最強の職業は付与魔術師かもしれない

カタナヅキ

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ゴブリンキング編

聖魔導士のミキ

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レナ達は修道女に案内され、応接室に移動する。彼女の名前は「ミキ」というらしく、教会の中では特別な地位の人間である事は間違いなく、彼女が廊下を通り過ぎる際に遭遇した他の修道女は全員が彼女に頭を下げる。応接室でレナ達はミキと机の前で対面する形で椅子に座り込む。


「それでは話を戻しますけど、聖水の製造法を教えて欲しいというのはどういう事ですか?治療院だって聖水を生産しているじゃないですか」
「確かにその通りなのですが、実はとある理由で現在この治療院は聖水の生産を中断しているのです。現在は回復薬の生産だけを行っていますが……」
「そうなんですか?」
「だけど聖水は治療院だけが生産できる薬品ですよね。その生産を中断するなんてどういう事ですか?」
「それは……申し訳ありませんが話す事は出来ません」
「もしかしてですけど、こちらの聖水の製造法を聞き出そうとしているのはこの治療院の現在の製造法が何らかの理由で実行できず、だから代わりの製造法を聞き出そうとしているんじゃないですか?」


アイリィの言葉にミキは黙り込み、やがて溜息を吐く。その態度を肯定と受け取り、次はレナの方が質問を行う。


「どうして聖水の生産が出来なくなった理由を聞いてもいいですか?」
「お答えしなければなりませんか?」
「……気になる。教えて」


コトミンの素直な質問にミキは視線を反らし、教会側としては部外者に話したくはない理由があるのかも知れないが、レナ達としても理由を教えて貰わずに聖水の製造法を提供する事は出来ない。ここでミキが先ほどの帝国の法律の事を持ち出してしまえばレナ達は彼女に従うしかないのだが、彼女は観念したように理由を話し始める。


「実は……教会で聖水を生産するにはとある御方の御力が必要なんです。ですが、現在はその方はある理由で聖水を生産出来ない状態なんです」
「病気か何かですか?」
「そう……ですね」
「それ、嘘ですよね」
「えっ?」
『えっ?』


ミキの言葉を聞いたレナはすぐに彼女の声に「嘘」を感じ取り、咄嗟に否定してしまう。そんな彼の反応に部屋の中の全員が驚くが、レナは自分の迂闊さに内心冷や汗を掻きながらもミキに問い質す。


「えっと……実は俺は真偽眼……という程ではありませんけど人の嘘を見抜く事が出来ます。声を聴く事が前提の能力ですけど」
「本当ですかレノさん?」
「……初めて知った」
「凄いな……」
「……信じられませんね。確かに人の嘘を見抜く能力スキルは複数存在しますが、声を聴くだけで嘘かどうかを判別できる能力は聞いたことがありません」
「あ、その言葉も嘘ですよね。本当は知っているんじゃないですか?」
「えっ……」


彼女が疑わし気にレナを睨み付けるが、そんな彼女の言葉にも嘘が混じっている事に気付き、レナは指摘する。彼の言葉にミキは黙り込み、ゆっくりと頷く。


「……そうですね、確かに声を聴く事で相手の嘘を判別……という程ではないですが感情を見抜く能力が存在すると聞いたことがあります。そう考えると貴方の言葉も嘘ではないのかも知れませんが……本当に嘘かどうかを見抜けるのですか?」
「まあ……正確に言えば意識を読むというか……嘘を見抜く事も出来ます」
「では……先ほどの私の言葉が嘘だと気づいたのですか?」
「聖水を作っている人が病気というのは嘘ですよね。何か他の理由があるのでは?」
「それは……分かりました。本当の事をお話しましょう」


嘘が通じない相手だと判断したのか、ミキは神妙な表情を抱き、机の上に置いてあったベルを鳴らす。すぐに部屋の外から使用人が姿を現し、彼女は何事か指示を行うと使用人を退出させ、レナ達と向かい合う。


「皆様は巫女姫様の存在を御存じですか?」
「巫女姫……様?」
「陽光教会の一番偉い人ですね。教会の象徴とも言われている存在と聞いてますけど……」
「その通りです。ですが、実は先月に先代の巫女姫様がお亡くなりになり、現在は新しい巫女姫様が選ばれたのですが……この御方は現在は魔法が使えないのです」
「どういう事ですか?聖水を作り出すのに魔法が扱えないと生み出せないんですか?」
「……そうです。聖水を生み出すには巫女姫様の魔力が必要不可欠なのですが、今の巫女姫様はある理由で魔法の使用を控えています」
「どういう事ですか?魔法を使用出来ない理由があるんですか?」
「……魔力要領が歴代の巫女姫様と比べると少ないのです。だから1日で扱える魔法の使用回数が限られています」


ミキの言葉に全員が顔を見合わせ、さらに詳しい話を聞く事にした。
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