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最終章 〈魔王と初級魔術師〉
最強の兵器
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「くぁwせdrftgyふじこlp……!?」
「お、おいどうした!?リーリス様、この男に何を飲ませたんですか?意味不明な悲鳴をあげながら転げまわってますが……」
「あれ?おかしいですね、飲めば意識が飛ぶだけで苦しむはずがないんですが……あ、これ薬間違えてました。ガチでヤバイ方の薬を飲ませちゃったかもしれません」
「リーリス様!?」
間違えて危険な薬を飲まされたかもしれない男は泡を吹きながら身体を痙攣させ、やがて意識を失ったのか動かくなった。そんな男の元にリーリスは近寄り、死んではいない事を確認すると兵士に指示を出す。
「どうやら気絶したようですね。仕方ありません、気付け薬を飲ませて尋問を続けましょう」
「だ、大丈夫ですか?」
「問題ありません、人間が死ぬような薬は作ってませんから………………まだ」
「リーリス様!?最後何か呟きませんでしたか!?」
心配する兵士を他所にリーリスはフラスコ型の水晶を男の口の中に突っ込むと、気付け薬として作り出した複数の野草を調合して生み出した液体を流し込もうとした時、唐突に中庭の地面が揺れ動く。
「うわっ!?地震ですか!?」
「か、かなり大きいですよ!!」
「待て……じ、地面が!?」
激しく地面が揺れ動き、リーリス達は近くに存在する物を掴んで地震が収まるまで耐えようとした時、唐突に中庭の地面が罅割れていく。やがて地中の中から漆黒の刃が突き出し、地割れの内部から全身が漆黒の鎧武者が出現した。
「な、何ですか!?」
「地面から人間が……!?」
「いや、あの姿……まさかデキン将軍の鬼武者じゃないのか!?」
――中庭から姿を現した漆黒の大剣を装備する鎧武者の姿を見たリーリスと兵士達は慌てふためき、かつてこの場所でルノと対峙したデキンが装着した「鬼武者」と瓜二つの鎧武者が出現した事に動揺を隠せず、全員がその場を離れる。
鎧武者は全身を甲冑で覆われているので中身は確認出来ず、それでいながら重量感がある大剣を軽々と片腕で振り回し、目元の窪みの部分を怪しく光り輝かせていた。その様子を見てリーリスは言いようがない程に不安感を抱き、まるで自分が大型の魔物を目の前にしているかのような恐怖を抱く。
「な、何者だ!!」
「侵入者だ!!侵入者が現れたぞ!!」
「取り囲め!!」
「あ、駄目です!!不用意に近づいちゃ……!?」
リーリスが止める前に警戒心を高めた兵士達が槍を構えて鎧武者を取り囲み、逃げられないように武器を構える。だが、彼等の行動を認識した鎧武者は大剣を上空に構えて兵士達と向かい合う。
『敵対生物認識……排除』
「何だと?」
「こいつ、何を言ってるんだ……」
「全員で捕まえろ!!」
「待って!!そいつから離れてください!!貴方達では……きゃあっ!?」
兵士が不用意な行動を起こす前にリーリスが引き下がらせようとしたが、大剣を握り締めた鎧武者は勢いよく剣を振り払うと、兵士達の身体が次々と上半身と下半身に両断していく。
『殺戮』
「ぎゃあああああっ!?」
「止めっ……ひぎぃっ!?」
「がああっ!?」
「そんな……!!」
リーリスの目の前で次々と兵士達が鎧武者が振り払う大剣によって切り裂かれ、地面に死体が横たわる。兵士達は慌てて退避しようとしたが、巨体の割には俊敏な動作で鎧武者は行動し、大剣を軽々と振り回して兵士達を惨殺した。
「に、逃げっ……ああっ!?」
「助けて……いぎゃあっ!?」
「ひいいっ!?」
「や、止めて……止めろぉっ!!」
次々と殺されていく兵士の姿を見てリーリスは咄嗟に鎧武者の行動を止めようと駆け出し、両手に力を込めて自分が扱える数少ない聖属性の攻撃魔法を放つ。
「シャイン!!」
『ッ――!!』
「うわぁっ!?」
リーリスの手元から強烈な光が発生し、閃光が鎧武者を飲み込む。本来はアンデッドなどの死霊系の魔物を浄化するための聖属性の砲撃魔法なのだが、使い方によっては目晦ましの役割も行える。だが、強烈な光の影響を受けたのは鎧武者だけでは留まらず、中庭に存在した兵士も巻き込んでしまう。
「め、目が……!!」
「リーリス様、一体何を……」
「落ち着いて下さい!!すぐに視界は回復します、目が元に戻ったらすぐに逃げてください!!」
聖属性の魔法は攻撃には不向きなので閃光で目晦ましを受けた兵士達の視界もすぐに回復するが、その間にリーリスは鎧武者の元へ近づき、一か八かではあるが接近戦を挑む。あまり戦闘が得意ではないリーリスだが、彼女が得意とする戦技の「発勁」は相手の体内に衝撃波を与える戦技のため、仮に全身が鎧で覆われた相手であろうと問題なく内部に衝撃を伝えて損傷を与える事も出来た。
(こういうのは私の役割ではないんですけど……!!)
ここにルノが居ればリーリスは真っ先に逃げ出している所だが、生憎とこの場に存在する人間の中では彼女しか鎧武者に対応出来る者は存在せず、他の将軍やナオ達が訪れるまで時間を稼ぐためにリーリスは危険を承知で鎧武者の元に走り出す。
「お、おいどうした!?リーリス様、この男に何を飲ませたんですか?意味不明な悲鳴をあげながら転げまわってますが……」
「あれ?おかしいですね、飲めば意識が飛ぶだけで苦しむはずがないんですが……あ、これ薬間違えてました。ガチでヤバイ方の薬を飲ませちゃったかもしれません」
「リーリス様!?」
間違えて危険な薬を飲まされたかもしれない男は泡を吹きながら身体を痙攣させ、やがて意識を失ったのか動かくなった。そんな男の元にリーリスは近寄り、死んではいない事を確認すると兵士に指示を出す。
「どうやら気絶したようですね。仕方ありません、気付け薬を飲ませて尋問を続けましょう」
「だ、大丈夫ですか?」
「問題ありません、人間が死ぬような薬は作ってませんから………………まだ」
「リーリス様!?最後何か呟きませんでしたか!?」
心配する兵士を他所にリーリスはフラスコ型の水晶を男の口の中に突っ込むと、気付け薬として作り出した複数の野草を調合して生み出した液体を流し込もうとした時、唐突に中庭の地面が揺れ動く。
「うわっ!?地震ですか!?」
「か、かなり大きいですよ!!」
「待て……じ、地面が!?」
激しく地面が揺れ動き、リーリス達は近くに存在する物を掴んで地震が収まるまで耐えようとした時、唐突に中庭の地面が罅割れていく。やがて地中の中から漆黒の刃が突き出し、地割れの内部から全身が漆黒の鎧武者が出現した。
「な、何ですか!?」
「地面から人間が……!?」
「いや、あの姿……まさかデキン将軍の鬼武者じゃないのか!?」
――中庭から姿を現した漆黒の大剣を装備する鎧武者の姿を見たリーリスと兵士達は慌てふためき、かつてこの場所でルノと対峙したデキンが装着した「鬼武者」と瓜二つの鎧武者が出現した事に動揺を隠せず、全員がその場を離れる。
鎧武者は全身を甲冑で覆われているので中身は確認出来ず、それでいながら重量感がある大剣を軽々と片腕で振り回し、目元の窪みの部分を怪しく光り輝かせていた。その様子を見てリーリスは言いようがない程に不安感を抱き、まるで自分が大型の魔物を目の前にしているかのような恐怖を抱く。
「な、何者だ!!」
「侵入者だ!!侵入者が現れたぞ!!」
「取り囲め!!」
「あ、駄目です!!不用意に近づいちゃ……!?」
リーリスが止める前に警戒心を高めた兵士達が槍を構えて鎧武者を取り囲み、逃げられないように武器を構える。だが、彼等の行動を認識した鎧武者は大剣を上空に構えて兵士達と向かい合う。
『敵対生物認識……排除』
「何だと?」
「こいつ、何を言ってるんだ……」
「全員で捕まえろ!!」
「待って!!そいつから離れてください!!貴方達では……きゃあっ!?」
兵士が不用意な行動を起こす前にリーリスが引き下がらせようとしたが、大剣を握り締めた鎧武者は勢いよく剣を振り払うと、兵士達の身体が次々と上半身と下半身に両断していく。
『殺戮』
「ぎゃあああああっ!?」
「止めっ……ひぎぃっ!?」
「がああっ!?」
「そんな……!!」
リーリスの目の前で次々と兵士達が鎧武者が振り払う大剣によって切り裂かれ、地面に死体が横たわる。兵士達は慌てて退避しようとしたが、巨体の割には俊敏な動作で鎧武者は行動し、大剣を軽々と振り回して兵士達を惨殺した。
「に、逃げっ……ああっ!?」
「助けて……いぎゃあっ!?」
「ひいいっ!?」
「や、止めて……止めろぉっ!!」
次々と殺されていく兵士の姿を見てリーリスは咄嗟に鎧武者の行動を止めようと駆け出し、両手に力を込めて自分が扱える数少ない聖属性の攻撃魔法を放つ。
「シャイン!!」
『ッ――!!』
「うわぁっ!?」
リーリスの手元から強烈な光が発生し、閃光が鎧武者を飲み込む。本来はアンデッドなどの死霊系の魔物を浄化するための聖属性の砲撃魔法なのだが、使い方によっては目晦ましの役割も行える。だが、強烈な光の影響を受けたのは鎧武者だけでは留まらず、中庭に存在した兵士も巻き込んでしまう。
「め、目が……!!」
「リーリス様、一体何を……」
「落ち着いて下さい!!すぐに視界は回復します、目が元に戻ったらすぐに逃げてください!!」
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(こういうのは私の役割ではないんですけど……!!)
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