文字の大きさ
大
中
小
38 / 207
スラム編
魔石の実験
「よし……こんな感じか」
レナは全属性の魔石を用意すると、まずは風属性の魔石を握りしめる。火属性の魔石に関しては付与魔法を発動した時は暴発してしまい、小規模の爆発を引き起こしてしまう。正確には付与した直後に爆発が起きた訳ではなく、相手に投擲を行える程の時間の猶予がある。
「風属性」
風属性の魔石を握りしめながら付与魔法を発動させ、誰もいない空間に向けて投擲を行う。その瞬間、魔石が発光した状態で魔石が砕け散り、周囲に突風が生じる。
「うわっ……凄いな」
魔石に秘められた魔力にレナの付与魔法を施した事で暴発を起こし、風属性の魔石だと突風が生じる事が判明した。続けて他の魔石を試そうとするが、レナは貴重な魔石をこのような実験で消費していいのかと一瞬だけ考えてしまい、それでも今後のために新しい戦闘方法は確保する必要があり、今度は土属性の魔石を試す事にした。
「雷属性は危なそうだしな……そもそもこの土属性というのは何だろう?」
一度も使用した事が無い付与魔法であり、どのような効果を生みだすのか試すため、レナは土属性の魔石に発動して投げ込む。最初は大量の土でも生み出されるのかと思ったが、予想に反して魔石は空中で砕け散るのと同時に破片が周囲に散らばる。
「うわっ!?」
予想外の速度で破片が散らばり、地面にめり込む程の勢いで砕けた魔石が沈み込む。その光景に動揺しながらもレナは地面にめり込んだ破片を観察し、まるで何十メートルの高さから落下したかのように地面に埋まっていた。
「まさか……重力を加算させたのか?」
あくまでもレナの予想だが、今までの魔石の壊れ方とは異なり、重力が増したように破片が加速した状態で飛び散ったように彼には見えた。土属性の付与魔法は重力を上乗せさせる魔法かと予測し、今度は別の物で試す事にした。レナは近くに落ちていた小石を拾い上げ、付与魔法を発動する。
「土属性!!」
今度は小石に付与魔法を施し、上空に投擲を行う。すると元の世界では別に野球部等に所属していたわけでもないのにプロ野球選手の剛速球のように小石が前方に移動を行い、やがて見えなくなる。その光景にレナは呆然と自分の掌を見つめ、予想通りと言うべきなのか土属性は「重力」を操作する魔法だと判明した。
「凄いな……この魔法は色々と役立ちそうだな」
この付与魔法ならば様々な用途に扱えそうであり、それと同時に土属性の魔石を組み合わせると炸裂弾のように周囲に破片を散らす事が出来る。続けてレナは水属性の魔石を握りしめ、今度は桶を用意して中に魔石を置いて付与魔法を発動する。
「水属性……うわぁっ!?」
レナの予想では大量の水が生まれるのかと考えていたが、結果としては彼の予測は当たってはいたが、予想以上に大量の水が生み出される。恐らくは小さな風呂が満たされる程の量の水分が排出され、桶を破壊して周囲の地面に広がってしまう。レナの身体にも大量の水が掛かり、全身が水浸しになってしまう。
「うえっ……これ後で怒られないかな……」
周囲が泥と化してしまい、後で宿の人間に怒られないのかと不安を抱くが、魔法で生み出した物は消失しやすいので時間が経過すれば魔石から生みだされた水分も蒸発する。飲み水としては利用できないが、身体を洗う事は出来るので一般家庭でも水属性の魔石は風呂を満たす水を生み出すためによく利用されている。
「これで風、火、水、土は確かめたけど……残りが厄介だな」
残された3つの魔石は「雷属性」「闇属性」「聖属性」であり、当然だが雷属性は後回しにする。まだレナは一度も試した事が無い魔法だが、明らかに魔法名の響きから危険が伺える。聖属性の方は普段から愛用している付与魔法ではあるが、魔石に施した場合はどうなるのかは試していない。
「けど多分、こいつと同じような結果になるだろうな」
レナは懐から元の世界の硬貨を取り出し、ヴァンパイア戦で付与魔法を硬貨に施して閃光を放ったことを思い出し、あくまでも予測だが魔石に付与魔法を行った場合は更に強烈な閃光を生み出せるのではないかと考える。
「でも闇属性は何だろう……というか闇という響きが悪っぽいな……」
土属性や雷属性と同様に試した事が無い魔法であり、レナは闇属性の付与魔法を試しに利用する事にする。流石に最初から魔石に付与する訳には行かず、適当な小石に付与魔法を発動させた。
「闇属性……何だこれ、色が黒くなっただけ?」
掌の上の小石が黒色に変色し、特にそれ以外に変化はなく、レナは不思議に思いながら小石を指先で突いた瞬間に小石から黒煙が噴き出す。
「うわっ!?」
慌ててレナは小石を地面に放り投げると、まるで忍者が扱う煙玉のように黒煙が広がり、数秒程で消失する。その光景に動揺しながらもレナは小石を拾い上げ、効果を完全に失ったのか元の状態に戻っていた。
「煙幕を生み出すのか……でも地味に役立ちそうだな」
閃光を放つ聖属性の付与魔法と同様に目晦ましに扱えそうな魔法であり、場合によっては周囲を無差別に光で覆い尽くす聖属性の付与魔法よりも扱えるかも知れない。最後にレナは雷属性の魔石を確認し、覚悟を決めて魔石に付与魔法を発動しようとした瞬間、後方から怒鳴り声が上がる。
「ちょっと!!さっきからうるさいんだよ!!何を騒いでるんだい!!」
「あ、やばっ!?」
――建物の方から黒猫亭の宿主であるバルの怒声が響き渡り、レナは慌てて謝罪を行うために建物の方に戻る。流石に騒ぎ過ぎたため、他の客にも迷惑を掛けてしまい、結局は謝罪の後にもう二度と裏庭で騒がないように注意を施されてしまい、雷属性の魔石だけは実験する事が出来なかった。
レナは全属性の魔石を用意すると、まずは風属性の魔石を握りしめる。火属性の魔石に関しては付与魔法を発動した時は暴発してしまい、小規模の爆発を引き起こしてしまう。正確には付与した直後に爆発が起きた訳ではなく、相手に投擲を行える程の時間の猶予がある。
「風属性」
風属性の魔石を握りしめながら付与魔法を発動させ、誰もいない空間に向けて投擲を行う。その瞬間、魔石が発光した状態で魔石が砕け散り、周囲に突風が生じる。
「うわっ……凄いな」
魔石に秘められた魔力にレナの付与魔法を施した事で暴発を起こし、風属性の魔石だと突風が生じる事が判明した。続けて他の魔石を試そうとするが、レナは貴重な魔石をこのような実験で消費していいのかと一瞬だけ考えてしまい、それでも今後のために新しい戦闘方法は確保する必要があり、今度は土属性の魔石を試す事にした。
「雷属性は危なそうだしな……そもそもこの土属性というのは何だろう?」
一度も使用した事が無い付与魔法であり、どのような効果を生みだすのか試すため、レナは土属性の魔石に発動して投げ込む。最初は大量の土でも生み出されるのかと思ったが、予想に反して魔石は空中で砕け散るのと同時に破片が周囲に散らばる。
「うわっ!?」
予想外の速度で破片が散らばり、地面にめり込む程の勢いで砕けた魔石が沈み込む。その光景に動揺しながらもレナは地面にめり込んだ破片を観察し、まるで何十メートルの高さから落下したかのように地面に埋まっていた。
「まさか……重力を加算させたのか?」
あくまでもレナの予想だが、今までの魔石の壊れ方とは異なり、重力が増したように破片が加速した状態で飛び散ったように彼には見えた。土属性の付与魔法は重力を上乗せさせる魔法かと予測し、今度は別の物で試す事にした。レナは近くに落ちていた小石を拾い上げ、付与魔法を発動する。
「土属性!!」
今度は小石に付与魔法を施し、上空に投擲を行う。すると元の世界では別に野球部等に所属していたわけでもないのにプロ野球選手の剛速球のように小石が前方に移動を行い、やがて見えなくなる。その光景にレナは呆然と自分の掌を見つめ、予想通りと言うべきなのか土属性は「重力」を操作する魔法だと判明した。
「凄いな……この魔法は色々と役立ちそうだな」
この付与魔法ならば様々な用途に扱えそうであり、それと同時に土属性の魔石を組み合わせると炸裂弾のように周囲に破片を散らす事が出来る。続けてレナは水属性の魔石を握りしめ、今度は桶を用意して中に魔石を置いて付与魔法を発動する。
「水属性……うわぁっ!?」
レナの予想では大量の水が生まれるのかと考えていたが、結果としては彼の予測は当たってはいたが、予想以上に大量の水が生み出される。恐らくは小さな風呂が満たされる程の量の水分が排出され、桶を破壊して周囲の地面に広がってしまう。レナの身体にも大量の水が掛かり、全身が水浸しになってしまう。
「うえっ……これ後で怒られないかな……」
周囲が泥と化してしまい、後で宿の人間に怒られないのかと不安を抱くが、魔法で生み出した物は消失しやすいので時間が経過すれば魔石から生みだされた水分も蒸発する。飲み水としては利用できないが、身体を洗う事は出来るので一般家庭でも水属性の魔石は風呂を満たす水を生み出すためによく利用されている。
「これで風、火、水、土は確かめたけど……残りが厄介だな」
残された3つの魔石は「雷属性」「闇属性」「聖属性」であり、当然だが雷属性は後回しにする。まだレナは一度も試した事が無い魔法だが、明らかに魔法名の響きから危険が伺える。聖属性の方は普段から愛用している付与魔法ではあるが、魔石に施した場合はどうなるのかは試していない。
「けど多分、こいつと同じような結果になるだろうな」
レナは懐から元の世界の硬貨を取り出し、ヴァンパイア戦で付与魔法を硬貨に施して閃光を放ったことを思い出し、あくまでも予測だが魔石に付与魔法を行った場合は更に強烈な閃光を生み出せるのではないかと考える。
「でも闇属性は何だろう……というか闇という響きが悪っぽいな……」
土属性や雷属性と同様に試した事が無い魔法であり、レナは闇属性の付与魔法を試しに利用する事にする。流石に最初から魔石に付与する訳には行かず、適当な小石に付与魔法を発動させた。
「闇属性……何だこれ、色が黒くなっただけ?」
掌の上の小石が黒色に変色し、特にそれ以外に変化はなく、レナは不思議に思いながら小石を指先で突いた瞬間に小石から黒煙が噴き出す。
「うわっ!?」
慌ててレナは小石を地面に放り投げると、まるで忍者が扱う煙玉のように黒煙が広がり、数秒程で消失する。その光景に動揺しながらもレナは小石を拾い上げ、効果を完全に失ったのか元の状態に戻っていた。
「煙幕を生み出すのか……でも地味に役立ちそうだな」
閃光を放つ聖属性の付与魔法と同様に目晦ましに扱えそうな魔法であり、場合によっては周囲を無差別に光で覆い尽くす聖属性の付与魔法よりも扱えるかも知れない。最後にレナは雷属性の魔石を確認し、覚悟を決めて魔石に付与魔法を発動しようとした瞬間、後方から怒鳴り声が上がる。
「ちょっと!!さっきからうるさいんだよ!!何を騒いでるんだい!!」
「あ、やばっ!?」
――建物の方から黒猫亭の宿主であるバルの怒声が響き渡り、レナは慌てて謝罪を行うために建物の方に戻る。流石に騒ぎ過ぎたため、他の客にも迷惑を掛けてしまい、結局は謝罪の後にもう二度と裏庭で騒がないように注意を施されてしまい、雷属性の魔石だけは実験する事が出来なかった。
感想 263
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
S級冒険者の子どもが進む道
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。