最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ

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ゴブリンキング編

治療院

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「ここが治療院か……でかいなぁ」
「王城を除けば一番の大きさを誇る建物ですからね。巨人族の方でも入れるように設計されてますから大きいですよ」
「なるほどね」
「……ホネミンが浄化されそう」
「されませんって……多分」
「多分かよ」
「入口はここか?」


4人は少女の後を追って陽光教会の建物の前に到着する。帝都の中でも王城の次に巨大な建物であり、巨人族でも尋ねられるように設計されているのか巨大な扉が存在し、ゴンゾウが扉を押し開いて中に入り込むと、最初に見えたのは大勢の修道女が忙しなく動く光景だった。


「ちょっと!!薬が足りないわ!!早く持ってきて!!」
「先輩!!また冒険者の団体が治療を求めてます!!」
「薬草の補充はまだなの!?」


先ほどの少女のように青色のローブを纏った女性たちが働いており、その手元には木箱を運んでおり、中身は大量の回復薬の硝子瓶が入っている。レナ達はその様子を見て誰に話しかければいいのか悩んでいると、1人の修道女が近付いてくる。


「こちらは陽光教会です。何が御用ですか?」


レナ達の前に現れたのは銀髪の女性であり、年齢は20代前半と思われるが、先ほどの少女と比べるとスレンダーな体型であり、他の修道女と違う点は彼女の胸元には天使の羽根を想像させる紋様の刺繍が施されている。この女性だけ雰囲気が他の修道女とは違い、普通の修道女ではない事を4人は悟った。


「あの……すいません。さっき、ここの修道女と思う人がこれを落したんですけど……」
「これは……?そうでしたか、わざわざお持ちいただきありがとうございます」


先ほど遭遇した修道女の少女が落とした魔力回復薬をレナが差し出すと、女性は驚いた表情を浮かべて回復薬を受け取り、彼等に礼を告げる。予想よりも早く用事を終え、レナ達は残る理由も無いので引き返そうとすると、女性は何かに気付いたようにレナに声を掛ける。


「あっ……!?お待ちください!!もしかして貴方は……」
「はい?」
「知り合いですかレノさん?」
「いや……」


女性の顔には見覚えが無く、特に心当たりはないのだが彼女は自分のポケットから小瓶を取り出し、彼に差し出す。


「この薬瓶に見覚えは?」
「え?」
「あ、これって……」


レナは差し出された空瓶を受け取り、アイリィが何かに気付いたように声を上げる。すぐにレナも硝子瓶の形状に見覚えがあり、レナが生み出した聖水の入れ物として利用してた小瓶で間違いなかった。


「これは何処で……」
「実は先日、とある集団が市場に大量の回復薬を商人に売買している話が教会に届きました。一体何処から仕入れているのかは分かりませんが、毎日のように大量の下級回復薬を持ってきては手頃な価格で売買を行っていると聞いてます。気になる事があるのはこの売却されている下級回復薬の効果が我々が生み出している物よりも高いという話です」
「へ、へぇっ……」
「そして先日、教会の修道女が偶然にも市場に訪れている3人の男女を発見しました。彼女の話によるとその内の少女の1人が白色に光り輝く液体の小瓶を取り出して飲用していたと聞いています。彼女はそれを小袋に戻したと思っているのかも知れませんが、実は帰り際に道に落としたそうです」
「あっ!!あの時の落した奴ですか!!」
「ちょっとっ!?」
「……やはり、貴方達でしたか」


アイリィの発言で女性はレナ達の正体を見抜き、目つきが鋭くなる。陽光教会(治療院)は回復薬の販売も行っており、もしかしたらこれまでの行為が教会側の営業妨害として目を付けられたのかと不安を抱くが、アイリィがレナの前に移動する。


「あ~……一つお尋ねしますけど、この薬瓶は私達の物です。でも、それが何か問題ありますか?別に回復薬の販売は教会側の特権じゃありませんよね?実際に回復薬の販売はお金に困った冒険者も良くやる事ですし……」
「確かにそうですね。これが回復薬だけの販売ならば問題はないのですが……聖水の場合は話は別です。この帝国では聖水の生成は教会だけが法律的に認められているはずですが」
「えっ」
「えっ?」
「……えっ?」


女性の言葉にアイリィが呆気に取られたような声を上げ、一方で反論を待ち構えていた女性の方も予想外の反応に動揺し、レナもアイリィがいつも通りに口論を行うと思っていたのだが、彼女の反応は今までにないほど焦っていた。


「あ、あ~……そうですか、そんな法律があったんですか……へぇ~」
「あの……もしかして知らなかったのですか?」
「……黙秘します」
「いや、そこで黙っちゃ駄目だろ……というか法で定められていたのか」


流石のアイリィも帝国の法律で聖水の生成が禁じられていた事は知らなかったようであり、彼女の言葉にレナは頭を抑え、まさかこんな事で警備兵に捕まるのかと考えると胃が痛くなった。だが、女性の次の言葉はレナとアイリィには予想外の発言だった。


「……ですが、もしも貴女方の聖水の生成方法を教えて下さるというのなら今回の件は不問にします。いえ、むしろどうか私達にお教えください……!!」
『えっ?』


女性はその場で深々と頭を下げ、驚くべき事にレナ達に聖水の製造方法を教えるように懇願する。そんな彼女の行動にレナ達は呆気に取られる。
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