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スラム編
熟練度の上昇訓練
「あ、ここにいたんですか。レノさ~ん」
「アイリィ?部屋に居たんじゃないの?」
「コトミンさんが眠っちゃったから暇なので来ましたよ。聞きたい事があるんですけど、このスマホとやらはどうやって動かすんですか?」
「だから電池がないと動かないって……」
「そのデンチというのはよく分かりませんけど、鑑定眼を発動させると電気が無いから動かないと表示されるんですけど、レノさんの雷属性の付与魔法で何とかできるんじゃないですか?」
「え、本当に……?」
裏庭に現れたアイリィがレナにスマートフォンを手渡し、すぐにレナは彼女が自分の事を「レノ」と呼んでいる事に気付く。だが、今更否定するのも面倒になってきた彼はスマートフォンを受け取り、鑑定のスキルを発動させて確認すると「電力」が不足しているという文章が表示された。このスマートフォンも元の世界の金属で構成されているので「完全魔法耐性」は備わっており、理論上はレナが付与魔法を発動させても壊れる事はないが、雷属性の付与魔法で充電を試した事はない。
レナのスマートフォンは機種は古いが元の世界で愛用していた物であり、流石に電話やネットはこの世界では通じないだろうが幾つかのアプリは残っている。最も起動しなければこの世界では役立つ物ではなく、レナは壊れる覚悟で雷属性の付与魔法を発動させた。
「雷属性」
「おおっ」
彼の掌に電流が迸り、握りしめているスマートフォンに電気が走る。完全魔法耐性の効果はスマートフォンにも備わっており、しばらくの間は電流を流し込む。レナの雷属性の熟練度は低いの念のために数十秒程流し込み、試しに電源を入れてみる。
「おっ……やった」
「おお~」
驚くべき事にレナのスマートフォンは見事に起動に成功し、雷属性の付与魔法で電池を回復させる事が判明した。レナ自身もこのような方法で上手くいくとは思わなかったが、早速彼は久しぶりにスマートフォンの機能を確かめる。
「……うん、特に問題はない。普通に使えるよ」
「これってどんな事が出来るんですか?」
「そうだな……写真や動画を撮ったり、音声を録音したり、ライトとかも付けられるかな……他にも色々と出来るよ」
「便利そうな魔道具ですね。ちょっと使ってみていいですか?」
「いいけど……」
レナはスマートフォンの使い方をアイリィに教えると、彼女はあっさりと操作を覚える。元々頭の回転は速いため、ほんの数分で彼女はレナが教えたスマートフォンの機能を完璧に使いこなす。
「うわっ、これは便利ですね!!このシャシンというのは一瞬で絵を描けるんですか?」
「専用の機械があれば撮影した写真もプリントできるんだけどね……まあ、画像は保存できるからいいけど」
「へえ……これは面白いですね。解析してみたいですけど、流石に駄目ですよね」
「返せっ」
不穏な言葉を吐くアイリィにレナは手を伸ばすが、彼女は慌ててスマートフォンを背中に隠して距離を取る。冗談だとは思うが数少ない彼が持ち込んだ元の世界の品物であり、教科書を売り捌いた今ではレナが元の世界の住民である事を証明してくれる唯一の品である。
「冗談ですよ。それよりレナさんは何してるんですか?」
「ちょっと魔法の実験をね……効率よく熟練度を上げる方法はないのかな」
「地道に魔法の反復練習を行うのが無難ですよ。砲撃魔法の場合は戦闘で発動させると熟練度の上昇率が高まりますけど、付与魔法に関してはちょっと分かりませんね……」
「今までの傾向だと付与させる物体が大きいほど高率良く上がると思うんだけど……」
レナの聖属性の付与魔法はコトミンに毎日彼女に力を分け与えるために発動しており、実際に一番早く熟練度が限界値にまで達した。正確に言えばホノカが所有していた付与魔法の魔法書のお蔭でもあるのだが、付与魔法を施す対象の大小によって熟練度の上昇率が変化するというレナの考え方は間違ってはいない。
「レノさんはどれくらいの属性が扱えるんですか?」
「どれくらいって……全部だけど」
「あははは……え、マジっすか?」
「マジだよ」
アイリィの質問にレナは真面目に答えると、彼女は驚いた表情を浮かべ、手元のスマートフォンを見つめながらレナに視線を向けて納得したように頷く。
「そういえばさっきは軽く流されましたけど、レノさんは異世界人ですよね?という事はもしかして勇者……」
「違うよ。俺は只の一般人」
「……どういう事ですか?」
異世界人である事は確かだが、レナは他の勇者の召喚に巻き込まれて自分がこの世界に召喚された事、そして防衛大臣のデキンの仕業によって王城を数日分の路銀だけを渡されて身分証も与えて貰わずに理不尽に追い出され、それからコトミンやホノカと出会い、今現在はこちらの世界で生きていく手段を探している事を全て説明する。
元の世界に帰りたい気持ちはあるが、まずは仕事を見つけて今後の生活費を稼ぐ手段を見つけねばならず、そのためには唯一の取り柄である付与魔法を有効活用できる職業を探す必要があった。
「アイリィ?部屋に居たんじゃないの?」
「コトミンさんが眠っちゃったから暇なので来ましたよ。聞きたい事があるんですけど、このスマホとやらはどうやって動かすんですか?」
「だから電池がないと動かないって……」
「そのデンチというのはよく分かりませんけど、鑑定眼を発動させると電気が無いから動かないと表示されるんですけど、レノさんの雷属性の付与魔法で何とかできるんじゃないですか?」
「え、本当に……?」
裏庭に現れたアイリィがレナにスマートフォンを手渡し、すぐにレナは彼女が自分の事を「レノ」と呼んでいる事に気付く。だが、今更否定するのも面倒になってきた彼はスマートフォンを受け取り、鑑定のスキルを発動させて確認すると「電力」が不足しているという文章が表示された。このスマートフォンも元の世界の金属で構成されているので「完全魔法耐性」は備わっており、理論上はレナが付与魔法を発動させても壊れる事はないが、雷属性の付与魔法で充電を試した事はない。
レナのスマートフォンは機種は古いが元の世界で愛用していた物であり、流石に電話やネットはこの世界では通じないだろうが幾つかのアプリは残っている。最も起動しなければこの世界では役立つ物ではなく、レナは壊れる覚悟で雷属性の付与魔法を発動させた。
「雷属性」
「おおっ」
彼の掌に電流が迸り、握りしめているスマートフォンに電気が走る。完全魔法耐性の効果はスマートフォンにも備わっており、しばらくの間は電流を流し込む。レナの雷属性の熟練度は低いの念のために数十秒程流し込み、試しに電源を入れてみる。
「おっ……やった」
「おお~」
驚くべき事にレナのスマートフォンは見事に起動に成功し、雷属性の付与魔法で電池を回復させる事が判明した。レナ自身もこのような方法で上手くいくとは思わなかったが、早速彼は久しぶりにスマートフォンの機能を確かめる。
「……うん、特に問題はない。普通に使えるよ」
「これってどんな事が出来るんですか?」
「そうだな……写真や動画を撮ったり、音声を録音したり、ライトとかも付けられるかな……他にも色々と出来るよ」
「便利そうな魔道具ですね。ちょっと使ってみていいですか?」
「いいけど……」
レナはスマートフォンの使い方をアイリィに教えると、彼女はあっさりと操作を覚える。元々頭の回転は速いため、ほんの数分で彼女はレナが教えたスマートフォンの機能を完璧に使いこなす。
「うわっ、これは便利ですね!!このシャシンというのは一瞬で絵を描けるんですか?」
「専用の機械があれば撮影した写真もプリントできるんだけどね……まあ、画像は保存できるからいいけど」
「へえ……これは面白いですね。解析してみたいですけど、流石に駄目ですよね」
「返せっ」
不穏な言葉を吐くアイリィにレナは手を伸ばすが、彼女は慌ててスマートフォンを背中に隠して距離を取る。冗談だとは思うが数少ない彼が持ち込んだ元の世界の品物であり、教科書を売り捌いた今ではレナが元の世界の住民である事を証明してくれる唯一の品である。
「冗談ですよ。それよりレナさんは何してるんですか?」
「ちょっと魔法の実験をね……効率よく熟練度を上げる方法はないのかな」
「地道に魔法の反復練習を行うのが無難ですよ。砲撃魔法の場合は戦闘で発動させると熟練度の上昇率が高まりますけど、付与魔法に関してはちょっと分かりませんね……」
「今までの傾向だと付与させる物体が大きいほど高率良く上がると思うんだけど……」
レナの聖属性の付与魔法はコトミンに毎日彼女に力を分け与えるために発動しており、実際に一番早く熟練度が限界値にまで達した。正確に言えばホノカが所有していた付与魔法の魔法書のお蔭でもあるのだが、付与魔法を施す対象の大小によって熟練度の上昇率が変化するというレナの考え方は間違ってはいない。
「レノさんはどれくらいの属性が扱えるんですか?」
「どれくらいって……全部だけど」
「あははは……え、マジっすか?」
「マジだよ」
アイリィの質問にレナは真面目に答えると、彼女は驚いた表情を浮かべ、手元のスマートフォンを見つめながらレナに視線を向けて納得したように頷く。
「そういえばさっきは軽く流されましたけど、レノさんは異世界人ですよね?という事はもしかして勇者……」
「違うよ。俺は只の一般人」
「……どういう事ですか?」
異世界人である事は確かだが、レナは他の勇者の召喚に巻き込まれて自分がこの世界に召喚された事、そして防衛大臣のデキンの仕業によって王城を数日分の路銀だけを渡されて身分証も与えて貰わずに理不尽に追い出され、それからコトミンやホノカと出会い、今現在はこちらの世界で生きていく手段を探している事を全て説明する。
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