64 / 207
ゴブリンキング編
ミキの条件
レナは自分の荷物から吸魔石と聖水を取り出し、どのような方法で自分が聖水を生み出したのかをミキに事細かく説明する。最初は飲料水に聖属性の魔力を封じ込めた吸魔石を数日間だけ浸けさせると聞いたミキは疑問を抱いたが、実際にレナ達が所持している聖水を受け取り、その効果を自分自身で確認して驚愕する。教会が現在生産している聖水よりもレナが生み出した聖水の方が効果が高い事が判明し、彼女は驚きを隠せない。
「これは……信じられません!!まさかこれほどの効果を生み出す聖水を作り出すなんて……!?」
「吸魔石の性質を最大限に生かした製造法ですからね。だけど定期的に吸魔石を取り替えないといけませんし、それに時間経過によって効果が弱まりますから気を付けてください」
「これが俺達の聖水の作り方です。どうですか?」
「……吸魔石と飲料水、それに聖属性の使い手ならば誰でも利用できる方法ですね。この事は他の方には伝えていませんか?」
「まさか、誰にも喋ってませんよ。企業秘密ですから」
「分かりました……ですが、実際に我々の方も確かめない限りは今すぐには報酬は渡せません。その代わりに前金として半分の金貨を支払い、後日に製造法の実証性が確認されたら残りの報酬をお渡しするというのはどうでしょうか?もちろん、契約書が必要ならば用意します」
「いいんじゃないですか?契約書も書いて貰えるなら別に今は報酬の半分だけでも問題ないですよね」
「そうだね」
ミキは使用人を呼び寄せて羊皮紙を用意させ、アイリィが代表として今回の取引の契約書を書き記し、ミキに内容を確認させてからお互いの名前を書き記す。製造法を発見したのはレナなのだが商売に関することは全てアイリィに任せており、彼女が契約書に代わり名前を書き込む。
「それでは契約成立という事で今日の所は帰らせて貰いますね。あ、でも他の皆さんは何か頼みたい事はありますか?」
「……特にない」
「俺は部外者だから口を挟めない」
「あ、それならもう一つお願いしていいですか?」
「なんでしょうか?」
アイリィの言葉にコトミンとゴンゾウは首を振るが、レナは良い事を思いついてミキに提案を行う。
「ここにいるゴンゾウ君は……えっと、俺達の友達なんですけど、実は彼は冒険者になるためにこの帝都まで訪れたんです」
「まあ……巨人族の領土からこの場所まで辿り着くのは大変だったでしょう」
「ですけど今の冒険者ギルドは一般人の志望を禁止しています。ギルドの関係者の紹介がないと冒険者にはなれないんですけど、もしも教会が冒険者ギルドとも親交があるなら彼を冒険者ギルドに推薦して欲しいんですけど」
「レノ!?」
レナの発言にゴンゾウが驚愕し、アイリィとコトミンも少し驚いた表情を浮かべるが、一方でミキはゴンゾウに視線を向け、彼の肉体を確認して眉を顰める。
「……彼はまだ子供ではないですか?いえ、成人年齢を迎えていたとしても巨人族の中でも小柄な方ですね。それに魔物との戦闘経験は……」
「俺は小さい頃から畑仕事を行っていた。だが、父親は元傭兵で戦う術は学んでいる。魔物との戦闘も昔から慣れている。俺は確かに他の巨人族と比べると小さい方だが、腕力なら俺が住んでいた村の中では一番の力持ちだった」
「なるほど……それなら今からその力を確かめさせてもらいませんか?冒険者ギルドに紹介する前に私自身が力を確かめましょう」
「……貴女が?」
ミキの発言にゴンゾウが驚愕し、レナ達も動揺を隠せない。彼女は椅子から起き上がり、自分の着ているローブを脱ぎ去るとその下には銀色の鎖帷子を纏っており、更に左腕の方にはレナも装備している魔法腕輪も存在し、彼女は右腕に取り付けているブレスレットに掌を構えると、どうやら収納石が取り付けられていたようであり、杖と槍が組み合わさったような武器が空中に出現した。
後にレナは知った事だが、ミキが取り出したのは「魔槍」と呼ばれるこの世界にしか存在しない武器であり、魔法の力を高める杖と、それなりにリーチが存在する長槍を組み合わせた武器らしく、聖剣や魔剣とは違った性質の非常に珍しい武器である。彼女は魔槍を握りしめ、その場で一度だけ回転させるとゴンゾウと向き合い、窓の外を指差す。
「外に移動しましょう。元冒険者として、貴方の力量を確かめさせてもらいます」
「これは……信じられません!!まさかこれほどの効果を生み出す聖水を作り出すなんて……!?」
「吸魔石の性質を最大限に生かした製造法ですからね。だけど定期的に吸魔石を取り替えないといけませんし、それに時間経過によって効果が弱まりますから気を付けてください」
「これが俺達の聖水の作り方です。どうですか?」
「……吸魔石と飲料水、それに聖属性の使い手ならば誰でも利用できる方法ですね。この事は他の方には伝えていませんか?」
「まさか、誰にも喋ってませんよ。企業秘密ですから」
「分かりました……ですが、実際に我々の方も確かめない限りは今すぐには報酬は渡せません。その代わりに前金として半分の金貨を支払い、後日に製造法の実証性が確認されたら残りの報酬をお渡しするというのはどうでしょうか?もちろん、契約書が必要ならば用意します」
「いいんじゃないですか?契約書も書いて貰えるなら別に今は報酬の半分だけでも問題ないですよね」
「そうだね」
ミキは使用人を呼び寄せて羊皮紙を用意させ、アイリィが代表として今回の取引の契約書を書き記し、ミキに内容を確認させてからお互いの名前を書き記す。製造法を発見したのはレナなのだが商売に関することは全てアイリィに任せており、彼女が契約書に代わり名前を書き込む。
「それでは契約成立という事で今日の所は帰らせて貰いますね。あ、でも他の皆さんは何か頼みたい事はありますか?」
「……特にない」
「俺は部外者だから口を挟めない」
「あ、それならもう一つお願いしていいですか?」
「なんでしょうか?」
アイリィの言葉にコトミンとゴンゾウは首を振るが、レナは良い事を思いついてミキに提案を行う。
「ここにいるゴンゾウ君は……えっと、俺達の友達なんですけど、実は彼は冒険者になるためにこの帝都まで訪れたんです」
「まあ……巨人族の領土からこの場所まで辿り着くのは大変だったでしょう」
「ですけど今の冒険者ギルドは一般人の志望を禁止しています。ギルドの関係者の紹介がないと冒険者にはなれないんですけど、もしも教会が冒険者ギルドとも親交があるなら彼を冒険者ギルドに推薦して欲しいんですけど」
「レノ!?」
レナの発言にゴンゾウが驚愕し、アイリィとコトミンも少し驚いた表情を浮かべるが、一方でミキはゴンゾウに視線を向け、彼の肉体を確認して眉を顰める。
「……彼はまだ子供ではないですか?いえ、成人年齢を迎えていたとしても巨人族の中でも小柄な方ですね。それに魔物との戦闘経験は……」
「俺は小さい頃から畑仕事を行っていた。だが、父親は元傭兵で戦う術は学んでいる。魔物との戦闘も昔から慣れている。俺は確かに他の巨人族と比べると小さい方だが、腕力なら俺が住んでいた村の中では一番の力持ちだった」
「なるほど……それなら今からその力を確かめさせてもらいませんか?冒険者ギルドに紹介する前に私自身が力を確かめましょう」
「……貴女が?」
ミキの発言にゴンゾウが驚愕し、レナ達も動揺を隠せない。彼女は椅子から起き上がり、自分の着ているローブを脱ぎ去るとその下には銀色の鎖帷子を纏っており、更に左腕の方にはレナも装備している魔法腕輪も存在し、彼女は右腕に取り付けているブレスレットに掌を構えると、どうやら収納石が取り付けられていたようであり、杖と槍が組み合わさったような武器が空中に出現した。
後にレナは知った事だが、ミキが取り出したのは「魔槍」と呼ばれるこの世界にしか存在しない武器であり、魔法の力を高める杖と、それなりにリーチが存在する長槍を組み合わせた武器らしく、聖剣や魔剣とは違った性質の非常に珍しい武器である。彼女は魔槍を握りしめ、その場で一度だけ回転させるとゴンゾウと向き合い、窓の外を指差す。
「外に移動しましょう。元冒険者として、貴方の力量を確かめさせてもらいます」
あなたにおすすめの小説
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい
冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。
何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。
「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。
その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。
追放コンビは不運な運命を逆転できるのか?
(完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)