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スラム編
魔法腕輪
「そういえばレナさんは付与魔術師でしたよね。という事は杖は使えないという事ですよね」
「そうだけど……」
付与魔術師は普通の魔術師のように杖等に取り付けられた魔石を触媒にして魔法の強化を行う事は不可能であり、魔石を使用する場合は魔石その物に付与魔法を施して攻撃に利用する事しかできない。そんな彼にアイリィは自分の鞄から銀色に輝く腕輪を取り出して手渡す。
「じゃあ、これを渡しておきますよ。これがあればレナさんでも魔法を強化できますよ」
「これって……もしかして魔法腕輪!?」
「……おおっ」
レナが以前から探し求めていた付与魔術師でも魔石の強化が行える魔道具であり、彼はアイリィがどうして魔法腕輪を所持していたのかを問いただすと、彼女は事も無げに答える。
「ここ最近の売買で複数の商人と人脈を築きましたからね。その伝手で手に入れたんですよ。結構なお金が掛かりましたけど、私なりの恩返しという事で……」
「本当にいいの?これって物凄く高かったんじゃ……」
「レナさん達のお蔭で私も大分稼がせてもらってますからね。別に気にしないで下さいよ」
「……ありがとう」
アイリィの言葉にレナは素直に感謝の言葉を継げると、彼女は珍しく気恥ずかしそうに頬を赤く染めて視線を反らし、一方でレナは早速左腕の方に魔法腕輪を装着する。
「これでいいのかな……」
「後は腕輪の窪みに加工した魔石を装着するだけですよ。そうすればレナさんの付与魔法も強化されるはずですから」
「……ちょっと格好いい」
レナの左腕に装着した銀色に輝く腕輪にコトミンが羨望の視線を向け、腕輪には7つの窪みが存在し、ここに通常よりも小型に加工された魔石を取り付ければ効力を発揮する。この腕輪を通して魔石の魔力が所有者に流れ込み、魔法の強化を自動的に行う。但し、杖と同様に魔石を媒介にして魔法の発動も出来るのだが、触媒を必要としに付与魔法しか扱えないレナには関係ない。
「これで良し……後は魔石を装着するだけか」
「お金が余ってるならこの際に魔石じゃなくて「魔水晶」でいいんじゃないですか?そっちの方が長持ちしますし……」
「魔水晶?」
「通常の魔石よりも純度が高い魔石の事ですよ。外見は水晶と酷似している事から魔水晶と呼ばれていますよ」
アイリィの説明によると魔水晶とは魔石よりも効果が高く、使用できる回数も多い高純度の魔石であり、外見は水晶のように美しい事から魔水晶と呼ばれており、この魔水晶は魔石よりも価値が高く、その分に高価で扱われている。それでもアイリィの話っでは魔法腕輪を使い続けるならば魔石よりも高性能の魔水晶の方が都合がよく、資金に余裕があるのならば魔水晶の購入を勧められる。
だが、生憎とレナの手持ち金は吸魔石の購入で予想外に使用してしまい、それ以前に魔水晶を取り扱っている店が少なく、市場に立ち寄ったとしても購入できる保証はない。
「今は普通の魔石を装着するよ……だけど魔石を加工する店とかあるの?」
「その場合は鍛冶師に依頼するといいですよ。魔石を用意して加工を願い出れば希望通りの規模に削り取ってくれるはずですから」
「鍛冶師か……となると中央通りに行かないとな」
「それなら私も一緒に行きますよ。間違っても相場の価格よりも高値を要求された時は、私が相場の半分以下の値段まで値切りしますから」
「頼りにしてるよ……コトミンは?」
「……二人が行くなら着いていく」
レナは二人を連れて帝都の中央部に存在する鍛冶屋に向けて移動の準備を整える。この帝都には多数の鍛冶屋が存在するが、その殆どが都の中心に存在し、移動の前に念のために武器の装備を行い、レナは右腕に「白銀拳」を装着する。
先日の酒場から追いかけてきた暗殺者の男性の件もあり、人通りの多い場所に移動する際はレナは武器を身につけて必ず移動するようになった。既に時間帯は夕方を迎えており、急がなければ鍛冶屋が閉まる可能性もある為、三人は急ぎ足で中央通りに向けて移動する。
「よし……2人も武器は持った?」
「いや、私は回復専門なのでそんな野蛮な物は持ち合わせませんよ」
「……私の場合は全身が武器」
「どういう意味だ……まあ、いざという時はアイリィの正体を現わせば相手は怖がって逃げるかも知れないな」
「しませんよ?脱皮なんかしませんよ?」
雑談を交えながら黒猫亭から抜け出し、3人は中央通りに向かう。その途中、スラム街の近くを通り過ぎるとスラム街の住民と思われる人間が騒ぎを起こしていた。別にそれだけならばそれほど特に珍しい事でもないのだが、今回は複数人の人間が警備兵に縋りついていた。
「た、助けてくれよ!!アンデットだ!!アンデットが現れたんだよ!!」
「またお前等か!!この間はスケルトンが現れた等と出鱈目を言いやがって……今度はアンデットだと!?」
「嘘じゃねえよっ!!本当にアンデットが3体現れたんだよ!!なあ、助けてくれよ!!」
「うるさい!!税金も真面に払わない屑共が……!!」
「く、くそっ……信じてくれよぉっ!!」
何処かで見覚えのある光景であり、先日にアイリィを見かけた男も騒ぎに混じっており、警備兵に必死の形相で纏わりついていた。彼以外にも複数人のスラム街の住民が兵士に泣きついており、何が起きているのかは分からないが、レナは彼等の言葉に「嘘」を言っていない事に気付く。
「そうだけど……」
付与魔術師は普通の魔術師のように杖等に取り付けられた魔石を触媒にして魔法の強化を行う事は不可能であり、魔石を使用する場合は魔石その物に付与魔法を施して攻撃に利用する事しかできない。そんな彼にアイリィは自分の鞄から銀色に輝く腕輪を取り出して手渡す。
「じゃあ、これを渡しておきますよ。これがあればレナさんでも魔法を強化できますよ」
「これって……もしかして魔法腕輪!?」
「……おおっ」
レナが以前から探し求めていた付与魔術師でも魔石の強化が行える魔道具であり、彼はアイリィがどうして魔法腕輪を所持していたのかを問いただすと、彼女は事も無げに答える。
「ここ最近の売買で複数の商人と人脈を築きましたからね。その伝手で手に入れたんですよ。結構なお金が掛かりましたけど、私なりの恩返しという事で……」
「本当にいいの?これって物凄く高かったんじゃ……」
「レナさん達のお蔭で私も大分稼がせてもらってますからね。別に気にしないで下さいよ」
「……ありがとう」
アイリィの言葉にレナは素直に感謝の言葉を継げると、彼女は珍しく気恥ずかしそうに頬を赤く染めて視線を反らし、一方でレナは早速左腕の方に魔法腕輪を装着する。
「これでいいのかな……」
「後は腕輪の窪みに加工した魔石を装着するだけですよ。そうすればレナさんの付与魔法も強化されるはずですから」
「……ちょっと格好いい」
レナの左腕に装着した銀色に輝く腕輪にコトミンが羨望の視線を向け、腕輪には7つの窪みが存在し、ここに通常よりも小型に加工された魔石を取り付ければ効力を発揮する。この腕輪を通して魔石の魔力が所有者に流れ込み、魔法の強化を自動的に行う。但し、杖と同様に魔石を媒介にして魔法の発動も出来るのだが、触媒を必要としに付与魔法しか扱えないレナには関係ない。
「これで良し……後は魔石を装着するだけか」
「お金が余ってるならこの際に魔石じゃなくて「魔水晶」でいいんじゃないですか?そっちの方が長持ちしますし……」
「魔水晶?」
「通常の魔石よりも純度が高い魔石の事ですよ。外見は水晶と酷似している事から魔水晶と呼ばれていますよ」
アイリィの説明によると魔水晶とは魔石よりも効果が高く、使用できる回数も多い高純度の魔石であり、外見は水晶のように美しい事から魔水晶と呼ばれており、この魔水晶は魔石よりも価値が高く、その分に高価で扱われている。それでもアイリィの話っでは魔法腕輪を使い続けるならば魔石よりも高性能の魔水晶の方が都合がよく、資金に余裕があるのならば魔水晶の購入を勧められる。
だが、生憎とレナの手持ち金は吸魔石の購入で予想外に使用してしまい、それ以前に魔水晶を取り扱っている店が少なく、市場に立ち寄ったとしても購入できる保証はない。
「今は普通の魔石を装着するよ……だけど魔石を加工する店とかあるの?」
「その場合は鍛冶師に依頼するといいですよ。魔石を用意して加工を願い出れば希望通りの規模に削り取ってくれるはずですから」
「鍛冶師か……となると中央通りに行かないとな」
「それなら私も一緒に行きますよ。間違っても相場の価格よりも高値を要求された時は、私が相場の半分以下の値段まで値切りしますから」
「頼りにしてるよ……コトミンは?」
「……二人が行くなら着いていく」
レナは二人を連れて帝都の中央部に存在する鍛冶屋に向けて移動の準備を整える。この帝都には多数の鍛冶屋が存在するが、その殆どが都の中心に存在し、移動の前に念のために武器の装備を行い、レナは右腕に「白銀拳」を装着する。
先日の酒場から追いかけてきた暗殺者の男性の件もあり、人通りの多い場所に移動する際はレナは武器を身につけて必ず移動するようになった。既に時間帯は夕方を迎えており、急がなければ鍛冶屋が閉まる可能性もある為、三人は急ぎ足で中央通りに向けて移動する。
「よし……2人も武器は持った?」
「いや、私は回復専門なのでそんな野蛮な物は持ち合わせませんよ」
「……私の場合は全身が武器」
「どういう意味だ……まあ、いざという時はアイリィの正体を現わせば相手は怖がって逃げるかも知れないな」
「しませんよ?脱皮なんかしませんよ?」
雑談を交えながら黒猫亭から抜け出し、3人は中央通りに向かう。その途中、スラム街の近くを通り過ぎるとスラム街の住民と思われる人間が騒ぎを起こしていた。別にそれだけならばそれほど特に珍しい事でもないのだが、今回は複数人の人間が警備兵に縋りついていた。
「た、助けてくれよ!!アンデットだ!!アンデットが現れたんだよ!!」
「またお前等か!!この間はスケルトンが現れた等と出鱈目を言いやがって……今度はアンデットだと!?」
「嘘じゃねえよっ!!本当にアンデットが3体現れたんだよ!!なあ、助けてくれよ!!」
「うるさい!!税金も真面に払わない屑共が……!!」
「く、くそっ……信じてくれよぉっ!!」
何処かで見覚えのある光景であり、先日にアイリィを見かけた男も騒ぎに混じっており、警備兵に必死の形相で纏わりついていた。彼以外にも複数人のスラム街の住民が兵士に泣きついており、何が起きているのかは分からないが、レナは彼等の言葉に「嘘」を言っていない事に気付く。
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