最弱職の初級魔術師 初級魔法を極めたらいつの間にか「千の魔術師」と呼ばれていました。

カタナヅキ

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番外編

ゴールドスライム捜索 後編

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「あれ、ちょっと待って……ここから南東の方角に進んだところに大きな滝がある」
「滝?何か気になる物がありますか?」
「その滝の裏の方に洞穴がある!!人が住んでいる気配はないけど、何か隠れてる……あっ!?金色に光り輝いてる!!」
「ゴールドスライムですか!?」
「すぐに向かおう!!」


ナオの案内の元、ルノは氷自動車を操作して滝の裏側に存在するという洞穴に向かう。幸いな事に他の冒険者の姿は確認出来ず、ルノ達は早速洞穴の探索を行う。


「この中に黄金に光り輝く何かがいるんだけど……もしかしたらゴールドスライムかもしれない」
「流石は千里眼ですね!!まさか、こうも早く見つけ出すとは……すぐに捕まえましょう!!」
「結構奥まで続いてるね。中は暗いし、光球で照らすよ」


洞穴に到着したルノ達は光球で内部を照らしながら中に入っていくと、3人は奥の方から物音を耳にする。同時に黄金色に光り輝く物体が現れ、それを目撃したリーリスは叫び声をあげる。


「見つけました!!あれがゴールドスライムで……す?」
「ちょっと待って……なんか、大きくない?」
「というか、スライムなのあれ?」
『ギチギチギチッ!!』


洞穴の奥に存在したのは全身が黄金色に光り輝いてはいるが、それはスライムと呼べるような姿かたちではなく、どちらかというと「クワガタ」と表現した方が良いだろう。しかも体調は2メートルを超え、全身が黄金色に光り輝く巨大なクワガタはルノ達の存在に気付くと、目元を怪しく光らせて襲いかかって来た。


『ギチギチギチッ!!』
「ぎゃああああっ!?こいつ、ゴールドスライムじゃないです!!昆虫種ですよ!!」
「昆虫種!?まだ生き残りが居たの!?」
「しかも黄金のクワガタって……うわ、危ない!?」


巨大クワガタは鋏を広げるとルノ達に向けて突進し、掴みかかろうとしてきた。咄嗟にルノはクワガタの鋏の部分を抑え込む事に成功したが、巨大クワガタは顎を鳴らして食らいつこうとしてきた。


『ギチギチギチッ……!!』
「ちょ、こいつ思ったより力強い……!?」
「どうして昆虫種がここに……アトラス大森林からここまで逃げてきたのか!?」
「いえ、きっとここが巣なんです!!昆虫種の中には何百年も休眠する事が出来る個体もいると聞きます!!この個体はきっと休眠していたので絶滅を免れたんです!!」
「そういう事か……でも、力比べならデブリの方が歯応えがあるぞ!!」
『ギチチッ!?』


巨大クワガタをルノは押し返すと、そのまま鋏を掴まえた状態で壁際に押し込み、力尽くで抑えつける。その様子を見てナオとリーリスは安心した表情を浮かべ、ルノは昆虫種をどうするべきか尋ねる。


「リーリス、こいつはどうしたらいいかな?」
「そうですね……可哀そうですが、ここで死なせてあげましょう。絶滅種とはいえ、元々は生態系を狂わせる程に危険な種です。それに1体だけではこのまま放置してても絶滅は免れないでしょうし、ルノさんの手で仕留めてください」
「分かった。なら、せめて苦しまないように……回転氷刃っ!!」
『ギチチッ――!?』


氷塊の丸鋸でルノは黄金色の巨大クワガタの頭部を切り刻むと、もしかしたらこの地上で生き残った最後の昆虫種かもしれない個体は力尽きた――




――洞穴を抜け出した後、ルノ達はその後も捜索を続けたが結局はゴールドスライムの影も見当たらず、仕方なく王都へ引き返した。


「はあ……結局、ゴールドスライムなんていなかったね」
「もう捕まったのか、あるい既に金塊だけを吐き出して姿を消したのか……」
「もしかしたらあの巨大クワガタをゴールドスライムと勘違いした人が噂を広めたのかも……」


全員が森の中を探しまわっていたので身体も汚れてしまい、今日の所はルノは自分の屋敷に戻って身体を洗うために二人も連れて帰ると、屋敷の前に立つコトネを発見する。空からルノ達が降り立つのを見ると彼女は不思議そうな表情を浮かべる。


「……ルノ、ナオ、リーリス。何処かに出かけてたの?」
「まあ、色々とありましてね……そういうコトネさんはどうしてここに?ルノさんに会いに来たんですか?」
「違う、スラミンが外から友達を連れて来たからここで保護していた」
「友達?」
「もう中に入ってる」


コトネは扉の方を指差すと、ルノ達はスラミンの友達という言葉に不思議に思い、中に入る。そこにはスラミンと戯れる、スラミンよりも一回り程大きな黄金色に光り輝くスライムが待ち構えていた。


『ぷきんっ、ぷききんっ♪』
「ぷるぷるっ♪」
『…………』


奇怪な鳴き声を上げながらスラミンと共にぷるぷるだんすを繰り広げる「ゴールドスライム」の姿を見たルノ達はその場で膝を崩し、自分達が今までどれほど苦労しても見つかる事の出来なかったゴールドスライムと戯れるスラミンの姿を見て愕然とする。そんな彼等の反応にコトネは首を傾げた――




ゴールドスライム「ぷきんっ(ちなみに本名はゴルミンです!!)」
スラミン「ぷるぷるっ(僕の従弟です)」
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