最弱職の初級魔術師 初級魔法を極めたらいつの間にか「千の魔術師」と呼ばれていました。

カタナヅキ

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巨人国 侵攻編

誘拐開始!!

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「あ、でもリーリスさん。この作戦だと捕まえた人達はどうするんですか?流石に大勢の巨人族の人を見張るのは大変なんじゃ……」
「ああ、それならいい方法があります。地面を掘ってその中に巨人族の人たちを埋めるんですよ。頭の部分だけ出ていれば死ぬ事はないでしょうし……」
「埋めるのですか!?ですが、このような場所で埋めたら魔物に襲われるのでは……」
「大丈夫ですよ。そこの駄馬を見張りに差せておけば大抵の魔物は近づけませんから」
「ヒヒンッ!!」


自分の事を駄馬扱いしたリーリスに抗議するようにユニコーンは鼻を鳴らすが、それを無視してリーリスはロプスとミノに何処から取り出したのかスコップを差しだす。


「ほら、貴方達はまずはこの将軍を埋めてください。ワンコ達も手伝ってください、穴を掘るのは得意でしょう?」
「キュロロッ?」
「ブモォッ……」
「クゥ~ンッ」


スコップを渡されたロプスは首を傾げ、ミノは仕方が無いとばかりに受け取り、狼達も早速穴掘りを行う。巨人族は図体が大きくて力も強いため、縄の類で縛りつけても自力で引き千切る可能性がある以上、穴の中に埋める方が確実に拘束出来る。

ギルスは自分を埋めるための穴を掘る魔獣達の姿に動揺を隠せず、そもそも王国の王女と将軍が得たいの知れない魔術師の少年と共にこの土地に存在するのか疑問を抱き、意を決して尋ねた。


「待て!!これだけは答えてくれ……お前達はどうしてここに居る?何故、病床に伏しているはずの帝国の王女がここにいるのだ?」
「そこら辺の説明は面倒くさいのでしません。そもそも貴方、自分が侵略者である事を自覚しているんですか?どうして私達が捕虜に情報を明かさないといけないんですか」
「ぬぐぅっ……」


侵略者という言葉にギルスは言い返す事は出来ず、実際にギルスが率いる巨人族の軍隊は既に帝国の領地内で略奪行為を行っている。帝国から見れば彼等は侵略者でしかなく、わざわざ敵に対して自分達の事情を話す方がおかしい。


「よし、これぐらい掘り進めれば十分ですね。ほら、貴方のために掘ったんですからさっさと入って下さい」
「や、止めろ……うおっ!?」
「ブモォオオッ!!」


抵抗するギルスはをミノが持ち上げ、穴の中に放り込むとリーリスは地面に掌を押し付け、土塊の魔法を発動させて掘り起こした土砂を操作してギルスを生き埋めにする。


「ルノさんほど上手くは扱えませんけど、これぐらいなら私でもできます」
「おおっ!!」
「こうしてみると生首が地面に落ちているようですね……」
「ぐうっ……この屈辱、絶対に忘れんぞ……!!」


首だけの状態で地面に埋まったギルスを三人は覗き込み、この状態ならば自力で脱出する事も難しく、他の人間が救出するにしても掘り起こすのに時間が掛かるだろう。ギルスを拘束する事に成功したリーリスは今度は他の巨人を拘束するために次の新しい穴を作るように命じた。


「さあ、貴方達は新しい穴を掘っていてください。そうですね、だいたい50個ぐらい作れば十分ですかね。その間に私達も準備をしましょう」
「準備ですか?」
「俺達も穴を掘るの?」
「いえ、変装の準備です。ここから先は私達も身分を隠して行動する必要があると思います。そのためにはまずは衣装を着替えましょう」


リーリスは昼間の間に街で購入しておいた新しい衣服と、変装用の仮面を用意する。更にジャンヌには銀箔で表面を銀色に染めた槍を渡し、ついでに女性ようの騎士の鎧を差しだす。


「お姫様にはこれを付けてもらいます。それとナオさんにはこちらのローブとマントを羽織ってください」
「な、何ですかこれは?」
「何か嫌な予感がするんだけど……」
「ほらほら、もたもたしていると朝を迎えますよ。文句言ってないで早く着てください」
「何をする気だ……うぐっ!?」
「ブモォッ!!」


3人の行動に生首状態のギルスは戸惑うが、そんな彼にミノが拳骨を食らわせ、意識を奪う。いくら歴戦の将軍といえど、生身でしかも首だけしか動けない状態ではミノタウロスの拳を防ぐ事も出来ず、頭に強い衝撃を受けて気絶した――




――それから30分後、巨人国軍の各所で空間魔法によって兵士を指揮する立場の人物が次々と誘拐され、最終的には陣内に残ったのは一般兵士だけが残る。流石に宴で騒いでいた兵士達も次々と自分達の上司が姿を消している事に気付き、慌てて捜索を行うが姿が見えない。


「駄目だ!!こっちにもいないぞ!?将軍は何処だ!?」
「おい、どうなってんだ!!何で部隊長も兵士長も居ないんだ!?」
「見張り役の兵士の話しだと誰も外に出ていないそうだぞ……それなら何処に消えたんだ?」


酔いもさめぬうちに兵士達は陣内を探し回るが何故かギルス将軍を筆頭に兵士の指揮を執る立場の役職の者達が消え去り、何処を探しても居ない事から彼等は誘拐されたのではないかと兵士達は考えるが、一人や二人ならばともかく、自分達の上司全員が消えてしまった事に残された兵士達は困惑した。
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