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バルトロス帝国編
取引成立
「普通は魔法書というのはどのくらいの値段なんですか?」
「魔法の階級によって大きく変動するね。下位の砲撃魔法でも最低でも銀貨10枚は必要だけど、付与魔法の場合は高くても銀貨1枚ぐらいだろうね……」
「10分の1!?」
「僕の店にも一応は付与魔法の魔法書はあるけど、正直に言えば誰も買ってくれなくて在庫が有り余ってるんだ……サービスするからどうか全部引き取ってくれないかな?」
申し訳なさそうな表情を抱くホノカにレナは考え込み、実際に魔法書とはどんな物なのかを確かめない限りは返答しようがない。
「ちなみに魔法書はどれくらい余ってるんですか?」
「そうだな……50冊ぐらいかな」
「えっ」
「正直に言うと本棚のスペースを独占されるからこちらとしては早く何とかしたいんだが、購入する人間がいない以上はどうしようもなく……処分するにしても流石に魔法書の類には違いないから勿体なくてね」
ホノカは店の本棚の半分近くを占める付与魔法の魔法書に深いため息を吐き出し、この際に付与魔術師であるレナに引き取って欲しいようだが、流石に無償で渡すわけにはいかないので教科書の代金から多少は差し引かなかえればならない事を伝える。
「どうかな?銀貨40枚に魔法書を50冊……希望があるなら他にも付けるけど……」
「はあっ……あの、そんなに頂いていいんですか?」
「構わないよ。むしろこちらの方がこの程度の物しか出せないのが申し訳ない……そうだ、君の鞄をついでに収納袋化してあげようか?」
「収納袋?」
机の上に置かれているレノが学校に持ち込んでいた鞄を手に取り、ホノカは鞄をの中身を覗き込みながら説明を行う。
「収納袋とは冒険者が愛用する魔道具さ。鞄のような収納物に異空間に繋がる魔石を取り付けて本来の収納できる容量を超えた量を収納できるようになるよ」
「なるほど……」
ゲームで例えるなら「アイテムボックス」のような魔法であり、通常では有り得ない規模の荷物を収納できるようになる魔道具だとホノカは説明する。正確に言えば鞄の中に仕込んだ「収納石」と呼ばれる特別な魔石に荷物を異空間に送り込み、こちらの好きな時に荷物の取り出しが可能になるが、普通ならば金貨単位で販売される代物を彼女は提供してくれるという。
「いいんですか?」
「構わないよ。だけど大量の荷物を収納できる物は用意できないね……収納容量は50キロの収納石なら用意できるけど」
「お願いします!!あ、それなら魔法書も全部持ち帰れますね」
「そうしてくれると助かるよ。それじゃあ、僕はこの鞄を改造しておくからその間は自由にしてくれ」
鞄を受け取るとホノカは店の奥に移動し、その間にレナは受け取った魔法書の中身を開く。既に自分が購入した物なので遠慮なく彼女が戻ってくるまで魔法書を読む。
「へえ……結構面白いな」
元の世界に居た頃から小説等はよく読んでいたが、レナが読み進めている「水属性」の魔法書にはある付与魔術師の人生が描かれており、帝国では不遇職と蔑まれている付与魔術師の職業だが、本の中の時代では特に冷遇されている様子はなく、仲間達と共に一匹の竜と戦うまでの物語が描かれていた。
「そういえばこの世界には本物の竜もいるのか……」
物語の内容は面白いのだが、最後の結末に関しては大勢の仲間を失い、更には主人公まで竜と相打ちで死んでしまうという悲惨な結末だった。この魔法書は実話を元に描かれているので恐らくは主人公もその仲間達も本当に死んでしまったのだろう。これが普通の創作物だとしたらハッピーエンドで終わったのかもしれないが、現実はそれほど甘くはない。
「ふうっ……あれ?まだ終わっていないのかな……」
魔法書を一冊読み終えるとレナはまだホノカが戻って来ない事に疑問を抱き、壁際の時計を確認する。ちなみにこの世界にも普通に時計を製造する科学は存在するらしく、レナは時刻を確認すると驚くべき事実が発覚した。
「えっ……まだ5分しか経っていない!?」
最初は時計が壊れたのかと思ったが、秒針は正常に動いており、レナは自分が短編小説並のページ数はある魔法書を数分で読み終えた事になる。体感的には30分ほど経過したと思い込んでいたが、何時の間にか速読法でも覚えていたのかと自分でも戸惑う。
「まさか新しいスキルが……いや、それよりも熟練度の方は!?」
レナはすぐにステータス画面を確かめるために開くと、ホノカの言葉通りに「水属性」の熟練度が2に上昇しており、普通に考えれば最初の魔法は一度発動するだけで熟練度が上昇するため、無駄に魔法書を消費してしまった可能性も高い。少し残念に感じながらもレナは本棚に並べられている付与魔法の魔法書に視線を向け、既に自分が購入したので遠慮なく抜き取る。
「あっ……一度読み終えると効力を失うのか」
先ほど呼んでいた氷属性の魔法書に視線を向けると、表紙に描かれていた文字が消失しており、スキルの鑑定を発動させて確かめると魔法書は一度使用すると効力を失い、表題の文字も消えてしまう。本の内容は残っているので普通の小説として変化しただけであり、物語をもう一度楽しむ事も出来る。
「えっと……良かった。聖属性も結構余ってるな」
本棚に並べられている付与魔法の魔法書は確認した所、全ての種類の付与魔法の魔法書が存在した。数に関しては10冊近くが「聖属性」であり、この際に何処まで熟練度が上昇するのか確かめる為、レナは聖属性の魔法書を読み耽る。
「魔法の階級によって大きく変動するね。下位の砲撃魔法でも最低でも銀貨10枚は必要だけど、付与魔法の場合は高くても銀貨1枚ぐらいだろうね……」
「10分の1!?」
「僕の店にも一応は付与魔法の魔法書はあるけど、正直に言えば誰も買ってくれなくて在庫が有り余ってるんだ……サービスするからどうか全部引き取ってくれないかな?」
申し訳なさそうな表情を抱くホノカにレナは考え込み、実際に魔法書とはどんな物なのかを確かめない限りは返答しようがない。
「ちなみに魔法書はどれくらい余ってるんですか?」
「そうだな……50冊ぐらいかな」
「えっ」
「正直に言うと本棚のスペースを独占されるからこちらとしては早く何とかしたいんだが、購入する人間がいない以上はどうしようもなく……処分するにしても流石に魔法書の類には違いないから勿体なくてね」
ホノカは店の本棚の半分近くを占める付与魔法の魔法書に深いため息を吐き出し、この際に付与魔術師であるレナに引き取って欲しいようだが、流石に無償で渡すわけにはいかないので教科書の代金から多少は差し引かなかえればならない事を伝える。
「どうかな?銀貨40枚に魔法書を50冊……希望があるなら他にも付けるけど……」
「はあっ……あの、そんなに頂いていいんですか?」
「構わないよ。むしろこちらの方がこの程度の物しか出せないのが申し訳ない……そうだ、君の鞄をついでに収納袋化してあげようか?」
「収納袋?」
机の上に置かれているレノが学校に持ち込んでいた鞄を手に取り、ホノカは鞄をの中身を覗き込みながら説明を行う。
「収納袋とは冒険者が愛用する魔道具さ。鞄のような収納物に異空間に繋がる魔石を取り付けて本来の収納できる容量を超えた量を収納できるようになるよ」
「なるほど……」
ゲームで例えるなら「アイテムボックス」のような魔法であり、通常では有り得ない規模の荷物を収納できるようになる魔道具だとホノカは説明する。正確に言えば鞄の中に仕込んだ「収納石」と呼ばれる特別な魔石に荷物を異空間に送り込み、こちらの好きな時に荷物の取り出しが可能になるが、普通ならば金貨単位で販売される代物を彼女は提供してくれるという。
「いいんですか?」
「構わないよ。だけど大量の荷物を収納できる物は用意できないね……収納容量は50キロの収納石なら用意できるけど」
「お願いします!!あ、それなら魔法書も全部持ち帰れますね」
「そうしてくれると助かるよ。それじゃあ、僕はこの鞄を改造しておくからその間は自由にしてくれ」
鞄を受け取るとホノカは店の奥に移動し、その間にレナは受け取った魔法書の中身を開く。既に自分が購入した物なので遠慮なく彼女が戻ってくるまで魔法書を読む。
「へえ……結構面白いな」
元の世界に居た頃から小説等はよく読んでいたが、レナが読み進めている「水属性」の魔法書にはある付与魔術師の人生が描かれており、帝国では不遇職と蔑まれている付与魔術師の職業だが、本の中の時代では特に冷遇されている様子はなく、仲間達と共に一匹の竜と戦うまでの物語が描かれていた。
「そういえばこの世界には本物の竜もいるのか……」
物語の内容は面白いのだが、最後の結末に関しては大勢の仲間を失い、更には主人公まで竜と相打ちで死んでしまうという悲惨な結末だった。この魔法書は実話を元に描かれているので恐らくは主人公もその仲間達も本当に死んでしまったのだろう。これが普通の創作物だとしたらハッピーエンドで終わったのかもしれないが、現実はそれほど甘くはない。
「ふうっ……あれ?まだ終わっていないのかな……」
魔法書を一冊読み終えるとレナはまだホノカが戻って来ない事に疑問を抱き、壁際の時計を確認する。ちなみにこの世界にも普通に時計を製造する科学は存在するらしく、レナは時刻を確認すると驚くべき事実が発覚した。
「えっ……まだ5分しか経っていない!?」
最初は時計が壊れたのかと思ったが、秒針は正常に動いており、レナは自分が短編小説並のページ数はある魔法書を数分で読み終えた事になる。体感的には30分ほど経過したと思い込んでいたが、何時の間にか速読法でも覚えていたのかと自分でも戸惑う。
「まさか新しいスキルが……いや、それよりも熟練度の方は!?」
レナはすぐにステータス画面を確かめるために開くと、ホノカの言葉通りに「水属性」の熟練度が2に上昇しており、普通に考えれば最初の魔法は一度発動するだけで熟練度が上昇するため、無駄に魔法書を消費してしまった可能性も高い。少し残念に感じながらもレナは本棚に並べられている付与魔法の魔法書に視線を向け、既に自分が購入したので遠慮なく抜き取る。
「あっ……一度読み終えると効力を失うのか」
先ほど呼んでいた氷属性の魔法書に視線を向けると、表紙に描かれていた文字が消失しており、スキルの鑑定を発動させて確かめると魔法書は一度使用すると効力を失い、表題の文字も消えてしまう。本の内容は残っているので普通の小説として変化しただけであり、物語をもう一度楽しむ事も出来る。
「えっと……良かった。聖属性も結構余ってるな」
本棚に並べられている付与魔法の魔法書は確認した所、全ての種類の付与魔法の魔法書が存在した。数に関しては10冊近くが「聖属性」であり、この際に何処まで熟練度が上昇するのか確かめる為、レナは聖属性の魔法書を読み耽る。
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