に気付き、彼が服の下に何かを隠している事に気付く。すぐにガオンは駐屯所内に存在する金庫の事を思い出す。
「貴様!!それを何処て手に入れた!?」
「く、くそっ!!これは俺のだ!!」
「あ、ちょっと待ちなさいよ!?」
堕ちた小袋を拾い上げてガインは先に地下牢の階段を駆け下りると、ガオンは怒りの表情を浮かべて彼の後を追う。しかし、その途中でルノが遮るように前に出た。
「あの、すいません。もしかして貴方がこの街に滞在している将軍さんですか?」
「何だ貴様は……そうだ、お前はっ!?」
自分の前に立ち塞がった氷鎧を装着したルノに気付くと、ガオンは3階の窓から駐屯所の外の様子を確認しており、目の前のルノが兵士達を蹴散らしていた事を思い出す。そして逃げ出したガインを追いかけようとする自分の邪魔をするルノを見てガオンは彼等が手を組んでいると判断する。
「ふんっ!!そういう事か……貴様、あの男と手を結んでいたという事か!!」
「え?いや、別にそんな事は……」
「ならば容赦はせん!!ここで全員殺してやる!!」
ガオンは肩に抱えていた大理石の柱を振り翳し、氷鎧の頭部に向けて振り下ろす。幾ら相手が頑丈の甲冑で覆われていようと頭部に強い衝撃を与えれば無事では済まず、全力の力を込めてガオンは兜に向けて柱を叩きつけた。
「ぬおおおっ!!」
「ちょ、危ないじゃないですかっ」
「何ぃっ!?」
だが、あろうことかガオンが正面から振り落とした大理石の柱に対してルノは右手を構えると片腕のみで受け止め、逆に柱を振り落としたガオンの腕が痺れる。正面から直径2メートルを超える柱を片腕で防いだルノに対してガオンは目を見開き、それでも諦めずにガオンは次の攻撃に移る。
「す、少しはやるようだな!!だが、これはどうだ!!爪切り!!」
「うわっ」
ガオンは自身の両手の爪を刃物のように鋭利に尖らせると、柱を掴んだ状態のルノの脇腹に目掛けて爪を放つ。周囲に金属音が響き渡り、直後に悲鳴が上がった。
「ぐ、ぐああああっ!?」
「あ、大丈夫ですか!?爪が剥がれ落ちかけてますよ!?」
頑丈な氷鎧に攻撃を仕掛けたガオンの爪の方が負傷してしまい、想像以上の硬度によって爪が割れて血が滲み、苦痛の声を抑えきれずに両手を抑える。それでも戦意は衰えず、涙目になりながらもガオンは最後の攻撃を仕掛けた。
「ぐっ……まだだ!!がああああっ!!」
「わあっ!?」
獣のような咆哮を放ちながら今度は自分の牙をルノの首筋の部分に噛みつき、鎧を破戒して首の肉を引き千切ろうとした。しかし、残念ながらガオンの牙は甲冑に食い込む処か掠り傷さえ与えられず、逆に鎧に衝突した犬歯が罅割れてしまう。
「ぐああああっ!?」
「ちょ、さっきから何してるんですか!?本当に大丈夫なんですか?」
「何で敵の心配をしているのよ!!いいからさっさと捕まえなさいよ!!ここに何しに来たと思ってるのよ!?」
口元を抑えて倒れこんだガオンに対してルノは心配したように近づくが、そんな彼にリディアが冷静に突っ込み、ガオンを捕獲する当初の作戦を思い出させる。
「あ、そうだった……でも、先にここから脱出しないと」
「ふがぁっ!?」
ルノは倒れこんだガオンを軽々と抱えると、肩に乗せて地下に続く階段へ向かう。当然だがガオンは必死に暴れ狂うが、圧倒的なまでの力の差で抑えつけられ、ルノの手から逃れられない。
(な、何だこいつの力は……!?)
歯が欠けてしまった事で上手く口も開かず、何を口にしようとしてもふがふがとしか言葉に出来ないガオンは自分を下ろすように伝える事も出来ず、そのままルノに担がれるままに階段を下りていく。
「あっ、見てください!!大きな扉があります!!」
「ここが地下牢への扉みたいね。ガインの奴は先に逃げ出したようね」
「確か牢獄の奥の牢屋から脱出路に繋がっているんだっけ?」
「ふががっ!?」
地下牢に脱出路が存在するという話にガオンは目を見開き、自分の知らない情報を持つルノ達に動揺を隠せず、やはり計画無しに彼等が駐屯所に襲撃を仕掛けたわけではないと確信する(実際は彼の勘違いだが)。
(くそっ!!ガインめ……こんな化け物を何処で雇った!?)
ガインと侵入者であるルノ達が手を結んでいた勝手に勘違いしたガオンは悔し気な表情を浮かべるが、このまま燃え盛る駐屯所内に残っていても命はなく、こうなったら諦めて彼等に連れられるままに外へ脱出する事に決めた。
(覚えていろ……!!既に俺の配下が外へ脱出しているはずだ!!奴等と合流すれば貴様等全員を捕らえてやるからな!!)
ちなみに倉庫へ向かおうとするガオンを取り押さえていた彼の直属の配下の兵士達は先に脱出を目指しており、ガオンとは既に別れている。彼等は最後までガオンも共に脱出する事を説得したのだが、結局はガオンは聞き入れずに一人で1階の倉庫へ向かった事が仇となった。
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