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スラム編
付与魔法の実験
アイリィとコトミンを別れて久しぶりに単独行動を取ったレナは市場に赴き、色々な物を購入する。そして黒猫亭の裏庭に移動すると、彼は購入した代物を使って付与魔法の実権を行う事を決めた。アイリィのお蔭で現実世界から持ち出した「金属類」は「完全魔法耐性」と呼ばれる能力が存在し、このお蔭で今まで硬貨を利用した付与魔法の訓練を幾度も繰り返す事が出来た事が判明する。
だが、もしも付与魔法を魔法耐性が存在しない物体、本来なら付与する事ができないと言われている物体に付与魔法を施した場合はどうなるのか確かめる為、レナは実験を行うことを決めた。アイリィの口振りだと彼女はそもそも魔法耐性が存在しない物体に付与を行うという発想が思いつかない様子であり、だからこそレナは自分自身で確かめるしかなかった。
「まずはこれからだな」
市場で購入したのは木材の板と鉄板であり、他にも水の入った桶など用意している。レナは木板を拾い上げ、十分に注意を払いながらまずは「火属性」の付与魔法を発動させる。
「火属性……熱いっ!!」
木板に付与魔法を発動させた瞬間、全体が炎に包まれてしまう。熟練度が上昇しているせいか火力も増しており、慌ててレナは指が焼ける前に桶の中に板を突っ込み、指を手放す。レナの手元から離れた事で魔法で生み出した炎も消え去り、桶の中に焼けこげた木板が浮かぶ。
「もう少し気を付けないとな……今度はこいつだな」
レナは鉄板を掴み取り、今度は桶の前に移動して先ほどのように火属性の付与魔法を発動させる。木材の時と違い、一瞬で燃え盛るというわけではないようであり、レナの指先に送り込まれた魔力が鉄板を過熱させ、やがて表面に炎が発火する。
「あつつっ!!」
案の定と言うべきか、レナは熱した鉄板を桶の中に沈み込ませ、自分が馬鹿な事をしているのではないかと考えながらも付与させる物体によっては過熱速度が違う事が判明し、続いて今度は別の水が入った桶に視線を向け、掌を水面に翳す。
「火属性!!……無理か」
流石に物体でなければ魔法は発動しないらしく、水面に触れた状態で付与魔法を発動させて桶の中の水を熱する事は出来ないかと彼は考えたが、結果は不可能だと判明する。あくまでも付与魔法は「物体」にだけ魔法を付与できるらしく、その一方で魔法耐性が存在しない物体でも付与魔法を発動させる事も判明した。
「訓練を行う時は気を付けないとな……そういう意味ではこれをこっちの世界に持ち込めていたのは運が良かったな」
元の世界の金属類は魔法耐性が異常に高いので付与魔法の訓練には最適であり、何故かこちらの類の金属ならば炎で発火させようと熱を帯びる事はなく、レナは自分の指先を確認する。最初に木板や鉄板を火属性の付与魔法を発動させた影響で火傷を負っていたが、どういう事なのか今まで元の世界の硬貨を利用した時の訓練では自分の肉体に火傷を負う事は無かった。
「何でだろ……付与させる物体に魔法耐性があるかどうかで違うのかな?」
同じように炎を纏ったにも関わらず、硬貨の場合は火傷を負わず、木板や鉄板の場合は指先が軽い火傷を起こしており、「魔法耐性」が存在するか否で魔法を発動させた本人も負傷する場合としない場合に別れる。原理は不明だが、付与魔法を扱う時は魔法耐性が存在する物体が都合が良いのは間違いない。
「あれ?でもこれって……」
レナは桶の中に沈んでいる木板と鉄板を確認し、どちらも過熱させる事は成功した。その事から魔法耐性が存在しない物体にも付与魔法を発動させる事は可能だと判明したが、もしもこれを別の物に利用したらどうなるのかを考える。
「かなり危険かもしれないけど……もしも成功したらとんでもない魔法だな……」
――仮にレナの予想通りだとしたら付与魔法は生物が相手の場合、幾つかの条件を果たせば途轍もない威力を発揮する。実際に試して見なければ分からないが、もしも成功すればレナは途轍もない魔法を覚えていた事になるが、現時点では理論上の話であって本当に成功するかは分からない。
「……いや、だけどアイリィやコトミンには通用してるんだよな……」
生物である2人にレナは何度も「聖属性」の付与魔法を施しており、この事から生物が相手でも付与魔法は発動できる事は照明されている。もしも生物に対して聖属性以外の属性の付与魔法を施した場合、どうなるのかを考えるだけでレナの身体は震える。
「人間相手に使う機会がなければいいけど……」
レナは自分の火傷の治療を行うために聖属性を発動しようとした時、地面の桶から湯気が立っている事に気付く。先ほど過熱させた木板と鉄板を入れた事で沸騰したらしく、その光景を見たレナはある事実に気付く。
「あっ……もしかしたら」
すぐに腰に装備していた白銀拳を右腕に装着し、レナはあまり使用した機会がない「水属性」の付与魔法を発動させる。
「水属性」
右腕に装備した白銀拳から冷気が迸り、水属性の付与魔法を発動させた状態でレナは指先を水桶に伸ばし、水面に触れる。その瞬間、指先から冷気が送り込まれて水桶の水面が凍り付き、その光景を見たレナは間接的ならば物体ではない液体でも凍結させる事が出来る事に気付いた。
「おおっ……この方法は使えそうだな」
レナは今後の事を考え、本格的に攻撃手段を身に着けるために聖属性以外の魔法の熟練度を上昇させる事を決めた。
だが、もしも付与魔法を魔法耐性が存在しない物体、本来なら付与する事ができないと言われている物体に付与魔法を施した場合はどうなるのか確かめる為、レナは実験を行うことを決めた。アイリィの口振りだと彼女はそもそも魔法耐性が存在しない物体に付与を行うという発想が思いつかない様子であり、だからこそレナは自分自身で確かめるしかなかった。
「まずはこれからだな」
市場で購入したのは木材の板と鉄板であり、他にも水の入った桶など用意している。レナは木板を拾い上げ、十分に注意を払いながらまずは「火属性」の付与魔法を発動させる。
「火属性……熱いっ!!」
木板に付与魔法を発動させた瞬間、全体が炎に包まれてしまう。熟練度が上昇しているせいか火力も増しており、慌ててレナは指が焼ける前に桶の中に板を突っ込み、指を手放す。レナの手元から離れた事で魔法で生み出した炎も消え去り、桶の中に焼けこげた木板が浮かぶ。
「もう少し気を付けないとな……今度はこいつだな」
レナは鉄板を掴み取り、今度は桶の前に移動して先ほどのように火属性の付与魔法を発動させる。木材の時と違い、一瞬で燃え盛るというわけではないようであり、レナの指先に送り込まれた魔力が鉄板を過熱させ、やがて表面に炎が発火する。
「あつつっ!!」
案の定と言うべきか、レナは熱した鉄板を桶の中に沈み込ませ、自分が馬鹿な事をしているのではないかと考えながらも付与させる物体によっては過熱速度が違う事が判明し、続いて今度は別の水が入った桶に視線を向け、掌を水面に翳す。
「火属性!!……無理か」
流石に物体でなければ魔法は発動しないらしく、水面に触れた状態で付与魔法を発動させて桶の中の水を熱する事は出来ないかと彼は考えたが、結果は不可能だと判明する。あくまでも付与魔法は「物体」にだけ魔法を付与できるらしく、その一方で魔法耐性が存在しない物体でも付与魔法を発動させる事も判明した。
「訓練を行う時は気を付けないとな……そういう意味ではこれをこっちの世界に持ち込めていたのは運が良かったな」
元の世界の金属類は魔法耐性が異常に高いので付与魔法の訓練には最適であり、何故かこちらの類の金属ならば炎で発火させようと熱を帯びる事はなく、レナは自分の指先を確認する。最初に木板や鉄板を火属性の付与魔法を発動させた影響で火傷を負っていたが、どういう事なのか今まで元の世界の硬貨を利用した時の訓練では自分の肉体に火傷を負う事は無かった。
「何でだろ……付与させる物体に魔法耐性があるかどうかで違うのかな?」
同じように炎を纏ったにも関わらず、硬貨の場合は火傷を負わず、木板や鉄板の場合は指先が軽い火傷を起こしており、「魔法耐性」が存在するか否で魔法を発動させた本人も負傷する場合としない場合に別れる。原理は不明だが、付与魔法を扱う時は魔法耐性が存在する物体が都合が良いのは間違いない。
「あれ?でもこれって……」
レナは桶の中に沈んでいる木板と鉄板を確認し、どちらも過熱させる事は成功した。その事から魔法耐性が存在しない物体にも付与魔法を発動させる事は可能だと判明したが、もしもこれを別の物に利用したらどうなるのかを考える。
「かなり危険かもしれないけど……もしも成功したらとんでもない魔法だな……」
――仮にレナの予想通りだとしたら付与魔法は生物が相手の場合、幾つかの条件を果たせば途轍もない威力を発揮する。実際に試して見なければ分からないが、もしも成功すればレナは途轍もない魔法を覚えていた事になるが、現時点では理論上の話であって本当に成功するかは分からない。
「……いや、だけどアイリィやコトミンには通用してるんだよな……」
生物である2人にレナは何度も「聖属性」の付与魔法を施しており、この事から生物が相手でも付与魔法は発動できる事は照明されている。もしも生物に対して聖属性以外の属性の付与魔法を施した場合、どうなるのかを考えるだけでレナの身体は震える。
「人間相手に使う機会がなければいいけど……」
レナは自分の火傷の治療を行うために聖属性を発動しようとした時、地面の桶から湯気が立っている事に気付く。先ほど過熱させた木板と鉄板を入れた事で沸騰したらしく、その光景を見たレナはある事実に気付く。
「あっ……もしかしたら」
すぐに腰に装備していた白銀拳を右腕に装着し、レナはあまり使用した機会がない「水属性」の付与魔法を発動させる。
「水属性」
右腕に装備した白銀拳から冷気が迸り、水属性の付与魔法を発動させた状態でレナは指先を水桶に伸ばし、水面に触れる。その瞬間、指先から冷気が送り込まれて水桶の水面が凍り付き、その光景を見たレナは間接的ならば物体ではない液体でも凍結させる事が出来る事に気付いた。
「おおっ……この方法は使えそうだな」
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