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スラム編
新たな仲間
数十秒後、レナは背中を向けたアイリィに掌を押し付け、彼女の身体に「聖属性」の付与魔法を発動する。もしも彼女が本物の魔物のスケルトンならば聖属性の魔法は相性が最悪のはずだが、特に問題もなく彼女の身体の中にレナの魔力が送り込まれた。
『ああんっ……これ、凄いですぅっ……病みつきになります』
『むうっ……私以外にレナが魔力を送るのは複雑……じぇらしぃっ』
「どう?結構送ったと思うけど」
『ありがとうございます。もういいですよ』
アイリィはレナから離れると嬉しそうに自分の肉体を確認し、満足気に頷く。レナが送り込んだ魔力量はどの程度の量なのかは彼本人には分からないが、アイリィによると自分の力が大きく回復したらしい。
『レナさんが付与魔術師だと聞いたのは驚きでしたけど、そのお蔭で大分回復出来ましたね。他の魔術師の方には真似できない方法ですから』
「どれくらい回復したの?」
『そうですね、これくらいだと回復魔法が3回扱えますね』
「心許ないな……もう少し続けるよ」
『え、いや……大丈夫ですか?大分魔力を送ってもらいましたけど……』
「コトミンの方が毎回長い時間送ってるよ」
『まじっすか……』
レナはもう一度アイリィに聖属性の付与魔法を発動させ、先ほどよりも長い時間を掛けて送り込む。この一週間の間にレナ自身も随分と成長しており、最初の頃と比べると魔力容量も大幅に増加していた。更にこれからレベルを上昇させれば魔力容量も増幅されるのだろうが、問題はレベル上げを行う方法が魔法の熟練度を上昇させる事しかない事だった。
「ふうっ……流石に疲れたかな」
『あの、本当に大丈夫ですか?普通の魔術師ならぶっ倒れる量の魔力を貰いましたけど……』
「まだ平気だよ。ついでにコトミンにも送るよ」
『あふぅんっ……』
アイリィの身体に張り付いているコトミンにもレナは付与魔法を発動させ、今日の分の回復を行わせる。聖属性の付与魔法の熟練度が限界値を迎えているのは残念だが、ホノカの話によると現在のレナの回復魔法は魔道具の「上級回復薬」にも匹敵すると保証された。
この上級回復薬の効果は肉体の一部が切り落とされても再生できる程の回復力を誇る。逆に言えばそれ程の回復量を誇る魔法を何度も受けているコトミンとアイリィの吸収できる魔力量も凄まじく、2人は魔力を送り込めば送り込む程に能力が高まるという事になる。
「これぐらいかな……どう?」
『いやはや……十分過ぎますよ。レナさんって実は一流の魔術師なんですか?』
「レベル15の付与魔術師だよ。それよりこれからどうする?流石にずっとコトミンもアイリィに張り付いたままという訳にも行かないし……」
『そうですね。でも、私も久しぶりに肉体を手放したくはないですし……こうしましょうか。コトミンさん分裂して下さい』
「は?」
『了解』
「できるのっ!?」
当たり前のようにとんでもない発言を行ったアイリィに対し、コトミンはあっさりと承諾し、アイリィの身体に異変が生じる。彼女の肉体が最初に青色のスライムに変化し、やがて一部が引き剥がされるように離れると、二つに分かれたスライムが人間の姿に変化する。
「ふうっ……ちょっと疲れた」
「おっ、やっぱりこの状態なら普通に話せますね。これで問題ありませんね」
「……えっと、どうなっているの?」
レナの目の前には中学生と小学生低学年程の少女が2人存在し、どうやら前者がアイリィで後者コトミンのようだが、恐らくはコトミンが自分の肉体を分裂させた事が原因としか考えられない。
「やっぱり分裂した分の容量だとちょっと小さくなるようですね。コトミンさんも随分と幼くなりましたね」
「むうっ……お姉さんキャラの危機」
「元からそんなキャラじゃないだろ。というか、本当にアイリィとコトミンなの?」
「そうですよ。もしかしてスライムは分裂できる事を知らなかったんですか?」
「初耳だよ」
「……そう言えば言ってなかった」
2人の話によるとこの世界のスライムは分裂を行えるらしく、当然ながらコトミンも同じ能力を所有している。しかし、彼女の場合は分裂した分のスライムをアイリィに渡し過ぎたせいで外見が縮んだようだ。
「随分と小さくなったな……だけど、残してきたスライムにもコトミンの意思はあるの?」
「ないと思う……分裂といっても時間が経てば切り離した方は蒸発しちゃうから」
「それやばいじゃん……街中で骨身ちゃんに戻ったら不味いよ」
「だれが骨身ちゃんですか。その渾名気に入ってたんですか?」
レナの発言にアイリィが呆れた表情を浮かべるが、彼女の肉体はあくまでもコトミンの切り離したスライムが人間の肉体に擬態しているだけであり、実際に本当の肉体を取り戻したわけではない。だが、彼女によると切り離したスライムであろうと定期的に魔力を送り込めば蒸発する事はないという。
「申し訳ありませんけど、私の方のコトミンさんが消えそうになったらレナさんの付与魔法で回復して貰えませんか?ついでに私の方も」
「しょうがないな……コトミンも付与魔法を施したら元に戻る?」
「……多分」
仕方なく、レナはもう小さくなった2人に再び魔力を施す事になり、結局完全に2人が元の姿に戻るまでスラム街の建物の屋上に残った。
『ああんっ……これ、凄いですぅっ……病みつきになります』
『むうっ……私以外にレナが魔力を送るのは複雑……じぇらしぃっ』
「どう?結構送ったと思うけど」
『ありがとうございます。もういいですよ』
アイリィはレナから離れると嬉しそうに自分の肉体を確認し、満足気に頷く。レナが送り込んだ魔力量はどの程度の量なのかは彼本人には分からないが、アイリィによると自分の力が大きく回復したらしい。
『レナさんが付与魔術師だと聞いたのは驚きでしたけど、そのお蔭で大分回復出来ましたね。他の魔術師の方には真似できない方法ですから』
「どれくらい回復したの?」
『そうですね、これくらいだと回復魔法が3回扱えますね』
「心許ないな……もう少し続けるよ」
『え、いや……大丈夫ですか?大分魔力を送ってもらいましたけど……』
「コトミンの方が毎回長い時間送ってるよ」
『まじっすか……』
レナはもう一度アイリィに聖属性の付与魔法を発動させ、先ほどよりも長い時間を掛けて送り込む。この一週間の間にレナ自身も随分と成長しており、最初の頃と比べると魔力容量も大幅に増加していた。更にこれからレベルを上昇させれば魔力容量も増幅されるのだろうが、問題はレベル上げを行う方法が魔法の熟練度を上昇させる事しかない事だった。
「ふうっ……流石に疲れたかな」
『あの、本当に大丈夫ですか?普通の魔術師ならぶっ倒れる量の魔力を貰いましたけど……』
「まだ平気だよ。ついでにコトミンにも送るよ」
『あふぅんっ……』
アイリィの身体に張り付いているコトミンにもレナは付与魔法を発動させ、今日の分の回復を行わせる。聖属性の付与魔法の熟練度が限界値を迎えているのは残念だが、ホノカの話によると現在のレナの回復魔法は魔道具の「上級回復薬」にも匹敵すると保証された。
この上級回復薬の効果は肉体の一部が切り落とされても再生できる程の回復力を誇る。逆に言えばそれ程の回復量を誇る魔法を何度も受けているコトミンとアイリィの吸収できる魔力量も凄まじく、2人は魔力を送り込めば送り込む程に能力が高まるという事になる。
「これぐらいかな……どう?」
『いやはや……十分過ぎますよ。レナさんって実は一流の魔術師なんですか?』
「レベル15の付与魔術師だよ。それよりこれからどうする?流石にずっとコトミンもアイリィに張り付いたままという訳にも行かないし……」
『そうですね。でも、私も久しぶりに肉体を手放したくはないですし……こうしましょうか。コトミンさん分裂して下さい』
「は?」
『了解』
「できるのっ!?」
当たり前のようにとんでもない発言を行ったアイリィに対し、コトミンはあっさりと承諾し、アイリィの身体に異変が生じる。彼女の肉体が最初に青色のスライムに変化し、やがて一部が引き剥がされるように離れると、二つに分かれたスライムが人間の姿に変化する。
「ふうっ……ちょっと疲れた」
「おっ、やっぱりこの状態なら普通に話せますね。これで問題ありませんね」
「……えっと、どうなっているの?」
レナの目の前には中学生と小学生低学年程の少女が2人存在し、どうやら前者がアイリィで後者コトミンのようだが、恐らくはコトミンが自分の肉体を分裂させた事が原因としか考えられない。
「やっぱり分裂した分の容量だとちょっと小さくなるようですね。コトミンさんも随分と幼くなりましたね」
「むうっ……お姉さんキャラの危機」
「元からそんなキャラじゃないだろ。というか、本当にアイリィとコトミンなの?」
「そうですよ。もしかしてスライムは分裂できる事を知らなかったんですか?」
「初耳だよ」
「……そう言えば言ってなかった」
2人の話によるとこの世界のスライムは分裂を行えるらしく、当然ながらコトミンも同じ能力を所有している。しかし、彼女の場合は分裂した分のスライムをアイリィに渡し過ぎたせいで外見が縮んだようだ。
「随分と小さくなったな……だけど、残してきたスライムにもコトミンの意思はあるの?」
「ないと思う……分裂といっても時間が経てば切り離した方は蒸発しちゃうから」
「それやばいじゃん……街中で骨身ちゃんに戻ったら不味いよ」
「だれが骨身ちゃんですか。その渾名気に入ってたんですか?」
レナの発言にアイリィが呆れた表情を浮かべるが、彼女の肉体はあくまでもコトミンの切り離したスライムが人間の肉体に擬態しているだけであり、実際に本当の肉体を取り戻したわけではない。だが、彼女によると切り離したスライムであろうと定期的に魔力を送り込めば蒸発する事はないという。
「申し訳ありませんけど、私の方のコトミンさんが消えそうになったらレナさんの付与魔法で回復して貰えませんか?ついでに私の方も」
「しょうがないな……コトミンも付与魔法を施したら元に戻る?」
「……多分」
仕方なく、レナはもう小さくなった2人に再び魔力を施す事になり、結局完全に2人が元の姿に戻るまでスラム街の建物の屋上に残った。
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