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3巻
3-2
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「これならどうだ!!」
「グガァアアアッ!?」
ルノが放ったのは、複数の属性を組み合わせた最強の合成魔術、黒炎槍だ。
黒い炎の槍が火竜に突き刺さる。
一瞬だけ巨体が揺らいだが、表面の鱗を少し焦がした程度だった。
火属性の魔法は効果が薄いだろうとルノも思っていたが、あまりにも呆気なかった。「白雷」もだめ「黒炎槍」もだめとなれば、ルノに残された手は残すところ一つである。
「頼む……これで終われ!!」
両手を広げたルノは「氷塊」の魔法を発動させて、丸鋸のような巨大な円盤状の氷を生みだす。殺傷能力が高いので使用を控えていた回転氷刃だ。
放たれた二つの氷の円盤は、高速回転しながら火竜に近づく。一方火竜は口を開き、巨大な火の弾を放った。
「アガァッ!!」
回転氷刃と火炎の砲弾が衝突し、砕け散って周囲に散らばる――回転氷刃の一つは残っており、火竜の背後から斬りかかった。
しかし火竜は尻尾を振り上げ、回転氷刃に叩きつけてその軌道を逸らした。
「グガァアアッ!!」
「くそっ!!」
回転氷刃が地面に落ちる。ルノは自分の持つすべての魔法が破られたことにショックを受けていた。
「アガァアアアアアッ!!」
「『氷塊』!!」
火竜は顎が外れかねない勢いで口を開き、ルノに向けて火炎放射する。ルノはとっさに手のひらを出して氷盾を作るが、あまりの熱量に溶かされていく。
「くうっ!! こうなったら……」
ルノは手を構えながらステータス画面を開き、危険すぎるため封印していた、氷の属性に作用する強化スキル「絶対零度」を解放する。
その直後、氷盾が激しい冷気を放ち、火炎をはねのけた。
ルノは安堵の息を吐く。
「ふうっ……ひとまずこれで大丈夫か」
「アアアアアッ……!?」
体力が切れたのか、火竜は全身を激しく震えさせながら口を閉じ、酸欠を起こしたように地面に伏せた。
ルノは氷盾を解除し、反撃に転ずる。
「螺旋氷弾っ!!」
「グガァアッ!?」
氷の砲弾が手のひらから放たれ、火竜の右腕に命中する。そして火竜の手を地面に張りつけるように、深く突き刺さった。
火竜は氷を引き抜こうとするが、「絶対零度」で強化された氷は凄まじい冷気を放ち、突き刺さった個所から火竜の肉体が凍結していく。
「ガアアッ!!」
反対の手を使って突き刺さった氷を弾き飛ばしたが、すでに火竜の右腕は凍りつき、氷に触れた左の手も凍結していた。
火竜は火炎を吐いて溶かそうとしたが、消耗のためそれもままならない。
「まだまだっ……この数はどうだ!?」
「ガアッ……!?」
ルノは手のひらを前に出して四つの螺旋氷弾を生みだし、そのまま放った。
「どりゃあっ!!」
「グガアアアッ……!?」
螺旋氷弾が次々と火竜の肉体に突き刺さり、同時に凍らせていく。火竜は暴れ回ったが、それによって凍った肉体がひび割れていってしまう。
「ウガァアアアッ!?」
「……こいつもくらえっ!!」
さらにルノは雷属性の強化スキル「紫電」を解放し、紫色の電撃を放つ。速度の速い電撃を、追い詰められた火竜が避けられるわけもなかった。
「アガァアアアアッ……!?」
「まだ生きてるな。あと少しだと思うんだけど……」
複数の強化スキルを使用しているにもかかわらず、火竜は生き延びていた。
ルノはそんな火竜を見つめながら、額から汗を流す。だいぶ魔力を消耗しているため、次の魔法で確実に仕留める必要があった。
ここでルノは、さらに強化スキルを解放する。
「これで良し……いくぞっ!!」
「アアアアアアッ……!!」
身悶える火竜をこれ以上苦しませずに倒すため、ルノは火属性の強化スキルである「灼熱」を解放した。そして手のひらを構え、火属性、闇属性、風属性の一撃を放つ。
「黒炎槍!!」
ルノの手のひらから黒い火炎の槍が放たれ、火竜の頭部を呑み込む。
先ほどの黒炎槍と、その威力は段違いであった。火属性に耐性がある火竜の頭部を消し飛ばし、さらに胴体を貫いたのだ。
そのあまりの威力にルノは戸惑っていた。強化スキルの組み合わせにより、彼の想像を絶する威力を引きだしてしまったらしい。
「これはまずいな……絶対に人間相手には使えないよ」
《「闇夜」の熟練度が限界値に到達しました。これにより強化スキル「漆黒」が解除されます》
《すべての属性の強化スキルが解除されました。これにより「初級大魔導師」の称号を得ました》
「おおっ!?」
火竜を倒したことで「闇夜」の熟練が上昇し、ついに闇属性の強化スキル「漆黒」を手に入れた。これですべての強化スキルを習得したことになる。
さらには初級大魔導師という謎の称号を得た。
「あ、しかもレベルが85にまで上がってる!! 火竜ってそんなにやばい奴だったのか……」
70レベルを超えれば、歴史に名を遺す「英雄」になれると言われている。ルノは異世界にやって来てからたった数か月でその領域に達してしまったのだった。
× × ×
ルノが火竜と戦闘を繰り広げている頃、バルトスとリーリスは負傷した兵士達を治療し、一休みしていた。
二人は騒動の黒幕について話し合う。
「この武器庫が真っ先に襲われたことが気になるのう」
「竜種はそんなに頭が良くないですからね。偶然ではないのでしたら、どうやって……」
「バ、バルトス様!!」
そこへ、武器庫の残骸を撤去していた兵士の一人が声を上げた。その手には、髑髏の形をした水晶が握られている。
バルトスとリーリスはそれを見て、大臣デキンが持っていたペンダントを思いだした。魔人族であったデキンは、髑髏のペンダントによって見た目を変えていたのだ。
「……もしや魔王軍か?」
「ちょっと貸してください……う、これはまずい代物ですよ」
即座に「鑑定」の能力を発動させたリーリスは顔をしかめる。この水晶は魔道具で、魔物を引き寄せる力を持っていた。
「魔物を刺激する匂いを放ちます。私達は何も感じませんけど、嗅覚が鋭い魔物ほど興奮するようですね。つまり、火竜がここを襲ったのは偶然ではないでしょう」
「ということは……兵士の中に魔王軍の間者が……!?」
バルトスがそう言うと、兵士達が驚いて視線を向けてくる。
リーリスは髑髏を布で包み、そしてゆっくりと告げる。
「ここにいる兵士を全員集めましょう。この騒ぎの中、姿を消した人はいますか?」
兵士達は周囲を見回してあたふたしている。しばらくして、兵士達の中の一人が言いにくそうに口を開いた。
「あ、あの……実は兵隊長の姿が見えないんですけど……」
「そういえば……どこにも見えないな」
他の者達も隊長が消えたことに気づきキョロキョロしだすと、リーリスが質問を向ける。
「この武器庫は普段、誰が管理しているんですか?」
「えっと……少し前までは交代制で全員がやっていたんですが、最近は兵隊長が進んで見ていました」
「そういえば勝手に入ると、滅茶苦茶怒られたよな。昔は出入りしても何も言わなかったくせに」
バルトスが兵士達に尋ねる。
「その隊長の住んでいる家は分かるか? 家族を知っている者はいるか?」
「いえ……隊長はこの砦で寝泊まりしています。家族は二年くらい前に火事で亡くなって……それ以来厳しくなられて……」
「ふむ……」
バルトスはリーリスに振り返り、無言で頷く。二人は、隊長が魔道具を武器庫に仕掛けたのだろうと判断した。
しかし気になるのは、どうして隊長がそのようなことをしたのか、である。
リーリスが尋ねる。
「それ以外に、隊長に変わったことはありますか? 大きな借金をしていたり、今までとは違う性格になったりとか……」
「いや、そう言われても……厳しい方ではありましたが」
「あ、だけど最近は妙に甘くなってなかったか? 武器庫の出入りには相変わらず厳しかったけど、他の問題は割と見逃してくれたよな。仕事中に酒を飲んでも怒らなかったし……あっ」
「ほう、勤務中に酒か」
バルトスが眉をひそめる。
「も、申し訳ありません!!」
リーリスが気になるのは、武器庫に入ること以外の問題行動を見逃していたという点だ。彼女は兵士の宿舎に視線を向ける。
「隊長は家族を失ってからここに住んでいたんですよね? 隊長の部屋まで案内してもらえますか?」
「あ、はい!! どうぞこちらへ!!」
兵士は二人を兵隊長が使用している宿舎の個室に案内し、鍵を開けて部屋の中に入れた。部屋の中は綺麗に掃除されており、特に変わった様子はない。
周囲を見渡しながらバルトスが呟く。
「ここが隊長の部屋か? 特に怪しい物は見当たらないが……」
「あれ? おかしいな……」
案内した兵士は、部屋の様子に首を傾げている。
「どうした?」
「いえ、自分が前にこの部屋を訪れたときは、ここまで整理されていなかったはずですが……一か月ぐらい前はもっと散らかっていました。隊長、掃除嫌いのくせに部屋に入られるのをすごく嫌がっていて……」
それでピンと来たリーリスが言う。
「なるほど……武器庫の出入りを禁じる、問題行動を見逃す、そして綺麗に掃除された部屋……当たりですね」
「すぐに砦の捜索を行え!! 他に何か手がかりが残っているかもしれん!!」
バルトスがそう言うと、兵士は慌てて従った。
「は、はい!!」
こうして調査が開始されたのだが、リーリスの本命はこの部屋だった。彼女は直々に部屋の中を調べることにした。
× × ×
ルノは火竜の死骸の上に立ち、どう取り扱うか悩んでいた。
これほどの大物なので素材が貴重なのは間違いないが、何分大きすぎる。「氷塊」の魔法や収納石を利用したとしても、すべて運ぶのは難しいと思われた。
「う~んっ……爪とか鱗とか使えそうなんだけどな」
頭部は消失してしまっているが、それでも素材はたくさんある。並の金属よりも頑丈な爪や鱗の類は、いろいろな用途がありそうだった。
だがルノが気になるのは、経験石があるかどうかである。
「経験石だけでも回収しておきたいな。これだけ大きいんだから、すごい経験石が手に入りそうなんだけど……見つけたらドルトンさんに持っていってあげよう」
ルノはお金に困っていないため、いろいろと世話になっているドルトンの店に火竜の素材を持ち込もうと考えていた。
回転氷刃で胴体を切り裂き、素材を剥ぎ取りながら体内を調べていく。胸元を切り開くと巨大な物が出現した。
「うわっ、びっくりした!! もしかしてこれが経験石なのか?」
現れたのは、二メートルを超える巨大な赤い物体だった。試しに手のひらをかざすと、強い熱気を放っている。
おそらく火竜の経験石だと思われるが、これまで見た経験石とはサイズが明らかに違う。相当な経験値を蓄積していることが予想された。
「う~んっ……これはさすがに『氷塊』で持ち帰るのは面倒だな。収納石に入るといいんだけど……」
発見した火竜の経験石に向けて、ルノは右腕の収納石のブレスレットを発動させてみる。すると、どうにか異空間に回収できた。
しかし、鱗や爪も回収しようとしたら重量制限を迎えてしまい、勝手に異空間の出入り口が閉じてしまった。
「あ、これ以上は入らないのか……仕方ない、運搬するための乗り物を『氷塊』で作るかな。レベルも上がってるし」
複数の大型トラックを生みだそうとしたとき、不意に死骸の首に何かが光っていることに気づく。
「何だこれ……刃?」
落ちていたのは黒い剣だった。
ルノは触れるのは危険と判断し、氷の腕鉄甲を作って慎重に拾い上げる。
見た目は黒い短剣だが、相当な業物の風格がある。試しに火竜の死骸に突き刺すと、易々と硬い鱗を貫いてしまった。
「普通の金属じゃないな……すごく硬い」
なぜ火竜の首に刺さっていたのか不明だが、念のために回収しておく。火竜が唐突に現れた手がかりになるかもしれない。
その後、火竜を運びだす前に、ルノは一度街に帰ることにした。
バルトスとリーリスと合流し、移送部隊に戻ろうと決めたのだ。しかしやっぱり、火竜の死骸を放置して大丈夫なのかと不安を覚える。
「魔物が死骸を狙う可能性もあるな……しょうがない、面倒だけど持って帰るか」
そこで、ルノはある考えを思いついた。
そうして「氷塊」を発動させ、火竜を運搬するために氷像を作り上げていった。
× × ×
一方その頃、ルノが成長させた植物に拘束されていたオオツノオーク達が解放されだした。ルノ達が通り過ぎてから、すでに一時間以上経過している。
オオツノオーク達が、親であるオークロードの亡骸に集まる。
「ブヒィイイイッ!!」
「プギィイイイッ!!」
オオツノオーク達は親の死を悲しんでいたわけではない。死骸に群がった彼らは、その死体を食い始めた。
「プギィッ!?」
しばらくして彼らは、森の奥から何かが近づいていることに気づく。彼らの全身の毛が総毛立ち、恐怖で失禁する者もいた。
その存在が姿を見せる。
「ふんっ、わざわざここまで連れてきたのに、この結果か……役立たずが」
「プギィッ……!?」
「ブ、ブヒヒッ……!!」
現れたのは、全身が灰色の鱗で覆われた人型の生物である。背丈は人間の成人男性ほどで、尻尾が生えている。顔は蜥蜴そのものだった。
蜥蜴人間の登場に、オオツノオーク達は怯えきっている。
「まあいい……こいつだけでも無事なら良しとするか」
蜥蜴人間はオークロードの死骸に近づき、手を伸ばして中の肉をあさった。そして血塗れの経験石を取りだす。
そのままそれを丸呑みすると――蜥蜴人間の肉体に異変が生じる。
「ブヒィッ!?」
「ブヒヒッ!?」
ざわめくオオツノオーク達。
蜥蜴人間の全身がわずかに膨れ上がった。目を血走らせた蜥蜴人間は、自らを抱きしめるように肩に両手の爪をくい込ませて耐え続ける。
数秒後、蜥蜴人間の身体の震えが収まった。
「ふうっ……まあまあだな、ふんっ!!」
身体の動きを確かめるように蜥蜴人間は首を鳴らし、近くにいたオオツノオークに向けて腕を振った。
オオツノオークの頭部が吹き飛び、血飛沫が上がる。
その光景を目の当たりにして、オオツノオーク達は恐慌状態に陥る。蜥蜴人間は腕にこびりついた血を舐め取った。
「ふむ……外見は醜いが、味は悪くないな」
「プ、プギィイイイイッ!!」
「おっと、そうはさせん」
オオツノオークの大群が逃げだそうとすると、蜥蜴人間は口を大きく開き、火竜のごとく炎を吐きだす。
「アガァアアアアアアアアアッ!!」
竜種のような咆哮が響き渡り、猛火は逃げ惑うオオツノオーク達を瞬時に呑み込んだ。
「プギャアアアアアアアアッ……!?」
百体を超えるオオツノオークが燃え盛っている。
しかし、蜥蜴人間は炎を吐き続けるのを止められない。オオツノオークが完全に炭になるまで炎を放射し続けるのだった。
「フゥッ……ちっ、やりすぎたか。やはり、この状態では加減が分からんな」
蜥蜴人間は黒焦げの残骸に視線を向け、ため息を吐きだす。そうして、首から下げた髑髏のペンダントを忌々しげに掴んだ。
「ふんっ!! ぐぐぐっ……くそっ!!」
破壊しようとするが――力を込めようとすると髑髏の瞳が光り、蜥蜴人間の手から力を奪ってしまう。
喉の渇きを覚えた蜥蜴人間は、手についたオオツノオークの血を舐めた。
「あの人間めっ……必ず殺してやる」
蜥蜴人間はそう口にするのだった。
「グガァアアアッ!?」
ルノが放ったのは、複数の属性を組み合わせた最強の合成魔術、黒炎槍だ。
黒い炎の槍が火竜に突き刺さる。
一瞬だけ巨体が揺らいだが、表面の鱗を少し焦がした程度だった。
火属性の魔法は効果が薄いだろうとルノも思っていたが、あまりにも呆気なかった。「白雷」もだめ「黒炎槍」もだめとなれば、ルノに残された手は残すところ一つである。
「頼む……これで終われ!!」
両手を広げたルノは「氷塊」の魔法を発動させて、丸鋸のような巨大な円盤状の氷を生みだす。殺傷能力が高いので使用を控えていた回転氷刃だ。
放たれた二つの氷の円盤は、高速回転しながら火竜に近づく。一方火竜は口を開き、巨大な火の弾を放った。
「アガァッ!!」
回転氷刃と火炎の砲弾が衝突し、砕け散って周囲に散らばる――回転氷刃の一つは残っており、火竜の背後から斬りかかった。
しかし火竜は尻尾を振り上げ、回転氷刃に叩きつけてその軌道を逸らした。
「グガァアアッ!!」
「くそっ!!」
回転氷刃が地面に落ちる。ルノは自分の持つすべての魔法が破られたことにショックを受けていた。
「アガァアアアアアッ!!」
「『氷塊』!!」
火竜は顎が外れかねない勢いで口を開き、ルノに向けて火炎放射する。ルノはとっさに手のひらを出して氷盾を作るが、あまりの熱量に溶かされていく。
「くうっ!! こうなったら……」
ルノは手を構えながらステータス画面を開き、危険すぎるため封印していた、氷の属性に作用する強化スキル「絶対零度」を解放する。
その直後、氷盾が激しい冷気を放ち、火炎をはねのけた。
ルノは安堵の息を吐く。
「ふうっ……ひとまずこれで大丈夫か」
「アアアアアッ……!?」
体力が切れたのか、火竜は全身を激しく震えさせながら口を閉じ、酸欠を起こしたように地面に伏せた。
ルノは氷盾を解除し、反撃に転ずる。
「螺旋氷弾っ!!」
「グガァアッ!?」
氷の砲弾が手のひらから放たれ、火竜の右腕に命中する。そして火竜の手を地面に張りつけるように、深く突き刺さった。
火竜は氷を引き抜こうとするが、「絶対零度」で強化された氷は凄まじい冷気を放ち、突き刺さった個所から火竜の肉体が凍結していく。
「ガアアッ!!」
反対の手を使って突き刺さった氷を弾き飛ばしたが、すでに火竜の右腕は凍りつき、氷に触れた左の手も凍結していた。
火竜は火炎を吐いて溶かそうとしたが、消耗のためそれもままならない。
「まだまだっ……この数はどうだ!?」
「ガアッ……!?」
ルノは手のひらを前に出して四つの螺旋氷弾を生みだし、そのまま放った。
「どりゃあっ!!」
「グガアアアッ……!?」
螺旋氷弾が次々と火竜の肉体に突き刺さり、同時に凍らせていく。火竜は暴れ回ったが、それによって凍った肉体がひび割れていってしまう。
「ウガァアアアッ!?」
「……こいつもくらえっ!!」
さらにルノは雷属性の強化スキル「紫電」を解放し、紫色の電撃を放つ。速度の速い電撃を、追い詰められた火竜が避けられるわけもなかった。
「アガァアアアアッ……!?」
「まだ生きてるな。あと少しだと思うんだけど……」
複数の強化スキルを使用しているにもかかわらず、火竜は生き延びていた。
ルノはそんな火竜を見つめながら、額から汗を流す。だいぶ魔力を消耗しているため、次の魔法で確実に仕留める必要があった。
ここでルノは、さらに強化スキルを解放する。
「これで良し……いくぞっ!!」
「アアアアアアッ……!!」
身悶える火竜をこれ以上苦しませずに倒すため、ルノは火属性の強化スキルである「灼熱」を解放した。そして手のひらを構え、火属性、闇属性、風属性の一撃を放つ。
「黒炎槍!!」
ルノの手のひらから黒い火炎の槍が放たれ、火竜の頭部を呑み込む。
先ほどの黒炎槍と、その威力は段違いであった。火属性に耐性がある火竜の頭部を消し飛ばし、さらに胴体を貫いたのだ。
そのあまりの威力にルノは戸惑っていた。強化スキルの組み合わせにより、彼の想像を絶する威力を引きだしてしまったらしい。
「これはまずいな……絶対に人間相手には使えないよ」
《「闇夜」の熟練度が限界値に到達しました。これにより強化スキル「漆黒」が解除されます》
《すべての属性の強化スキルが解除されました。これにより「初級大魔導師」の称号を得ました》
「おおっ!?」
火竜を倒したことで「闇夜」の熟練が上昇し、ついに闇属性の強化スキル「漆黒」を手に入れた。これですべての強化スキルを習得したことになる。
さらには初級大魔導師という謎の称号を得た。
「あ、しかもレベルが85にまで上がってる!! 火竜ってそんなにやばい奴だったのか……」
70レベルを超えれば、歴史に名を遺す「英雄」になれると言われている。ルノは異世界にやって来てからたった数か月でその領域に達してしまったのだった。
× × ×
ルノが火竜と戦闘を繰り広げている頃、バルトスとリーリスは負傷した兵士達を治療し、一休みしていた。
二人は騒動の黒幕について話し合う。
「この武器庫が真っ先に襲われたことが気になるのう」
「竜種はそんなに頭が良くないですからね。偶然ではないのでしたら、どうやって……」
「バ、バルトス様!!」
そこへ、武器庫の残骸を撤去していた兵士の一人が声を上げた。その手には、髑髏の形をした水晶が握られている。
バルトスとリーリスはそれを見て、大臣デキンが持っていたペンダントを思いだした。魔人族であったデキンは、髑髏のペンダントによって見た目を変えていたのだ。
「……もしや魔王軍か?」
「ちょっと貸してください……う、これはまずい代物ですよ」
即座に「鑑定」の能力を発動させたリーリスは顔をしかめる。この水晶は魔道具で、魔物を引き寄せる力を持っていた。
「魔物を刺激する匂いを放ちます。私達は何も感じませんけど、嗅覚が鋭い魔物ほど興奮するようですね。つまり、火竜がここを襲ったのは偶然ではないでしょう」
「ということは……兵士の中に魔王軍の間者が……!?」
バルトスがそう言うと、兵士達が驚いて視線を向けてくる。
リーリスは髑髏を布で包み、そしてゆっくりと告げる。
「ここにいる兵士を全員集めましょう。この騒ぎの中、姿を消した人はいますか?」
兵士達は周囲を見回してあたふたしている。しばらくして、兵士達の中の一人が言いにくそうに口を開いた。
「あ、あの……実は兵隊長の姿が見えないんですけど……」
「そういえば……どこにも見えないな」
他の者達も隊長が消えたことに気づきキョロキョロしだすと、リーリスが質問を向ける。
「この武器庫は普段、誰が管理しているんですか?」
「えっと……少し前までは交代制で全員がやっていたんですが、最近は兵隊長が進んで見ていました」
「そういえば勝手に入ると、滅茶苦茶怒られたよな。昔は出入りしても何も言わなかったくせに」
バルトスが兵士達に尋ねる。
「その隊長の住んでいる家は分かるか? 家族を知っている者はいるか?」
「いえ……隊長はこの砦で寝泊まりしています。家族は二年くらい前に火事で亡くなって……それ以来厳しくなられて……」
「ふむ……」
バルトスはリーリスに振り返り、無言で頷く。二人は、隊長が魔道具を武器庫に仕掛けたのだろうと判断した。
しかし気になるのは、どうして隊長がそのようなことをしたのか、である。
リーリスが尋ねる。
「それ以外に、隊長に変わったことはありますか? 大きな借金をしていたり、今までとは違う性格になったりとか……」
「いや、そう言われても……厳しい方ではありましたが」
「あ、だけど最近は妙に甘くなってなかったか? 武器庫の出入りには相変わらず厳しかったけど、他の問題は割と見逃してくれたよな。仕事中に酒を飲んでも怒らなかったし……あっ」
「ほう、勤務中に酒か」
バルトスが眉をひそめる。
「も、申し訳ありません!!」
リーリスが気になるのは、武器庫に入ること以外の問題行動を見逃していたという点だ。彼女は兵士の宿舎に視線を向ける。
「隊長は家族を失ってからここに住んでいたんですよね? 隊長の部屋まで案内してもらえますか?」
「あ、はい!! どうぞこちらへ!!」
兵士は二人を兵隊長が使用している宿舎の個室に案内し、鍵を開けて部屋の中に入れた。部屋の中は綺麗に掃除されており、特に変わった様子はない。
周囲を見渡しながらバルトスが呟く。
「ここが隊長の部屋か? 特に怪しい物は見当たらないが……」
「あれ? おかしいな……」
案内した兵士は、部屋の様子に首を傾げている。
「どうした?」
「いえ、自分が前にこの部屋を訪れたときは、ここまで整理されていなかったはずですが……一か月ぐらい前はもっと散らかっていました。隊長、掃除嫌いのくせに部屋に入られるのをすごく嫌がっていて……」
それでピンと来たリーリスが言う。
「なるほど……武器庫の出入りを禁じる、問題行動を見逃す、そして綺麗に掃除された部屋……当たりですね」
「すぐに砦の捜索を行え!! 他に何か手がかりが残っているかもしれん!!」
バルトスがそう言うと、兵士は慌てて従った。
「は、はい!!」
こうして調査が開始されたのだが、リーリスの本命はこの部屋だった。彼女は直々に部屋の中を調べることにした。
× × ×
ルノは火竜の死骸の上に立ち、どう取り扱うか悩んでいた。
これほどの大物なので素材が貴重なのは間違いないが、何分大きすぎる。「氷塊」の魔法や収納石を利用したとしても、すべて運ぶのは難しいと思われた。
「う~んっ……爪とか鱗とか使えそうなんだけどな」
頭部は消失してしまっているが、それでも素材はたくさんある。並の金属よりも頑丈な爪や鱗の類は、いろいろな用途がありそうだった。
だがルノが気になるのは、経験石があるかどうかである。
「経験石だけでも回収しておきたいな。これだけ大きいんだから、すごい経験石が手に入りそうなんだけど……見つけたらドルトンさんに持っていってあげよう」
ルノはお金に困っていないため、いろいろと世話になっているドルトンの店に火竜の素材を持ち込もうと考えていた。
回転氷刃で胴体を切り裂き、素材を剥ぎ取りながら体内を調べていく。胸元を切り開くと巨大な物が出現した。
「うわっ、びっくりした!! もしかしてこれが経験石なのか?」
現れたのは、二メートルを超える巨大な赤い物体だった。試しに手のひらをかざすと、強い熱気を放っている。
おそらく火竜の経験石だと思われるが、これまで見た経験石とはサイズが明らかに違う。相当な経験値を蓄積していることが予想された。
「う~んっ……これはさすがに『氷塊』で持ち帰るのは面倒だな。収納石に入るといいんだけど……」
発見した火竜の経験石に向けて、ルノは右腕の収納石のブレスレットを発動させてみる。すると、どうにか異空間に回収できた。
しかし、鱗や爪も回収しようとしたら重量制限を迎えてしまい、勝手に異空間の出入り口が閉じてしまった。
「あ、これ以上は入らないのか……仕方ない、運搬するための乗り物を『氷塊』で作るかな。レベルも上がってるし」
複数の大型トラックを生みだそうとしたとき、不意に死骸の首に何かが光っていることに気づく。
「何だこれ……刃?」
落ちていたのは黒い剣だった。
ルノは触れるのは危険と判断し、氷の腕鉄甲を作って慎重に拾い上げる。
見た目は黒い短剣だが、相当な業物の風格がある。試しに火竜の死骸に突き刺すと、易々と硬い鱗を貫いてしまった。
「普通の金属じゃないな……すごく硬い」
なぜ火竜の首に刺さっていたのか不明だが、念のために回収しておく。火竜が唐突に現れた手がかりになるかもしれない。
その後、火竜を運びだす前に、ルノは一度街に帰ることにした。
バルトスとリーリスと合流し、移送部隊に戻ろうと決めたのだ。しかしやっぱり、火竜の死骸を放置して大丈夫なのかと不安を覚える。
「魔物が死骸を狙う可能性もあるな……しょうがない、面倒だけど持って帰るか」
そこで、ルノはある考えを思いついた。
そうして「氷塊」を発動させ、火竜を運搬するために氷像を作り上げていった。
× × ×
一方その頃、ルノが成長させた植物に拘束されていたオオツノオーク達が解放されだした。ルノ達が通り過ぎてから、すでに一時間以上経過している。
オオツノオーク達が、親であるオークロードの亡骸に集まる。
「ブヒィイイイッ!!」
「プギィイイイッ!!」
オオツノオーク達は親の死を悲しんでいたわけではない。死骸に群がった彼らは、その死体を食い始めた。
「プギィッ!?」
しばらくして彼らは、森の奥から何かが近づいていることに気づく。彼らの全身の毛が総毛立ち、恐怖で失禁する者もいた。
その存在が姿を見せる。
「ふんっ、わざわざここまで連れてきたのに、この結果か……役立たずが」
「プギィッ……!?」
「ブ、ブヒヒッ……!!」
現れたのは、全身が灰色の鱗で覆われた人型の生物である。背丈は人間の成人男性ほどで、尻尾が生えている。顔は蜥蜴そのものだった。
蜥蜴人間の登場に、オオツノオーク達は怯えきっている。
「まあいい……こいつだけでも無事なら良しとするか」
蜥蜴人間はオークロードの死骸に近づき、手を伸ばして中の肉をあさった。そして血塗れの経験石を取りだす。
そのままそれを丸呑みすると――蜥蜴人間の肉体に異変が生じる。
「ブヒィッ!?」
「ブヒヒッ!?」
ざわめくオオツノオーク達。
蜥蜴人間の全身がわずかに膨れ上がった。目を血走らせた蜥蜴人間は、自らを抱きしめるように肩に両手の爪をくい込ませて耐え続ける。
数秒後、蜥蜴人間の身体の震えが収まった。
「ふうっ……まあまあだな、ふんっ!!」
身体の動きを確かめるように蜥蜴人間は首を鳴らし、近くにいたオオツノオークに向けて腕を振った。
オオツノオークの頭部が吹き飛び、血飛沫が上がる。
その光景を目の当たりにして、オオツノオーク達は恐慌状態に陥る。蜥蜴人間は腕にこびりついた血を舐め取った。
「ふむ……外見は醜いが、味は悪くないな」
「プ、プギィイイイイッ!!」
「おっと、そうはさせん」
オオツノオークの大群が逃げだそうとすると、蜥蜴人間は口を大きく開き、火竜のごとく炎を吐きだす。
「アガァアアアアアアアアアッ!!」
竜種のような咆哮が響き渡り、猛火は逃げ惑うオオツノオーク達を瞬時に呑み込んだ。
「プギャアアアアアアアアッ……!?」
百体を超えるオオツノオークが燃え盛っている。
しかし、蜥蜴人間は炎を吐き続けるのを止められない。オオツノオークが完全に炭になるまで炎を放射し続けるのだった。
「フゥッ……ちっ、やりすぎたか。やはり、この状態では加減が分からんな」
蜥蜴人間は黒焦げの残骸に視線を向け、ため息を吐きだす。そうして、首から下げた髑髏のペンダントを忌々しげに掴んだ。
「ふんっ!! ぐぐぐっ……くそっ!!」
破壊しようとするが――力を込めようとすると髑髏の瞳が光り、蜥蜴人間の手から力を奪ってしまう。
喉の渇きを覚えた蜥蜴人間は、手についたオオツノオークの血を舐めた。
「あの人間めっ……必ず殺してやる」
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