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巨人国 侵攻編
サムカとギルス
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「ぐうっ……相変わらずだな貴様は」
「ふん、しばらく見ない間に随分と腑抜けになったようだね……この1年の間、妙にあんた等の国が大人しいから不思議に思っていたけど、こそこそとよそ様の国に入ってくるとは言い度胸だね!!」
「あの……喧嘩は駄目ですよ。まずは話し合いませんか?」
「あんっ?何を言って……おおっ!?」
ギルスの襟首を掴んで立ち上がらせようとしたサムカに対し、慌ててルノが彼女の腕を掴むと力尽くで引き剥がす。自分が力負けした事にサムカは驚き、信じられない表情を抱く。
「あ、あたしの腕を振り切った……?あんた、見た目の割にはとんでもない筋力をしてるね。一体普段からどういう鍛錬をしてるんだい?」
「鍛錬?いや、特に何もしてません。最近は急がしくて身体を動かす機会も恵まれなかったので……」
「そんな事があるはずないだろ!!いや、待てよ……そういえばさっきコトネの奴があんたのレベルが99だと言っていたけど、まさか本当なのかい!?」
「あ、はい」
「はあっ……信じられないねえ、まさか本当にレベルを上限値まで高める奴が居たのかい」
ルノの力の強さの正体が「レベル99」の補正だと知ったサムカは驚きを隠せず、ギルスの事はどうでもよくなったのかルノの肩に手を回して詳しく話を聞く。
「坊主、いやルノと言ったかい?あたしが力負けする相手なんて親父以外にあんたが初めてだよ。それでどうやってレベルを99にまで上げたのか教えてくれないかい?コツとかあるなら聞きたいもんだね」
「うわわっ……あの、顔に胸が当たってるんですけど」
「ん?ああ、悪いね。そうだ、もしもレベルを上げるコツを教えてくれたらこの胸を好きにしていいよ。どうだい?」
「ええっ!?」
「……むう、サムカ。本題に入る」
とんでもない事を言い出したサムカに対してコトネが二人の間に割り込み、彼女に連れて来た巨人族の対応を委ねる。サムカは面倒そうにギルスと上空の氷飛行機に視線を向け、まずは降りてくるように指示を出す。
「とりあえず、あんなのが上空にずっと浮かんでいたら城の兵士どもが落ち着かないね。話をする前にあれを何とかしてくれないかい?」
「ルノ殿、文句を言える立場ではない事は重々承知しているが、どうか部下達を地上に下ろして休ませてくれないか?このような環境下であの乗物の中を過ごすのは流石に我等も厳しいのだが……」
「あ、そうですよね……でも、どうしよう」
極寒の環境下で氷塊の乗物に搭乗する者達にとっては毛布1枚程度では負担が大きく、兵士達にも休息が必要だった。だが、流石に1万人の巨人族を城内に下ろすわけにもいかず、どうするべきか考えていると、コトネが助言を行う。
「……ルノ、このまま巨人国の領地に向かう。話し合いなら氷飛行機の中ですればいい」
「え?でも……」
「サムカだけが付いて来れば問題ない。巨人国の領地に兵士を下ろしてすぐに帰ってくればいい」
「あたしがかい?まあ、別にいいけど……そんなに急がないとならないのかい?」
「事態は急を要する……こうしている間にも兵士達はトイレを必死に我慢してるはず」
「えっ……あ、言われてみれば確かにあの中じゃ用を足せないわよね」
「あっ、そうだった……」
ルノの作り出した氷飛行機内にはトイレは存在せず、閉じ込められている間は兵士達は必死にトイレを我慢しなければならない。ここまでの移動中に巨人兵は休憩も取っていないので既に腹が限界を迎えている者も存在するかもしれず、彼等を気遣ってコトネは急いでこの場から離れるように進言する。
「話し合いなら氷飛行機の中で行えばいいし、巨人国に兵士達を送り返した後、すぐに城に戻ればサムカも問題ない」
「まあ、あたしとしてはあいつらがしょんべんを漏らそうとどうでもいいんだけどね」
「いや、良くはないぞ!?我々を侮辱する気か!!」
「うるっさいねぇっ……はいはい、分かったよ。一緒に行けばいいんだろ?」
サムカの言葉にギルスは激高し、流石にそこまでの恥を味わいたくはないのか顔を真っ赤にしてサムカに突っかかる。そんなギルスに面倒くさそうにサムカは自分も同行する事を告げると、城内の兵士を数人同行させてサムカとルノ達は氷飛行機に向かう。
「あ、そうだ。話し合いをしやすいようにちょっと氷飛行機の内部を変化させますね」
移動中の話し合いをスムーズに行うため、ルノは自分達が乗っていた氷飛行機の内装を変形させ、飛行機のエコノミークラスからファーストクラスのように過ごしやすい環境に変化させた。内部の構造変化を終えたルノが他の人間を呼び寄せると、全員が氷飛行機の内装を確認して感嘆の声を上げる。
「はあっ……こいつは驚きだね。まさかこんな乗物で空を飛ぶ事になるなんて思いもしなかったよ」
「おおっ……ちゃんと巨人族用の規模に合わせた椅子もあるのか」
「見た目だけは豪華ね……まあ、本当にあくまで見た目だけね」
「……結局座るためには毛布を敷かないといけない」
「ごめんね。俺の魔法だと見た目だけしか変化出来ないから……」
内装は過ごしやすい空間を構成しているが、実際の所はあくまでも氷で作り出した乗物に過ぎず、どうしても本物と比べると見劣りしてしまう。だが、それでも他の氷飛行機の人間達の環境と比べれば十分に優れているため、サムカは満足そうに座席に座り込む。
「ふん、しばらく見ない間に随分と腑抜けになったようだね……この1年の間、妙にあんた等の国が大人しいから不思議に思っていたけど、こそこそとよそ様の国に入ってくるとは言い度胸だね!!」
「あの……喧嘩は駄目ですよ。まずは話し合いませんか?」
「あんっ?何を言って……おおっ!?」
ギルスの襟首を掴んで立ち上がらせようとしたサムカに対し、慌ててルノが彼女の腕を掴むと力尽くで引き剥がす。自分が力負けした事にサムカは驚き、信じられない表情を抱く。
「あ、あたしの腕を振り切った……?あんた、見た目の割にはとんでもない筋力をしてるね。一体普段からどういう鍛錬をしてるんだい?」
「鍛錬?いや、特に何もしてません。最近は急がしくて身体を動かす機会も恵まれなかったので……」
「そんな事があるはずないだろ!!いや、待てよ……そういえばさっきコトネの奴があんたのレベルが99だと言っていたけど、まさか本当なのかい!?」
「あ、はい」
「はあっ……信じられないねえ、まさか本当にレベルを上限値まで高める奴が居たのかい」
ルノの力の強さの正体が「レベル99」の補正だと知ったサムカは驚きを隠せず、ギルスの事はどうでもよくなったのかルノの肩に手を回して詳しく話を聞く。
「坊主、いやルノと言ったかい?あたしが力負けする相手なんて親父以外にあんたが初めてだよ。それでどうやってレベルを99にまで上げたのか教えてくれないかい?コツとかあるなら聞きたいもんだね」
「うわわっ……あの、顔に胸が当たってるんですけど」
「ん?ああ、悪いね。そうだ、もしもレベルを上げるコツを教えてくれたらこの胸を好きにしていいよ。どうだい?」
「ええっ!?」
「……むう、サムカ。本題に入る」
とんでもない事を言い出したサムカに対してコトネが二人の間に割り込み、彼女に連れて来た巨人族の対応を委ねる。サムカは面倒そうにギルスと上空の氷飛行機に視線を向け、まずは降りてくるように指示を出す。
「とりあえず、あんなのが上空にずっと浮かんでいたら城の兵士どもが落ち着かないね。話をする前にあれを何とかしてくれないかい?」
「ルノ殿、文句を言える立場ではない事は重々承知しているが、どうか部下達を地上に下ろして休ませてくれないか?このような環境下であの乗物の中を過ごすのは流石に我等も厳しいのだが……」
「あ、そうですよね……でも、どうしよう」
極寒の環境下で氷塊の乗物に搭乗する者達にとっては毛布1枚程度では負担が大きく、兵士達にも休息が必要だった。だが、流石に1万人の巨人族を城内に下ろすわけにもいかず、どうするべきか考えていると、コトネが助言を行う。
「……ルノ、このまま巨人国の領地に向かう。話し合いなら氷飛行機の中ですればいい」
「え?でも……」
「サムカだけが付いて来れば問題ない。巨人国の領地に兵士を下ろしてすぐに帰ってくればいい」
「あたしがかい?まあ、別にいいけど……そんなに急がないとならないのかい?」
「事態は急を要する……こうしている間にも兵士達はトイレを必死に我慢してるはず」
「えっ……あ、言われてみれば確かにあの中じゃ用を足せないわよね」
「あっ、そうだった……」
ルノの作り出した氷飛行機内にはトイレは存在せず、閉じ込められている間は兵士達は必死にトイレを我慢しなければならない。ここまでの移動中に巨人兵は休憩も取っていないので既に腹が限界を迎えている者も存在するかもしれず、彼等を気遣ってコトネは急いでこの場から離れるように進言する。
「話し合いなら氷飛行機の中で行えばいいし、巨人国に兵士達を送り返した後、すぐに城に戻ればサムカも問題ない」
「まあ、あたしとしてはあいつらがしょんべんを漏らそうとどうでもいいんだけどね」
「いや、良くはないぞ!?我々を侮辱する気か!!」
「うるっさいねぇっ……はいはい、分かったよ。一緒に行けばいいんだろ?」
サムカの言葉にギルスは激高し、流石にそこまでの恥を味わいたくはないのか顔を真っ赤にしてサムカに突っかかる。そんなギルスに面倒くさそうにサムカは自分も同行する事を告げると、城内の兵士を数人同行させてサムカとルノ達は氷飛行機に向かう。
「あ、そうだ。話し合いをしやすいようにちょっと氷飛行機の内部を変化させますね」
移動中の話し合いをスムーズに行うため、ルノは自分達が乗っていた氷飛行機の内装を変形させ、飛行機のエコノミークラスからファーストクラスのように過ごしやすい環境に変化させた。内部の構造変化を終えたルノが他の人間を呼び寄せると、全員が氷飛行機の内装を確認して感嘆の声を上げる。
「はあっ……こいつは驚きだね。まさかこんな乗物で空を飛ぶ事になるなんて思いもしなかったよ」
「おおっ……ちゃんと巨人族用の規模に合わせた椅子もあるのか」
「見た目だけは豪華ね……まあ、本当にあくまで見た目だけね」
「……結局座るためには毛布を敷かないといけない」
「ごめんね。俺の魔法だと見た目だけしか変化出来ないから……」
内装は過ごしやすい空間を構成しているが、実際の所はあくまでも氷で作り出した乗物に過ぎず、どうしても本物と比べると見劣りしてしまう。だが、それでも他の氷飛行機の人間達の環境と比べれば十分に優れているため、サムカは満足そうに座席に座り込む。
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