文字の大きさ
大
中
小
41 / 207
スラム編
魔法の相性
「いや~今日も素晴らしいぐらいに平和ですね!!」
「そうだね……平和だね」
「……安眠日和」
レナがスラム街から帰還してから数日が経過し、特に何事もなく黒猫亭の宿屋で3人はのんびり過ごしていた。少し前までは宿に篭ってばかりで宿屋の人間から無職ではないのかと疑われている事にレナ達だが、この数日の間に3人は回復薬の売却で大量の銀貨と銅貨を稼ぐ。コトミンのお蔭で上質な回復薬が幾らでも生成出来るため、市場に連日訪れては回復薬の売却を行い、最近では下級回復薬だけでは買い取ってくれず、中級回復薬の方も大量に生成し、薬屋を営んでいる露天商を回って交渉を行う。
稼いだ金銭は3人で均等に分けており、1人当たり30枚近くの銀貨と100枚近くの銅貨を稼いでいる。これだけあればホノカが戻ってくるまで問題なく生活出来るが、アイリィの方は更に新しい調合器具と自分用の収納石付きの小袋を購入している。
「さてと……今日も地道に訓練しますか」
「また吸魔石に魔力を送り込むんですか?別に止めませんけど私達の補給分の魔力は残しておいてくださいよ」
「お前は魔石で回復出来るだろ」
「いや、そこはほら……レナさんならお金かからないじゃないですか」
「しょうがないな……ほら、コトミンもこっちに来い」
「んっ」
アイリィとコトミンを引き寄せてレナは聖属性の付与魔法を施し、彼女達に魔力を送り込む。コトミンはともかく、アイリィは大量の魔石を所持しているので自分の魔石で回復できるのだが、レナから直接魔力を与えられる方が効率よく、しかも余計な金銭も掛からない。
「喰らえっ!!ホ〇ミ!!」
「ほわぁああっ……」
「あ~……生き返ります。自分でも生きているのか分からない状態ですけど……」
2人に今日の分の魔力を分け与えると、レナは吸魔石に各属性の魔力を送り込む。地道に魔力を送り込む作業を日々繰り返し、現在の彼の魔法の熟練度はこのように上がっていた。
――付与魔法――
・風属性 熟練度:5
・火属性 熟練度:8
・水属性 熟練度:8
・雷属性 熟練度:4
・土属性 熟練度:3
・闇属性 熟練度:3
・聖属性 熟練度:10(限界値)
聖属性の時と違い、付与を施す対象が小さすぎるのが問題なのか上昇率はそれほど高くはなく、相性の問題もあるのか闇属性に関しては最初の頃から全く上昇していない。それでも徐々に他の魔法の熟練度は上昇しており、付与魔法の魔法書を見つけ出せば効率的に上昇できるのだが、レナはホノカが戻ってきた時に魔法書を取り寄せるように頼む事を決める。
「それにしても随分と魔力を込めましたね……どんだけ魔力を持て余しているんですか」
「これしかやる事ないからね……悲しい事に」
「……綺麗」
机の上には複数の吸魔石が置かれており、各属性の魔力を吸収しているので色違いに光り輝いている。ちなみに魔力が漏れ出しても問題ない様に机の上の吸魔石は箱型の透明の容器の中に隔離しており、この容器は回復薬を詰める時に利用される硝子瓶と同じ素材であり、アイリィがわざわざ用意してくれた「硝子箱」と呼ばれる魔道具である。この世界の硝子は魔法耐性も備えているらしく、この箱の中に吸魔石を入れて置けば外部に影響は生まれない。
机の上には七色の吸魔石が存在し、現在は先日にも役立った風属性の吸魔石を量産していた。回復薬で入手した稼ぎを吸魔石の購入費に利用し、今のレナには大量の吸魔石の予備が存在する。回収できれば何度でも扱える吸魔石だが、もしも無くした場合や連続で扱う事体に陥った事を考慮し、念のためにレナは余分に吸魔石に魔力を封じ込める。
「レナさんはどの属性が得意なんですか?」
「聖属性かな……だけど熟練度が限界値だからこれ以上は上がらない」
「はあ……付与魔法とは言え、熟練度をたった10日前後で限界値まで極めた人間なんて世界中探してもレナさんぐらいですよ」
「そうなんだ……だけど他の魔法の熟練度は上昇率が悪いんだけど……付与を施す対象が小さすぎるせいかな」
「単純に相性の問題もありますよ。聖属性が得意なら相反する属性の闇属性は苦手なんじゃないですか?」
「やっぱり魔法にも相性とかあるの?」
「ありますよ。治癒魔導士は聖属性が得意ですけど、闇属性は大の苦手です。人間の魔術師は火属性が得意な傾向ですけど、水属性は苦手ですね。人魚族とかは逆に水属性が得意ですけど火属性や雷属性は覚えられません。エルフ族は風属性が得意ですけど、他の属性も特に問題なく扱える事から魔法が最も優れているのはエルフ族だと言われていますね」
「なるほど……今更ながらに勉強になったよ」
レナは異世界人のため、全ての属性を覚える事が出来るが今までの傾向的に「土属性」と「闇属性」とは相性が悪く、逆に聖属性とは相性が良かった可能性が高い。火属性と水属性の熟練度に変化はないのは数値が高すぎるので上昇率が単純に低下したと考えられた。
「そうだね……平和だね」
「……安眠日和」
レナがスラム街から帰還してから数日が経過し、特に何事もなく黒猫亭の宿屋で3人はのんびり過ごしていた。少し前までは宿に篭ってばかりで宿屋の人間から無職ではないのかと疑われている事にレナ達だが、この数日の間に3人は回復薬の売却で大量の銀貨と銅貨を稼ぐ。コトミンのお蔭で上質な回復薬が幾らでも生成出来るため、市場に連日訪れては回復薬の売却を行い、最近では下級回復薬だけでは買い取ってくれず、中級回復薬の方も大量に生成し、薬屋を営んでいる露天商を回って交渉を行う。
稼いだ金銭は3人で均等に分けており、1人当たり30枚近くの銀貨と100枚近くの銅貨を稼いでいる。これだけあればホノカが戻ってくるまで問題なく生活出来るが、アイリィの方は更に新しい調合器具と自分用の収納石付きの小袋を購入している。
「さてと……今日も地道に訓練しますか」
「また吸魔石に魔力を送り込むんですか?別に止めませんけど私達の補給分の魔力は残しておいてくださいよ」
「お前は魔石で回復出来るだろ」
「いや、そこはほら……レナさんならお金かからないじゃないですか」
「しょうがないな……ほら、コトミンもこっちに来い」
「んっ」
アイリィとコトミンを引き寄せてレナは聖属性の付与魔法を施し、彼女達に魔力を送り込む。コトミンはともかく、アイリィは大量の魔石を所持しているので自分の魔石で回復できるのだが、レナから直接魔力を与えられる方が効率よく、しかも余計な金銭も掛からない。
「喰らえっ!!ホ〇ミ!!」
「ほわぁああっ……」
「あ~……生き返ります。自分でも生きているのか分からない状態ですけど……」
2人に今日の分の魔力を分け与えると、レナは吸魔石に各属性の魔力を送り込む。地道に魔力を送り込む作業を日々繰り返し、現在の彼の魔法の熟練度はこのように上がっていた。
――付与魔法――
・風属性 熟練度:5
・火属性 熟練度:8
・水属性 熟練度:8
・雷属性 熟練度:4
・土属性 熟練度:3
・闇属性 熟練度:3
・聖属性 熟練度:10(限界値)
聖属性の時と違い、付与を施す対象が小さすぎるのが問題なのか上昇率はそれほど高くはなく、相性の問題もあるのか闇属性に関しては最初の頃から全く上昇していない。それでも徐々に他の魔法の熟練度は上昇しており、付与魔法の魔法書を見つけ出せば効率的に上昇できるのだが、レナはホノカが戻ってきた時に魔法書を取り寄せるように頼む事を決める。
「それにしても随分と魔力を込めましたね……どんだけ魔力を持て余しているんですか」
「これしかやる事ないからね……悲しい事に」
「……綺麗」
机の上には複数の吸魔石が置かれており、各属性の魔力を吸収しているので色違いに光り輝いている。ちなみに魔力が漏れ出しても問題ない様に机の上の吸魔石は箱型の透明の容器の中に隔離しており、この容器は回復薬を詰める時に利用される硝子瓶と同じ素材であり、アイリィがわざわざ用意してくれた「硝子箱」と呼ばれる魔道具である。この世界の硝子は魔法耐性も備えているらしく、この箱の中に吸魔石を入れて置けば外部に影響は生まれない。
机の上には七色の吸魔石が存在し、現在は先日にも役立った風属性の吸魔石を量産していた。回復薬で入手した稼ぎを吸魔石の購入費に利用し、今のレナには大量の吸魔石の予備が存在する。回収できれば何度でも扱える吸魔石だが、もしも無くした場合や連続で扱う事体に陥った事を考慮し、念のためにレナは余分に吸魔石に魔力を封じ込める。
「レナさんはどの属性が得意なんですか?」
「聖属性かな……だけど熟練度が限界値だからこれ以上は上がらない」
「はあ……付与魔法とは言え、熟練度をたった10日前後で限界値まで極めた人間なんて世界中探してもレナさんぐらいですよ」
「そうなんだ……だけど他の魔法の熟練度は上昇率が悪いんだけど……付与を施す対象が小さすぎるせいかな」
「単純に相性の問題もありますよ。聖属性が得意なら相反する属性の闇属性は苦手なんじゃないですか?」
「やっぱり魔法にも相性とかあるの?」
「ありますよ。治癒魔導士は聖属性が得意ですけど、闇属性は大の苦手です。人間の魔術師は火属性が得意な傾向ですけど、水属性は苦手ですね。人魚族とかは逆に水属性が得意ですけど火属性や雷属性は覚えられません。エルフ族は風属性が得意ですけど、他の属性も特に問題なく扱える事から魔法が最も優れているのはエルフ族だと言われていますね」
「なるほど……今更ながらに勉強になったよ」
レナは異世界人のため、全ての属性を覚える事が出来るが今までの傾向的に「土属性」と「闇属性」とは相性が悪く、逆に聖属性とは相性が良かった可能性が高い。火属性と水属性の熟練度に変化はないのは数値が高すぎるので上昇率が単純に低下したと考えられた。
感想 263
あなたにおすすめの小説
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
S級冒険者の子どもが進む道
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。
なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。
生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。
しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。
二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。
婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。